▽記録者コメント
仮面ライダー、ゲンエイン、この二つの呼称が流通したことにより、各種プラットフォームにおける当該事象の目撃情報は加速度的に増えている。
怪談師や呪物コレクターなどのホラー系インフルエンサーをはじめ、超常現象に注目する界隈では、ゲンエインの話題が中心となっている。
当ブログも心霊系YouTuberに取り上げられた。
ゲンエインブーム前から、様々な媒体を通して仮面ライダーやゲンエインの存在を研究していたブログとのことだ。
おおよそ私の活動理由と乖離はない。許可取りはなかったものの弾圧するつもりはない。
SNSで投稿されている各動画の真偽はともかく、ゲンエインの目撃情報においてある程度、一貫した生態が予想できる。
1.シャドウピープルは影の姿と怪物の姿、そして特殊な姿を持つ。影の姿では物理的干渉は不可、怪物の姿と特殊な姿でのみ物理的干渉が可能。
2.特殊な姿への変化は多岐にわたると考えられるが、現時点で確認されているのは動物(猫、虎)や無機物(ダルマ、お雛様)のみである。
3.シャドウピープルは普段は目立たない場所に生息する。しかし、目的を持った時に人目に付くところに現れる。
4.シャドウピープルは基本的に人間に危害を加える存在である。人間の利益になるような活動はしない。
おおよそ看護記録の際に考察した生態と同一である。
リアリティのある動画に出てくるゲンエインはこの生態に準じており、創作動画ほどゲンエインは突飛な設定がつけられる。
この生態は真偽を判別する上で重要な要素になるだろう。
今回の記録で扱う文献はTwitter上でやり取りされたゲンエインとの接触報告について整理する。
2022年09月25日、SNSプラットフォーム『Twitter』に投稿されたツイートが始まりである。
『2022-09-25 20:13 ゆーた@yuta0905kimura
乗り過ごした〜やらかし』
ありふれた日常を呟いたそんなツイートが、やがてゲンエインの生態を示す重要な資料となっていく。
以下に該当アカウントのツイートと添付された写真、動画の文字起こし、そして内容の整理を行った文書を記載する。
▼2022-09-25 ゆーた@yuta0905kimuraの投稿群について
当事者である『ゆーた@yuta0905kimura』は当時、フォロー125人、フォロワー0人、普段は会社の愚痴やソシャゲのスクショ、プレゼント企画のRTなど雑多なツイートをしている壁打ちアカウントだった。
オカルトに傾倒している様子はなく、ゲンエインおよびシャドウピープルに関するツイートも見られない。
問題の投稿は、終電内での『寝過ごし』をきっかけに開始される。
『2022-09-25 20:13 乗り過ごした〜やらかし』
この投稿の直後、無人駅の駅名を示す写真が投稿された。会社の愚痴ツイートを交えながらも、自分が帰るにはどうするべきかを考えるようなツイートが立て続けに投稿されている。
『2022-09-25 20:34 あれ飛び降り?』
このツイートともに一本の動画が投稿された。反対側のホームの奥に線路を覗き込むように立ち尽くす人影の姿が映し出されている。前後に揺れる男の姿はたしかに飛び降りをする前にも見えた。
『2022-09-25 20:36 あれ居ない』
『2022-09-25 20:36 反対にいる。いつの間に』
また反対のホームの奥で線路を覗き込むような人影が映し出された映像が投稿された。前の動画と同じような前後に揺れる男が、前の動画とは異なる背景で映し出されている。
その後、『こっち向いてね』と言うツイートと共に立ち止まった人影が撮影者の方をじっと見つめているように硬直している動画が投稿された。
『2022-09-25 20:38 ひと?』
撮影者の方を見る人影を画角を変えながら撮影している映像が投稿された。カメラの画角を引いても、寄せても色は変わらず黒いまま。動画の中で撮影者は「なに」「え」と取り乱すような声を出している。
その後も人影を観察するツイートや撮影した動画の投稿は続いた。投稿者は目の前に居るのが人ではないことに気付き、投稿内容は取り乱したものへと変化していく。
『2022-09-25 20:53 どっか行った』
それまで立ち尽くして撮影者を見ていた人影が、片手を上げて手を振った。その後、線路の中に飛び降りていき、線路の上を歩いていく。撮影者は人影を追いかけるようについていくが、「どこ」と言う言葉と共に動画は終わった。
その後、投稿は一時的に途絶えた。投稿が再開されたのは約三十分後、一枚の廃墟の写真と共に簡潔な文章が投稿された。
『2022-09-25 21:28 ここ?』
外壁に蔦が張り巡らされている明らかに放置された建物の写真。投稿者はその中に入ったようであり、以降は廃墟内の写真や動画を投稿することになった。
『2022-09-25 21:35 誰かいる』
廃墟内を歩く動画が投稿される。
当初は無言で廃墟内を歩くだけの動画だったが、途中から物音や声のようなものが動画内に入るようになり、動画の最後には明らかに何かしらの声や鳴き声が聞こえるようになった。
『2022-09-25 21:37 なんだこいつら』
その投稿とともに上げられた一枚の画像。物陰から部屋の中を撮影するような画像であり、そこには複数体の影と動物、そして異形の化け物が集まっていた。中央には五匹ほどのネズミ、三匹の猫、一匹の犬、全身にリボンがつけられた人型の怪物、体中に蛇が絡みついたような人型の怪物などが集まっており、それを見物するように外側に無数の影が囲んでいる。
『2022-09-25 21:45 なんか話してる』
二分尺の動画が添付されている。物陰に隠れて部屋の中を撮影しており、手ブレは激しいが先程の写真と同じ構図で影、動物、異形の化け物が並んでいる。不鮮明な音声だが、聞き取れた情報を以下に記載する。
甲高い声:人間は自分こそが一番だと……でいる
低い男性の声:犬こそが一番
甲高い声:ネズミ……だ
落ち着いた女性の声:誰が一番とかどうでもいい
甲高い声:(判別不可能)
中音域の男性の声:議題はそこではありません
子どもの声:なんで……よんだ
中音域の男性の声:いかに我々の立場を人間よりも高くするか
落ち着いた女性の声:そうね
甲高い声:だが……我々、ネズ……だろう!
くぐもった女性の声:低俗な脳みそね
低い男性の声:(判別不可能)
中音域の男性の声:我々、影の存在はこのままでは迫害されるだけ
中音域の男性の声:ならば、我々が人間へ攻勢を仕掛けるべき、そうは思いませんか
甲高い声:(判別不可能)
低い女性の声:ならば……どうする?
子供の声:(判別不可能)
高い女性の声:攻撃でしょ
中音域の男性の声:我々の威信を掛けた戦い、言わば戦争です
動画の内容は以上である。その後も会話の動画は投稿されていたが、ある時間を境に投稿が止まる。
『2022-09-25 23:15 あぶなかった』
そのツイートと共に複数の動画が連続して投稿された。
それらの動画の内容について以下に書き起こす。
撮影者は影の会話を撮影していたが、甲高い声が何かを叫んだ瞬間に、その場にいた影たちは一斉に撮影者の方を向いた。低い女性の声が「逃がさないで!」と叫ぶと、ネズミや犬、猫、影たちは異形の化け物へと変化し、撮影者の方に向かってきた。
撮影者は逃げ出したが、声は追いかけてくる。物陰に隠れて逃れようとするが、すぐに見つかり逃げ出すというのを繰り返していた。駅が見えた時、撮影者は人とぶつかる。
映し出されたのは下半身のみで、灰色のスウェットとビーチサンダルを履いた男だった。その男は撮影者に「危ねぇぞ」と言うと、撮影者を素通りし怪物の方へと歩いていった。
撮影者は「なんだあいつ!」と叫びながら駅の方へと走っていくと、画面外から眩い光が放たれ、駅が大きく照らされた。
『2022-09-26 08:56 なんだったんだよ』
その投稿とともに今回の投稿群は幕を閉じる。
投稿の数時間後、ゲンエインと仮面ライダーの目撃情報としてTwitter上で瞬く間に拡散された。
当初、投稿者はユーザーの質問に対して返答していた。次第に反応が適当になっていき、アカウントは非公開状態になり、数日後、アカウントは削除された。
▽記録者コメント
当該投稿群はゲンエインの生態における重要な手がかりを示している。
それは『ゲンエインは人語を介し、社会性を持ち合わせている』ことである。
人間とは似ても似つかない姿を持つ存在が人間の言葉を扱い、同族と結託することができる。
動画の内容からゲンエインにも個体差はあるようだが、『人間を守る』『害さない』という選択を提示した個体は存在しない。
そこからも『ゲンエインは人間に危害を加える存在』ということが読み取れるだろう。
ゲンエインが社会を形成することができる以上、仮面ライダーがどういう立場なのかも考察する必要がある。
現状、仮面ライダーの特徴は以下の通りである。
・黄色い昆虫のような大きな目、ヒーローの仮面のような見た目、青と白の装甲を持つ人型の存在である。
・スウェットなどラフな服を着た人間が変身している。
・ゲンエインと敵対しており、人間を守るような動きをしている。
・変身時に眩い光が放たれる。
・戦い方は暴力的であり、殴る蹴るなどがメイン。
現在の情報を精査すると、何かしらの技術を利用してゲンエインと戦う力を手に入れたものと考えられるが、確固たる証拠がない以上、これも私の妄想の域を出ない。
これからも、ゲンエイン、および仮面ライダーに関する情報を記録していく。
以下に私のメールアドレスを記載するため、確かな情報があった場合、連絡していただけると幸いだ。