転生フロムゲーマー、神ゲーに挑まんとす   作:人外が着ているスーツ

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薪であり、王であり、夜渡りであり、鴉であり...そして今や開拓者に成らんとしている


プロローグ 

フロムゲーを買った帰り道に落雷で即死した俺は、本能で身を挺してソフトを守った執念をゲームの神に認められ、フルダイブVRゲームが主流の日本へと転生した

 

まあその時は有頂天だったさ、だってフルダイブVRゲームだぜ?

ACに乗ったり、ほおずきを見たりしてフロムゲーを全力で楽しめると思ったら一瞬で転生に了承したさ。

でもよ、フロム自体が綺麗サッパリ存在しないし、ブラボもアーマードコアもダクソも無い。

神様は俺がゲームが好きで身を挺したとしか考えてないよなこれ、俺はフロムゲーだから守ったんだぞ。

そんなこんなでもう成人、親とも別れて一人暮らし。

フルダイブ型ゲームとしての黎明期前に買った株のおかげで不労所得が確定したは良いものの、未だにフロム系作品と思われるものは市場に上がってこない。

枯渇していくフロゲニウムを補充するために俺が選んだのは似たようなゲームを練り歩くだけだった。

 

関節まで完全思考操作を要求されるAC風な『ネフェリム・ホロウ』

殺意に満ちた刀狂いが集う隻狼風な『辻斬・狂想曲・オンライン』

入院騒ぎでサービスが停止したブラボ風な『サバイバル・ガンマン』

ダクソ風の世紀末略奪ゲー『ユナイト・ラウンズ』

他にもあるがどれもクセが強すぎるクソゲーや過疎ゲーである。

 

どうやってそんなゲーム達からフロゲニウムを摂取するのかって?

なんかこう、脳が似た要素があるとオートで反応するのだ。

隻狼の「危」であったり、ダクソとかの効果音であったり、ACのロックオンだったりが勝手に流れるのはフロム脳の一部がそうさせているのだろうか。

ちょっとした説明文に深読みしてしまったり、NPCに対する感情がちょっとアレ気味だったりと弊害もあるが…。

俺はそうした事で枯渇するフロゲニウムを摂取する生き物になってしまったらしい。

 

まあそんなプレイスタイルでも普通のゲームは出来るし、隻狼の「危」に関してはかなり有能なリアルパッシブとして使っている。

正直人力ハードウェアチートだと感じている。

今日のフロゲニウム摂取のノルマを果たした俺は、ネッ友に呼ばれて数少ない格闘ゲーム【ベルセルク・オンライン・パッション】にネッ友に呼ばれてログインしていた。

 


【ベルセルク・オンライン・パッション】略してベンP、更に略して便秘。

まともなゲームがそんな略称を付けられるわけもなく、これもクソゲーの枠に入る。

1日の総ログインは100人以下で対戦する殆どが知り合いであるほどの超過疎ゲー。

でも不思議とサービスは続いている、俺は運営に石油王が居ると思っていた。

 

ここでの俺の名は【鉄拳キノコン】

かのダクソに登場した2歩足の某きのこ人先輩をイメージにして名付けた、格ゲー専用の名前だ。

ちなみに俺はゲームによってフロムに登場するキャラや敵をオマージュした名前で変えている。

 

「ようやく来たなキノコン」

「おせーぞ」

 

待ち合わせていたのは二人、サンラクとモドルカッツオというネッ友である。

 

「ああゴメン、先に対戦した?」

「今するとこ」

 

どうやらサンラクとカッツオが試合をするらしい

ちなみに格ゲーの設定でメジャーなのは【何でもあり(バーリトゥドウ)】だが、ここでこのゲームが真にニッチな人気がある理由が存在する

戦闘開始と同時にカッツオの()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「うえ、気持ち悪い()()り方だな」

 

そういうサンラクはアバターのボケットに両手を突っ込んだかと思えば居合のように抜き放つ。

その拳は()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

この両者の挙動は正規の技なんてものではなく、意図的に発生させたバグ技だ。

先程言った真にニッチな理由とは【何でもあり(バーリトゥドウ)】ならぬ【バグでもあり(バーグトゥード)】の存在である。

 

このゲーム、運営が意図していないバグ技を意図的に発生させることが出来るのだ。

ちなみにパッケージ版とダウンロード版があるが何方もバグを意図的に出すことが出来る、だから初心者にも安心してバグ技を利用できるよ!今日から君もレッツベンP!

しかもパッケージ版の方が多くのバグ技を使えるというクソゲーを店頭で買うとかいう一種の一線を越させる要因も付いている。

 

「あれ、モドルカッツオが対戦してんぞ」

「オイ!相手サンラクじゃねーか!しかも観戦者はキノコンじゃん!」

「マジか!上位プレイヤーが集まってやがる!」

 

「砕けた拳にも当たり判定あんのかよ…」

おっと戦闘が終わったようだ、勝者はモドルカッツオ。砕けた拳にも判定があるっていう初見殺しで削りきったようだ。

サンラクのクソゲニウム補給を対戦して補った後、カッツオが言った

 

「…いきなり『シャンフロ』始めたってメール来た時は下手な冗談だと思ったけどマジなんだ」

「マジでフェアクソ終わらせたんだな」

「恥ずかしげもなく言うなら、かなりハマってる」

「明日は槍の雨かな」「いや装甲車の雨かもしれない」

 

どうやら筋金入り、いや鉄筋コンクリート入りのクソゲーマーをド級の神ゲーに抑えているのは【7つの最強種】とかいうヤバいモンスターらしい。

そしてソレを倒すまで今は辞める気は無いのだとか。

うーん、俺のフロム脳センサーがバシバシ反応している、『シャンフロ』と『最強種』の話が出てきてから何かに惹かれているらしい。

「俺も始めようかな」

おっとカッツオも気になったらしい。なんだか始めろって頭の中で囁いてるんだ…これが導きか?

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