ブルーアーカイブ~Wish of Blue Devil~   作:ロキシード

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UA2000越え感謝!なんか評価バーにも色ついててびっくりしました!


災厄の狐

「災厄の狐……!」

「なるほど、連邦生徒会の子犬たちの仕業でしたか。飼い主のために尽くす様、お可愛らしいことこの上ありませんね」

 

 その場の視線を一身に集めたまま、ワカモは現状を見定めた感想を口にし、建物の頂から身を投げた。まっすぐ落下した彼女は、地面に音もなく着地すると、バージルたちの方へ歩み寄り、静かに言葉を発した。

 

「とはいえこのまま見過ごすわけにもいきません。邪魔をされては困りますので」

「――少し痛い目を見ていただきましょうか」

「「――っ!!」」

 

 彼女の言葉と同時に放たれた凍て刺すような鋭い殺気に、ユウカたちが咄嗟に身構える。

 

「騒動の中心人物を発見!対処します!」

 

 ハスミが誰よりも早くトリガーを引く。放たれた弾丸が尾を引いてワカモに迫るも、素早く遮蔽に身を隠し躱される。続いてユウカが回り込むように展開し、両手の短機関銃から同時に火を噴く。一斉に放たれた弾丸が目標に着弾すると同時に周囲が硝煙で埋め尽くされる。

 

「完全に命中ね!これで――」

「いや、まだだ」

 

 バージルがユウカの勝利宣言に被せると、徐々に晴れた煙の中から、ゆっくりと人影が歩いてくる。

 

「ふう……。どうやら買い被りだったのでしょうか。この程度、避ける必要もありません」

「なっ――!無傷!?」

 

 悠々と姿を現したワカモにユウカが驚愕する。

 

「いくら寄せ集めとはいえ、この程度の相手に敗れるとは思えません。一体、どのような手を使ったのでしょう?」

「っ!先生!指揮をお願いします!彼女は一筋縄で勝てる相手ではありません!」

「……ああ。任せろ」

 

 

 

 

 予期せず勃発したワカモとの戦闘。彼女は、まるで小さな子供を相手にするように攻撃をいなしていった。スズミの閃光弾をものともせず、ユウカの攻撃を受けても平然として、スナイパーとは思えないほどの連射で次々にこちらを射抜いていく。

 

「くっ!数では勝っているはずなのに!」

「シールド展開してなかったら何回やられてたのかしら……」

 

 バージルの指揮のもと、誰一人倒れこそしていないものの、全く効いている気配のない相手に皆疲弊し始めていた。一方バージルは、ワカモの戦闘スタイルを見てある考えに至っていた。

 

「先生、このままではジリ貧です。一度退くべきでは?」

「――いや、このまま押し切る」

 

 ハスミの提案に対し、バージルが即座に否定する。バージルはこれまでの戦闘から、ワカモがすべての攻撃をその身で受けているわけではないことを見抜いていた。まず最初にハスミが狙撃をした際、ワカモは正面から攻撃をもらうことはせず遮蔽に身を隠していた。つまり、すべての攻撃が効かないわけではない。

 

「ハスミ、お前の弾丸ならば奴に有効打を与えられるはずだ。スズミとユウカが牽制して動きを封じたら、奴を狙え」

「!……承知しました。チナツさん、二人のサポートを引き続きお願いします」

「わかりました。先生、今回ばかりは大人しく下がっていて下さい。いいですね?」

「………」

 

 チナツの言葉には返さず、バージルは正面で繰り広げられる戦闘を見守る。今しがた発言した内容に嘘はないが、彼はワカモをこの場で倒しきれるとは考えていなかった。なぜならば――彼女は、本気を出していない。

 災厄の狐――その二つ名に違わず、そこらの不良とは一線を隔する実力を持っていることは確かだが、その実力はこんなものではないはずだ。それは彼女が宿している力――この世界で初めて超越者と認識したヒナからも感じたそれを、彼女からも感じ取ったからこそ抱いた考えだった。

 

(目的は、時間稼ぎといったところか)

 

 ワカモが態々手を抜いてまでこの戦場にとどまる理由にあたりをつけ、バージルが一歩、前へ踏み出す。そこらの不良と違って弾倉まるごと喰らってもピンピンしているワカモを無傷で沈められるかは怪しい。が、このまま時間稼ぎに付き合う道理もない。

 

「はぁ……傷つけないように戦うというのは、骨が折れるな……む?」

 

 眉にしわを寄せながらバージルが呟くと、懐の端末が再び振動した。

 

「リンか。悪いが今は戦闘中だ。後でかけなおす」

「待ってください!そちらに新たな敵集団が接近しています!」

 

 リンの言葉にバージルが視線を上げると、対峙するワカモの後方から、複数の影が近づいてくるのが見えた。

 

「……うん?この音は……」

「気を付けてください、巡航戦車です……!」

「あれは…!」

「クルセイダー1型……!私の学園の制式戦車と同じ型です」

 

 こちらへ迫る勢力に堂々と並ぶ戦車を見た少女たちが反応する。一方、彼女たちの攻撃を一人で捌いていたワカモが、見計らったように後ろへ下がる。

 

「ようやく来ましたか。フフ、私はここまで、あとは任せます」

「――!ちょっと!逃がさないわよ!」

「早瀬さん、今は目の前の敵に集中しましょう。私たちの目標はあくまでも、シャーレの奪還です。彼女の捕縛は他の人に任せましょう」

「それに、追うのも危険かもしれません。罠の可能性もあります」

 

 退いていくワカモを追いかけようとするユウカに、ハスミとチナツが説得する。

 

「……まあいいわ。あいつを追うのは私たちの役目じゃないってことね。それはともかく――」

 

 短く息を吸うと、正面に現れた戦車を捉えながらユウカが口を開く。

 

「あの戦車、トリニティのものと同じみたいだけど、不法に流通されたものに違いないわ!PMCに流れたのを不良たちが買い入れたのかも!」

「……ええ、恐らくは。私たちの管理不行き届きですね……」

 

 ハスミが視線を落としながら静かに返すと、ユウカはあわてて言葉を続ける。

 

「とにかく!ガラクタってことだから、壊しても問題ないわ!行くわよ!」

 

 そう告げると、弾倉を交換したユウカはこちらに砲塔を向けた戦車へ銃口を向ける。そしてその引き金を絞ろうとした瞬間――

 

「まて。あれは俺が処理する。お前たちは周りの連中の相手を」

 

 ユウカの横に、閻魔刀を握る手で戦車を指すバージルが立っていた。

 

「えぇ!?先生、何言ってるんです!?いくら先生でも、戦車の相手なんて……」

「危険すぎます!弾頭を躱しても、爆発に巻き込まれれば先生の身に何が起こるか……!」

「……私たちで対処しますので、先生は指揮に集中していただけませんか?」

 

 バージルの無謀すぎる発言に、ユウカが驚愕し、ハスミがその身を案じ、スズミが指揮に専念するように提言する。三人に遅れて、チナツはその目を鋭くさせながらバージルに尋ねた。

 

「先生、さっきは素直に下がっていたのに、急にどうしたのですか?」

「奴――ワカモとの戦闘を見ていたら、俺も少し遊びたくなった」

「遊び、ですか。……はぁ。もう好きにしてください。怪我だけはしないようにお願いしますよ」

「ふん。誰に言っている」

「ちょっと!」

 

 バージルが鼻を鳴らすと、一歩前に出る。もはや説得は無駄だと考えたユウカがため息を吐きながら振り返る。

 

「……ねぇ。前から思ってたんだけど、先生ってやたらチナツさんにだけ自然体っていうか、気楽じゃない?」

「心なしか、口数も増えている気がします。やはり先に会っていただけあって、親しいのでしょうか…?」

 

 ユウカとスズミが顔を合わせながら、バージルの態度について議論を交わす。一方、ハスミは納得していない様子で口を開いた。

 

「……。わかりました。こちらもすぐに終わらせて援護しますので、本当に無理だけはしないでくださいね」

 

 今までの戦闘からすぐにバージルが倒れることはないだろうと判断したハスミが、葛藤を滲ませた表情で告げる。

 

「ああ。――少しだけ、本気を出してやろう」

 

 その一言とともに、バージルが纏う空気を一変させた。全身を巡る力を意識しながら、鼓動とともに胸の奥から高まる衝動に身を委ねる。彼の周りだけ空間が歪んだような錯覚をするほど高まった闘気が、その場にいる者を身震いさせる。

 

「っ!これは……!」

「やはり先生は、委員長以上に……!」

 

 揺らめく陽炎のようなオーラを発しながら、バージルが腰を低くし、閻魔刀を後ろで構え、右手をその柄の近くへ持っていく。そして、閻魔刀の柄を握り、大地を強く蹴り、全身の力で刃を抜き放つその瞬間――時が止まった。

 無数の剣閃が空中に走り、空間そのものを切断するように線を刻む。次々に増えていくそれは、空に青い光を軌跡として残していく。その中心にあるのは、戦車。再び姿を現したバージルは、片膝をつきながら体の正面で露わになった閻魔刀の刀身を、静かに鞘に納めていく。チン、と微かに音を鳴らして完全に刃が仕舞われた瞬間――時は動き出す。

 ガラスが割れるような音とともに、切り刻まれた空間がひび割れた破片のように墜ちていく。そしてその斬光が振るわれた対象――戦車は、少し遅れて、豆腐のように細切れに散っていった。金属が崩れる破砕音とともに地面に積みあがっていくと、その真ん中には戦車に乗り込んでいたであろう人物――不良少女たちが何が起こったのか全く理解できないといった表情で呆然と立ち尽くしていた。

 

「……は?」

「今、私たち戦車に乗ってたよな……?」

「一瞬光ったと思ったら地面に座ってるんだけど!?」

 

 ――否、砲座に居たものは地べたに座っていた。

 

「今、何が起こったのでしょうか……?」

「み、見えなかった……先生がやったのよね?」

「状況からみて間違いないでしょうが……理解が追い付きません」

「……冗談みたいな人ですね」

 

 瞬く間に起こった現象に目を疑いながら、どうにかバージルの仕業であるということだけは呑み込む少女たちに、なんともない表情でバージルが近づいてくる。

 

「おい、早く援護してくれるんじゃなかったか?」

「――はい!、直ちに制圧します」

「もう何が起こっても驚かない気がするわね……」

「先生、せっかく終わったのなら、こちらの指揮をお願いしてもよろしいですか?」

「シャーレ奪還は目前です。……先生、あとで話を聞かせてもらいますからね」

 

 口々に応じると、それぞれの愛銃を構えた少女たちが不良少女たちへ向かっていった。

 

 

 

 

「よし、着いた!!」

 

 シャーレ前にたどり着いたユウカが真っ先に口を開く。その声は元気だが、顔には疲労が浮かんでいた。残弾はすでに僅か、体にも幾つも銃弾を受けた跡がある。それは彼女以外も同じ。その場にいる少女全員が、作戦が無事終えられたことに安堵の息を漏らす。周囲に残党がいないことを確認したバージルがシャーレの部室を見上げる。

 

「……ここか」

 

 端末が震える。

 

「シャーレ部室の奪還完了を確認しました。私もすぐに到着予定です。建物の地下で合流しましょう」

「わかった。……お前たちは、ここで待っていろ」

 

 リンの言葉に短く返事をすると、バージルはユウカたちに待機するよう指示し、シャーレの地下へ向かった。――閻魔刀を握る手に、力を込めたまま。

 

 

 

 

「………」

 

 薄暗い通路には、最低限の照明だけが道を照らしており、その先を見通すことはできない。静かな暗闇にバージルの足音だけが響く。

 

「……いるな」

 

 確信に満ちた声で呟いた瞬間、背後から迫る殺気に後ろ手に掴んだ閻魔刀の刀身を鞘から引き抜く。金属が打ち合う音とともに、火花が散る。

 

「ふむ、こちらに気づく前に仕留めたかったのですが、仕方ありませんね」

「…?」

 

 背後から聞こえる声の正体を探ろうとするも、くぐもったその響きからは誰なのか見当もつかない。背中越しに振るわれた刃に押され、その勢いのまま前へ踏み込むと背中で握った閻魔刀を横なぎに振るう。しかし相手は空中に身を翻してそれを躱しながら、こちらに銃弾を連続で放った。バージルは咄嗟に閻魔刀の刃を前方に向け、勘だけでそれを弾く。勢いを殺しきれなかった弾が跳弾し、周囲の照明を破壊した。

 

「ちっ……どこのどいつだか知らんが、ここで何をしている?何が目的だ」

 

 闇に包まれてその姿を視認することができない相手に舌を打ちながらバージルが言い放つ。声から、女であるということだけは把握できた。

 

「フフッ、答える義理はありませんね。……まあ一つだけ言うとすれば、壊してやりたいだけ、です」

「……壊すだと?」

「ええ。連邦生徒会が大事にしている物があるならば――!」

 

 言い切るや否や、バージルに対し一気に距離を詰めた彼女は、再びバージルに向かって刃物を突き出す。闇の中で鈍く光るそれを捉えたバージルは、閻魔刀の刀身――その側面を突き出された刃の横から当てると、受け流すように力を逃がしつつ跳ね上げる。しかし、それを予想していた彼女が上からすぐさま振り下ろしたことで、鍔迫り合いのような形で二つの剣が拮抗する。

 

「剣を使うやつがいると思えば…結局それか」

 

 バージルの視線は正面から振り下ろされた剣――それの根元が固定されている銃にあった。どうやら先程から振るわれている剣撃は銃剣によるものだったらしい。散らされる火花でようやく視認できたそれを見ながらやや残念そうに呟く。

 久々に剣で戦えるものがいるかと期待していた彼は、短い感慨の後目の前の存在を押し飛ばそうと力を籠め――

 

「――ワカモか?」

「………へ?」

 

 破壊された照明が一際大きく放電したことで、スパークが彼らの顔を照らした。互いの顔を認識した瞬間、二人の間にあった張り詰めた空気が解け、曖昧な沈黙へと変わる。

 バージルはまさか目の前の襲撃者が件の災厄の狐とは予想もしていなかったため、どう対処するか決めあぐねている。建物に足を踏み入れた瞬間から強い気配を感じてはいたが、それがまさか彼女のものだったとは。先刻対峙したときは直接言葉を交わしていなかったのもあり、気づくことができなかった。ワカモ――聞き及んでいる限りでは恐れられる凶悪犯。しかし、間近で見る彼女は、仮面越しとはいえ随分若く思えた。もし子供――生徒であるならば、斬るわけには――

 一方でワカモは、対面するバージルの瞳に吸い込まれそうになるほど目を奪われていた。戦っているときは気づきもしなかったが、目の前にいるのは大人の男。その体躯は自分よりずっと大きく、力強さを感じさせる。その銀髪は掻き上げられ、彼の顔をより印象付けている。整った輪郭でやや掘りの深い顔には、形の良い鼻、そしてどこまでも深く青い瞳。それがこちらを見ているという事実に、ワカモはどんどん体が熱くなっていくのを感じた。

 

「し、し………」

「…?」

「失礼いたしましたー!!」

 

 どひゅーんと音を立てるような勢いでワカモがその場から一目散に逃げていった。

 

「何だったんだ、あいつは……」

「まあいい、とりあえず目的地へ向かうとしよう」

 

 バージルは彼女の去った方向から踵を返すと、地下室へと歩きだした。

 

 

 

 

「…来たか」

「お待たせしました、バージル先生」

 

 リンがバージルのもとへ到着したのは、彼がシャーレの地下にたどり着いた数分後だった。

 

「ここに来る途中、通路の一部で戦闘の形跡がありましたが……何かありましたか?」

「……ワカモがいたと言ったらどうする?」

「っ!災厄の狐と遭遇したのですか!?どうしてこんなところにまで……」

「奴は壊すためだといっていたな。…連邦生徒会は何か恨みを買うような真似でもしたのか?」

「いえ、そんなことは……矯正局に入ることになったのも、彼女の度重なる破壊活動が理由です。まあ、それで逆恨みするというのであれば当然かもしれません」

 

 バージルは先程のワカモの発言を思い返す。彼女の言い方は、復讐というよりも――

 

「……考えても仕方ない。それよりも今は――」

「はい。――ここに、連邦生徒会長の残したものが保管されています」

 

 リンが引き出しから何かを取り出し、バージルへ差し出す。

 

「襲撃があったと聞いて心配していましたが……幸い傷一つなく無事ですね」

「これは…」

 

 バージルへと手渡されたそれは、タブレットだった。

 

「これが連邦生徒会長が先生に残した物――「シッテムの箱」です」

「シッテムの箱……」

 

 口にしてみても、一度も聞いたことの名前だった。しかし、バージルは何故か手に持ったそれに既視感を抱いていた。

 

「普通のタブレットに見えますが、実は正体のわからないものです。製造会社も、OSも、システム構造も、動く仕組みすべてが不明」

「連邦生徒会長は、この「シッテムの箱」は先生の物で、先生がこれでタワーの制御権を回復させられるはずだと言っていました」

 

 リンの語る内容に、思わずバージルが口を挟む。

 

「連邦生徒会長がそう言ったのか?それではまるで、こうなることが――」

 

 リンの発言内容からして、連邦生徒会長は最初から自分がいなくなることも、先生――バージルが現れることも予期していたかのようだ。

 

「彼女がどこまで先を見通していたのかはわかりません。……今となっては、それを聞くことも叶いませんので」

 

 リンは声の調子を落とし、少しの間口を閉ざす。しかしすぐに顔を上げると、バージルの手にあるシッテムの箱に目をやりながら再び口を開いた。

 

「私たちでは起動すらできなかった物ですが、あなたならばこれを起動させられるのでしょうか、それとも……」

「………」

「……では、私はここまでです。ここから先は、すべて先生にかかっています」

 

 そう告げると、リンは下がり、目を伏せる。バージルはタブレット――シッテムの箱の電源ボタンらしき部分を押し込む。

 

「――?」

 

 短い空白のあと、画面が点灯する。水色の背景に、中央には大きく「S」の文字が浮かび上がる。

 

【...】

【Connecting To Crate of Shittim...】

【システム接続パスワードをご入力ください。】

 

 システムメッセージのようなものが表示された後、パスワードが要求された。

 

「パスワードだと?そんなもの――」

 

 知らん、と言いかけたところで、バージルは胸のあたりに違和感を覚えた。懐をまさぐってみると、身に覚えのない「カード」がそこにあった。

 

「何故こんなものが?今までここには何も…」

 

 思い返しても、こんな物を持っていた記憶はない。裏返してみても特に何の変哲もないカードのように見える。バージルは記憶にない所持品に疑問符を浮かべる。そうして顔の前にカードを掲げた瞬間――カードが眩い光を放った。

 

「っ――!」

 

 流れ込んできたのは、記憶だった。自分のものではない記憶が、濁流のように流れこんでくる。しかし、それはまるで文脈を持たず、断片的なものでしかなかった。どこなのか、いつなのか、誰なのか。それらの全てがわからず、記憶の欠片としか形容できないものだった。しかし――

 

「パスワードは――」

 

"……我々は望む、七つの嘆きを。"

"……我々は覚えている、ジェリコの古則を。

 

 記憶の奔流と同時に沸いて浮かんできた言葉を入力すると、システムメッセージが表示される。

 

【……。】

【接続パスワード承認。】

【現在の接続者情報はバージル、確認できました。】

【生体認証及び認証書作成のため、メインオペレートシステムA.R.O.N.Aに変換します。】

 

 最後のメッセージが表示されると同時に、バージルは意識を身体から引き剝がされるような感覚に包まれていった。




全然プロローグ終わらんかった…ちょっときり悪いけど次回でアロナとの対面済ませてダンテの視点も書きたいっすね

今更ネトフリDMCシーズン2見終わったんですが、うーん…
別物としてみようと頑張ったけどキツいなぁあれは…ダンテもバージルも弱すぎるし

良いところ:セブンヘルズのbgm、See U in Hell

あれに予算よこすならdmcの新作お願いしますよカプコン…リメイクでもいいからさぁ
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