文芸部の2人   作:中落ちカルビ

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04:瞳に宿る決意

 

 

 

「うぅぅ……何度も……何度も下ろしてって言ったのにぃ……もう学校いけないよボク……」

 

 

 私はあの後震える先輩を後ろから抱きしめてお姫様抱っこ。そのまま駅前のマックに来ていた。

 メガネちゃんも図書委員ちゃんもすごい顔してたけど、まぁ役得ってやつだね。うん。

 

 

「恥ずかしがらなくても大丈夫ですよ先輩。

 メガネちゃんと図書委員ちゃんと陸上部のポニーテールの子と……あとはまぁ、見知らぬサラリーマンぐらいにしか見られてません」

 

「そんだけ見られれば恥ずかしいに決まってるでしょぉ…………めちゃくちゃ目立ってたよぉ……」

 

「まま、良いじゃないですか。

 サラリーマンのおじさんなんて二度と会うことありませんし。今後顔合わせるとしてもメガネちゃん達くらいですよ」

 

「うぅぅ……メガネちゃんじゃなくて光音さん、図書委員ちゃんじゃなくて萌香さん、ポニーテールの子は空ちゃんね……」

 

「良く覚えてますね先輩」

 

「それがボクの取り柄だからね……ああもう……顔が熱いぃ……」

 

 

 リンゴのように真っ赤な顔をテーブルに突っ伏して隠しながら先輩が唸る。

 いやー、ホントすごいよね、先輩。完全記憶能力? ってやつ? 

 実にファンタジーで羨ましい。

 私もそういう勉強が楽になる系の特殊能力が欲しかった。

 

 

「ううぅ……復讐してやる……絶対にギャフンと言わせるからなぁ……」

 

 

 うん、先輩がボソボソ唸ってる間に私はなんか食べて小腹をみたしとくか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いらっしゃいませ! ご注文どうぞ!」

 

「ハンバーガー単品20個あとコーラLL二つ」

 

「………え?」

 

「ハンバーガー、単品、20個、コーラLL二つ、ついでにピクルス多めで」

 

「…………ご、ご注文繰り返します。コーラLL二つ、ハンバーガー20個、ピクルス多め……お、お支払いは?」

 

「電子マネーで」

 

 

 戸惑う店員さん。

 

 新人さんかな? 

 私は結構ここを利用するのでこの反応は珍しい。バイトの間であだ名つけられる位には知名度がある。

 

 知名度って言って良いのか、それ? 

 ……まぁ悪名は無名に勝るって言うし、いいか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 注文を終え、コーラだけもらって席に戻ると先輩が顔だけ上げて半目でこちらを見ていた。

 

 

「どうぞ先輩、私の奢りのLLコーラです」

 

「ありがと……相変わらず食べるね……キミ」

 

「まぁこれも先輩の記憶力みたいなもんですよ。生まれつきの特殊能力です」

 

「羨ましいなぁ……」

 

 

『ハンバーガーなんて半分でお腹いっぱいだよ』なんて言いながらもぞもぞ動いてコーラをちょっと吸う先輩。

 うーんプリティ。なんかそういう生き物みたいだ。

 

 

「………………」

 

 

 ちょっとチルタイム。

 先輩が横を向いてぼんやりしだした。ジュース飲んで血糖値上がって眠くなったのかな? 

 

 

 ……あー、いやこれ多分お姫様抱っこされて茹だってた頭が戻ってきたんだな。

 復帰が早くてため息でちゃうよ……もう。

 

 

 私は図書室で先輩が言った言葉を思い出す。

 

 

 

 

『机が増えてたんじゃない。座る人が、減ってたんだ』

 

 

 

 

 

 私達が調査していた消えた少女の七不思議ではない。机が増える七不思議の話。

 新聞部で知った話を深掘りした結果判明したのはその七不思議の裏。机が増えたのではなく、それを使っていた人間が消えていた、という逆さの真実。

 

 

「…………」

 

 

 私と違って天使の様に心優しい先輩にはキツイ話だろう。ぼんやりと空中に視線を彷徨わせている姿から強いショックを受けているのが丸わかりだ。

 

 ……これは憶測だが、先輩は消えた新聞部所属の少女、田中晶とかなり親しかったのではないだろうか? 

 

 先輩は軽い人見知りだ。結構な内弁慶だし、友達になった人以外には積極的なアクションを取らないタイプでもある。現に知り合いである千葉部長にも敬語を使って距離を置いていた。

 

 そんな先輩が聞きたいことがあるとはいえ新聞部に行く事に積極的で、まったく躊躇いがなかった。居たのだ、新聞部に、友人が。それは同じ2年の子だったのだろう。

 

 

「…………晶ちゃん」

 

 

 先輩の受けた心理的なダメージは人非人である私には測れない。彼女はまたもぞもぞと動き、私から見えない様に顔を伏せた。

 

 

 

「ずず…………ひっく……ごめん……ごめんよ……晶ちゃん」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ああ……あぁ……これは……かなり……許せないな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 先輩が顔を上げた。

 

 

「ごめん……ちょっと寝ちゃってた」

 

「別に良いですよ先輩。ハンバーガー食べてましたし……先輩も食べます? まだ1個残ってますけど」

 

「あはは……ボクはまだお腹空いてないし、やめとくよ」

 

 

 その涙で腫れた瞳には確かな決意が宿っている。小説のネタに調べてみよう、なんて軽い気持ちはもうないのだろう。

 

 

「……じゃあ、今までの話を整理しようか」

 

「そうですね」

 

「消えた少女は米田星花さんで間違い無いね」

 

「権田先生が嘘ついてるかもしれませんよ」

 

「うん、それなんだけど……先に机の方の話を進めようか」

 

 

 対して、私は後悔で一杯だった。

 

 先輩を泣かせてしまった。

 

 七不思議を調べようなんて言うんじゃなかった。

 ネタにちょうどいいと思っただけで他の意図なんて何もなかったのに、どうしてこうなったのか。

 

 あの美しい夕暮れの部室で漫画やゲームの話を続けているべきだった。微睡の中に沈み、停滞しながら、楽しく遊んでいるべきだったのだ。

 

 

「図書室でも言ったけど、この不思議は机が増えたんじゃなくて生徒が消えてたんだ。

 クラスの人数が1人減ったから、自然と机が余っただけ。

 机がどこからか運ばれてきたんじゃない。

 増えた様に見えた机は、元から教室にあったんだ」

 

 

 ああ、本当にイライラする。

 なんて無様なんだ私は。

 

 

「何で誰も騒がないんです?」

 

「認識できていないんだろうね。

 15人いた部員が今はもう5人だよ? 

 単純計算で10人消えてるんだ。発覚してたなら今頃大騒ぎだよ」

 

 

 私は自分の判断ミスで先輩を泣かした。

 腹を切って詫びるべきだ。

 

 

「いや、認識できてないというよりも……忘れちゃう……のが正しいのかな? 消えた人は書類に残るだけで人の記憶からは綺麗さっぱり忘れられちゃう。

 まるで催眠術だよ。千葉先輩は部員が5人だって認識してて、ボクが突くまで違和感も持ってなかった」

 

「消えた人は人から忘れられる……。

 でも先輩は覚えてましたよね? 消えちゃった人のこと」

 

「うん、何か覚えてられる条件があるんじゃないかな。

 だって……権田先生も覚えてた。消えた米田さんの事」

 

 

 ああ、そうなるよなぁ。

 そうなっちゃうよなぁ。

 

 

「『増える机』は『消えた人』だった。

 ……もう一つ、消える七不思議があったよね?」

 

「『消えた飛び降り少女』」

 

「うん。それにさ、見て、コレ」

 

 

 先輩が新聞を取り出し指を指す。

 記録に残ってる最初の机が増えた時間と場所。

 

 

 3年前、2-C。

 

 

 それはあまりにもわかりやすい符号だ。

 

 

「最初からこの2つの七不思議は、繋がってたんだよ」

 

 

 

 

 

 

 な、なんだって──!!! 

 

 

 

 

 

 

 ……なんて、チャカせる空気なら良かったんだけど。先輩はガチもガチ、めちゃくちゃ真剣だ。

 

 ああ本当に、嫌だなぁ。

 

 

「屋上から落下するとある地点で消えちゃうんだ。記事に書かれたことが本当なら1階と2階の間だね」

 

 

 先輩は記憶力だけの人じゃない。

 素直で真面目で騙されやすいけど、残念ながら分析力も思考能力も高い。

 この結論に至るのは至極当然だ。

 

 

「どうして消えるのか、消えたらどうなるのか、それは分からないし、重要な事じゃない」

 

「今重要なのは、消えた少女として目撃されたのが米田さんだけだってこと」

 

「『消えた少女』と『増える机』は一対一で発生するはずだ。人が消えた結果、机が余るんだから。

 なのに最初の一回以来、机は増えても、少女は消えてない」

 

「誰かが意識的に『使ってる』んだよ。

 この不思議を、バレないように」

 

「消えた人を覚えていられる条件は多分消える瞬間を目撃する事、或いは一定の距離内にいる事だと思う。

 その条件なら、誰もいない時に使えば消えた人の事を誰も覚えていられない」

 

「机が増えているのが確認されたのは朝、つまり夜だ。

 夜の学校なら誰にも見られない。誰もいない。

 誰もいない夜のうちに、屋上から突き落としてるんだ」

 

 

 先輩はそこまで一気に喋り切るとすっかり氷が溶けて生ぬるくなったコーラを口に含んだ。

 

 

「……米田さんが消えたのを目撃した人のうちの誰かだ。

 目撃者の中の誰かが、七不思議の仕組みを理解して、犯行に使ってる。

 そしてその中で一番可能性が高い人は分かってる」

 

「そうですね。多分あのクソメガネでしょう」

 

「ボクは最悪のミスを犯した。

 知らなかったとはいえ、目の前で言ってしまった。

 部員は15人いたって、言ってしまったんだ」

 

 

 ああ、本当に最悪だ。

 この展開は図書室で先輩を抱きしめた時には読めていた。

 

 

「千葉先輩はきっとボクと同じように調べるはずだ。

 そして簡単に辿り着く。

 だってこの消失は記憶が消えるだけ、記録は消えない。

 犯人は七不思議の性能に胡座を描いて証拠隠滅が雑だ。

 部の名簿とか、議事録とか、過去の記事の著者名とか、消されてない証拠は探せばいくらでもあるんだよ、きっと」

 

 

 田中晶、友人を消された優しい先輩はこれから何をする? 余りにも簡単で答えのわかりきったクイズだ。

 

 

「だから今日の夜、きっと犯行が行われる」

 

「新聞部は明日から4人ですか。

 猶予はあるでしょうけど規定人数未満で廃部ですかね」

 

「そんなこと絶対させない。

 あの子の、晶ちゃんのいた部活なんだ。

 毎日楽しそうに笑ってたんだ。

 これ以上は、絶対にやらせない」

 

 

 涙の腫れの引いた青い瞳。そこに炎が見える。

 自分の危険を厭わない、熱く燃え盛る炎だ。

 きっともう犯人を捕まえる事しか考えてないだろう。

 

 嫌になる。

 何でこんな事になってしまったんだ? 

 今頃部室に2人きりで楽しく小説の構想を練っているはずだったのに……今の先輩は小説を書こうとしていた事などすっかり忘れ、友人を失った悲しみを胸に犯人への怒りと闘志を燃やしている。

 

 

 

 先輩が立ち上がる。

 

 

「トイレですか? コーラ残ってますよ」

 

「ふざけないでよ。わかってるでしょ? 

 ……ボクはこれから学校に行く。屋上で張り込む」

 

「警察には言わないんですか?」

 

「信じてくれるわけないでしょ」

 

「そうですね。まぁ、無理でしょうね」

 

 

 私も立ち上がる。

 ハンバーガー残っちゃったな。

 

 

「ついてこなくていいよ。キミは関係ないでしょ」

 

「はぁ……そうですね。

 正直消えた田中晶さんにはめっちゃ嫉妬してますし、先輩のその冷たい態度にも傷付いたんで、あんまり気分は乗らないですね」

 

「っ! だったら黙って……わっ!!」

 

「よいしょ」

 

 

 私は先輩の首と膝の裏に手を当て持ち上げる。

 まぁ、いわゆるお姫様抱っこだ、

 

 

「ちょ! な、何するのさ! 急に!」

 

「はぁー……相変わらず先輩って温いですよね……冬になったら私の布団の中で抱き枕になってくれませんか?」

 

「なぁ!? 何とち狂った事言ってんのさ! バカ! ちょ、か、顔寄せるなぁ!」

 

「先輩ってキスした事あります?」

 

「な、なんでそれを今聞くんだい?! ちょっ!? ほ、ほんとに待って! 近い! 近いから! ぶつかっちゃうからぁ!!!」

 

 

 顔を真っ赤にして叫ぶ先輩。

 

 そうそう、先輩にはこういうパニクってテンパって焦りまくってるぐるぐるお目目がお似合いだ。正義とか復讐とか使命とか、強い決意を秘めた目の先輩もエモいけど、それはエモいだけだ。

 

 エモで命は救えない。

 

 追い詰められた焦り顔はご飯10杯はいける

 

 

「先輩、よく聞いてください」

 

「ぁ……ぅ、ぅん」

 

 

 息のかかるような距離で私は先輩に話しかける。

 可哀想だけどここは重要だから本気のマジで詰めよう。

 

 

「本気ですか? 本気で今から学校行くんですか? 今までの話理解してます? 危ないの分かってます? 消したとかオブラートくるんでますけどコレは殺しですよ? 相手は10人以上殺してるんですよ? その意味本当にわかってます?」

 

「ぅ…………ほ、本気だよ……危険も承知の上さ……」

 

「一日開けて、明日にまわすのはどうですか? 

 1人処理して油断してるところを後ろから襲うんです。

 簡単ですよ。油断してるところを後ろから刺すのは」

 

「さ、刺すって……そんな事…」

 

「ほら理解してない。当たり前でしょ先輩。

 相手は二桁殺してる殺人鬼なんですからね。マジのマジで、殺す気で行かないとやられるのはこっちです」

 

「そ、それは……その」

 

「大体今から行ってどうするんですか? 待ち伏せ? 屋上で張り込む? それで? 張り込んでどうするんです? 何か有効なプランはあるんですか? そんなちっちゃなおててで殴るんですか? 拳の握り方とか分かります? そんなほっそい足で蹴るんですか? 転びますよ? 先輩うんち何ですから」

 

「ち、千葉先輩を助けて2人で……」

 

「はぁぁぁぁぁ…………あのですね先輩。

 10人以上殺してるってことはですね、10人以上殺す手段を持ってる上に10人以上殺した経験があるってことです。

 落ち着いてよく考えて下さい。何の準備もしていない小娘2人でどうにかなると思いますか?」

 

「ううう……」

 

「おーもーいーまーすーかー?」

 

「……おもいません」

 

「ですよね。良かったです、先輩がちゃんと頭が回る人で」

 

 

 先輩を納得させられたので顔を離す。

 

 

 

 

 良かった、説得できて。

 正直ここが一番の難関だった。

 

 

 

 

 

 私から見れば10人以上殺してようが所詮ただの陰険クソメガネだ。一瞬で本体のメガネを叩き割って片付けられる。指先一つでドカンだ。

 

 しかしここで先輩を1人で行かせて想定できないタイミングで彼女が飛び出すのはまずい。絶対に、確実に、ここはないだろってタイミングで飛び出してきて私の計画を狂わせるだろう。私にはわかる。

 

 

「……その、ありがとう、後輩。

 ……ボクは冷静じゃなかった。

 お話の主人公みたいな立場に酔ってたみたいだ」

 

「いいんですよ先輩。私も手伝います。

 報酬はファーストキスと抱き枕でいいですよ」

 

「あはは。もう、キミは本当にその類の冗談が好きだね」

 

 

 笑う先輩は本当に可愛い。

 咲き誇る満開の花の様で、できるのならずっと笑っていてほしい。

 だからもう少し揶揄っておこう。

 

 

「冗談じゃないですよ、先輩」

 

「……え?」

 

「冗談じゃないです。報酬、お願いしますね」

 

「…………えーと……ちょ、ちょっと待って」

 

 

 もう一度顔を近づける。

 

 

「お願いしますね」

 

「ぁ……ま、まって……か、顔……近い……から」

 

 

 先輩の視線が彷徨う。右往左往とはこの事か。全く定まらない視線は、最終的に私の目に定まったようだ。

 

 

「……ぅぅ……ま、まさかガチだったなんてぇ……聞いてないよぉ……」

 

「言ってませんでしたっけ? 

 先輩のこと好きだって。愛してるって。

 結構頻繁に言ってた気がするんですけど」

 

「そ、それは……その……冗談だと思ってたっていうか……」

 

「人の一世一代の告白を冗談だと思ってたなんて…酷い人ですね、先輩は」

 

「返す言葉もありません……」

 

 

 茹蛸のように真っ赤になった先輩。

 あぁ可愛いなぁ、愛らしいなぁ、食べちゃいたいなぁ。

 

 

「その……本当に手伝ってくれるのかい?」

 

「はい。全身全霊、命をかけて手伝います」

 

「い、命はいいよ! 作戦は『命大事に』だよ!」

 

 

 ワタワタと先輩が焦って手を振る。

 まぁあんなクソザコナメクジ陰険メガネ如きが私の命に手を掛けられるわけないから命賭け得みたいな所あるけどね。先輩を騙してるみたいで心が痛いが……うん、言うだけならタダだ。

 

 

「…………ぅぅ」

 

 

 居心地悪そうに俯きながら、先輩が私の腕の中でみじろぎする。もぞもぞもじもじと動いて……やがて何かを決心したように顔を上げた。

 

 

「わかったよ……き、キミに……キス……する」

 

 

 おお、マジか。これはラッキー。

 メガネのクソ野郎は先輩泣かせた時点で即日ヤル気だったから無報酬でも全然オッケーだったのに。

 棚ぼたってやつかな、これは。

 

 

「でもその……いいかい……よく聞いてね……か、勘違いしてほしくないから……」

 

 

 むむ、これは『協力させる為に仕方なく何だからね!』『勘違いしないでよね!』ってやつだな。

 まぁこれは仕方ない。実質脅してるようなもんだしね。

 しゃあないしゃあない。

 

 

 

 

 そんな感じで緩い気持ちで私は先輩の言葉をまった。

 カウンターで『こいつらマジか』って顔をしてる店員達の視線が心地いい。どうだ?羨ましいだろ?この可愛い天使が私の先輩だぞ?

 

 

 

「その……あ、あのね……」

 

 

 さあ言うんだ先輩! 渾身のツンデレプリーズ! 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「キスするのは……キミの……その……キミが……キミの気持ちが本気だったって知ったからで……ほ、報酬とは関係ないから……だから……その……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 は? 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふ、不束者だけど……宜しくお願いしますっていうか……その……ぅぅ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

はぁぁぉぁぁぉぁぉ!?!?!?!? 

 

 

 

 




田中晶
所属クラス:2-A
所属部活動:新聞部
身長:158.8cm 体重:56.8kg
好きなもの:不思議な事、パソコン、九重刹那
嫌いなもの:ありきたりな自分の苗字、倫理教師
趣味:ネットサーフィン
夢:九重刹那の旦那
備考
青い髪を肩口で切り揃えた活発な少女。
刹那とは入学式で隣になってからの親友。
2年でクラスが分かれたのを残念に思っていた。
同じ大学に進学してルームシェアしようと狙っていた。
七不思議の記事を書いていた時に権田のインタビュー内容とメガネのインタビュー内容の相違点を不審に思い調査を開始してしまった。
元々刹那の事を見るメガネの視線に気付いていた事もあり、メガネを嫌っていた。
屋上からの落下の最中、刹那に自分の事を忘れて毎日楽しく生きて幸せになって欲しいと願った。
しかしそれは叶わなかった。
全ては過去形。
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