私、スマコン作るために勉強している高校生の為、投稿頻度が低いです。許してください!
─────今は昔⋯⋯⋯。
─────では、なくて。
─────超未来だったり?
─────いやいや!大昔でも超未来でもなくて、
─────今とあんまり変わらない少しだけ未来の世界。
「ああ、やばいやばい!」
「おっけー」
「彩葉のエイム、すっげー」
「完璧プロじゃん、プロ!」
「いえーい」
─────ゲームしてる普通の女子高生ありけり
芦花と真実とのボイスチャットに控え目に返事をした。
まぁ、年単位でやり込んでいるしこれくらい出来るのは当たり前だ。
「⋯⋯まあまあ二人のおかげでですよっ」
当たり前とは言っても、やっぱり賞賛の声は素直に嬉しかったりして。
やっているゲームは『KASSEN』。
ここ数年のゲーム業界を席巻している、戦国時代の合戦をモデルとしたフルダイブ型アクションゲームだ。
まるで本当に戦の只中にいるような360度の視界と音声による没入感、高度な操作性・戦略性を併せ持つ♤
おっと変な思考が入ってしまった。
コホン、話を戻して『KASSEN』は文句無しの神ゲーだ。
国内外問わず人気で、『KASSEN』専門のプロゲーマーも数多く存在する。
そんな中私の腕前といえば、まぁ中の上と言ったところ。
「ねえねえ、マジで目指しちゃいなよ、プロ」
「絶対行けるって!」
「あー、いやー」
⋯⋯それはないな。
その道はとっくの昔に断ってる。
プロゲーマーになったとしても実力が足りていない。
そんな今の私がするべき事は──
──ピー、ピー、ピー。
「いっけない、バイトの時間だ!ごめん、落ちるね。また学校で」
アラームの音を聞き、椅子からすぐ立ち上がった私は最速で接続を切り、仄かに熱を発している『スマコン』を眼球から取り外す。
時間を確認するついでに曜日を見てみる。
あぁ、今日は木曜日だ。
楽しかった空想が現実に戻ってきてしまった。
私が週五で働く住宅街に隠れたカフェ、BAMBOOcafeは魔法でもかかっているのか知らないが、週末よりも木曜日の方が客で賑わう。
そんな事を考えた私は思わず机の端に並んだエナジードリンクに手が伸びるが、
──パスタ四食分につきムダ飲みは不可!
自分で書いた張り紙に現実(値段)で平手打ち食らい、腕を引っ込めた。
アルバイトと僅かな仕送りで学費と生活費を賄う苦学生に無駄遣いは厳禁なのだ。
「⋯⋯行ってきます、ヤチヨ」
私はもう心のエナジードリンクこと、ヤチヨの神棚アクリルスタンドにそう告げてバタバタと一人暮らしのアパートを出た。
───────────────────────────
場所は閑静な住宅街にある、木曜日のBAMBOOcafe。
そこではたくさんの人々がいた
「オムライスお願いします」
水を飲み一息ついたサラリーマン、
「コーヒー1杯頂戴」
優しそうなお婆さん、
「メロンソーダとナポリタン2つとコーヒーお願いします」
子供と一緒に来ているお母さん。
「はい!メロンソーダとナポリタンとコーヒーですね!」
その中で働く男が一人
「店長!」
「スーツの方がオムライス、お婆様がコーヒー、お子様連れのお姉様はメロンソーダとコーヒーとナポリタンだそうです!」
「分かった!林田さんと
「「了解しました!」」
「
「はい!」
これがBAMBOOcafe、木曜日の日常
店員達にも疲れが溜まって来たのか、客が増えたからなのか少しずつ問題が出始めてきた
「何でハンバーグが冷たいの!」
「ねぇ、注文まだー?」
「おいおい、どうなってるんだよ」
「す、す、す、すみませーん!」
「おはようございます!」
スタッフルームで女性の通る声が聞こえた
その瞬間店員達の顔に希望が宿った
「店長、新しいハンバーグ、オーブンに入れてあるんであとお願いします」
「助かる、酒寄さん!」
「林田さん、こっち私が下げますんで八番テーブルお願いしていいですか」
「頼むわ、酒寄さん。マジ神!」
「都竹はそのままで接客お願い」
「了解!」
「で、みおちゃんはどうしたの」
「酒寄せんぱーい!」
東が汗だくで酒寄の元へ駆け寄ってきた
「どうもこうもないよ!」
汗だくな東より、びしょ濡れな客が口を開いた
「水お願いって言ったら 、この店員さんにピッチャー一杯分の水かけられたんだけど」
「ごごご、ごめんなさい!お水運ぼうとしたら躓いちゃって」
「一緒に謝りましょう。大変申し訳ありませんでした!」
今日もBAMBOOcafeは平和である
───────────────────────────
「休憩入りまーす」
嵐のようなピークタイムを何とかかんとか乗り越えて、ヘロヘロでスタッフルームへ引っ込みヤチヨの配信の切り抜きを開こうとすると、
「先輩、さっきはごめんなさい!」
先に休憩に入っていたみおちゃんが謝ってきた
「本当に、本っっっ当にごめんなさい!あたし、あたし、ドジで。ずみまぜん、ハズレの新人の教育係させちゃって」
「あっ彩葉がみおちゃん泣かせた!」
突然みおちゃんと話している私の元へ、からかう様に喋りかけてくる人間が一人
BAMBOOcafeで、この高いテンションで、接して来るのはただ一人。
「都竹はここから去って早く仕事したら?」
「酷くない?」
その名は
定期的にヤチヨのコスプレしたり、学校の中で踊ったり、
「あっ恵先輩!さっき転びかけた時に助けてくれてありがとござました!」
涙が知らぬ間に引っ込んでいたみおちゃんが、都竹に感謝している
「どういたしまして!いやー可愛い子に感謝されるのは気持ちがいい!」
「そういうの女の子に言いまくるのよくないですよー?」
「あはは、大丈夫〜男にも同じようなこと言ってるから!」
「何が大丈夫なんですか!?」
また変人は変な事を言っている。
これで学校より落ち着いているのだから驚きだ。
⋯⋯これでも学校よりマシってなんなんだよ。
まぁ、都竹の変人エピソードは腐るほどある。
ヤチヨのコスプレをしてヤチヨの曲に合わせてブレイキングダンス踊ったり、ヤチヨのコスプレを先生に見せびらかしたり、ヤチヨのコスプレをしたまま「彩葉大好き!」って言ってきたり。
都竹は無駄に可愛い顔立ちをしてるから、ヤチヨの格好されたまま、あんな事言われるとヤチヨが私にそんなこと言う訳ないという気持ちと嬉しいという気持ちが混ざって変な気持ちになるのだが。
都竹の奇行を思い出すなかで一つ気がついた。
変人エピソードがヤチヨ関連しか思い出せないぞ?
ヤチヨが好きすぎてヤチヨ関連の記憶しか思い出せなくなってしまったのだろうか。
いや、これは推しがあまりにも可愛すぎると言うことにしておこう。私の記憶に強く焼き付いているのは流石ヤチヨというべきか。
「あっ休憩終わりだ、彩葉先輩さっきは本っ当にありがとうございました!」
私は手を振りながら見送り、都竹は「またね〜」と言いながら見送った。
早速なにかに躓いている音が聞こえたけど、ここはみおちゃんを信じよう
「⋯⋯ふう」
少し息をつき、パイプ椅子に体重を預けた。
さっきの奇行思い出しタイムで脳みそが疲れてしまった。
今日は予習しなければ行けないのに。
「ヤチヨってさ、可愛いよね」
都竹は当たり前の事を呟きながら、都竹が私の横に寄ってくる。
「ヤチヨだからね」
そんな当たり前の事に返答しながら、部屋を眺めカレンダーが目についた。
「もう七月か⋯⋯」
「七⋯⋯十四、二十⋯⋯三?」
「給料日までの日にち数えてどうしたの?」
あぁ、声に出ていた。ついカレンダーを見ると無意識に給料日までの日数数えてしまう。
というか、給料日までの期間を数えている事をすぐ察してくるこやつはなんなんだ。
「お金が欲しくて」
都竹に返事を返しながらお金の事を考える。
──今日の百円は明日の千円や。明日の自分に恨まれるで。
ふと、母の言った事が頭を過ぎる。
冷酷なほど正しくて、無慈悲なほど理にかなっていて、目を背けたくなるほど経験に裏打ちされている
「私には正直だよね~彩葉は」
芦花と真実にもそーゆー感じに接したらいいのに〜
言外にそう言っている雰囲気を感じる。
いつもそうだ。都竹と二人だけになると本音が出てしまう。
「⋯大切な──メロディは──流れてるよ──あなたのハートに」
無意識にヤチヨの歌を口ずさんでいた。優しい歌声に撫でられて体から力が抜ける。
「相変わらずRemember好きだねぇ」
「私は…この曲で生き残れたから…」
「そっか」
あぁ、まただ。彼の前だと弱気になってしまう。
ホールの方からみおちゃんの謝る声が聞こえてきた。
「おっと私も行かなきゃ〜彩葉ゆっくり休んでね」
都竹の横顔が目に映り、こちらに寄り添うような優しい声が聞こえた。
「ありがとう」
やっぱり私はこの人の前だと、
おかしいな。彩葉はこんなに湿度高くないはずなんだが....
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