椎名ひよりはとても可愛い 作:椎名ひより可愛くないですか!?
あの後、俺と椎名は部活動紹介へ行き椎名は茶道部に入ったようだ。俺は、部活には入らなかった。やるにしても趣味程度で満足できるだろうから。赤髪の不良っぽい彼、須藤健はバスケ部に入った。小学生の頃からバスケをやっていたようだ。
「おはよう山内!」
「おはよう池!」
お調子者っぽい感じのする山内と同じくお調子者っぽい池の2人が元気よく挨拶をしていた。入学してからの1週間、池と山内は毎日のように遅刻ギリギリに登校してくるのに今日に限ってはやたらと早い。今日なんかあったっけ?
「いやぁー授業が楽しみすぎて目が冴えちゃってさー」
「この学校最高だよな、この時期から水泳の授業があるなんてさ!水泳といったら女の子!女の子と言ったらスク水だよな!」
そうかな?そうかも……いや、そうはならんやろ。そんなことを考えつつ周りを見渡すと、もうね怖いよね女子の視線が。綾小路はなんかソワソワしてるし。もしかしてあそこに入りたいの?やめた方がいいよ?
「おーい博士ー。ちょっときてくれー」
「フフッ、読んだ?」
大きめの生徒、博士(おそらくあだ名)がゆっくりと近づいていく。
「博士、女子の水着はちゃんと記録してくれよ」
「任せてくだされ。体調不良で見学するンゴ」
「記録?何させるつもりだよ?」
「博士にクラスの女子の胸の大きさランキングを作ってもらうんだよ」
「……おいおい」
須藤も池の発言に軽く引いてた。分かる、流石にキモい。
「哀れね」
「来てたのか堀北」
「おはよー堀北」
「おはよう夏目くん、綾小路くん。少し前に来てたわ。あなたは未練がましく男子を見ていて気づかなかったようだけれど。気になるなら話しかけてきたら?」
「それができたら苦労はせん」
「コミュ障ってわけでもなさそうなんだけどな」
「色々と事情があるんだこっちにも。……はぁ、未だに会話できるのが堀北と夏目だけとは」
「おー、俺と会話できて嬉しいくせにー」
「嬉しいが友人は欲しい」
嬉しいと言われて悪い気はしないな。てれこうじきよたかくんと呼んでやろう。
「ちょっと……言っておくけれど、私を友達に含めないでね?」
「大丈夫だそこまで落ちぶれていない」
すごく嫌そうな顔で堀北は綾小路から距離をとる。綾小路きみ、なにしたの?それとも堀北の人付き合いが悪いだけ?
「おーい、夏目と綾小路」
突如、池に呼ばれた。そちらに顔を向けると池は手招きをしている。
「どしたー?」
なんとなく予想はつくが呼ばれたのを無視するのも後々の関係に響きそうだから行くことにする。嫌だなぁ、なんて断ろうか。
「実は俺たち女子の胸の大きさで掛けようってことになってさ」
「オッズ票もあるやで」
博士はタブレットを見せてくる。うわぁ、しっかりオッズ付きだぁ。
「俺はパス」
「んだよ、夏目。ノリが悪いなぁ……あぁ、お前にはあの子がいるもんな」
「はあ?」
「とぼけんなよ。この1週間、Cクラスの銀髪の女子とよく一緒いるの知ってるんだぞ。付き合ってるんじゃないのか?」
「なに!?俺らを差し置いて女子と付き合ってるのか!?」
ニヤニヤしながら言ってくる池の言葉に過敏に反応して山内が詰め寄ってくる。顔が近い。
「違う。そんな関係じゃないぞ」
「本当か!?なら俺に紹介してくれてもいいんじゃないか!?」
「少なくとも下心しかない奴に紹介したくはない」
俺山内無理かも。女子たちの視線もどんどん厳しくなっているしさっさと離れるに限る。
「えーっと……じゃあ、参加しようかな」
綾小路は参加するようだ。友達が欲しいとか言ってたし、これを足がかりに友達を増やすつもりのなのだろう。
俺が池たちから離れると携帯に通知が来る、池からだ。先ほどの山内の暴走に対する謝罪だった。気にするなと送っておく。ここで綾小路の友達が増えることを祈ろう。
水泳の時間がやってきた。さっさと着替え室内プールに向かう。流石にこの季節からプールということもあり、室内プールを使うようだ。外にプールあるかは知らんけど。
「綾小路なんかスポーツやってた?めっちゃ筋肉質」
「書道とピアノをやってたぞ」
答える気はないらしい。もしくはこの返答でなんとかなると思ってる?
「女子は?女子はまだかっ?」
池が鼻息荒く、女子を探す。女子って着替えの時間もかかるだろうからまだだと思うけどな。
「着替えに時間がかかるからまだだろ」
「なあ、もし俺が血迷って女子更衣室に突撃したらどうなると思う?」
「女子に袋叩きにされて、退学からの書類送検だろうな」
「……リアルなツッコミやめてくれ」
「変に意識してると、女子から嫌われるぞ?」
「意識しない男がいるかよ!」
やはり池も残念な奴みたいだ。それにしても綾小路は会話が普通にできている。綾小路に友人が増えそうで俺は嬉しいよ。
「うわあ〜、中学の時のプールとは比べ物にならないくらい大きい〜」
男子から遅れること数分、女子も来たらしい。
「長谷部がいない!どういうことだ博士!」
「う、後ろだ!博士!」
「ンゴゴゴ!?」
長谷部含めほとんどの女子が見学組で2階にいた。
そりゃそうだよなぁ。朝からあんな話聞かされてたら水泳の授業なんて出たくないよな。悔しすぎて池は膝から崩ら落ちていた。長谷部からキモがられてる。
いつの間にか来ていた櫛田は池たちに絡みに、堀北は綾小路に絡みに行っている。
「よーしお前ら集合しろ。見学者は16人か。随分と多いが、まあいいだろう」
まあいいで済ませてもいいのだろうか。結構な人数参加してないんですけど。男子が悪い?それはそう。
「早速だが準備体操をしたら泳いでもらうぞ。なに、俺が担当するからには夏までに泳げるようにしてやる。泳げるようになれば後で必ず役に立つ。必ずな」
なんか必ずを強調するな。この早い時期から水泳の授業があるってことは後々に何かがあるのか?
授業に参加している生徒たちで準備体操をしていく。それから50mを軽く泳ぐ。
「ふむ。ほとんどのものが泳げるようだな。早速だが男女別50m自由形で競争をしてもらう」
「競争!マジっすか!?」
「1位になったものには俺から特別5000ポイントを支給しよう。最下位のものは補修を受けさせるから覚悟しろよ」
1位は高円寺だった。あいつ速すぎるよ。勝てねぇ
放課後
俺はCクラスの教室で椎名と会話をしている。放課後のためか人は残っておらず、目線を気にする必要がなくて助かる。
「……とまぁ、今日の授業は色々あったよ。椎名の方はどうだった?」
「私のクラスの方でも水泳の授業ありましたよ。私は運動自体が得意ではなかったので競争には参加しませんでしたが」
やはり椎名のいるCクラスでも水泳の授業があったようだ。
椎名の水着姿か。いつか見てみたくはあるがそれを言うのは恥ずかしいものがあるんだよな。
「夏目くん、変なことを考えていますね?」
「イエ、ソノヨウナコトハアリマセン」
「もうっ」
椎名は呆れたようにため息を吐く。かわいい
「ところでさ、椎名」
「はい、なんでしょうか?」
「Cクラスの方にも監視カメラついてるね?」
「ついていますね」
やはりDクラス以外にも監視カメラはついていた。至る所に監視カメラがついているのはいじめ防止ってだけではなさそうだが。
「この後まだ時間あるか?」
「ありますが……」
「学校探索に行かないか。監視カメラが他クラスや他学年にあるのか見てみたい」
「そう言うことでしたら、参加させていただきます」
「それじゃあ出発!」
椎名を連れてCクラスの教室を出る。最初は綾小路も誘っていたのだが今日は用事があるらしく断られてしまった。仕方なく1人で回ろうと思っていたところだったからちょうどいい。
2年の教室、3年の教室を回っていく。
「どのクラスにも監視カメラがありますね」
「やっぱりあったね。今までの学校とは違うとはいえこんなにカメラあるのは異常だよな」
「至る所に監視カメラがあって刑務所ようですね」
刑務所か、言い得て妙だな。学校の敷地内から出ることも禁じられている。
「それになんか席少なくなってない?AからDの順番で席の減りが多くなってた気がするんだけど?」
「そこは私も思いました。学校には新入生に話されていないルールがあったりするのでしょうか」
「赤点取ると退学とか?」
赤点を取るだけで即退学とかたまったもんじゃない。補修や追試とかの救済手段はありそうだけど。
「1年だな。3年になにか用か?」
椎名と席が減ってる原因を話し合っていると生徒会長『堀北学』が話しかけてきた。そういえばここ3年の教室の階だもんな。こんな所に1年生が居たらそりゃ話しかけてくるか。椎名を俺の背に隠すように1歩前に出て対応する。
「特に3年に用があったと言うわけではなく、校内を探検してただけですよ」
「ふむ、探検か。何を見つけた、話してみろ。もし疑問があれば答えてやれるかもしれん」
「良いんですか?」
「ああ、答えられる範囲ならな」
色々と疑問が出てきた所だしちょうど良いのかな。
「私から良いでしょうか。監視カメラについてです。いじめを防止するためだけじゃないですよね。こんなにたくさんのカメラがあるんですから」
「あぁ、カメラはいじめ防止のためだけではないとだけ伝えておこう」
やはりカメラは他のことにも利用されているらしい。なんだろうか。教室、監視カメラ、授業、刑務所……
「いじめ防止以外の利用ですか」
「……授業態度か」
「ほう。なぜそう思った」
「椎名が言ったんだ。ここは刑務所のようだと。そうだろう?普通の学校ならこんなにたくさんの監視カメラは必要ない。ましてや教室にカメラなんてものはつけてないだろう。授業態度を見ている。そして態度次第でポイントが減るんじゃないですか?」
「なぜポイントだと思う?」
「担任が言っていたんです。ポイントは毎月1日に配布されると。ただ、何ポイント配布されるとは言っていなかった。10万ポイントは俺たち1年生に入学したからこそ配られたもの。その後のポイントは明言されていない」
堀北生徒会長は何も言わずにこちらを見続ける。あ、ちょっと笑った。
「その回答については答えられない」
「堀北くんここにいたんです……この方達は?」
「橘か。彼等は一年の生徒だ」
「俺が夏目蓮でこっちが椎名ひよりです」
「私は橘茜です。よろしくお願いしますね」
小柄の先輩、橘茜は軽くお辞儀をする。
「橘、生徒会の先は2つ空いているな」
「はい。まだ誰からも申し込みは来てません」
「お前たちが望むなら生徒会の席を譲っても構わん」
生徒会、生徒会かー。横目で椎名を見る。少し驚いたような困惑したようなそんな表情だ。
「せ、生徒会長……本気ですか?」
橘さんもものすごく驚いているようだ。小動物みたい。
「ありがたいですがお断りします。まだこの学校に来て1週間ですし、色々と見て回りたい」
「私も辞退させていただきます。すでに茶道部に入っていますので」
「えええっ???2人とも生徒会長からのお誘いを断るんですか!?」
生徒会に入るのもありではあるのだが、放課後の自由時間が消えそうで嫌だ。
「時間だな。すまないが俺はもう行く、入る気になったら連絡してこい。俺の連絡先を渡しておく。行くぞ橘」
「は、はいっ」
連絡先を俺と椎名に渡して生徒会長と橘先輩は去って行った。
「夏目くん。生徒会の誘いを断って良かったのですか?」
「ん、ああ。別に俺は生徒会に入りたいわけじゃないからね。それに放課後の時間が少なくなるのは、椎名と会話する時間が減るのは少し嫌だったから」
「まあ、そう言ってもらえるのは嬉しいものですね!」
椎名は嬉しそうに微笑んだ。
あ、そういえば堀北との関係性聞くの忘れてた。
小説は今2年生編読んでます。早くアニメに追いつきたい。