さてさて、今日追放されたてほやほやの檜山大介くんです。
追放ってどんな感じなのかと思っていたら、適当に装備を持たされて、王都の外でサヨナラって感じだった。
なんというか、そこまでの悲壮感はなかった。結構あっさりしてた。
それで今は街道を歩いて、近くの町へ向かっている所ですよ~
近くと言っても、片道で半日ぐらい掛かるんだよね。
ちなみに、馬なんて便利なものはありません。自分の足で歩きましょう。
「はぁ~一日中歩きっぱなしってのはキチィよ~」
「このくらいで根を上げないでくださいよ・・・・・・」
王都を出発してから約4時間もあぜ道を歩き続けたお陰で、足はパンパンである。
そんな疲労困憊した俺とは対照的に未だ疲労の「ひ」の字も見せない、銀髪糸目聖職者系美少女の名前は【ルーエちゃん】である。ちなみに彼女の得物は大型の細剣である。
事故でスカートの中身が見ちゃったが、あの後必死で謝ったら許してくれた。優しい。
正体としてはまあ、お察しの通り、教会が俺に着けた護衛兼監視役だ。
肩書としては、勇者の仲間の護衛役にして監視役。教会の最重要人物のうち一人をの護衛。
つまるところコレがまあ~凄いステータスしてるわけですよ。
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ルーエ 18歳 女 レベル40
天職:聖騎士
筋力:120
体力:130
耐性:100
敏捷:180
魔力:200
魔耐:170
技能:聖属性適正・水属性適正・雷属性適正・詠唱短縮・剣術・先読・気配察知
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うん・・・・・・なんかすご~い感動の嵐(小並感)
まず、全ステータス平均がだいたい150もある。つか魔力に至っては200もある。
参考までに、一般人の全ステータス平均が20。俺のステータス平均は70ぐらいである。
筋力だけで一般人の大体6倍・・・・・・もう既にヤバさが分かると思うが、分かりやすく数値化してみよう。
一般人の平均を成人男性の腕力と仮定すると、ベンチプレス240kgを持ち上げられる計算で、
握力なら270キロkgもある・・・・・・推定チンパンジーじゃん。(チンパンジーの握力は約300キロ)
どうやら俺の護衛はヒューマンジーだったらしい。
「・・・・・・・・・・・・何か?」
「い、いや~なんでもないよ。」
推定握力チンパンジーのルーエちゃんの細腕をジロジロと眺めていると、キッとその糸目で睨まれた。怖い。
「あ、あ~。それにしても、魔物ってホントにいるのかよ? 実は大迷宮の中にしか生息してませんでした~ってことは無いよな?」
なんとか話題を逸らさんと、なかなか魔物と遭遇しないことを話題にあげる。
「王都の結界付近は魔物が少ないんですよ・・・・・・・・・・・・」
「へえ~王都の結界ってそんな副作用があったんだな~」
「はぁ・・・・・・もう少し緊張感を持った方がよろしいかと・・・・・・」
話題は逸らせたが、溜息をつかれてしまった。ため息をついたら幸せが逃げるぞ~
そんなアイスブレイクとも言えない微妙な会話をしながら二人、森の中を歩いていると、遂に遭遇した。
魔物・・・体内に魔石を持つ生物で、その魔物の種族ごとに固有の魔法のようなモノが使える。
魔石目的で度々狩猟される。そして肉は食えない。食う奴は自殺志願者か馬鹿の二択だ。
「・・・・・・来ます。」
技能の【気配察知】のおかげだろうか。ルーエちゃんはいち早く戦闘態勢に入り、俺に警戒を呼び掛ける。
互いが武器を抜き周囲を警戒すること数秒、あぜ道の脇の茂みから牙が肥大化した狼の様な魔物が、俺の喉元めがけて飛び込んできた。
【グオオオ!!】
「うえ! 俺かよ!!」
殺意に満ちた狼の瞳に一瞬、蛇に睨まれた蛙の様に身体が固まり。戦闘中にもかかわらず、咄嗟に目をつむってしまう。
【ザシュ!】
肉が切れるような音と共に鋭い痛みが身体を刺す・・・・・・ことは無く。
「何してるんですか・・・・・・しっかりしてください。」
狼の鋭い牙が俺に噛みつく前に彼女の細剣が狼を貫いたようだ。
俺を救ったルーエちゃんの呆れ半分、心配半分といった眼差しが俺に向けられる。
トゥンク。俺この娘、好きになっちゃいそう。
「・・・・・・まだ来ますよ。」
「お、おう!!」
ルーエちゃんの警告の言葉にハッとさせられた俺は、直ぐに剣を構え直し第二波に備える。
ガササッ! という葉を揺らす音と共に、今度は二匹の狼型の魔物が茂みから飛び出してきた。
流石の俺も二度同じ轍は踏まない。今度は準備バッチリでコイツ等を出待ちしている。
「ここに風撃を望む――〝風球〟」
ボウッっと掌から発生した風の球を、飛び掛かって来た狼めがけて発射する。
風の弾丸と呼ぶには、あまりに遅い弾速の風の球だが、若干の弾道操作が効く為、無事狼型の魔物に直撃し、破裂。【キャンッ!!】という大きな鳴き声と共に、数メートル後ろに吹っ飛んだ。
「まだまだぁ~――ここに巻き上がる風のうねりを望む――〝旋風〟・・・・・・とぉ――ここに焼撃を望む――〝火球〟」
吹っ飛ばされた狼の足元に、小さなつむじ風が生じた。
続いて紅く燃え上がる球体が、つむじ風で動きが取れない狼へ直撃!
【ゴオオ!!】
「!」
「へへ・・・・・・ぶっつけ本番でも何とかなるもんだな。」
火球が狼に命中した直後、ただのつむじ風が、炎を纏った灼熱のつむじ風へと変貌した。
突如として灼熱の炎の中に閉じ込められた狼は、逃げ出すことも叶わず、炎の風の渦の中で黒焦げになって息絶えた。
「ふう、意図的に【火災旋風】を巻き起こすの・・・・・・上手くいったな。さあて・・・・・・そっちは大丈夫・・・・・・みたいだな。」
「ええ・・・・・・さっきの魔法ははなかなか良かったですよ。」
俺の見ていない間に二匹目の狼を処理していたルーエちゃんからもお褒めの言葉を頂いた。うれぴ~
「へへ、俺もけっこうヤるだろ?」
「まあ、魔法以外はダメダメでしたけどね。」
撤回・・・・・・全然褒められてねえ。
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狼型の魔物を撃破して魔石を取り出した後も歩き続けて約2時間。
これまで歩き続けて視界に入って来たのは、木か草か岩だったが、ようやく人工物が視界に入って来た。
高さ10メートルはある高い石壁に立派な鉄製の門。
中世ヨーロッパを感じるその建築物の内側にある町こそ、今日の目的地である。
ハイリヒ王国に属する町の一つ、その名を【ツァルス】という。
「やっと着いた。時間かかったぜ~」
「・・・・・・もうすっかり夜ですね。」
町自体には空が赤く染まるぐらいの時間に着いたのだが、検問を抜けるにあたって、所持品検査をしたりステータスプレートを確認したりすると、すっかり日が暮れてしまった。
すっかり夜になってしまっただが、宿は空いてるだろうか?
予約システムなんて無いだろうし、空いて無かったら野宿確定なのだが。
「もう全部の宿が埋まってたりしないよな?」
「どうでしょう? ここは商人の通りも良いですし、実は全部屋埋まってるかもしれませんね。」
「それは渋すぎるぜ・・・・・・」
その後、無事に宿は見つかった。
白崎「南雲くんを見つけなきゃ」(訓練中)
近藤&斎藤「嘘だろ・・・・・・なんで大介が追放されて・・・・・・(戦慄)」
天之河「なぜ檜山くんが追放されなくてはならなかったんだ。」
中村「は? なんでアイツ一人で単独行動してんの? 僕との約束は?」
???「俺は何が何でも生き残ってやる。」