これから見出し欄や構想を決めるのでほぼ見切り発車だ...
父の野暮用に着いて行った先はイッシュ地方のカラクサタウンだ。この先のカノコタウンという町に住む博士に用があるらしく、今はポケモンセンターに付属するホテルへお世話になっている。
「こいつも捕まりたかったわけじゃないのかな」
窓際から白い貫頭衣を着る不可思議な集団の演説を小耳に挟みながら、自分がいつも寝ているベットの上で、そこそこの付き合いであるトゲデマルが自身が格納されるモンスターボールを転がして遊んでいる様子を眺める。
他人だって考えていることは自分には分からない、分からないのだから、所詮ポケモンの考えもわかることは無いのだろうなと考えをぼんやりと浮かべていると、気づいたら貫頭衣の集団は列を組みながらどこかへ去るようで、残った人々の中で急に始まる茶髪と緑髪の男同士のポケモン対戦が目に入った。
ポカブとチョロネコの技の応酬が目に入ると、バトル内容に段々と目が惹かれていった。ポカブがほのおタイプだからだろうか?
ポケモンバトルといえばジムめぐり。そこからジムめぐりをしてみようかとふと考えついたのは先のポケモン対戦をみて影響されたのかもしれない。
かつて自分の父は理想のポケモントレーナーを目指して相棒と旅に出たそうだ。
今は穏やかな雰囲気を持っているムーランドを相棒として、数々のトレーナーを撃破する父の姿は生き生きとしていて、憧れだったと語る母の話は良く聞いていたし、その話に惹かれていた自分も居た。だが、何となく旅をするという事から逃げていた自分は、旅立ちが良しとされる10歳をとうに過ぎていて、なんとなしに5年近くを過ごしてしまっていた。
話は変わるが、その間に家族で行った旅行先のアローラで懐いてくれたのがトゲデマルである。メスで、どうも珍しい特性を持っている子のようだ
こちらが見ている事に気づいたのか、モンスターボールを抱えながらベットから飛び降り、駆け寄ってくるところを抱き上げ、ちょうど勝敗を決した様子を一緒に見る。ポカブとハイタッチをしている茶髪トレーナーと、チョロネコを収めたボールをじっと見つめる緑髪トレーナーとの様子を見るに、茶髪トレーナーが勝ったのだろうか。
「俺らもああいう風に戦えるのかな」
少し不思議そうに鳴きながらこちらを見るトゲデマルを見返し、ふと出た自分の言葉が面白く感じてしまい、笑うと同じようにトゲデマルも笑い返してきた。やっぱり先の対戦が、芽生えていたポケモントレーナーへのあこがれに火をつけてしまったらしい。
「トゲデマル、俺らも戦ってみようかな。ああいう風に戦い続けたら、いつか誰よりも強くなれるかな?」
自分の問いかけに快く返事をしてくれたトゲデマルに笑いかけ、抱き抱えながら自分の部屋を出た。
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「父さん、ジムめぐりしてくる」
「急にどうした、突然だな。てっきりお前は就職をしてトレーナーとは別の道を行くんだと思ってたよ」
ポケモンセンターのソファーでくつろぎながらそう話す父に苦笑いしつつ、話を続ける。
「将来はそうするつもりというか、母さんの手伝いをしたいんだけどね。でも、外の演説を聞いて、そういう気分になった」
「外の演説...? プラズマ団か...?」
顎に手を添えながら記憶を辿ると、旅行前の情報雑誌にそのような名前があった気がする。
確か新しく?台頭してきた?ポケモン保護団体だったような
「よく分からん演説を聞いた後に見たポケモン対戦を見て、こいつとの付き合い方を探りたいと思った」
抱いているトゲデマルに手を乗せ、棘に逆らわない方向に手の指で梳くと、気持ちよさそうな顔でにこにことしている表情が微笑ましい
「なるほど、確かに人間としてポケモンとどういう風に関係を作るかは永遠の課題でもあるし、対戦も仲を深めるツールとしては優れているな」
うんうんとわざとらしく頷く父に続けて質問をしていく
「なあ、トレーナーってどうやってなるんだ?」
「そうだな...というか、ポケモンセンターで発行しているトレーナーカードがあれば、もうほぼ公認トレーナーのようなものだぞ? ポケモンセンター備え付けのパソコンだって使えるだろ?」
何を当たり前なことをと言いたげな表情をされて、少しムッとなるが、確かに納得する。
手元に出すと、ひんやりしていそうな見た目に釣られたのか、トゲデマルがカードに手を伸ばしてくるので渡す。
光にかざして反射している表面が気になるのか、角度を微妙に変えながら眺めている。
「じゃあもう旅には出れるのか」
「そうだな。だが旅と言っても地元じゃなくてイッシュ地方にするか?お前はここをよく知らないだろうし、知らない土地で旅をするのも良い経験になるだろう」
今は旅行でイッシュ地方に来ているだけで、自分の出身地方は違う。もっとド田舎だ。
急な思い立ちだが、旅行に来ているため旅立ちの準備はできてしまっている。
「そうだね...もうここで回ってしまおうかな?」
「なら!ちょうどここに母さんが用意した最初の3匹がいるぞ!」
「急に!? どれだけ準備がいいのさ!?」
「母さんはあれでお前には旅立ちをして欲しかったようだな。出かける時に託された」
そう言うと、急に立ち上がった父は腰につけたモンスターボールを机に置いた。
「さあ、どの子を選ぶ!」
3匹が同時に机の上に飛び出す...!
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左から順に、ポリゴン、イーブイ、ピンプク...?
「なんか初めてってさ、フシギバナ、ヒトカゲ、ゼニガメみたいな子達じゃないの?」
順番にこちらに挨拶をしてくる子達に、頭を撫でる事で返事をする。みんな素直に喜んでくれるのでこちらも嬉しい。
「何を言う。この子らはみんな母さんが丹精を込めて探した...」
「いや、なんか想像がつくんだけど。母さんの仕事関係から手に入った子達でしょ」
なんとも言えない顔で父を見やると、父も肩を竦める。
「まあ言うな、俺も思うとこはあるさ。でもお前のことだ、この子らを急に渡されても何とかできるだろうという母さんの信頼でもあるんじゃないか?」
「そうかねぇ... 新人トレーナーに渡す用のポケモンもうちでは繁殖させてるよね?この子達の処遇が面倒だっただけじゃないの?」
適当な母さんの急なひらめきを思いついた時の邪悪な顔を思いついて、思わず顔を顰める。その表情を見たからか父も苦笑いしていた。
「んーあー、まあいいじゃないか?今なら選んだ子を進化させるための道具もあげようじゃないか、それでどうだ?」
何となくごまかされた気もするが、改めて3匹を見る
ポリゴンはバーチャルポケモンと呼ばれる分類だ。特徴は少ないが、データがポケモンとして形作られてる珍しいポケモンである。
机の上に出された今は、色々な人が通るポケモンセンターのロビーが怖いのか周りを見回しながら震えてピンプクに隠れている。
イーブイはしんかポケモンと呼ばれる分類だ。遺伝子が不安定だからなのか、別の理由があるのか分からないが、多岐の進化先がある珍しいポケモンである。しかもこの子は色が薄い。
「色違い?だよね。珍しいなぁ」
「そうだな。母さんが言うには、普通と違うからか、保護区の群れの中で残されてしまった子らしい」
そんな事を感じさせないくらいきまぐれそうな雰囲気がある。手から離れたトゲデマルと身振り手振りで会話している。
ピンプクはままごとポケモンと呼ばれる分類だ。進化先のラッキーやハピナスがよくポケモンセンターで務めていることが多いように、温厚な性格な子達が多いようだ。
今も隠れるポリゴンを庇うように手を伸ばしている
「みんな欲しいんだけどダメ?」
眺めるとそれぞれ個性がよく見え、これからどんな成長を見せてくれるかが気になってしまう
「それもいいんじゃないか? お前にはトゲデマルもいるし、急にパーティが増えてもやりくりはできるだろう。じゃあ決まりだな!」
そういうと、餞別といわんばかりに道具が入った袋を渡される。
中にはポリゴン用のディスク、進化の石、丸っこい石、ポケモンの応急処置用の道具などが入っていた。
「これがさっき言ってた道具セットだろ...あとは端末、自転車の鍵...」
「色々貰っていいの?」
カバンを漁りながら道具を投げて渡してくる父に聞き返す。
「ああ大丈夫だよ、みんなうちの家の備品だからな!」
ケラケラと笑う様子は、父が母と気が合う理由が改めてわかった気がして少しげんなりした。
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いよいよ独り立ちするということで、行先はサンヨウシティになるだろう。そこにはトレーナーズスクールとジムがある。ここから近い街であり、カノコタウンから旅にで始める子達の最初の門だそうだ。
父は先にヒウンシティに向かっており、自分がそこまでたどり着けたかを確認したら地元の地方に帰ると言っていた。
との事で当分の目標はジムを2つ突破し、ヒウンシティを目指すことだ。
いずれはジムを踏破するとしても、とりあえずの目標を持って、タウンマップが搭載された情報端末を手に、腰のホルスターに4つのボールが着いている事を確認し、いよいよポケモンセンターから踏み出した。