第1話
俺って何を楽しみにしてたんだろう。
家に帰っても一人、会社で真面目に働きすぎて同僚からは疎遠にされて…
そして今は一人で倒れていて。
俺は、何をしたかったんだろう
「……ぃ」
「…ぉ…………い」
誰かが話してる?一体誰に、
「おいお前、いい加減起きろと言うとるじゃろが!」
その声に俺の意識は覚醒した。
辺りを見回すと、目の前にハ……頭上がとても神々しく輝いているナニカがいた。
驚きのあまり声を失っていると、今度は目の前で手を叩いてきた。所謂、猫騙しといっていたはずだ。
「起きたか?起きたな!…うん?頭を見てどうした?」
『いやっ、は?なんだここ…っていうか、誰だよ』
ナニカは腰だろう場所に手を当てて自分は神だとほざいてきた。
「嘘じゃないわい!というか、この見た目でお前たちの世界に伝わっておろう?混乱するだろうからわざわざ変えてやったというに、なんて失礼なやつじゃ…」
神と主張するナニカが指をパチンと打つと途端に姿が変わった。
眩しかった頭に白い毛が生え、神話に出てきそうな服から現代のような服に、そしてぼやけていた顔が顕となった。
顔立ちは恐らくイケメンと言われる類だろう。狐目で目尻が紅く、目の色が金色だ。ただ…身長が低い為、成人男性の顔に小学生みたいな体なので違和感が酷い。アニメだったら違和感ないだろう、きっと。
「おい!だから失礼なこと考えるんじゃないわい!」
それに加えこの、ジジイ口調ときた。
『はぁ…んで?その神が俺に用なんて無いだろ。遊んでんじゃねぇ、まだ仕事は残ってんだよ』
「だーかーらー、話を聞けと言うておるだろうに!お主は過労死したのじゃ、呆気なくな!」
神はフンッと効果音でもつきそうな素振りを見せたが俺にはその言葉が聞こえてなかった。
何故ならもう仕事をする必要が無いということに喜びを隠せなかったからだ。
『うっっしゃ、労働放棄だ!!ブラックとは言い難い会社だったけど、清々するぜ』
「という訳でお主には寿命が残っとる。元々あった寿命じゃが、お主の場合少し特殊だからのう…はぁ、今度はお主が好きじゃった漫画の世界で労働してこい!」
『は?!なんでだよ、嫌だね。というかその漫画の世界のタイトルってなんだよ。』
「めんどくさいのう…ほれ、行ってこい!あ、ちなみになると?とかいう世界じゃよ!!」
神が言ったその瞬間、目の前が闇に包まれた。
『(ふざけんなよ、この神もどきがぁぁぁ!!!)』
意識がブツンッ、と途切れた。