## 【シーン1:屋上】
紅魔館の屋上には、夜風が静かに吹いていた。
大広間の騒ぎ声はもう聞こえない。フランは眠り、咲夜は片付けをして、美鈴は門へ、パチュリーは図書館へ戻った。昼間あれだけ賑やかだった館が、今は月明かりの下で静かに息をしている。
レミリアは手すりに近づいて、月を見上げた。タカは少し後ろに立っていた。
「ここ、見晴らし良いですね。湖まで全部見えますよ」
「紅魔館で一番空に近い場所よ。気に入っているの」
レミリアはそう言って、少しだけ笑った。いつもの余裕のある笑み。でも、どこか静かだった。
「話って……フランさんのことですか?」
「そうね……」
「今日、すごく楽しそうでした。フランさん」
「そうでしょう?」レミリアの声が柔らかくなった。「あの子があんなふうに笑っているのを見るのは、悪くないわ。咲夜も美鈴もパチェも、なんだかんだ付き合ってくれるし」
「みんな、本当に優しかったです」
レミリアは月を見たまま、少し黙った。それから、ゆっくり口を開いた。
「……でも、昔は違ったのよ」
タカは黙って続きを待った。
「今のフランだけを見ていたら、信じられないでしょうね。あの子があんなふうに笑えるようになるまで、随分、時間がかかったのよ」
「昔の話、ですか」
「ええ。長い話になるわ。それでも聞く?」
「聞きます。聞かせて下さい」
レミリアは少しだけ目を細めた。月の光が、その横顔を白く照らしていた。
「なら、聞きなさい」
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## 【シーン2:追われる日々】
昔。まだ紅魔館が幻想郷に来る、ずっと前の話。
夜の森を、二つの小さな影が走っていた。
雨が降っていた。泥が跳ねる。冷たい風が濡れた服から体温を奪っていく。木の根に足を取られながら、レミリアはフランの手を引いて走り続けていた。
フランは今よりずっと大人しかった。髪も服も泥で汚れていて、足取りは弱い。それでも姉の手だけは離さなかった。
「お姉様……」
「走りなさい!」
「でも、足が……」
「止まったら死ぬわよ。あと少しだけ……頑張って頂戴」
遠くから声が聞こえる。男たちの声。犬の鳴き声。金属が擦れる音。
吸血鬼ハンターたちだった。彼らは毎日のように姉妹を追ってきた。昼は物陰に隠れて、夜は逃げる。食事もまともに取れない。安心して眠れる夜など、いつからなかったのかも思い出せなかった。
「お姉様、眠い……」
「少しだけ我慢して」
「お腹すいた……」
「……私もよ」
レミリアは前だけを見た。本当は、レミリアも限界だった。足は震えていたし、目の前が何度も暗くなった。でも、姉だった。この手を離すわけにはいかない。立ち止まれば終わる。それだけは、はっきり分かっていた。
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## 【シーン3:見えた運命】
その頃から、レミリアには時折、運命のようなものが見えていた。
はっきりした未来ではない。ただ、避けられない流れのようなもの。匂い。音。痛み。ばらばらの断片が、眠りの中に流れ込んでくる。
ある夜、レミリアはそれを見た。
暗い部屋。鎖。杭。泣いているフラン。そして——フランの胸に、杭が打ち込まれる光景。
「……っ!本当に嫌な夢だわ」
跳ね起きた。心臓が激しく鳴っていた。隣で眠っていたフランが、小さく身じろぎした。
「お姉様……? どうしたの」
レミリアは震える手で、フランを抱き寄せた。
「……何でもないわ」
「怖い夢見た?」
「違うわ」
「じゃあ、なに?」
「何でもないの。寝なさい……私の大切な家族なんだから」
嘘だった。言えるはずがなかった。あなたが殺される未来が見えた、なんて。
その夜から、レミリアは何度も運命を変えようとした。進む道を変えた。隠れる場所を変えた。追手を撒く方法をいくつも試した。
でも、どうしても逃げ切れなかった。見える未来は少しずつ形を変えながら、最後には必ず同じ場所へ向かっていく。捕まる。鎖に繋がれる。そして、フランが殺される。
「そんなこと、絶対にさせない」
夜の闇に向かって、レミリアは何度もそう呟いた。
けれど、言葉だけでは、運命は変わらなかった。
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## 【シーン4:捕縛】
数日後、二人は追い詰められた。
廃れた教会の跡だった。崩れた壁、割れたステンドグラス、夜明け前の薄い光。逃げ道は全部塞がれていた。ハンターたちが松明と武器を手に、じりじりと輪を狭めてくる。
レミリアはフランを背に隠して立った。
「近づかないで!」
「随分逃げ回ってくれたな、吸血鬼のお嬢さん」と男の一人が言った。
「生け捕りだ。傷物にするなよ。高く売れるからな」と別の男が笑った。
「お姉様……」
「大丈夫!私があなたを守るわ」
大丈夫なわけがなかった。レミリアの足は震えていた。空腹と疲労と眠気。何日も続いた逃走で、戦う力はほとんど残っていない。それでも、レミリアはフランの前から動かなかった。
ハンターが踏み込んできた。レミリアは飛びかかろうとした。
体が、動かなかった。
銀の鎖。魔除けの札。放たれた矢。それらが一斉に二人を絡め取った。
「お姉様!」
「フラン!」
二人は地面に叩き伏せられた。手首に鎖。足にも鎖。首にも冷たい金属がはめられていく。
「フランに触るな!擦り傷1つでもつけたら殺すわよ!」
「黙れ!クズが!」
鈍い衝撃が頭に走って、レミリアの意識は途切れた。
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## 【シーン5:運命の日】
暗い部屋だった。
石の床。湿った空気。壁の高いところに小さな窓が一つあるだけで、昼か夜かも分からない。レミリアとフランは、壁に繋がれた鎖の先で座り込んでいた。
何日も、まともな食事は与えられなかった。二人とも衰弱しきっていた。フランはレミリアの隣で、小さく震えていた。今のような明るさは欠片もない。大人しくて、弱々しくて、ただ姉のそばに身を寄せているだけの小さな子だった。
「お姉様……」
「何?」
「私たち……助かるよね……?」フランは不安そうにレミリアの顔を見つめた。
レミリアはすぐに答えられなかった。
見えていたからだ。この後に来るものが。扉が開く。フランが連れて行かれる。杭。叫び声。血。
本当は今すぐ動きたかった。鎖を引きちぎって、ここにいる全員を殺してでも、フランを逃がしたかった。でも体は動かない。魔力は底をついていた。喉はからからで、立つ力すら残っていない。
「……助かるわ……絶対に助けるわ」
フランにだけは、そう言った。
「本当?」
「ええ。心配はいらないわ」
嘘だった。でも、そう言うしかなかった。
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## 【シーン6:処刑場へ】
扉が開いた。
ハンターたちが入ってきた。その中の一人が、フランを見て顎をしゃくった。
「まずはその金髪のチビからだな」
レミリアの中で、何かが燃え上がった。
「やるなら私からにしなさい!」
「あ?」
「フランに触るな!お前!」
男は笑った。
「順番はこっちが決めるんだよ!残念だったな吸血鬼さんよ」
フランの鎖が引かれた。
「お姉様!助けてお姉様!」
「やるなら私からにしなさい! じゃないと——お前たちを全員殺してやる!」
誰も聞いていなかった。フランが引きずられていく。
その時、レミリアのそばに一人のハンターが近づいた。鎖の確認をするためだった。ほんの一瞬、男の首元が、レミリアの目の前に来た。
考えていなかった。運命を変えようという計算もなかった。
フランに触るな。
ただ、それだけだった。
近くに寄って来たハンターがいた。
レミリアはその首元に、噛みついた。
肉が裂けて、血が飛んだ。
「ぎゃあああああ!!」
部屋が騒然となった。レミリアは血に濡れた口のまま、男たちを睨みつけた。
「フランに触るなと、言ったでしょ!全員、皆殺ししてあげる」
ハンターたちの顔色が変わった。怒り。恐怖。屈辱。
「……こいつからだ。こいつから殺る!」
レミリアはもう動けなかった。でも、運命はずれた。
本来、先に殺されるのはフランだった。それが——レミリアに変わった。
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## 【シーン7:壊れる音】
処刑場に、レミリアは鎖で固定されていた。
フランも近くに引き据えられていた。見せしめのためだった。
「お姉様!お姉様!お姉様!」
「見るな! フラン、目を閉じてなさい!」
男が笑いながら杭を手に取った。
「まずはこの生意気なこいつからだ」
レミリアの手に、杭が打ち込まれた。
「ああああああっ!!アハハハ!!」
叫びが石の壁に反響した。フランの目が大きく見開かれる。
「お姉様……?」
レミリアは歯を食いしばった。でも次の瞬間、鉈が振り下ろされて——腕が、落ちた。
レミリアの絶叫が処刑場を裂いた。視界が真っ白になる。それでも、口だけは止まらなかった。
「殺してやる……! アハハハ!お前たちを、殺してやる!」
血が床に広がっていく。
「殺してやる! 殺してやる! 殺してやる!一族全てを殺してやる!」
その声を、フランは聞いていた。
震えていたフランの表情が、ゆっくりと変わっていった。恐怖。悲しみ。怒り。それらが混ざり合って、やがて——何かが、壊れた。
フランの小さな手が、鎖を掴んだ。
ぎしり。
金属が軋んだ。
「おい、ガキが何を——」
ぎしり。ぎしり。
次の瞬間、鎖が引きちぎれた。
フランはゆっくりと顔を上げた。そこにあったのは涙ではなかった。壊れた何かから溢れ出す、狂気に満ちた笑みだった。
「このおもちゃたち……全部壊して、いいんだよね?」
男たちが武器を構えた。でも、遅かった。
フランが動いた。
悲鳴が上がった。何が起きているのか、薄れていくレミリアの意識では、もう捉えられなかった。痛み。血の匂い。叫び声。何かが壊れる音。そして——フランの、笑い声。
レミリアの意識は、そこで途切れた。
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## 【シーン8:逃走】
次にレミリアが微かに感じたのは、誰かに抱えられている感覚だった。
体が揺れている。夜風。血の匂い。遠ざかっていく炎の光。
フランが、レミリアを抱えて歩いていた。
ハンターたちのアジトは、燃えながら後ろに遠ざかっていく。追ってくる者は、もう誰もいなかった。フランはレミリアの鎖を全て外して、片腕を失った姉を抱えるようにして、夜の森を必死に歩いていた。
「お姉様」
返事はない。
「……フランを『ひとり』にしないで」
返事はない。
「お姉様……」
フランの声は、また小さくなっていた。さっきまでの狂気は消えていた。そこにいるのは、姉を失うことだけが怖い、小さな妹だった。
しばらく歩いたところで、レミリアの意識がわずかに浮上した。
「……フラン……」
「お姉様!よかった!」
「あなた……大丈夫、なの……?」
「お姉様の方こそ! 私が助けるから!安心して!」
レミリアは何か言おうとした。でも声が出なかった。意識がまた沈んでいく。
フランは泣きそうな顔のまま、それでも足を止めずに歩き続けた。
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## 【シーン9:小さな家】
夜の森を抜けた先に、小さな家があった。
窓に明かりが灯っている。フランはレミリアを抱えたまま、その扉の前に立った。震える手を伸ばして、弱々しくノックした。
しばらくして、扉が開いた。
そこにいたのは、一人の少女だった。紫の髪。眠そうな目。本を片手に持っている。
パチュリーだった。もちろん、この時はまだ、名前も知らない他人だった。
「……何?」
フランは何も言えずに、腕の中のレミリアを見せた。片腕を失い、血まみれで、今にも死にそうな吸血鬼。
パチュリーは一瞬で状況を理解した。そして、眉をひそめた。
「面倒事はごめんよ」
扉が閉まりかけた。フランがそこに手をかけた。
「待って!」
「離しなさい」
「お願い!」
「他を当たって」
「お姉様を助けて!助けてよ!」
パチュリーの手が、止まった。
フランは泣いていた。大粒の涙が、泥だらけの頬を伝っていた。
「お願いします。私……一人ぼっちになっちゃう。お姉様は、誰よりも大切な人なの。だから、助けて。お願い……!」
フランの声は震えていた。パチュリーはしばらく黙っていた。
本当に、面倒事は嫌いだった。吸血鬼に関わるなんて、厄介以外の何物でもない。追手が来るかもしれない。この家ごと巻き込まれるかもしれない。理屈で言えば、断る理由しかなかった。
それでも。
目の前で泣いている子供を前に、扉を閉めることは、できなかった。
「……入りなさい」
フランの目が見開かれた。
「助けて、くれるの?」
「早くしなさい。死ぬわよ、その子」
「ありがとうございます!本当にありがとうございます!」
フランは何度も、何度も頷いた。
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## 【シーン10:治癒】
小さな家の中で、パチュリーはレミリアを寝台に寝かせた。
すぐに床へ魔法陣を広げていく。手際に迷いがなかった。フランはそのそばで、祈るように両手を握って見ていた。
「静かにしていなさい」
「はい!」
「泣くのも後にして、気が散るから」
「はい……!」
パチュリーは治癒の魔法を紡いだ。淡い光がレミリアの体を包んでいく。失われた腕。裂けた傷。焼けるような杭の痕。時間を巻き戻すように、少しずつ、少しずつ修復されていく。
長い時間がかかった。窓の外が白み始めても、パチュリーは手を止めなかった。フランは一歩も動かなかった。
やがて、レミリアの呼吸が安定した。腕も、戻っていた。
パチュリーが深く息を吐いた。額に汗が浮いていた。
「……命は、助かったわ」
フランはその場にへたり込んだ。
「よかった……よかったぁ!」
フランは泣いた。今度は、安心して泣いた。
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## 【シーン11:パチュリーの問い】
レミリアが目を覚ましたのは、それから少し後だった。
知らない天井。知らない部屋。薬草の匂い。隣にはフランが眠っていて、椅子には本を持った少女が座っていた。
「起きたわね?」
「……誰?……あんた誰よ!」
「それはこちらの台詞よ。人の家に転がり込んできておいて」
レミリアは起き上がろうとして、痛みに顔を歪めた。
「動かないの。まだ治りきっていないわ」
「フランは……フラン!」
「ここにいるよお姉様!」
フランが飛び起きて、寝台に駆け寄ってきた。無事だった。その顔を見た瞬間、レミリアの体から少しだけ力が抜けた。
パチュリーは椅子に座り直した。
「説明してもらうわよ。全部」
レミリアは少し黙ってから、分かる範囲で話した。
吸血鬼ハンターに追われていたこと。何日も逃げ続けたこと。捕まったこと。食事も与えられなかったこと。そして、ハンターたちが吸血鬼を狙う理由——吸血鬼の肉を食えば不死になれるという、馬鹿げた噂。
パチュリーは眉をひそめた。
「くだらないわね」
「ええ。心底くだらないわ。でも、そのくだらない話を本気で信じる者たちがいるのよ」
「……それで、どうやってあそこから逃げたの? その状態で」
レミリアは少し黙った。
「覚えていないわ。私は途中で意識を失ったから」
レミリアはフランを見た。フランは、少しだけ視線を逸らした。
「……フランが、助けてくれた。それだけは確かよ」
パチュリーはフランを見た。フランは小さく頷いた。
パチュリーは、それ以上、その夜のことは聞かなかった。
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## 【シーン12:始まり】
数日が経った。
レミリアの体は少しずつ回復して、フランも落ち着きを取り戻していった。パチュリーは「いつまでいる気なの」と文句を言いながらも、二人を追い出さなかった。食事は三人分用意されていたし、フランの服はいつの間にか繕われていた。
ある日、レミリアが聞いた。
「ねえ。どうして助けたの?」
「さあ」
「理由もなく?」
「面倒だったからよ」
「助ける方がよほど面倒でしょう」
パチュリーは本から目を上げずに答えた。
「見捨てるのも、後味が悪いわ。どちらの面倒を取るかの問題よ」
レミリアは少しだけ笑った。
「……変な魔法使いね」
「変な吸血鬼に言われたくないわ」
フランはそのやり取りを見て、小さく笑った。この家に来てから、初めての笑顔だった。
それが、レミリアとパチュリーの出会いだった。
後に紅魔館と呼ばれる場所の始まりは、豪華な館でも、宴会でも、誇りでもなかった。
逃げて、傷付いて、助けを求めて——それでも生き残った。
そこから、紅魔館への道を歩み始めた。
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## 【シーン13:屋上へ戻る】
夜風が、屋上を通り抜けた。
レミリアの話が終わっても、タカはしばらく何も言えなかった。月は同じ場所にあったけど、さっきまでと違って見えた。
「……パチュリーさんは、最初から紅魔館にいたわけじゃなかったんですね」
「ええ。フランが泣いて頼み込んだから、渋々ね」
「渋々、ですか」
「本人はそう言うわ。今でもね」レミリアは少し笑った。「でも、パチェがいなければ私は死んでいた。そして、フランは一人になっていた」
その言葉は静かだった。でも、とても重かった。
「……そこから、今の紅魔館が始まったんですね。咲夜さんも、美鈴さんも」
「ええ。少しずつ増えていったの」
レミリアはもう一度、月を見上げた。その横顔から、いつもの余裕のある笑みが消えていた。
「でもね……」
「はい」
「本当に大変だったのは……この後よ」
タカはレミリアを見た。
「フランの力が、少しずつ、制御できなくなっていったの」
夜の紅魔館に、風が吹いた。眼下の湖が、月の光を静かに揺らしていた。
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