シスの亡霊と共和国軍人がいがみ合ったり助け合ったりする話   作:ひらつー

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第3話

 

 役立たずの脱出艇を見つけてから、ほぼ丸一日が経った頃。

 

 アングは木陰に身を潜めていた。木立の隙間からは、不時着した強襲艦の後部スラスターと、木々が何十本となぎ倒されて誕生した、ちょっとした広場が見渡せる。

 

「スノウ軍曹、敵はまだですカ?」

 

 アングの隣で待機している秘書ドロイドのダックスが、布に包まった状態でぼやいた。

 

 地下ドックから地上に戻って、アングが最初にしたのは、強襲艦内のドロイドの状況を調べることだった。流石に無傷で残っていたものは無かったが、軽量故にかなりの数を搭載していた通常型バトル・ドロイドは、簡単な修理で機能を取り戻せる個体も多かった――トイレに頭を突っ込んでいたダックスのように。

 

 通常型バトル・ドロイドの利点は、その生産性と汎用性だ。一体あたりの戦闘力はさほどでもないが、代わりに構造が単純で、専門家ではないアングでも簡単な修理程度なら行える。別のドロイドと頭部パーツをすげ替えても問題なく稼働したというデータもあるくらいだ。

 

 加えて人間と同等サイズで製造された彼らは、人間の使う道具をそのまま使用できる器用さを持つ。ブラスターやビークルだけではない。軍用ドロイドは、戦場で役に立ちそうなスキルを片っ端からプログラムされている。簡単な溶接や配線くらいなら出来るのだ。

 

 そうして修理したダックスに、さらに別のドロイドを修理させ、そのドロイドによってさらに別のドロイドを……とほとんど不眠不休で繰り返したお陰で、現在はアングの権限で指揮下における最大数である、12体のバトル・ドロイドが森に潜んでいた。

 

 強襲艦の救難信号も、予備動力からバイパスして起動することに成功している。そうしてシグナルを発信したのが20分ほど前。それからアングは、こうして敵を待ち伏せしているというわけだ。

 

「……戦力を整えるのに時間を使いすぎたかも知れないな」

 

 ドロイドを復帰させて迎え撃つというのがアングの作戦だったが、その準備に使うことの出来る時間は限られていた。敵は逃亡した強襲艦を追撃のために捜索するだろうが、当然、永遠にそうしているわけではない。ではどの程度の余裕があるのか――こればかりは勘に頼るほか無かった。

 

 共和国軍の規定では、宙間戦闘によるMIA(行方不明)は、72時間以内に位置の特定や救難信号の受信が出来なければKIA(死亡)認定される。

 

 敵がこちらを探している時間は、おそらくそれよりも短いだろう。そうして決めた24時間という数字だが、確かな根拠があるわけでもない。敵が既にこの星系から去ってしまっているということも十分考えられた。

 

 もしも敵が来なかったら――その時は救助が来る可能性に賭けつつ、この星で暮らすしかないだろう。

 

「畑仕事に興味は?」

 

「農業ドロイドに転用ですカ。防塵処理をよろしくお願いしマス」

 

 ダックスがそんな風に返してきた、その時。

 

 青空の中に光の筋が走った。アングは即座にその正体を理解する。大気圏外から降下してくる艦艇だ。摩擦熱で白い尾を引いている。

 

 アングは緊張を息吹に混ぜて吐き出すと、ダックスを含む三体のドロイドを率いて、さらに森の奥へ後退しながら咽頭マイクに手を添えた。

 

「どうやらまだしばらくは軍属みたいだ。お客様だぞ。全員、衣装にほつれがないかチェックしろ」

 

 

 共和国軍追撃の為に派遣されたデミス艦長は、改めて上空から地上を俯瞰していた。

 

 軌道上から既に一度、望遠カメラで確認した際の映像を貰っていたが、こうして間近で見ると、やはり無駄足だったのではないかという気がしてくる。

 

 あの戦場から唯一、ハイパードライブで逃げおおせた共和国軍の強襲艦は、どうやらこの星による『質量の影』の影響で超空間から弾き出され、そのまま地表へ墜落したらしい。

 

 地面に衝突した後も、船は地表をだいぶ滑ったのだろう。巨人が爪で引っ掻いたように、木々や土壌がなぎ倒され、その終着にあちこちを欠けさせた艦艇の姿があった。

 

「生存者はいると思うか?」

 

 ブリッジの中央に立つデミスの問いかけに、隣に控える副長がゆっくりと首を振って返す。

 

「正直、厳しいかと。コンピュータに計算させましたが、あの船の耐衝撃性能を鑑みても、死亡率はほぼ100%です」

 

「だろうな……救難信号は落下前に出したか、あるいは誤作動という辺りか?」

 

「その可能性が高いかと。無論、宇宙に絶対はありませんが」

 

 つまるところ、実際に見るまでは確かなことは分からないと言うことだ。

 

 デミスはしばらく考え込んだ。上空からいくつかの方法で索敵したが、反応はない。だがここで帰って「たぶん全員死んでます」と報告しても、上は納得しないだろう。

 

 では調査に伴う危険はどの程度のものか。奇跡的に生き残りがいたとしても、流石に無傷ではないはずだ。戦闘行為は難しいだろう。

 

「空き地に着陸させろ。敵の強襲艦からは可能な限り距離を取れよ。その後、偵察用ドロイドを出せ。周辺警戒にトルーパーも展開させろ」

 

 敵からの攻撃はない。そう判断して、デミスは着陸を命じた。デミスが指揮するこの揚陸艦は、それなりの大きさがある。木がなぎ倒されたことによって着陸のスペースが出来ていたのは幸運だった。

 

 揚陸艦が着地。ハッチが開くのと同時、準備されていたプローブ・ドロイドが三機、飛び出していく。リパーサルリフトで浮遊し、どんな地形にも対応する優れものだ。

 

 これで敵の艦内を捜索し、その映像データを送信すれば"上"も納得するだろう。敵艦から機密情報のひとつでも見つかれば、ここまで足を運んだ苦労も報われるかも知れない。

 

 だがそんなデミスの思惑は、敵強襲艦が派手に爆発したことで破れることとなった。

 

 ドロイドから送られていた映像をリアルタイムで映していたモニターが真っ白になるほど凄まじい火柱が上がり、衝撃がデミスの乗る揚陸艦を激しく揺さぶる。幸いなことに、船がひっくり返るということはなかったが、それよりももっと不味いことが起きた。

 

 ぶつり、と映像が途絶え、黒く染まる。モニターの故障ではない。船のシステムそのものが落ちていた。

 

「どうした!?」

 

「おそらく、リアクターの爆発で発生したEMPの影響です。システムチェック……再起動まで5分ほどかかります」

 

「……このタイミングでか?」

 

 デミスの呟きに、ブリッジに嫌な沈黙が落ちる。

 

 不幸な事故だと思う気にはなれなかった。だが、出来ることは限られている。離陸どころか、軌道上で待機している母艦への通信さえも出来ないのだ。

 

 デミスはしばらく考え込んだ後、ブリッジで一番年若い士官を呼びつけた。

 

 

 最初の仕掛けが上手く働いたことに安堵しつつ、アングは使用済みの起爆スイッチを背後に投げ捨てた。

 

 強襲艦のリアクターとイオン魚雷を連鎖誘爆させることによって発生した強力な電磁パルスは、敵のドロイドと船のシステムをダウンさせた。本来なら、これほどの影響は出なかっただろう――宙間航行を前提とする艦艇の装甲は、対EMP仕様になっているからだ。

 

 だからアングは、敵艦がハッチを開いた瞬間を狙ったのだ。大勢のトルーパーを効率的に乗降させる為、揚陸艦の搭乗ハッチは巨大な造りになっている。敵はその分だけ、無防備な電子機器を外に晒してしまっていたというわけだ。

 

「アービアス」

 

『……敵は30人だ。全く、この俺様にこんな丁稚仕事をさせるとは……」

 

 この場に姿のないアービアスの声が、アングの脳裏に響く。

 

 フォースを介したテレパシーのようなものらしい。ほとんど無力なアービアスだが、アングのミディ・クロリアンと共鳴している為、これに関しては自由に使えるようだ――というより、もともと肉体がない以上、いつもの会話も無意識にこれを使っていたのだろう。

 

「間違いないか?」

 

『指折り数えたのだ。間違える筈はあるまい』

 

 アービアスがいるのは、敵の揚陸艇の真横だった。周辺警戒の為に出てきたトルーパー達のまっただ中にいるが、気にもされていない。霊体であるアービアスの姿を見ることが出来るのは、一定以上のフォースの才能が必要なのだ。

 

 そこでアングが考えたのは、暗黒卿を無敵の斥候役として利用することだった。

 

 アングから離れられる距離には限界があるらしいが、向こうからは見えず、こちらから一方的に見ることが出来るというのはかなりの優位性だ。

 

 唯一の懸念は、敵方にもフォースの才能を秘める者がいた場合、アービアスの姿を見られてしまうどころか、暗黒卿が寝返る可能性もあったことだが――

 

(どの道、フォースの才能とやらを感知できるあいつが大人しくしているとも思えなかったしね)

 

『何か疑念のようなものがが伝わってくるぞ』

 

 疑うようなアービアスの声を無視して、アングは決意を固めた。敵の数によっては、このまま森の奥に撤退し、農作業でもしながら来る当ての無い救援を待つつもりだった。

 

 だがトルーパー30名程度なら十分に勝ち目がある。EMPの影響で、敵はドロイドや戦闘車両を使えないはずだ。

 

「システム復帰まで、どんなに急いでも3分は掛かる。それまでに決着を付けるぞ。コード送信。アルファ・タンゴ・チャーリー ――B分隊、攻撃を開始」

 

 アングの命令に従って、森の中に潜んでいたバトル・ドロイドが起動した。機体を覆うように被っていた重たい対EMPマントを脱ぎ捨てながら、ブラスターライフルの引き金を引く。

 

 敵が降下した地点は、アングが予測していた場所とほぼ一致していた。木々がなぎ倒されて出来た広場の中で、爆発などの危険性がある敵艦から最も離れた位置。

 

 その近くの木立に隠れていた4体のドロイドが、敵へ向かってまっすぐ突っ込んでいく。不意打ちに気味にブラスターを浴びせ――だが、瞬時にトルーパーからの反撃を受けて、逆にこちらの1体が機能停止する。

 

『おい、敵を倒す前にこちらがやられたぞ?』

 

「ドロイドの命中率に期待しちゃいないよ。B分隊、グレネードを投擲して予定ポイントまで後退」

 

 残る3体の内、2体の援護を受けた1体が起動させたサーマル・デトネーターを投擲しようとして――敵のブラスターに胸部を撃ち抜かれる。マニピュレータから転げ落ちたそれが起爆し、盛大に土埃を巻き上げる音が、艦を挟んで反対側の木立に潜むアングの耳にも届いた。

 

『敵が10名ほど、森に逃げ込んだドロイド共を追って船から離れたぞ』

 

「優秀だな。全員連れて行ってくれれば良かったんだけど」

 

 トルーパーのコマンダーは、即座に追撃の判断を下し、だが同時に、別方面からの攻撃もきちんと警戒しているようだ。

 

「楽はさせて貰えないらしい。C分隊、掃射開始」

 

 次の瞬間、B分隊が逃げ込んだのとは違う方向から、凄まじい密度の弾幕が追撃に出たトルーパー達を襲った。今度は無傷という訳にはいかず、何人かがブラスターの餌食になる。

 

 B分隊よりも敵艦から離れた位置に潜ませていたC分隊が使用しているのは、標準的なブラスターライフルではない。秒間60発もの弾丸を吐き出すブラスタータレットだ。凄まじい火力を発揮するが、三脚で固定しなければならず、かなりの重量がある為、機動性は無いに等しい。だが、こうして待ち伏せに使う分には最高の武器だった。

 

 修理できた虎の子の2門から吐き出されるブラスターの雨が、さらにトルーパーへと降り注いでいく。

 

「伏せろ!」

 

 トルーパー・コマンドの叫びに反応して、全員が地面に転がっている大木を盾にするように伏せた。流石にしっかりと訓練されている。

 

 だが、もはや彼らはその場から動けなくなってしまった。頭を上げればタレットの餌食。盾になっている木もそう長くは持たない。

 

 船の周囲に待機していた残りのトルーパー達も、流れ弾に当たらないように陣形を組み直していた。それまで船の全方位に散って警戒していたところを、船を盾にするように片側へ集中しだしている。ブラスターの火力では、精々軍用艦の装甲を焦がす程度だ。

 

 トルーパー達も散発的に反撃しているが、船からC分隊まではやや離れすぎている。汎用型のブラスターライフルで命中を期待するには厳しい距離だ。

 

 その様子を、アービアスはつまらなそうに逐一報告していた。

 

『残っていた連中の半分が船を離れて森に入ったぞ』

 

「回り込んでC分隊を叩くつもりだな……B分隊、足止めを頼む」

 

 マイクで指令を出すと、アングは木立の中を慎重に進み、再び敵の船が見える所まで前進した。今までは戦場を全く見ずにいたのだ。こちらから見えるということは、敵からも見えるということである。戦力で劣るアングが、万が一にでも敵に発見されてしまえば、単純な戦力差ですりつぶされてしまう。

 

 だがアービアスという斥候と、死を恐れないドロイドという味方のお陰で、敵の戦力を分断し――こうして敵の背後を取ることが出来た。

 

 アングの目には、船の片側に集まり、ブラスターをまき散らすC分隊へ意識を集中させているトルーパー達の背中が映っている。数は報告通り10名ほど。ついでにその隣で、アービアスがトルーパーに八つ当たりで蹴りを入れていた(すり抜けていたが)。

 

 そこへポンポンポン、とくぐもった発射音が響き渡る。音に気づいた数名のトルーパーが背後を振り返るが、もう遅い。ほぼ同時に、その足下に起動済みのサーマル・デトネーターがいくつも落下した。

 

 彼らが最後に見たのは、連発式のグレネードランチャーを放り捨てる共和国軍人とドロイド達の姿だった。

 

「突撃だ! 他の連中が戻ってくるまでにブリッジを押さえるぞ! ダックス、バッグを忘れるな!」

 

「ラジャラジャ!」

 

 トルーパーと暗黒卿を巻き込んだ盛大な爆発と共に、大量の土煙が舞い上がった。それが晴れないうちに、アングはブラスターライフルに持ち替え、敵船目掛けて一気に駆け出す。

 

『……あー、待て』

 

 それに待ったを掛けたのは、僅かに気まずそうな暗黒卿の声である。

 

 それに何か不吉なものを感じ取ったアングは、一刻一秒を争う状況ながら、木立から飛び出すのを寸でのところで堪えた。

 

 土煙が晴れる。そこに現れたのは――

 

「……嘘だろ」

 

 そこにいたのは赤いアーマーに身を包んだ、無数のトルーパーの姿だった。

 

 10や20ではない。隊列を組んだ数十人の新たなトルーパーが、ハッチを駆け下りて素早く船の周囲に展開しているのだ。

 

 最初に船を降りたトルーパーが、後続の展開を援護する為、アング達が隠れている茂みに向かってブラスターを撃ち込んでくる。アングは歯噛みをしながら、なるべく頑丈そうな大木の影に隠れた。

 

『その……船から敵が出てきたぞ?』

 

 すたすた歩いて戻ってきたアービアスを、アングは精一杯目を剥いて睨みつけた。

 

「30人って言ってたよな?」

 

『出てきたのは確かに30人だった。船の中までは知らん』

 

 不機嫌そうにそう言い訳するアービアスに、アングは深くため息を吐いた。確かにこの亡霊は、偵察役にされたことに不満を持っていた。仕事が不完全なことは予想してしかるべきだったのだ。

 

 新たに展開してきたトルーパーは先ほどの倍以上。奇襲の利も失われた以上、10体のドロイドでどうこう出来る数ではない。その証拠に、B分隊は全滅。C分隊も制圧されつつあった。

 

 同じように樹木を盾にしたダックスが、困ったように頭部を傾げて見せる。

 

「スノウ軍曹、投降しますカ?」

 

「100歩譲って連中が捕虜を取ったとして、長生きさせて貰えるとは思えないな」

 

 拷問後、処刑。そんなところだろう。

 

 アングは乱暴にライフルを放り出すと、腰にぶら下げているブラスター・ピストルの銃把に手を這わせた。

 

「どうやら僕は賭けに負けたみたいだ。出来るとしたら、なるべく苦しまないように――」

 

『貴様はそれでよいのか?』

 

 その囁きは、ブラスターが空気を焦がす特徴的な音の雨の中でも、不思議と聞き逃すことなく、アングの脳髄に染み込んできた。

 

 いつの間にかアングと正対するように、アービアスが佇んでいる。フードを目深に被り、ろくに顔も見えない怪人スタイルだが、不思議と真剣な眼差しでこちらを見つめているのが伝わってくる。

 

「良いも悪いも、それ以外に何が出来るっていうんだよ」

 

『ふむ、確かに、確かに……現実的に貴様が取れる選択肢はそれくらいであろうな』

 

 嘲笑するように口元を歪ませて、アービアスが挑発的に言葉を紡いでいく。

 

『だがそれは実現できそうな選択肢であって、真に選びたいものではなかろう?』

 

「何が言いたいんだ?」

 

『フォースを通じ、貴様と同調して分かった……貴様は現実主義者のようだが、心の底からそう思っている訳ではない。激情を感じるぞ……焦り、悔恨……そして怒り』

 

 アングの問いかけを半ば無視するように、アービアスは語り掛けを続けた。

 

『仲間を殺した敵を許せないのだろう? 連中に目に物見せてやりたいのだろう? 復讐をしたいのだろう?』

 

「だから……無理だろ。仮に特攻しようとしたって、ブラスターを構える前にハチの巣だよ」

 

『つまらんお利口屋め。だが、否定はしなかったな』

 

 面白そうに含み笑いを漏らしながら、暗黒卿が手を差し伸べてくる。

 

『貴様が心の底で圧し潰していた願いを解き放つのだ。暗黒面へと通じるその欲望、俺様が叶えてやろう』

 

「で、体を寄越せっていうのか?」

 

『選ぶのは貴様だ。だが約束しよう。肉体を明け渡せば、連中はひとり残らず鏖殺されると』

 

「……」

 

 僅かな黙考。

 

 アングが幼少期を過ごしたストリートという環境は、ただ生きるだけでも大変な困難が付き纏う。

 

 そこで生き延びるには、可能なことと不可能なことを的確に取捨選択しなければならない。腹が減ったからと言って適当にかっぱらいなどすれば、即座にブラスターで背中を撃たれる。だから何の後ろ盾もないストリートキッズが生き延びるには、欲望というものをコントロールする必要があったのだ。

 

 そんなアングから見れば、アービアスの提案は子供じみたものだった。だが、

 

「分かった……体を譲る。代わりに、連中を徹底的にやっつけてくれ」

 

『ダース・アービアスの名に懸けて』

 

 そして、アング・スノウの意識は闇の中に落ちた。

 

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