ホムラと湯船で温まった後、
僕の部屋に戻る。
部屋の扉を開けると中に、
リオとユキがいた。
「おかえりなさい、主。」
「もう上がったのね.....、
ホムラがさっきから見えないんだけど.....。
まさか、一緒に風呂に入ってなかったわよね?」
「んー?呼んだー?」
背後からホムラが髪の毛をタオルで拭きながら現れる。
「ホムラ....あんたやったわね?」
ユキがじとっと睨む。
「はーはっはー!なんのことかなー!」
「僕とご主人は同性だし!抜け駆けじゃ無いもーん!」
わざとらしく笑うホムラに、ユキは「やられた」というように額へ手を当て、小さくため息をついた。
話題を変えようと、僕は口を開く。
「どうして2人は僕の部屋に?」
リオが静かに頷いた。
「実は、話したいことがありまして。」
一呼吸置いてから続ける。
「先日、主と私で密猟者二人と戦った時のことです。」
少しリオの握る拳が引き締まる。
「彼らは私の姿を見て言っていたんです。」
『噂の"人の形をしたポケモン"だな?』
その言葉を思い返し、僕は眉をひそめる。
――噂?
リオたちの存在を、僕も家族も、
誰かに言いふらしたりしないだろう。
昔、僕が頻繁にポケモンバトルをしていた頃なら、目撃されて広まることもあったかもしれない。
けれど、もう何年もポケモンバトルはしていなかった。
それこそ、メイとバトルした今日までは。
リオたちも積極的に姿を見せていたわけではない。
それなのに....。
どうして。
リオが言葉を続ける。
「私も、ホムラも、ユキも、人前へ出ることはほとんどありません。」
「それこそ、この町の外なら尚更。」
「街から出ても、ご主人がいないなら意味ないもん。」
「ええ。それじゃあ外に出る意味まるでないものね。」
2人の言葉に、少しだけ頬が熱くなった気がする。
「それなのに、この町へ来たばかりと思われる密猟者が、私たちのことを知っていた。」
「もちろん、この町の誰かが噂を広めた可能性もあります。」
「ですが、それだけとは思えないんです。」
リオは真っ直ぐ僕を見る。
「少なくとも、どこかで『人の姿をしたポケモン』の存在が噂になっている。」
その一言が、胸に引っかかった。
もし、その噂の出どころを辿れば、
もし、その噂の元凶を見つけられれば。
僕が抱えた謎の答えに、
近づけるのではないだろうか。
気づけば言葉が零れていた。
「ありがとう...。」
僕の中で、一つの確信が形になっていく。
ーーーこの旅の中で、きっと解き明かせると。