私が主と出会ったのは、まだ進化する前――リオルだった頃のことだ。
私たちルカリオやリオルという種は、
相手の考えや感情、悪意や善意、それらを波導として見通すことができる。
私がそれまでに森で出会った人間は、全て、鈍く濁った波導を持っていた。
それこそ、人という種は悪意しか抱けないのだと思えてしまう程に......。
あの日もそんな悪意を抱く人たちに追われていた。
おそらく、人の姿を持つポケモンが珍しい存在だったから。
逃げる先で、偶然見つけた"小屋"に身を隠した。
その小屋で身を隠して、悪意を持つ人々が去るのを静かに待った。
どれだけの時間が経ったかわからない。
けれど、不意にその扉は開かれた。
そこで私の運命が変わった。
「あれ?女の子...?」
そこには、私と同じ背丈くらいの少年が立っていた。
最初、ついに人間に見つかったと思った。
けれども、すぐに気づいた。
「(え.....?うそ......。)」
初めてだった。
こんなに澄んでいて綺麗な波導を見たのは、
生まれて初めてだった。
見間違いだと思った。けど、すぐにその予想も覆された。
少年は少しだけ考える素振りを見せた。
私は次の動きを警戒して身構えた。
けれど、次の瞬間。
彼は優しく笑って、私へ手を差し伸べた。
波導を見れば悪意があるのかどうか、
相手の感情だってわかる。
だからこそ、感じ取ってしまう。
私を心配してくれる気持ち。
その心配を見せないように、不安にさせないように、優しく笑いかけてきた。
そのあまりにも純粋な優しさを。
彼からしてみたら、特別なことなんて何もしていないのだろう。
困っている子がいたから手を差し伸べた。
本当にただのそれだけ。
それだけのことが、
その時、私を確かに救った。
気づくとあなたの手を握っていた。
初めて握る人の手。それは暖かかった。
「ここは暗いからさ。行こ。」
「あぁ.....」
手を引かれて小屋の外へ連れ出される。
外は明るかった。
でも、それ以上に.....
私の手を握り、笑顔を見せてくれるその少年を見つめる。
その時、私はーーー
あなたを私の"主"だと決めた。
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私は主の迷いの原因を知っている。
そして、"彼の夢"も知っている。
だから......
1人、主の部屋に残されてしまった。
けれど、私のすることはあの時から決まってる。
「追いかけよう。」
苦しんでいる時は、隣にいてあげたい。
迷っている時は、支えてあげたい。
だって......
私は彼の"相棒"だから。