bw2の世界で僕は   作:rio@poke

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第三話 相棒と夢

ヨーテリーと男たちの間に割って入る人影。

リオがそこに立っていた。

 

「ぐっ.....リオ!」

 

「!!....主!」

 

リオと一瞬だけ目が合った。

しかし、すぐに前を向き直す。

 

顔はよく見えない。

ただ、その肩は少し震えていた。

 

「その耳、尻尾.....そして、俺のレパルダスを押し除けるそのパワー!!お前、噂の"人の形をしたポケモン"だな?」

 

「とんだレアモンね」

 

2人の男女の目つきが変わる。

 

リオと向かい合う。

 

静寂が辺りを包み、刹那。

 

「レパルダス!シャドークロー!」

 

凄まじい速度で駆け出し、黒いオーラを纏った爪による引っ掻きがリオへ向かい飛んでくる。

 

「!」

 

リオは、ヨーテリーを庇いながら、

身を捻り紙一重でシャドークローを躱す。

 

「リオ!!」

体が痛い。

服に血が滲んでいく。

 

でも.....

 

「レパルダス!みだれひっかき!」

 

ヨーテリーを庇いながら、傷ついていくリオを見る。

その姿から目が離せない。

 

ここで逃げたら僕は.....

もう、"ポケモントレーナー"になれない気がした。

 

リオと目が合う。

 

わかる。どうしたらいいのか。

体が痛む中、

胸の奥が熱くなる。

気がつけば声に出して叫んでいた!

 

「リオ!はどうだん!!」

 

リオの右手に蒼い波導が集まる。

圧縮されたエネルギーが球状に纏まり光を放つ。

防戦一方だったリオが、不敵に笑う。

 

「ぐっ!レパルダス!かわせぇ!」

 

「(いや、当たるーーー!!)」

 

回避しようとしたレパルダスの胴体に"はどうだん"が直撃する。

吹き飛ばされたレパルダスが男たちにのしかかる。

 

「きゃっ!!」

「ぐはぁ!っっくそ!どけよレパルダス!!」

 

「効果抜群、もうレパルダス動けないだろ。」

 

ボロボロの体に力を入れて、なんとか立ち上がる。が、ふらついて倒れそうになる。

 

「主!!」

リオが地面を蹴る音がした。

 

 

 

暖かい。抱きしめられてるのか。

 

「リオ、ごめーー「いい...。」」

 

リオが首を振る。

 

「謝らないで。」

 

目が合う。

 

先ほどは見えなかった顔が、今はっきりと目に映る。

 

 

目元が赤い。

頬には涙の跡。

その顔を見てようやく気づいた。

 

「....ありがとう..。」

痛みを忘れたように、そっとリオを抱き返す.....。

そしてーーー。

僕の目の前は少しずつ、真っ暗になった。

 

 

ーーーーーーーーーー

 

 

目が覚めると、ベッドの上だった。

...そっか、あの後意識を失って、

手に何かを掴む感覚がある。

目を向けると、リオがベッドの脇に座り、手を握っていた。

 

「主?目、覚めたんですね。....良かった。」

 

「.....。リオ、あの後どうなったの?」

 

「はい。あの密猟者2人は、主のライブキャスターで呼んだ警官の方に明け渡しました。」

 

リオがハッとしたような顔をして。

 

「すみません。勝手にライブキャスターを使ってしまって。」

 

「いや、むしろありがとう。助かったよ。」

 

.....本当に、助けられてばっかりだ。

 

 

 

 

少し沈黙が流れる。

 

「ねぇ、リオ。」

 

一息吸い。

 

「どうして.....助けてくれるの?」

 

リオは「どうしてそんなことを聞くんだ」という顔をした。

 

「それは....私が主の"相棒"だからです。」

 

「私は主が....あなたが迷っている時、苦しんでいる時、そばにいてあげたい。だから、助けるのなんて当たり前なんです。」

 

リオのまっすぐな瞳が僕を見ている。

そっか。

1人で悩んで逃げ出して、

僕はなんて....弱いんだ。

 

リオが手を少し強く握り、声を紡ぐ。

 

「ねぇ主。まだ....."バトル"するのは、怖いですか?」

 

目を逸らしてしまう。

まだ.....怖い。

そんな僕の心を読み取ったようにリオが話す。

「違います。主が本当に怖いのは、私たちが"傷つくこと"なんじゃないですか?」

 

.....。

多分、いや確実に。

図星だった。

 

「やっぱり、そうだったんですね。」

一層握る手が強くなる。

少しの間の後、リオが優しく声を放つ。

 

「それなら、私たちが傷つかないくらい。主が強くなってください。」

 

驚きリオの顔をばっと見る。

その顔はあまりにも優しかった。

 

「僕が....強く?」

 

「そうです!それこそ.....」

「チャンピオンになるくらい!!」

 

それは、僕がかつて憧れた場所。

そして、一度諦めた夢だった。

僕の胸から広がった、熱い何かが目に溜まる気がした。

 

「い、いいのかな。僕が.....チャンピオンを目指して。」

 

「いいも悪いもないです。主がチャンピオンを目指すなら、私はその隣を一緒に歩きます。」

 

「主なら、なれます。」

 

その言葉が胸に刺さる。

否定したかった。

無理だと言いたかった。

 

でももう、限界だった。

ベッドの脇に座るリオを抱きしめていた。

目が熱くぼやける。

リオには見せられない顔をしていると思う。

 

「....本当に、ありがとう。」

 

「どういたしまして、ですよ。」

 

もう僕は揺るがない。

 

一人じゃない。

隣にはリオがいる。

 

ここから目指そうーーー

チャンピオンを。

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