「先に言っておくけど、今日はもう遅いから、一戦だけだからね!」
一瞬、メイが残念そうな顔をした。
「また、いつでも、バトルするからさ。」
メイが目を見開く。そして嬉しそうに頷き。
「わかった!!」
と明るく返事を返される。
そうして、
メイとのバトルが幕を開けた。
「ユキ!いけるね!」
「えぇ、もちろんよ。」
ユキの周囲が凍てつく。
「ジャローダ!!先手を取るよ!エナジーボール!」
ユキが動き出す前に先手を取りにくる。
ジャローダの口元に集まる、緑色のエネルギーが球を成して....高速で放たれる!
その球がユキに直撃して...
粉雪を残して、ふわりと消える。
「!?」
「残念ね。それは私の残影よ。」
すでにユキはジャローダの後ろを取っていた。
「くっ!ジャローダ!近づかせないで!アイアンテール!」
ジャローダの尻尾が光沢を放ち、ユキへ向かって振り払われる。
ユキに直撃し.....ユキの姿が再び掻き消える。
「うそ!?また....!」
「残念、それもハズレね。」
「これは、影分身!?」
「ふふ、違うわよ。」
ジャローダとユキを包むように氷の粒が舞っていた。
「盤面は整ったわ!」
「これは....あられ、まずい!ジャローダ、守る!!」
「もう遅い!!」
「ユキ!吹雪!!」
ジャローダへ、ユキの放つ吹雪が炸裂する。
「へぇ、やるじゃない。」
ユキが感嘆を漏らす。
「.....本当に、強くなったんだね。メイ!」
ユキの吹雪が炸裂した場所で舞った雪煙が落ち着くと、
中から薄い青色をした半透明のバリアが見える。
「守る.....なんとか間に合った。けど.....」
ジャローダの体には少し凍りついた箇所が見える。
しかし、まだまだ余力を残していそうだ。
「あはは……。」
「やっぱり、おにぃは強いや。」
どうしてだろう。
どこか嬉しそうな声色に聞こえた。
「ジャローダ!ごめん!おにぃは手を抜いて勝てるような相手じゃなかった!.....だから、次は初めっから本気で行くよ!」
ジャローダがメイの言葉に呼応するように鳴き声をあげる。
「ジャローダ!!リーフストーム!!」
ジャローダの周囲に緑色の渦を作る。それを一度自分の周囲で貯めて、
ユキの降らせたあられが払いのける。
「へぇ!すごい!」
あられが払われ、あられと霧に隠れていたユキが姿を現す。
「ジャローダ!そこ!リーフストーム!!」
ジャローダが纏っていた緑の渦が、
一気にユキ目掛けて放たれる!
緑の爆発と砂煙が舞う。
一瞬の沈黙が起こりーー。
「だめ!油断しないで!ジャローダ!!」
「今度こそ....終わりよ!」
「ユキ!シャドーボール!」
砂煙から飛び出したユキの掌に黒と紫の禍々しいエネルギー球が浮かび上がる。
それをジャローダの腹部に叩き込む!!
「うそ....。」
シャドーボールを受け、ジャローダが倒れるのをなんとか踏みとどまったが...
地面に倒れ込み、
ジャローダが戦闘不能になった。
「ジャローダ!!....ごめんね。」
メイが唇を噛み、ジャローダをボールへ戻す。
「まだ勝てなかったや....。」
「いや、本当にメイは強くなってた。最初の吹雪で倒せると思ったのに、防ぎ切られてカウンターまで許しちゃった。」
ユキの方を見る。ユキの体に目立った怪我はないが、
白い袴の何箇所かに、リーフストームで切られた跡があった。
ユキがこちらを見る。
「ユキも、お疲れ様。」
「当然でしょ。私はあなたの.....仲間なのだから。」
ユキが少し笑いかけてくる。
「うん、そうだね。ありがとうユキ。」
ユキの頭を撫でて、労う。
「っ……。」
ユキが少しだけ目を逸らした。
僅かに耳が赤い。
こうして。
いつかのように、
僕はポケモンバトルを楽しんだ。