メイとの久しぶりのポケモンバトルを終え、みんなで家に帰る。
「あら、おかえりなさーい。」
この声は....。
「あ!!」
メイが駆け出してリビングに顔を出しに行った。
「お母さんだ!帰ってたの!?」
「少し前にねー。お留守番ありがとうね。」
隣でリオたちも声をかけ始める。
「お母様、おかえりだったのですね。長旅ご苦労様です。」
「そっか、出張?って言ってたもんね!!おかえりなさーい!」
「お義母様、お帰りなさい。」
「あらあら、今日は随分大所帯じゃない!
みんなもただいまのお帰りなさいねー。」
一通り、挨拶を終えた頃、
「晩御飯ちょうどできるから、食べちゃいましょー。」
「ちゃんとみんなの分あるからねー。」
久しぶりにみんなで揃って食べる晩御飯だ。
....そう。僕のパーティ、というよりも。
リオ、ホムラ、ユキは、基本ボールに戻りたがらない。
そして、母さんの性格上、食卓にはリオやホムラ、ユキの分まで料理が並ぶようになった。
食卓にみんなで集まる。テーブルには、料理が並び、椅子には、メイ、僕、ホムラと、
母、リオ、ユキが向かい合い座る。
みんなで食卓を囲むときは、なぜかいつもこの席だ。
「「「いただきます。」」」
賑やかに晩御飯を食べる中で、タイミングを見計らう。
会話が落ち着き、ほんの僅かに静かになったとき。
少し真面目な雰囲気で口を開く。
「母さん、聞いて欲しい話があるんだ。」
「....どうしたの?」
静かに母さんが耳を傾ける。
「僕は.....リオ、ユキ、ホムラを連れて、旅に出ようと思うんだ。」
「!!!....そうなのね。」
少し驚いたような顔をした。そしてすぐに再び口を開き返される。
「母親の勘ってやつかしら?実は、そう言い出しそうな気がしてたのよね。」
「.....旅は決して楽なものではないはずよ。
あなたは何を目指して、旅に出ようと思ったのか教えて欲しいわ。」
その答えはもう、決まってる。
「僕は.....」
あの頃の夢をもう一度追いかけて....
「ポケモンチャンピオンになりたいんだ!」
恐る恐る母さんの顔を見ると
母さんは少しだけ目を見開いていた。
そして――。
ゆっくりと微笑んだ。
「よかった。やっと、決まったのね。」
どこか諭すように語りかける。
「否定したりはしないわ。けれど、これだけは覚えてて。」
「本当に辛くなった時は帰ってくること、それと.....。」
リオたちの方を母さんが見る。
「みんなを悲しませないこと。」
「約束できる?」
「!!!当たり前だよ。」
考えるより先に言葉が出た。
「そう、それなら文句はないわ。」
「いつ頃出る予定なの?」
「準備も必要だから、来週には出ようと思ってる。」
「そう、それなら....明日の昼、この町の見晴台に行きなさい。」
「私の友達にお願いしているものがあるの。」
「本当は、もっと早く渡す予定だったんだけどね。」
何のことだろうか。疑問に思いながらも頷く。
「うん、わかった。」
少し沈黙ができたかと思うと。
「はい!真面目なお話は終了!!旅に出るのなら、もっといっぱい食べなさい!デザートもあるわよ!」
「......あ!私デザート食べたい!」
「僕も僕も!僕、デザートは別皿なんだ!」
「それを言うなら別腹でしょう。デザート、アイスがあるなら食べたいわ。」
すぐ、賑やかな食卓が帰ってきた。
その賑やかさと、母の優しさに救われた気がする。
僕の覚悟を明かした食事の時間はゆったりと進んでいった。