レッドウィンターの商人 作:あいう
私の拘束は解かれない。カヤめ……そろそろ飽きてきたぞ、そう思いながら、ミスズと楽しく話していた時、急な振動が私たちを襲った。ミスズに押し倒される形で体勢を崩す。大丈夫ですかと聞かれたので、大丈夫だと答えたが、何が起こっている。
それを確認したい。ミスズに指示を出した。犯罪者の言葉だから、無視される可能性もあったが、信頼を稼いでいる私の言葉を実行した。電話を切った後、彼女は私をここから逃げるように言った。聞き間違えだと思い、2度聞き返す。しかし、彼女はその意志を突き通す。逃げてください、と何度も言われる。何があったと聞くと、彼女はスマホのパスワードを教えたあと、私に押し付けた。「それを見れば現状を理解できるはずです。いいから早く!」そういった彼女の目は血走ってもいなかった。ただ私の身を案じる可憐な少女の瞳だった。
私は部屋番号に囚人番号が貼られている服を脱ぎ捨て、ミスズから服を貰った。その時少し乱雑に扱ったのは、ミスズの身を案じたからだ。彼女の地位を失わせる訳にはいかない。
私にピッタリのその服に顔を覆い隠すことができる帽子。それを装備した私は、監原ミスズだと勘違いされる。慕われているのだろう。この騒ぎに不安を抱いている下っ端共に何度も話しかけられる。それは全てを無視して、逃げ果せた。
その後、スマホの電源を入れたあとパスワードを入力する。その時、知ったのは知りたくもない現実だった。
リン行政官の役職の剥奪。そして、カヤが連邦生徒会長の代行としての役割を果たそうとしていた。何故だ、カンナは手を尽くしたはずだ。カイザーとヴァルキューレの癒着の証拠を偶然を装ってラビット小隊に奪わせた。疑問は抱かれたはずだが、カンナに害はない方法……それを考えている時間はない。そう思い、カンナに電話をかける。しかし、出ることはなかった。
「クッソったれのゴミがァ……」
汚い言葉を吐いた。その言葉に驚いた通行人が私に向かって近づいてくる。
「ちょちょちょーい。公衆の場でそんなこと……さけ……け、け、警察を呼んでー!!!!」
銀髪と言えばいいのか白髪といえばいいのか……いやどっちでもいい。まずは此奴をどうにかしないとまずい。志真コノカはヴァルキューレ副局長だ。戦闘能力に不足はない。いますぐに銃を抜けば……いや、持ってない!!!
ミスズの服をそのまま、私の私物などを回収する暇などなかった!!!まずいっ、叫んだ後、慌てた様子を見せてしまう。
「……ん?……おやおやぁー?おやおやおや??……現行犯発見!」
こいつは自分が有利と見るや否や、すぐに攻撃に転じた。距離を離そうと、銃口の向きをよく観察して弾丸を避け続けていると、今度はスクールバックで殴りかかってくる。
あ、これやば
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最悪だ、今日の星座占いは何位だったか思い出す。そう、11位だったのだ。最下位ではないからと、油断していた。まさか、凶悪犯が脱獄しているだなんて。すぐに矯正局と連邦生徒会と本部に連絡したかったが、通報が多すぎて回線混雑している。私がやらなくてはいけないのか、姉御がいない以上私が……やらなくてはいけないのか?
そんなことを、犯人を前にして考えているとスーツの間から銃を取り出そうとしてくる。応戦しなくてはと思い、動こうとしたのに、恐怖で動けない。だが、その恐怖は消え去った。凶悪犯は銃を所持していなかった。
……勝った
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間一髪で前頭部の被害だけで抑えられた。あまりの痛みに悶えていると、追撃に来ようとしている。攻撃を止めるナニカないかと考え出した。
「尾刃カンナの行方を!」そう言うと、ピクっと体を震わせたあと、先程よりも覇気を帯びた。
「アナタが……姉御を……ッ!」
「……は?いや、ちょっとまて、なんか勘違いぃぃ!」言いかけている時に攻撃をしてくる。こいつは変身シーンを無駄だと思っている人間だ。戦いながら会話を試みるしかない。
「尾刃の行方は私も!知らない……、いまキヴォトスは危機に瀕している。無計画に飛び出したのは、それを突き止めるためだ!」
スクールバックを奪い取ろうと悪戦していると、腹に蹴りが入った。
「……貴方が犯人でなくとも、私には貴方を捕まえる義務が存在するんっすよねぇ〜……」
「お前らは騙されている!わかった、これが終わったら自首をしよう、約束する!……だからそのバックを捨てろぉぉー!」
そうだ、先生!あん人なら、助けてくれるはずだと思い、連絡を入れる。しかし、流れてきたのは機械音声で繋がらない。
「わかった!、降参する!」そう聞くと、コノカは手を緩める。よかった。いやよくはないが……危ないところだったと思いながら、息を吐き出すと、ダンベルが入っているバックが頭に直撃する。
「……まぁこれも正当防衛ってやつ?」
ふざけるな、……ふざけるなぁぁぁぁぁ!
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気絶させることに成功すると、ドストの持っていた携帯に連絡がある。協力者の可能性もあるので、誰からの連絡か確認した。そこに表示されていたのは、姉御の名前だった。……恐る恐る電話に出る
「……繋がったか!ドストに伝えておいてくれ、……ザザッ」
「え、ちょっ!」
ピーと鳴り終わり、閑寂が訪れた。こんがらがった頭の中で1つ……確実なことは、私はやらかしたということだ。