レッドウィンターの商人   作:あいう

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口内炎が痛いです。
コーヒーの飲みすぎでしょう、きっと原因は


火焔

 

私は……誰だ。私は誰だ。自分が自分ではない。そんな感覚だった。目が覚めた時、銀髪の女性が私の眼と眼がくっついてしまうほどに近くにいた。誰だと問うた。その瞬間、その女性の頬に汗が流れているのがわかった。……辺りを見回すと、所々に銃痕と破壊され尽くしたスマホがあった。状況から察するに、彼女は私のことを助けてくれたのだと解釈した。

「……ありがとう。?なぜそんな顔をするんだい、君はわたしを救ってくれたのでは……ないのか?」

「ゑ、えぇーと、実は私も記憶がなくて……」

なるほど、同じ状況だったから、あんな反応をしたのか……

むぅ、むずかしい。そういえば、私たちは身分証明書をなにか持っているのではという考えに辿り着いたので、自分のポケットを漁ったところ、『監原ミスズ』という名で、矯正局のトップであることを知った。天文学的な確率で私と同じ状態になった彼女は、『志真コノカ』といい、公安局の副局長であるらしい。かなり重要な役職に着いていることが判明してしまったので、夜逃げを提案してみた。

しかし、彼女はやらなくてはいけないことがあった気がすると言って、拒否した。それはとても困っている表情だった。仲間が困っているのに、助けないのは人間ではないと思ったので、協力するよと言って追従した。

 

 

\\\///

 

 

オヮっタァ…………ぁぁ、あねごぉ、助けてぇ!

 

「コノカ……ちょっと恥ずかしいね、名前で呼ぶの……」と言いながら、指先で髪をクルクル回していた。凶悪犯の本質は……これだったのか、と思いながら姉御の場所に向かう。あそこは、……多分……私たちが私たちになるための施設だ。後ろで規則正しい銃声が響いていたから、多分。少し立ち止まりながら、そう考えていると、トントンと肩を叩かれる

「ねぇねぇ、コノカ。あそこの人たち……私たちを見ながらどっかに電話してない?」え、と思いながら言われた方向を向くと、確かに私たちを通報している名誉市民がいた。

「……いいですか、ド……ミスズさん。わたしが囮になるので、ここに向かってください。」と言って、スマホの地図で姉御のいる場所を指差した。

彼女を犠牲にしてもいいのだが、下手な騒ぎにしたくなかった。

私がジリジリとこちらに歩き出していることに気がついた市民は、ブルブルと足を震わせ、悲鳴をあげようとした。

「……私は公安局所属の者です。現在、秘密裏に計画を進めているので、その通報はお辞めください。」

「し、しかし……彼女は、あ、あのドストだろ!」市民はとても震えた声で言った。

「……実は違うんすよねぇ。彼女は……監原さんといって、捜査協力して貰っているのです。」

納得したような、疑っているような雰囲気のまま話は終わったが、私の鬼気迫る様子に引き下がってくれた。何故、突拍子もないような話の方が逆に信じられたのだろうかと考えた後、通報はしないことを誓わせた。

 

走って追いつこうとしたが、無理そうなので。偶然通りかかったタクシーを呼び止めた。人が乗っていたが、そんなの関係ない。無理やり乗り込んだ時、後部座席にいる仲間に会った。彼女達は生活安全局だ。キリノとフブキの2人とはあまり面識はないが、姉御が羨ましそうな顔で見てたヤツという印象が残っている。相手からの私はわからないが、多分問題児という印象を持っている。

 

「あれ、コノカ副局長じゃないですか。」蒼い髪のフブキはそういった。私はそれを聞きながら、助手席に移る。

「なぜ、公安局がこんなところに?」キリノが疑問を呈する。

「……」言うべきなのか?ドストのことを言ったら、絶対に……いやだが……仲間は増やすべき……運転手が邪魔だ……

私は、運転手にグーパンを食らわせたあと車の外に放り出す。流れるような手つきで運転席に移ったあと、直ぐにアクセルを踏んだ。

「ちょっとぉおー!本官……運転手の様子見てきます!」逃げようとしたので、ブレーキを急にかけて体を助手席の方に引っ張り出す。

「……姉御が、カンナ局長がいま危険な目にあってるんです。それだけなら、運転手を放り出す必要はないっすね?……私が相談したいのは、ドストは……記憶を……失いました」

慌てていたため、第三者には理解できない説明をしてしまう。それに指摘される前にもう一度説明をした。私の失態を隠して……

「ちょ、ワンモア。……私は脱獄したドストを発見し、好戦しました。その時に……記憶喪失まで追い込んでしまいました。その時、ドストの携帯に姉御から連絡が来ました。その場所を特定したので、あなた達には……ぁ、姉御をお願いしたいんです」

 

その後も説明を続けた

 

 

\\\///

 

コノカに言われた建物に到着したが、カイザーというロゴの入った戦闘員が警備をしている。うーん?どうしようかと思い、悩んでいると、警備員の1人がこちらに近づいているではないか。コインパーキングにある車の物陰に隠れている私のことを見つけるのは簡単だろう。

うーん?私の手元には手榴弾とライター1つ。ボヤ騒ぎを起こせば侵入できるか、いやできない。逆に警備員を増やされるだけ。

この手榴弾も本物なのかと思い、匂いを確認する。火薬の匂いに鉄やグリーズの匂いがしたから本物なのだが、どうするべきかな。

あと、数秒で私の姿を視認される。殺すか?いや、今の貧弱装備では無理だ。傲慢な考えはここで捨てろ。

 

だが、ならば、私は、どうする?

 

 

\\\///

 

 

いつもどおりのある日の事、私は違和感を覚えた。カイザー警備員としての誇りと信念を持ち合わせている。だから、気がついた。車の傍に油に塗れた靴跡が残っていることに、そしてこれは新しい。下っ端の私には理解することができないが、上階の方にある人物を捕らえているらしい。その人物の救出に来たのかと思い、すぐに知らせるべくトランシーバーを手に持つ。

「こちら060、侵入者の警戒をしろ。」

と言ったあと、辺りを見渡した。あれ、靴跡は車の周辺にしかない。逃げていないだと……どういうことだ?あまりに子供騙しの……いや子供騙しもできない。……なんだ、意味がわからない。何故靴跡をここだけ、残した?

 

車の下に顔を覗かせても、誰もいない。……違う、いないんじゃない。いるはずなんだ。ここにいると、この車の近くにいると、直感が告げている。

 

はずだった。しかし、幾ら探せど探せど見つからない諦めの感情が出始めた時、ボン、と音を立てて車が爆発した。燃え上がる私の身体で熱を感じながら、最後に見た景色はピンを抜きながら手榴弾をこちらに投げている女の姿だった。

 

 

 

 

 





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