レッドウィンターの商人 作:あいう
百鬼夜行から出ていって、早2日。今日は適当な会社を買いたい。現在地はアビドス砂漠の境界線。
そうだ、ここからならブラックマーケットが近いではないか。だが、あそこの警備は表の企業の比ではない。それだけ、危険な案件を扱っているためだ。私も捕まる可能性がある。いま自由に使える金は1億弱。百鬼夜行と簡単な契約を結んだ。今後使うかもしれない。だから、使いすぎる訳にはいかない。アビドスとゲヘナ、トリニティを合わせればこの金も比ではないのだが……今、動くわけにはいかなかった。
誰か雇うべきだ。ブラックマーケット内で優秀な傭兵を検索してみる。だが、あまり理想的な人物はそこに存在しなかった。求めているのは、多少のハッキング能力と戦闘能力、あとは愛嬌だ。が、大体が戦闘能力にパラメータが吹っ切れてしまっている。
なにか無いかと探していると、ゲヘナ生徒が立ち上げた会社があることを発見する。ゲヘナなら、戦闘面は問題ない。そして、愛嬌もある。写真に映っている赤髪は初々しさがあって可愛かった。
私が求めている3分の2が埋まっているし、金額もかなり安い。ここにしてしまおうと、手を動かした。
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「はぁー……今日も依頼が……1件も……」
思わず口に出してしまう。それを聞いたハルカは仕事を探してきますと飛び出し、カヨコは外で相変わらず猫を愛でていた。ムツキはというと、
「アルちゃんさ……売り込みが足らないんだよ!ホームページ作ったはいいけどさ……華やかさがやっぱないんだよ!」
変なことを言い出した。
「はぁ……それでなにか解決策が?」
「……これだよ、これ!」
そう言って差し出してきたのは、パソコンだった。中身を覗くと有名企業のホームページだった。これがなんなのかと聞いたところ、社長の顔を指さし、これだよ、これ!アルちゃん、可愛いんだから、載せたら絶対人気出るって!と言ってくる。それはアウトローではないと必死の抵抗をしたが、私たち社員を食べさせることができないのが、1番アウトローから離れているんじゃない?と火の玉ストレートが心を抉りとった。
「くっ……わかったわ……その代わり、悪女っぽく撮ってね!」
「任せてよ……」
不敵な笑みを浮かべながら、写真を撮られる。ホームページ作りを手伝おうとしたところ、アルちゃんはいいよ、ハルカを探してきてと言われる。社長なのにぃー!
雑草を引き抜きながら、どうせ私なんかと愚痴を漏らしているハルカを保護したあと、泣け無しの金でファミレスでご飯を食べた。事務所に帰宅すると、ムツキが興奮した様子で
「みてよ!社長、効果あったよ!……ほんとに来るとは……」
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集合時間、コンコンと足音のするほうを見ると、堂々とした様子の赤髪とニヤニヤしながらその様子をみている白髪がいた。2人だけなのかと思いながら、気さくに話しかける。
「やぁ、こんにちは……お嬢さん方。」
「こんにちは〜、依頼人さん?」白髪の方が話しかけてくる
「私が依頼人だね。早速だけど細かな詳細を話しておきたい。……そうだな、そこのファミレスでいいかな?」
私がやりたいことを簡単に話した。会社を買いたいのだが、如何せん金が足りない。だから、そこで不祥事を起こしてくれと頼んだ。
「……お姉さん、悪だね」
ムツキという少女が話しかけてくる。アルという少女は一向に口を開かない。体調が悪いのか?その後も協議を重ね、前金100万の達成金が400万で合意した。彼女たちにとっては、それぐらい御茶の子さいさいなんだろう。だから、当初予定した金額よりも安く雇うことができた。
早速、爆破と立てこもり事件を起こしてもらい、株価が暴落した。現場近くでそれを確認した。そのタイミングで買い漁り、達成金を払わず逃げた。……いや逃げるはずだった。ドドッと足元を狙われる。
「そ、それ以上動かないでください!動いたら撃ちます!」
そういいながら、眉間に10発お見舞される。嘘じゃん!自分の身が怖くなり、ゆっくりと1歩ずつ後退りをしていると、誰かにぶつかる。謝る暇もなかったので、そいつを盾に逃げようとという考えが思いつき、盾にしようとしたところ。背中から痛みと衝撃が何発も走った。
まさかと思い、振り返るとそいつも便利屋のメンバーなのだろう。ゲヘナ生徒の特徴である羽が見えていた。しくじった。そう思うのも束の間。前後から乱射を受け、私は倒れ伏した
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任務を終わらせ、事務所に戻ると依頼人の身包みが下着以外全て剥がれていた。一瞬困惑したが、カヨコから経緯を話される。
どうやら、依頼人である人物の素性が脱獄犯らしく、それもかなりの罪で投獄されていたらしいので、レッドウィンターが血眼になって探しているらしいのだ。そして、金をすっぽ抜かそうとしたことも聞いてしまう。それもそれでアウトローだが、この子達に飯を食べさせてあげないといけないので、意識が覚醒したら、問いただそうと決心する。
少しして呻き声が聞こえた。あ、起きた!と喜びに満ちた声で駆け寄った。それが自分でも恥ずかしいと思えるほどにワクワクしていたんだと思った。
目が覚めたばかりの彼女は、警戒した様子も見せずに話しかけられるのを待っているように思えた。私は意を決して話しかけた。
というより、話しかけずにはいられなかった。一通り、武勇伝を語ってもらったあと、カヨコ達が来る。そして、尋問を始めた。
「それで、なにか……言いたいことはある」
「あ、ありますか……」
2人の刺すような視線をものともしないドストは、朗らかな笑みを浮かべ、
「すまなかった、君たちを……見くびっていたよ。だが、君達の手際の良さと任務の達成を見て思ったんだ。どうだい?私の会社と契約を結ばないか……今回の件の非はこちらにある。契約を結ぶ時は、最大限考慮することを約束する。」
それは願ってもいない提案だが、それはレッドウィンターから目をつけられるということに変わりない。アカに目をつけられたのなら、風紀委員からの刺客が送られてくることがまず間違いない。
断るか……?いや、だがそれはアウトローなのか?と自問自答を繰り返した。悩んでいるとムツキが、
「確かに、それは魅力的だね。この会社にとっても貴女の協力が得られるのも悪くはないね」
「ふふ、そうだろう?」
「あぁ、とても魅力的だ……だが断る、この御方、陸八魔アルのもっと好きなことは1つは自分が強いと思い込んでいるやつに『NO』と断ってやることだ!」
「な、なにィ!」
ちょ、私そんなこと言って……
「く、陸八魔アル……許さんぞ!」
なななな、なっ、何ですってーーーーーー!!!???
アルちゃんは不憫でないと、アルちゃんじゃないですからね
次回の話……章?を何にしようか迷ってます
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