エルフでR18を目指すのは間違えているだろうか?   作:飽きやすい創作隊

2 / 2
初体験

「リズレ、ちょっとこっちきて」

 

不意に呼ばれて、リズレは顔を上げた。

 

「何?」

 

アレンは少しだけ言い淀むように視線を逸らすと、何かを決めたように一歩近づいてきた。

 

「あのさ、俺……」

 

その声はいつもより低くて、やけに耳に残る。次の言葉が出てこないまま、アレンは距離を詰めてきた。

 

そして、ふいに。

 

「っ……!」

 

耳元に息が触れたかと思った瞬間、優しく長い耳を甘噛みされた。

 

びくり、と体が跳ねる。

 

「ちょっ……」

 

リズレは反射的に身を引こうとするが、逃げるほどにアレンとの距離が近くなるだけだった。

 

「リズレ、耳弱いよな」

 

「知ってるならやめて!」

 

心臓がうるさい。近すぎる距離と、息の熱が落ち着かない。

 

アレンは少しだけ笑うように目を細めると、そのまま真面目な顔に戻った。

 

「結婚しないか?」

 

一瞬、時間が止まったように感じた。

 

「え?」

 

聞き返した声が、自分でも少し間抜けに聞こえる。

 

アレンは視線を逸らしたまま、もう一度言葉を続ける。

 

「だから……子供作ろうって言ってんの」

 

「こ、子供?」

 

リズレの目が見開かれる。冗談みたいな言葉なのに、アレンの声は冗談に聞こえなかった。

 

空気が少しだけ重くなる。

 

「俺たちが家族になるのは、どう思う?」   

 

その一言だけが、やけに静かに落ちた。

 

リズレはすぐに返事ができなかった。胸の奥が、じわっと熱くなる。

 

「今でも十分だけど」

 

視線を落としながら、リズレは小さく呟く。

 

「子孫がいれば俺がいなくなっても寂しくないだろ?」

 

その言葉に、胸がきゅっと痛んだ。

 

冗談みたいに軽く言っているのに、その裏にある“もしも”が見えてしまう。

 

「ばか……」

 

それしか言えなかった。

 

アレンは少しだけ目を細める。

 

沈黙のあと、リズレがぽつりと口を開いた。

 

「エルフと人間の間じゃ、子供なんてできないでしょ」

 

 

「そうなのか?」

顎に手をやるアレンは首を傾げる

 

「多分」

リズレは視線を泳がせる

 

「ふーん?」

 

間抜けな返事に、リズレは思わず眉をひそめる。

 

「な、何よ」

 

「じゃあ、これからやりたい放題させてもらおうかな」

 

「っ、いいって言ってない!!!」

 

言い終わる前に、アレンが距離を詰めた。

 

唇が重なる。

 

一瞬、思考が真っ白になる。

 

リズレは抵抗することも忘れて、そのまま受け止めていた。

 

アレンの手の温度だけが、やけにはっきりと残る。

 

「今日はキスだけで許してやる」

 

アレンはそう銀髪を撫でる

 

やがて離れたあとも、呼吸が戻らない。

 

リズレは自分の胸を押さえながら、小さく瞬きをした。

 

 

 

 

 

 

 

 

キスって……こんな感じなんだ

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。