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つかさと二宮の傍らで、しずくは、借りてきた猫のようにソワソワして、リラックスしにくいようだった。
三人はリュウゼンコウによる臨時収入を手に入れた後、回転ずしを食べに来て、すでに二宮などは皿を積み上げて満腹になるほど食べ尽くし、更に昼間からアルコールまで飲んでおり、彼は膨らんだお腹をポンポンと叩いて満足そうだったが、つかさはそののんびりした感じが癪に障るようだった。
「働きもしないで、よくそんなに食べられるよね」、とつかさ。その言葉には、鋭い刺が含まれていた。
しずくは敏活に二宮の素性が察知されたようで、不安そうに、また警戒するように、彼を窺った。
「お宝を拾ってきたじゃないか」、と二宮の反論。
「ただの偶然でしょ」
「お前の言わんとすることは分かってるって。また就活しろって言うんだろう?」
険相のつかさはコクリと頷いた。
「あなたがせめてちゃんと、普通の社会人として働いてくれないと、同棲とか言われても、無理」
そう言われて、鷹揚に構えていた二宮は、反論せずにシュンとして、ただ彼女の難詰を粛々と聞き入れるようだった。彼は俯き、自身の去就について思惟しているようであり、また自己の客観的評価、例えば親や友人などの軽侮や激励などを材料にし、社会における彼の位相について、分析して顧みているようだった。
つかさは、二宮が贈ってくれた今回の数十万円だって、彼が大学卒業後、すなおに企業に就職して精勤していれば、順当に稼げていたはずのものであり、彼が誇らしく思ったり、得意になったりするほどのものではないと続けようとしたが、彼の落ち込んだ様子に、気遣わしくなって呑み込まざるを得なかった。
つかさとしても、どれだけ二宮がうだつの上がらない男だとしても、スパッと縁切りするのはためらわれた。すでに家族のいないつかさにとって、孤独、それも、どこか哲学的響きがしたり、気高く感じさせたりする優れたものとは違う、本当の、客観的事実に裏付けされた属性としての孤独は、かなり身近で現実味があった。彼女は表立っては平気なふりをしているものの、潜在的には、その孤独に陥ることを恐怖しており、二宮は、彼女にとって唯一のよすがであり、しっかりした絆であり、温かい血の流れる生きた繋がりであった。
早い話、つかさは二宮に無意識に依存しているのであり、しかし二宮の方では、実家があり、家族がおり、つかさとは事情が異なっており、彼にはいわば受け皿があるのであり、つかさは、彼がその利点を用いて彼女のもとよりいなくなることが怖かった。
責めの言葉が続かずに遠慮して、オロオロ、イライラしている様子のつかさに、しずくは訝る風の目を向けた。しずくは、つかさの不安が透けて見えており、また、シンパシーを感じているようだった。
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