転生ナルト物語   作:ドロイデン

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修行 Ⅳ

「猿、ダンゾウ、お主らには言いたいことが山ほどある」

 

 クシナとナルトを二人っきりにし、別の部屋に移った儂らは扉間様によって年甲斐もなく揃って正座させられていた。

 

「まず穢土転生直後にも言ったが、お前ら二人は何をやっていた」

 

 扉間さまは呆れたように頭を抱えておられ、それだけ儂らがやらかしてることが多すぎるということの証明だった。

 

「まず猿、貴様の場合は平和な世に近づいたとはいえ、いくらなんでも腑抜け過ぎだ。平和な時代を維持するためといえ、ダンゾウがやらかした行為……うちはのクーデターの誘発や、九尾を封印したナルトへの迫害に対処をせず、蔑ろにしたな?」

「……申し訳ございませぬ」

「謝る必要はない。うちはのクーデターに関しては儂がやらかした部分がゼロではないことは否定せんし、ナルトへの迫害についても、里そのものが内部崩壊するよりはマシだった。とはいえ、それに対するフォローをほとんど一切していないというのはどういう了見だ?」

 

 正論を突きつけられ、儂は何も言えない。

 

「それも少し調べてみれば、うちはのクーデターを防いだのは、うちはのまだ成人して間もない者と聞く。それについても一族皆殺しの汚名を着せて、唯一生き残った弟に何のフォローもなく、挙げ句、その状態で犯罪組織への潜入任務をさせているだと?ふざけるのも大概にせよ!!第二のマダラを生みたいのか貴様は!!」

「……それは」

「儂は兄者から、口が酸っぱくなるほど『うちはを蔑ろにするな』と言われてきた。ゆえに儂なりのやり方でうちはを守ってきた、やり方は間違えたが、当時は真剣に考えてそれこそが一番だと思って行った……結果として差別という形にはなったが、猿、貴様の場合は差別はおろか無関心というのだ、この大馬鹿者が!!」

 

 普段は口しか出さない扉間様が、珍しく儂の頭に重い一撃を叩き込み、まるで綱手に本気で殴られたかのような衝撃で床にめり込まされた。

 

「ダンゾウ、貴様はヒルゼンよりなお質が悪い。暗部として里を守ろう、支えようとする信念自体は何も言うまい。だが、その肥大した自己顕示欲と野心はなんだ!!目的と手段が乖離したうえに、結果として里を脅威に晒すなど、言語道断だ!!」

「ぐ、」

「自分の目的のためにうちはのクーデターを誘発させ、しかも死したうちはの者達から写輪眼を奪い、さらには産まれたばかりの子供にわざと里の憎悪を向けさせるなど、他里から卑劣、卑怯、悪鬼羅刹、マダラ以上の人でなしとまで言われた儂以上の人でなしだ貴様は!!」

 

 ダンゾウもそれが事実ゆえに何も言い返せない。

 

「だが、それ以上に儂が文句を言いたいのは、その右腕だ!!」

 

 扉間さまがクナイを一閃し、ダンゾウの右腕の包帯を切り刻めば、そこにあったのは白く偏食した植物のような腕と、そこに埋め込まれた多数の写輪眼だった。

 

「その右腕、それは兄者である柱間の細胞を培養したものだな?それに奪った写輪眼をつけるなど……穢土転生を作り出した儂が言うのも烏滸がましいが、死者を冒涜するに等しい悪行!!儂が生者であったのなら、こうして拳骨で済ませるどころか本気で殺しに行くところだ大馬鹿者!!」

 

 ダンゾウもそうして扉間様の鉄拳制裁を直撃し、同じく床を割る結果になった。

 

「貴様ら、揃いも揃って本当に何をしでかしておる!!これならまだ、あの日和見のホムラとコハルの方が、まだ実害が無い分役に立つわ!!」

 

 そのまさかすぎる一言は、儂とダンゾウを打ちのめすには充分すぎるものだった。

 

「二代目様、お二人はまだ生きてますか?」

 

 と、まるでタイミングを見計らったようにクシナが、それはそれはとても良い笑顔でやってきた。

 

「うずまきクシナか、貴様にはすまないことをしたな。この馬鹿どもがお主の息子に対して、無体を働いたようだ」

「いえいえ、まぁ言いたいことについては二代目様がある程度言ってくださいましたし、私から何か言うつもりはありません。ですが、ダンゾウ様……一つ、確認したいことがございます」

 

 そう言ってクシナはダンゾウの腕の写輪眼を見て視線を鋭くするを

 

「ダンゾウ様、その右腕の写輪眼、まさかとは思いますが、ミコトとフガクさんの物……ではありませんよね?」

「……もし、仮にそうだと言ったら?」

「悪いですが、ダンゾウ様といえど本気でフルボッコにさせていただくつもりです。親友と、その夫の写輪眼がそこにあるなど、私にとっては家族の事と同じぐらい許せないことです」

 

 本気でチャクラを爆発させるように練るクシナに、儂は改めてダンゾウを見ると、

 

「……確かに二人の写輪眼については、確保している。が、この腕につけている物は、どれも二人の物ではない」

「その言葉、嘘ではありませんね?」

「真実だ。これについては虚偽は申してない」

 

 暫くクシナがダンゾウの事を睨み付け、しかしすぐにチャクラを納める。

 

「分かりました、ですが、二人の写輪眼については、あとでお渡し願いますか」

「……何をするつもりだ」

「サスケくんに、親友の息子に返すつもりです。ついでに、私が知るミコトとフガクさんについても、聞いてくれるのなら話すつもりです」

 

 その答えに儂も、ダンゾウも、そして二代目様も少しだけ驚いた。

 

「そうか、だが、聞いてくれるかは分からぬぞ」

「えぇ、ですが、おそらく聞いてくれると思いますよ」

「なぜ、そう言いきれる」

 

 そのダンゾウの問いに、クシナは笑って答える。

 

「彼も、ナルトと同じような生き方をしてるので」

 

 その答えの意味は分からなかったが、儂もダンゾウも納得する他なかった。

 

「さて、それじゃあ私も、私の用事を済ませることにしましょうか」

 

 そして、待ってましたと言わんばかりにクシナの表情が、とても凶悪的で狂暴的なまでの、()()を浮かべて拳を握りしめていた。

 

「ま、待てクシナ、な、何をするつもりだ?」

「あら三代目様、先ほど言ったでしょう……お二人には色々と、お話があると」

「は、話だと?」

「えぇ、ダンゾウ様……お話と言っても、()()()()でのお話になりますが」

 

 その顔を、儂は知っている。アカデミーの時代、クシナのその紅い特徴的な髪を馬鹿にした者達へ行った、特徴的な惨劇を起こした顔だ。

 

「私の息子への一連の悪行、そして、私の体を、死刑囚の肉体を使って穢土転生したこと、母親として、一人の人間として、怒りがないわけが無いでしょうが、このアホンダラがってばね!!」

 

 そこからは、まさしく惨劇と呼ぶに相応しい大暴れだった。

 

「アンタら二人と、そして、ミナトの師でありナルトの名付け親でありながら、今の今でものほほんとどっかで女湯を覗き見してるであろうあのエロジジイは、血祭りにあげてやるってばねぇぇぇ!!」

 

 翌日、火の国の朝刊に、『紅い血潮のハバネロの復活』が載ることになり、それを見た伝説の三忍と呼ばれた仙人と、四代目の教え子であり上忍の白髪の男が揃って背筋を凍らせて冷や汗を流している姿が目撃されたという。

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