「さて、そんじゃあ作戦会議ってわけだけど、オレが進める感じで問題ない?」
チームわけのあと、屋上に陣取って三人で飯を食べながら会議を始める。
「わ、私は問題ないよ」
「ボクも。というか、今回はナルトがリーダーだし、何よりボクが作戦とか考えられると思う?」
ヒナタは肯定、チョウジは自分がそういうことに向いてないと理解して答える。
「んならこのまま進めるけど、まず大前提として少なくとも二、三回は他のチームとぶつかるって考えてくれ」
「それはシカマルやサスケ達とってこと?」
「それだけじゃない、うちのクラス以外で合格した連中も含めて、だ」
うちのクラスでは四チームだったが、他の二クラスでも当然合格者は何人も居るだろう。他のクラスもほぼ同じ人数だとしたら、最低でも9から10チーム、最大でも12か13チームはあるだろう。
「卒業試験は全クラス共通で同じ日にやるし、こんな試験をやるなら全チーム同時じゃないと意味がない」
「なるほどね。でもナルト、どうして生徒同士がぶつかるって断言できるの?」
チョウジの言葉に卵焼きを食べながら答える。
「ルールの確認として、今回の達成条件は巻物を回収して演習場から脱出すること。ここまでは二人とも良いよな?」
オレの言葉に二人とも頷く。
「けどさ、イルカ先生は『巻物が全チーム分ある』とは一言も明言してなかったよな?」
「あ、そっか。後から演習場に入るチームは当然、先生達が守ってる場所に巻物がない可能性もあるから……」
「そういうことヒナタ。で、そうなるとチームとしてクリアする方法は先生達から巻物を回収して離脱する、回収したチームを探して奪う、待ち伏せして離脱しようとしたチームを待ち構えるの大きく3つになる」
そしてこの3つに共通して言えるのは、
「どの作戦にしようとも、結果的には相手のチームとぶつかるってことだね」
「理解してくれたようで何よりだってばよ」
「じゃあナルトくん、私たちはどの方法で行くの?」
そこまで確認したうえでオレは作戦を告げる。
「前半に演習場に入れた場合は先生達から巻物を回収する。中盤以降に入るようだったら探して奪うって作戦にしようと思う」
オレの言葉に二人とも少しだけ意外な顔をしたが、理由はある。
「まず前半に演習場に入る場合、ヒナタの白眼を生かして先生達のチャクラを感知してもらう。で、先生達や先生達が仕掛けた罠を見つけたら、チョウジの倍加の術で急襲して不意打ちしてる間に巻物を回収して、オレの多重影分身と変化の術で分身に二人の姿に変化させてバラバラに散ってから離脱するって流れ」
「でもそれだとチーム同士でチャクラを使っちゃ……そっか、分身に体術をやらせればいいのか」
「うん、チョウジくんの術や、私の白眼みたいなのは再現できないけど、そうじゃなくてもナルトくんに戻して他のチームを足止めさせることができるね」
二人とも頭の回転が比較的早いお陰で全部言わなくても理解できてくれるから助かる。
「んで後半に入った場合、このときは今度はオレの影分身で巻物を取った連中を捜索する。多分こうなるとオレは実質分身の維持でチャクラを大半使ってマトモに戦えなくなるから、二人に奪う役目を担ってもらう」
「けどナルト、もし巻物を取ったチームがシカマルやサスケ達のところだったら?正直、どっちもナルトが戦えないと勝負にならないような」
チョウジの疑問はもっともだ。だが、
「シカマルのところはともかく、サスケのところはまずほとんどあり得ないから考えなくていい」
「え?どうして?」
ヒナタの疑問の答えは簡単だった。
「冷静に考えてみろ、サスケのところのメンツにはキバもいるんだぞ?」
「「あ」」
それだけで理解できたようだ。
別にキバを悪く言うつもりは毛頭ないが、キバの思考はどちらかと言うと本能型の猪突猛進型だ。そしてアカデミーや下忍のころのサスケも比較的直情型、この二人が同じチームの場合、
「まず間違いなく個人技主体で先生達のところに飛んでいって巻物を取りに行く。どっちも攻撃技自体が派手に破壊したり威力があったりするから分かりやすいから近づかなければいい」
ちなみにもう一人のくノ一については考える必要もなく、アカデミーのサスケ人気ゆえの小判鮫的な行動を取るだろうと容易に想像できる。
「でもナルトくん、もし二人が私たちのチームに仕掛けてきたら?サスケくんもキバくんも、利害関係なくナルトくんを倒そうって考えるかも」
「そんときは、影分身に逃げに徹して誘導、俺達と反対の方に引き付けてもらう」
正直、サスケかキバの片方だけならまだ体術でなんとかできるかもだが、二人同時になったらまず攻略不可能だ。
「最悪それに失敗したら、まぁ奥の手っていうかまだ練習中の技でなんとかする」
「奥の手?」
二人が首を傾げるのを、オレは不敵な笑みで返した。
「しかし意外だなミズキ、お前がこんなことを言い出すなんて」
演習場の奥、今回の目的の巻物を置いた地点の近くでオレは今回の試験担当の相方である彼にそう聞いた。
「意外ってイルカ、オレはこれでも真面目にやってるんだが」
「いやそれは理解してるんだが、わざわざこんな試験を三代目様に直訴するなんて思わなくて」
その言葉にミズキは憮然として返す。
「……なぁイルカ、今年の卒業試験の生徒達の実力、どう思う?」
「どうって、まぁ確かに粒ぞろいだとは思うが」
ナルトやサスケは元より、いの、シカマル、チョウジ、ヒナタ、シノ、キバ、それ以外の生徒もなかなか癖はあるが誰も彼も優れた生徒達だとは思う。
「確かにそうだ。けど、粒ぞろいってことは同時に言えることもあるだろ」
「言えること?」
「個人技偏重に考えるかもしれないってことさ」
その言葉にオレはあ、と声を漏らす。
「オレは正直、ナルトが嫌いだし、化け狐だと思ってた。正直、ナルトが四代目の実子だと知っても、まだどこか納得できてない部分がある」
「ミズキ、お前……」
「だがそれ抜きにして、一人のアカデミーの忍として見たとき、ナルトの実力は本物だと思う。体術もそうだが、影分身なんて上忍でも習得できない奴もいるのにいとも容易く習得しやがった。そのうえ最近じゃ風の性質変化まで覚え始めたって、もはや充分エリートって呼んで良いくらいだ」
悩ましいことにな、とミズキは自重するように呟く。
「ナルト以外もそうだ、この世代、個人の実力だけなら下手な下忍や中忍に匹敵する才能を持つ連中ばかり」
「だから、あえてチームプレイを意識させる、か?」
「そこまで考えちゃいないさ。だが、忍の基本はチーム、スタンドプレーはお呼びじゃないって意識させるぐらいは必要だろ」
ただそれだけだ、と憮然と答えてその場から離れるミズキに、
「待てミズキ」
「あ、なんだよイルカ」
「少なくとも、ナルトはそのチームの考えを理解した行動をしてくるぞ」
その一言にミズキは不機嫌そうな表情を浮かべる。
「あ?なんでだ?」
「ナルトが化け狐なら、お前の言うとおり勝手なスタンドプレーをするだろう。けど、アイツは、うずまきナルトは誰よりも一人の孤独を知ってる、誰よりも人の繋がりの強さを知ってる、誰よりも仲間を信じている」
なぜならオレは、アイツがずっと一人で耐えてきたことを、泣きたい気持ちを常に我慢してきたことを、そして愛情に飢えてきたところをずっと、ずっと見てきたから。
「アイツはオレが認める、優秀な忍だぞ」
「……そうかよ」
呆れるように返すミズキに、オレは意識を改める。
「だからナルト、来るのなら教師としての全力で迎え撃ってやるからな」
今だけは教師と生徒ではなく、兄弟のように思うこともなく、一人の忍としてナルトに向き合うと決めた。
ナルト班のメンバーは
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原作通り
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オリジナル