休みが明け班として集まる初日、俺は指定されたアカデミーの教室で朝早く準備していた。
「しっかし、最後まで誰が担当なのかははっきり分からなかったな」
持ってきた紙束には影分身で集めた担当上忍候補の情報。特に原作のナルト世代の担当上忍であったはたけカカシ、夕日紅、そして猿飛アスマについての情報だ。
とはいっても三人とも調べられる情報はそこまで多くなく、結局最後の最後まで誰が担当になるかは調べきれなかった。
「あ?誰かと思ったらナルトか」
と教室の見回りに来たであろうミズキ先生が嫌そうな声で話しかけてきた。
「なんか含みがある声なんだけど、ミズキ先生」
「ハッ、化け狐が朝っぱらからこんなとこに居たら誰だって驚くだろうさ」
「化け狐って、ミズキ先生ってそう言うところは明け透けだよな」
俺が四代目の実子であることが公表されてからも、昔からミズキ先生の態度は面倒そうな態度を崩してなかった。
「そういやおまえの班、ここで集まるって話だったか。にしては朝早く来すぎだろ」
「担当上忍が誰になるか分からないから、少し調べてただけだってばよ」
「担当ね……へぇ、三人まで候補を絞ってたのか」
近づいてミズキ先生が俺が集めた情報を見れば、その内容に感心してた。
「ミズキ先生が三代目の爺ちゃんの目線で見たら、三人のうち誰だと思う?」
「そうだな……まぁ俺だったらカカシさんだろうな」
イヤイヤそうな態度でありながら、ミズキ先生は真面目に答える。
「まず紅さんはあり得ない。あの人の専門は幻術とかの後方支援だ、おまえの班って、たしかサスケとあのフウとかいう九尾の同類だろ?バリバリの前衛中衛ばっかだし、何より万が一にお前らが暴走したら紅さんには悪いが、絶対に押さえ込むことは不可能だろうな」
「じゃあアスマさんは?あの人、三代目の爺ちゃんの息子だろ?」
「まぁ確かにアスマさんもエリートだし、何より守護忍についてたこともある実力者なのは否定しないが、あの人はなんていうか……ザ・テンプレっていうか、特徴が無い上忍なんだよな」
「特徴が無い?」
その言葉の意味が分からず首を傾げる。
「例えばそうだな……お前の知ってる上忍以上だといのいちさんやシカクさんにチョウザさんなんかを思い浮かべてくれたらいい。あの三人の忍術はどれも普通じゃないだろ?」
「それは、確かに」
「けど俺が知る限り、アスマさんは普通の火と風の忍術を使う忍だ。言ってしまえば、
言いたいことは分かる気がする。
「何よりナルトやサスケ、それとほぼ同じ個性を持つフウの三人を、下手に無理矢理連携で縛るのはかえって危険だろうしな、そう言う意味で、他の里から『コピー忍者のカカシ』って恐れられたカカシさんが担当するのが無難じゃないのか」
「……けど、そのカカシさん一人で俺ら三人を制御できると思う?」
「…………してくれないと困るよな」
明後日の方向に視線を向けるミヅキ先生に、俺はある疑問を問いかける。
「ミヅキ先生って、俺のこと嫌いなわりにマトモに会話してくれてるよな。どうして」
「あ?あー、別に深い理由があるわけじゃねぇよ。むしろ、お前が手のつけられないような悪ガキで、卒業試験にも落ちるようなやつだったら多分殺しに行ってただろうな」
「殺しって、物騒な」
まぁ原作だと一話でその条件満たして騙されて殺されそうになったわけだが。
「知ってるとは思うが、俺やイルカの世代は九尾の暴走事件で親や家族を喪った人間が多い。イルカは両親を亡くして、俺の両親は重傷こそ負って引退を余儀なくされたが生きてた」
「……イルカ先生からも昔、教えてもらったことがある」
「昔のアイツ……アカデミー時代のイルカは自分から進んでバカをやって周りを笑わせてた。自分が一番泣きたくて笑えないのに無理矢理にな。中忍なのに三代目様と世間話できるほどイルカが仲がいいのは、その時から目をかけてもらっていたからだ」
それがどうしようもなく、無性にムカついていた。ミヅキ先生は懐かしむようにそう言った。
「俺もイルカも、おそらく始まりは同じあの九尾の暴走だ。お互い、九尾に対する恨みは里の人間同様に深い。大人になってアカデミーの教師となってもな。そこに、お前が入学してきた」
「……そういや、イルカ先生も最初はオレのこと、どう扱って良いか微妙にしてたっけ」
「そうだな。俺もイルカも、お前のことをどう接するか分からなかった」
だが、そんな状況を変えたところを、二人は目撃した。
「入学してすぐお前がアカデミーの校舎の裏側で、無抵抗にボコられてたのを見て、俺もイルカも唖然としたさ。しかも相手の人数は十人以上、ありゃどう見てもイジメどころかリンチかってレベルの酷いもんだったな」
「そんなことあったっけ?」
「お前はそんなことありすぎて忘れてるかもだが、上級生から殴られ蹴られの集団リンチを受けてるってのに、お前は泣きわめきもしなけりゃ、悲鳴をあげることもなくじっと堪えてた。さすがにやりすぎだったから止めに入って解散させたんだが、お前はリンチが終わるとフラフラって立ち上がって、まるで死体が動くように何も言わずに帰っていったんだよ。どう見たって骨の何本か折れてるって酷い状況で、死んだ目をしながらな」
ありゃ今でも思い出すだけで恐怖するね、と全身を震わせながら答える。
「さすがに心配になったイルカがナルトの後をついてって、俺も仕方なく動向して見たのは、お前以外誰も住まなくなったアパートの壁に、罵詈雑言が絶え間なく落書きされてた酷いもんで、しかも石でも投げられたのか窓ガラスは全部壊れてた。正直な話、よく生きてるもんだと呆れるしかなかったな」
「……そういえば、そんなこともあったっけ」
「そのあとだっけか、イルカがナルトを飯に誘ったのは。けどナルトを見たとたんに、どこの店も追い出すか蹴り出すか、最終的につれていったのが一楽だったな」
俺もたまたまを装ってイルカの隣に座りながらナルトの話を聞いてたっけ、と続ける。
「イルカがナルトになんでやり返さなかったのかと聞いたら、お前なんて答えたか覚えてるか?」
「いや、さすがに」
「
その言葉に、そういえば昔そんな状況のことあったな~となんとなく思い出す。
「さすがにそこまで行くと恨みとか怒りとか完全に抜けて、同情と哀れみが勝ってな。すぐに病院に連れてってイルカが三代目に話をして、急いで突撃してきた三代目がなぜそこまでの状態になっても何も言わなかったのか、そう聞いてお前、『死んだ方が里のためになるでしょ』って端々に平然と言ったんだぞ。こっちはドン引きだよ、ドン引き」
「けど、そう思ってる人間ばっかりだったろ」
「だとしても十にも満たないガキが達観どころか文字通り死人の目をしながらそう大人達の前で言ってるところ見た側の気持ち考えろ。あの三代目すら絶句して放心してたぞ」
「それは……」
「しかも全身を複数骨折して絶対安静の入院だってのに、『病院の迷惑になるし』とか世迷いごと抜かして勝手に抜け出してあの惨状のアパートに戻ろうとするし、味覚を感じないから全く食事に手をつけないしで、別の意味で大人を心配させてるのを忘れたとは言わせないぞ」
「そ、その説は大変すまなかったってばよ……」
「ホントだよ、まったく」
そこからか、イルカがそれはもうナルトの親だと言わんばかりに世話を焼きはじめたのは、と懐かしむように答える。
「そういうのを見てきたから、九尾関連の恨みやら怒りはあるが、お前個人の恨みってのはな……」
「なんというか……すみません」
「ま、せっかく卒業して下忍になれるんだ。二度とあんな真似はしないようにな……でなきゃぶち殺すからな」
脅すようにそう言ってミヅキ先生は教室から出ていった。
「……来ていたのかナルト」
「おはようっす、ナルト」
しばらくしてサスケが、そしてギリギリまで爆睡してたフウがやってきて
「えっと、ここであってるのよね?」
「へ?サクラちゃん?」
どういうわけか四人目、春野サクラまで教室に入ってきた。
「え?ナルトにサスケくん、それにフウも……これ、どういうこと?」
「いや、こっちが聞きてぇんだけど」
なんで下忍だけで四人もいるのか、そう思っていれば黒板の前にいきなり煙が出て、
「はい、いきなりだけどごめんね。俺がこの七班の隊長役を務めるはたけカカシだ。よろしく」
どう言うわけか遅刻もなにもせずにカカシ先生が現れる。
「ま、この班について聞きたいこととか、色々あるだろうけど、とりあえず説明するから適当に座ってくれ」
ナルト班のメンバーは
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原作通り
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オリジナル