転生ナルト物語   作:ドロイデン

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閃光の遺産 Ⅰ

「ここが四代目火影、ミナトの忍術や研究資料が保管されている部屋だ」

 

 シカクさんに案内され、連れてこられたのは火影屋敷の地下室にある倉庫で、入った瞬間に圧倒される量の本や巻物、よく分からない遺跡の遺物みたいなものまで様々なものが置かれていた。

 

「これ、全部父ちゃんの関連資料ってばよ」

「正確にはミナトならびにクシナ関連の忍術ならびに研究資料や、二人が任務で回収してきた調査資料、ならびに古文書や遺跡の遺物等々が保管されている。」

「スッゴい……」

 

 いのが一番驚いてるが、オレは目的の禁術のあるエリアへと移動すると、1つずつ巻物を確認していく。

 

「ところでナルトくん、ミナトが使っていたっていう術について、何か詳しい情報はないのかい」

「えっと、たしか自来也?って人と一緒に映ってた写真に、なんか青いボールみたいなものを手に持ってたってばよ」

「……シカク」

「あぁ、よりにもよって一番面倒な術を持ってきたか」

 

 大人二人が目元を覆うようにして手を被せて天を見上げてる光景に、いのが不思議そうに質問した。

 

「パパ、それってそんなに難しい忍術なの?」

「……習得難易度A級相当、ミナトの師である自来也様が考案し、ミナトが開発・使用していた禁術相当忍術、『螺旋丸』だ」

「禁術相当に指定されている理由も、その習得難易度の高さと、高すぎる威力、そして印を結ばずに使える奇襲性の高さもありながら、それ自体が『未完成の大技』なんだ」

 

 未完成の大技という響きに、オレもいのも視線を向ける。

 

「どういうことだってばよ」

「自来也様以外でもう一人、螺旋丸を使える人間から聞いた話だが、螺旋丸はそもそも忍術に置けるチャクラの『形態変化』の究極系でありながら、性質変化を一切組み込んでいないために拡張性が高いそうだ」

「二人とも、チャクラの性質変化についてはアカデミーでも習っているよね?」

 

 いのいちさんの言葉に二人そろって頷く。

 

「二人も分かっているとおり、基本的にチャクラの性質変化は火、風、雷、土、水の五つに分かれる。中には奈良家の影といった、少し特殊な例外もあるが、今回はそれは置いておくとして、問題はナルトくんが覚えようとしている螺旋丸には、その性質変化が一切組み込まれていない。これはかなり恐ろしい事なんだ」

「そうなの、パパ?」

「うん、例えば二人の螺旋丸使いが居たとしよう。片方は火の性質変化、片方は雷の性質変化だとする。さて、仮にそれぞれの性質変化を組み込んだとき、螺旋丸はどうなると思う」

 

 その答えにいのは首を傾げるが、答えを知ってるオレは

 

「えっと、それぞれ火の螺旋丸と雷の螺旋丸ができるってばよ」

「え、ちょっと待ってよナルト。それじゃ、使う人によって全然違う螺旋丸に……あ」

 

 そこでようやくいのが螺旋丸のその特異性に気づいた。

 

「そう、ナルトくんが言ったとおり、それぞれ別の性質変化の螺旋丸が生まれる。そして()()()()()()()()()()()()()()

「それこそ発展系が予測できなさすぎるために、下手すれば術者自信をも傷付ける発展を遂げる可能性もある。故に発展性がありすぎるという意味でも禁術相当に指定されることになったわけだ」

「まぁ、そのもう一人の螺旋丸を使える人も、自来也様も、螺旋丸に性質変化を組み込めなかった、そして組み込まなかったことから、性質変化を組み込むその挑戦難易度も相応に高いわけだけどね」

 

 そういのいちさんが〆ると、シカクさんがオレのすぐ近くにある大型の巻物を取り出す。

 

「これが螺旋丸の術式だな。印が要らない術式だから、使えるようになるにはとことん努力が必要になるだろう」

「あ、ありがとうってばよ」

「なんなら自来也様が戻ったら直接交渉して教えてもらうように努力するのも手だね」

 

 いのいちさんのアドバイスに素直に頷くと、もう1つの術についても聞いてみる。

 

「ちなみに二人は影分身の術は知ってるってばよ?」

「あぁ、いのいちが言っていたもう一つは『影分身』だったか。確かに、あれも禁術ではあるが、木の葉では比較的使う人間も多い術の一つだからな」

 

 そういうとシカクさんは簡単に印を結ぶと、すぐそばにもう一人のシカクさんが現れた。

 

「これが『影分身』だ。俺もたまに術のサポートのために使うからな、チャクラの消費はそれなりだが、使いこなせれば色々と応用が利くだろう」

「大きな術を使う際や、自分自身がその場に動けない状況といった場面では、力が分散してしまうとはいえ自分自身で護衛を作って時間を稼ぐことや、逆に影分身を敵陣に突撃させて情報収集するなどといったこともできる」

「もっとも、奈良家の影忍術のほうにも別の『影分身』ってやつがあるから、どっちを使うかは状況次第ってやつだな」

 

 二人のシカクさんはそういうと影分身を解除した。

 

「凄い……もしかしてパパもできるの?」

「あはは、残念ながらうちの秘伝忍術とは少しばかり相性が悪くてね、それに影分身と同じかそれ以上にうちの秘伝忍術はチャクラを消費しちゃうから」

「チョウザのところも同じだな。ありゃ維持にかなりのチャクラを持っていかれるらしいから、影分身のメリットとデメリットが釣り合ってないんだと」

 

 まるで世間話をするように話しているが、どちらも秘伝忍術の内容なのに俺に話して良かったのだろうか?

 

「なに、俺やいのの場合はナルトくんに対しては基本的に使えないからね」

「え?どうしてだってばよ?」

「君の中にいる九尾と直接顔を会わせることになっちゃうからね。通信みたいに頭に直接語りかけるとかならともかく、心転身の場合は」

 

 それは確かに基本的には使えないというのも納得の理由だった。

 そう思ってるといのいちさんは腕時計を確認すると、オレといのに向かってニコリと笑う。

 

「時間もちょうどいいし、お昼を食べたら早速ナルトくんの影分身の修行を見てあげようか」

「えっ?いいんだってばよ?」

「当然構わないよ、それに、ナルトくんも実際に術を見て、自分でもやりたいって顔に書いてあるよ」

 

 そう言われていのに思わず視線を向ければ、彼女も笑いながら頷いていた。どれだけ分かりやすい表情に出ていたのだろうか?

 

「というわけで、ナルトくんお昼はどこで食べようか」

「あ、だったらおすすめのお店があるってばよ。オレのこと差別しないでくれるし、何よりウマイってばよ」

「ほぅ、ナルトの事を分かってて何も言わない……か。大物なのか、それとも」

 

 なんかシカクさんが若干失礼なことを考えている気がするが、あえてオレは何も突っ込まないことにした。

 

「で、ナルト、そのお店の名前は?」

「へっへぇー、ラーメンの一楽だってばよ!!」

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