そこのお前ぇ!本当のハズレスキルってもんを見せてやるZE☆ 作:運カス探索者
翌日、初めてのパーティー攻略と言う事で、アカリのリベンジも兼ねて【鋼鉄の摩天楼】を攻略する事になった。
「はーい!みなさん!今日は鋼鉄の摩天楼をリベンジしたいと思います…が!私一人では攻略不能なのが、痛い程よく分かったので…助っ人として…
勿論、ギルドからの了承も受けてます!」
・マジでぇ!?あの
・これは神回不可避
・でも、ヤバいんじゃないの?
「うーん、色んなコメントありますね…
「いや、知らん。というか、よくギルドから許可取れたな」
「私の交渉術のお陰です!」
「ほー、ってそんな話してる場合じゃないか」
鋼鉄の摩天楼名物、社畜ゾンビの登場だ。
こいつらは社会人の見た目と呻き声をしているだけでそこら辺のゾンビとあまり変わらない
「アァ…有給…申請…」
「ナニヲ…ミテ…ヨシ…ッテ…言ッタンデスカ…」
「アァ…年末調整…クソ面倒ぇ!」
「五月蝿ェ、働ケェ!」
「呻き声が生々しい事以外は普通のゾンビなんだよな…」
それでもゾンビはゾンビ、素手で触れたくはない。
「なので、こうする」
壁代わりの瓦礫を掴んでぶん投げる。それだけで社畜ゾンビ達は頭を撃ち抜かれ、首無し死体として辺りに転がった。
「へっ…」
「あぁ、鋼鉄の摩天楼には叫び声を上げてゾンビを呼び寄せるゾンビも居るから気をつけるんだぞ」
・軽い投球みたいな動きしただけで出来上がる首無し死体
・B級やべぇわ
「あの、それってあんな感じのですか…?」
アカリの指差す先には、ふらふらと揺れながら首を天井へ向け、身体を大きく反らす、老齢の女性ゾンビの姿があった。
「そうだぞ、あんなのだ!」
「キッえ"ゔぇ…」
叫ばれると面倒なので、同じ様に瓦礫で始末する。
「アレが叫ぶとフロア全体のゾンビが一点に集まってくる上に凶暴化する。具体的には移動・攻撃スピードの増加、体幹が強くなる事での吹っ飛ばしにくさが挙げられる。つまり叫ばれたら自信ない奴ならコイツらに食い荒らされてるって訳だ」
「ひぃっ…!?ほ、本当にここD級が来る場所なんですか!?」
「パーティ単位推奨してるのは、この脅威が常に有るからだ。単独で攻略なんてのは殆どヤラセだよ。ここを単騎で攻略出来るのは、それこそB級付近の強さになってからだ…そのB級でも油断したら死ぬ。そもそもどれだけ強くなろうと、油断、慢心、戦う事への慣れ…気の緩みや武器や防具の手入れのし忘れ…些細な事が原因で死ぬのが探索者だ。その事を忘れんなよ」
「は、はい…」
・エンタメみたいに見てるけど、死と隣合わせな事忘れかけてたわ
・ええ事言うやん、
「それと、これは経験則だが、オレが上手く戦えてるって事はイレギュラーが発生している可能性が高い…良い機会だ。もしイレギュラーと遭遇した際の対処法を教えて…」
そう言うや否や、天井を突き破り、真っ黒な皮膚の《大喰らい》が目の前に現れた。
「い、いいぃぃ…イレギュラー!?」
イレギュラー、ダンジョンの防衛か、はたまた他が原因か…時折、ダンジョンの徘徊ボスが真っ黒な強化形態になって現れる事がある。
「グルァァァ!!!!」
雄叫びを上げ、ギラギラとした目は
「ほらな?言霊ってあるんだよ、ホント」
「呑気な事言ってる場合ですか!!?イレギュラーですよ!?殺されちゃいますってばぁ!!」
「確かにイレギュラーは脅威だ、元のランクから一段上の強さは確定で持っている…でもな、動き方や特殊能力自体は元の徘徊ボスと変わらない。特定の攻撃に対する耐性を持っているパターンもあるけどな」
そう言うと
「ぇ、えうぇ…???」
目の前で巨体が一瞬にして遥か遠くに吹き飛んだ事実に、アカリは目を丸くする。
「コイツは打撃耐性か、面倒だな…」
ぷらぷらと腕を揺らし、
「探索者の基本その1、耐性持ちに遭遇してもいいように備えておく事」
そう言うと
「耐性持ちへの対抗手段は用意しておくべきだぞ、特に誰でも使える打撃への耐性は、最悪そこら辺のゴブリンでも持つ事があるからな」
そう言うと
「避難準備はしておけよ、取れ高ってのは分からんが、イレギュラーとの闘い方の勉強にはなるだろ」
「は、はいっ!」
アカリが直ぐに逃げられるようにエレベーター近くに待機したのを確認した
イレギュラー《大喰らい》に一太刀を浴びせた。