俺の個性はサイキョー   作:鈴木颯手

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オリ主君の個性についてちょろっと触れます。多少無理があるかもしれませんが押し通します。


第十二話

「圧倒的だったな。俺たちは」

 

 本選第一回も無事に終了した。1000万ポイントがなくとも端数だけでも通過出来そうなポイントは手に入っている。態々取られる為に上まで登ってきてくれた爆豪勝己には感謝だな。

 因みに、順位としては2位が焦凍のチームで3位が爆豪勝己のチーム。4位には緑谷のチームが入っていた。それと俺らが二人組という事で5位の心操? っていう人たちのチームから二人出る事になったらしい。心操って誰だ? B組か?

 

「それじゃ早速トーナメントのくじ引きを始めましょうか」

 

 最後の種目、1対1での戦いはトーナメント方式で行うらしく一人ずつくじを引いていく。その結果が以下の通りだった。

 

緑谷 対 心操

轟焦凍 対 瀬呂

青山 対 芦戸

轟業火 対 常闇

飯田 対 発目

八百万 対 葉隠

切島 対 上鳴

麗日 対 爆豪

 

 どうやら準決勝に焦凍と当たるらしい。緑谷とかテープ君とか今の焦凍でも十分勝てる相手だろうし順当に戦う事になるだろうな。

 

「俺の相手は……常闇?」

「お前と最初に戦うのか。だが、誰だろうと全力で行かせてもらう」

「ん? おう。俺もだよ」

 

 ああ、カラスみたいなやつか。確か影っぽいモンスターを使役する奴だったな。話した事がないし騎馬戦もちゃんと見てなかったからよく分からないんだよなぁ。

 にしても透の相手は八百万か。如何に透明化の利点で位置を把握させないで倒せるかがカギだな。……例えそれで勝てても爆豪勝己の相手は厳しそうだ。というか爆豪勝己なら周囲を爆破するだけで勝ててしまうだろうしな。全然活躍させてあげられなかったのは反省だな。

 

『んじゃま、準備をしている間に皆で楽しもうレクリエーション!!』

 

 途中で心操? という奴のチームの奴らが何か言っていたがどうでもいい事だったので話を途中から聞いてなかったな。

 因みに俺はレクリエーション不参加だ。面倒だし。葉隠さんは何やらチアガールの格好で皆を応援していたが。というか今更だけどA組女子がチアガールの格好をしているんだが? え、透可愛い……。

 

 

 

 

 

「緑谷、業火には気を付けろよ」

 

 レクリエーションの裏で、緑谷は焦凍に呼び出されていた。内容は自らの家の異常さについて。エンデヴァーが行った個性婚という人体実験のような行い。そして、それによって壊れてしまった自らの母親についてだった。

 その結果、彼は父親の個性である左手を使わずにヒーローとなり、エンデヴァーを全否定するのだという。そんな彼の思いに思う所があった緑谷だがそれを言う前に焦凍は業火についても触れていた。

 

「あいつの言葉を借りるなら俺は人工的に生み出された天才になるんだろう」

 

 実際、彼は個性の強さだけではなく身体能力も優れていた。それはここまで血反吐を吐く思いで訓練をしてきたからというのもあるがもともとのスペックが高かったからこそ可能とした力なのだ。

 

「だが、アイツは違う。あいつは人工的に作られた化け物だ」

 

 轟業火についてはエンデヴァーでさえ把握していないだろう。焦凍しか目に入っておらず、業火を最初から焦凍の引き立て役としてしか見ていなかった彼はそれ以上彼について考える事をしていなかったのだ。

 故に、彼は気づいていない。業火が持つ異常さを。化け物としか言いようがないその精神性を。

 

「あいつの個性はおやじそっくりだが明確に違う点がある。あいつの炎は実体を持っている」

 

 焦凍もきちんと把握しているわけではないが業火の炎は触れる事が出来るのだ。無論、触れれば火傷はするだろうがそれでもきちんと掴む事が出来るのだ。

 

「俺は半分が氷で半分が炎だがアイツのは違う。あいつは炎の中に氷の実体を持っている」

 

 いうなれば固体と化した炎。それが業火の個性だった。氷のように固くも柔らかくもなり、元の炎のように実体を消す事も出来る。それでいて炎の特性はそのままという可笑しいスペックをしていたのだ。

 緑谷はそれで納得がいった。騎馬戦で見せた陽炎が何故実体を持っていたのかを。

 

「……緑谷。俺はお前に負けるつもりは無い。だが、俺に勝ってあいつと戦うなら気を付けろ。あいつは敵には容赦しないからな」

 

 そう言う焦凍の瞳には業火への憎悪だけではなく、僅かな恐怖心も見え隠れしているのだった。

 

 

 

 

 

「ま、順当な感じかな」

 

 レクリエーションが終わってトーナメントが始まったわけだが予想通りの戦いが続いた。緑谷対心操っていう奴の戦いは地味に終わった。心操は普通科だったが何と“洗脳”という強個性を持っていたのだ! だが悲しいかな身体能力がカス過ぎて何もできずに終わっている。あれなら透の方が強いな。

 なんかヒーロー科落ちたと言っているけど雄英は妥当な判断をしたと思うよ。見るからに個性便りの雑魚だもん。終始煽るだけ煽って一切戦闘しなかったからな。俺ならば個性は切り札的な扱いにしてここぞという時以外では使用しない。素の身体能力を上げてそれをメインにする。

 続いて焦凍対瀬呂。これは初手を瀬呂がとったがそこまでで後先考えないでかい氷を出した焦凍が瞬殺した。あそこまでやる必要あったのか? 相手に合わせて出力を抑えて勝つというのがスマートな戦い方なのに。焦凍は我儘な上にその辺もへたっぴだなぁ。手のかかる弟だよ。

 青山? 対芦戸はまぁ、うん。いう事ないか。特に何かを言う必要も無い見事な戦闘だったからな、芦戸は。青山? 洋服でも売っていた方が似合うと思うぞ。

 

「さて、俺の番だな」

 

 そんなわけでいよいよ俺の番だ。相手は常闇君。あまり知らないが何とかなるだろう。焦凍と戦うまでは負ける気なんてないからな。

 

『ステージの修復も終わった事だし第4試合、行くぞォ!!! 予選2位、1位と好成績! 圧倒的な実力を見せてくれちゃってるねぇ! ヒーロー科! 轟業火!!

バーサス! 攻防一体! “ダークシャドウ”を従える暗きサムライ! ヒーロー科! 常闇踏影!!』

 

 その言葉に観客席が盛り上がる。改めて見るとそれなりに広いステージだ。これなら激しく動いても問題はなさそうだな。

 

『第4試合! スタート!!!』

「行くぞ! ダークシャドウ!!」

〈アイヨ!!〉

 

 おっと、考え事をしていたら先手を取られてしまい黒いモンスターが近づいてくる。ふむ、常闇君のへそと繋がっているモンスターか。見た感じダメージが常闇君に行く事は無さそうだし戦うだけ無駄か。

 向かってくるモンスターを紙一重で避けていく。一撃、二撃、三撃……。成程、スピードはこんなもんか。空気を切る音も聞こえてくるし威力も高そうだな。

 

〈ヨケテバッカジャンカ!〉

「そりゃ分析は重要だからな」

 

 瞬で終わらせる事は可能だけどどうせならば見せ場を作ってあげた方が良いだろうしどんな個性かを把握しておきたいからな。こういう時でもないときちんと分析しないのは俺の良くない癖だ。

 

『常闇、ダークシャドウによる猛攻! しかしそれを轟業火、紙一重で躱し続ける! どうしたどうしたぁっ!? 騎馬戦で見せた技は見せてくれないのかぁ!?』

 

 実況がなんか言っているが無視だ無視。次は一体どんな技を出してくるのか。

 

「ほらほら、そんな大振りの攻撃じゃ当たらないよ。技を出さないと」

「くっ!」

「……ん?」

 

 相も変わらずダークシャドウの手を振り回すだけ……? なんでだ? 何かしら他の攻撃はないのか? 嘘だろ?

 

「常闇君? ほら、何か他の攻撃は無いのか? ビームを出すとか形態変化するとかさ」

「……」

「……え? 本当に無いの?」

 

 マジで? 透なら分かるよ? 透明化だもん。出来る事は限られている。でも君のは違うでしょ? そんな幻想のようなモンスターを使役しているんだからもっとできてもいいのにさ。

 

「……」

 

 はー。マジか。こりゃ今後に期待だな。素材は良さそうだし。

 そういう訳で俺はダークシャドウの攻撃を避けると同時に前のめりになって足裏から炎を射出。一瞬で接近すると常闇君の腹にパンチを叩きこむ。めきめきと骨が折れる音が響くけど失望させた罰として甘んじて受け入れてくれ。

 

「ぐぁぁっ!!??」

 

 常闇君はそのまま吹き飛び、スタジアムの壁に激突する。威力は抑えたし怪我にはなっても死ぬことはないでしょ。明らかに頑丈そうだしな。

 

「常闇君場外! 轟業火君の勝利!」

『しゅ、瞬殺! 瞬殺だぁっ!! ちょっと前までのよけっぷりが嘘のように轟業火、一瞬でカタをつけたぁっ!?』

『端っから倒せたという訳か。直ぐに倒さなかったのかダークシャドウを分析していたようだな』

 

 流石は相澤先生。うるさいだけの実況とは違ってよく見てくれている。こりゃ1-Aになれたのは幸運だったかもしれないな。あれ? そう言えば1-Bの担任って誰なんだ? まだ見たことが無かった気がするが……。

 ま、そのうち分かるでしょ。今は透の試合を確認しないとな!

 




オリ主が考えていたのは最低でもAB対抗試合時のレベルです。というか対戦相手は基本的にそんくらいのレベルを求めています。求めてないのはよく知っている葉隠さんとか爆豪勝己とか八百万くらいです。焦凍?瀬呂相手の氷結を一回でも繰り出してくれればいいやと思っています。
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