俺の個性はサイキョー   作:鈴木颯手

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うーん、感想に返信したいけど何を返せばいいか分からなくなり最終的に変な返信になってしまうからやめようとなる……。
そんな感じで感想に返信出来ていませんが皆さんの感想は読ませていただいています。めっちゃ糧にさせてもらっています。いつもありがとうございます


第十五話

「君の! 力じゃないか!!」

「……」

 

 2回戦第1試合。緑谷対焦凍の戦いはある程度は予想通りに進んでいる。自傷を恐れずに超パワーを連打する緑谷と氷のみで攻め続ける焦凍。だけど、正直に言ってどちらも論外な戦い方だ。

 

「……だせぇな」

 

 なんだあれ? あれで雄英に入れるとか舐めてるのか? 先ずは緑谷。個性が全くコントロールできていない。お前は生まれてからこれまで何をしてきたんだ? あれだけのパワーを用いるわりに体は出来ていない。多少は鍛えているようだがそれでもパワーを生かしきるには程遠い肉体に見える。

 そして自傷ダメージをものともせずに戦っているのは対人戦闘訓練の時と同じだ。あの時は訓練だからという甘え、今度は治してもらえるという甘えで戦っているように見える。恵まれた環境に依存しているように見える。

 俺が父さんのサイドキックに訓練を受けた時の話になるがあんな戦い方をすればぼこぼこにされて二度と訓練はさせてもらえなかっただろう。あちらはプロヒーローなのに時間を削って訓練してもらったというのもあるがヒーローならば体は大切にしないといけない。あれでは次の試合に出る事は出来ないだろう。全く愚かしい。

 

 そして焦凍。弱い。高火力で氷を出すだけというごり押しだ。正直緑谷よりも失望ものだ。多少は格闘術も出来るみたいだけどあくまでサブ。そこまで強いわけではなさそうだ。

 

「……父さんから直々に訓練を受けてあれか? まだサイドキック達との訓練の方が実りがありそうだぞ」

 

 バーニンさん達、父さんのサイドキックの方々は本当に容赦がなかった。エンデヴァーの息子だろうと知らねぇ! と言わんばかりにスパルタだった。あれは訓練じゃなくて集団暴行じゃないのか? と思ったほどだ。おかげで強くはなれたし、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。ま、そのことを言ったらバーニンさん達に殺されてしまうだろうけどな。証拠隠滅の精度も上げられたからな。()()()()()()()()()()()()()()()()事も手助けしてくれたしな。どこのヴィランか知らないが良いアシストになってくれたよ。

 

「……終わりか」

 

 そんな風に思っていれば反抗期を終えたのかついに焦凍が炎を出した。父さんは喜んでいるみたいだがそのまま決着がついた。相澤先生も言っていたが散々冷やされた空気が急激に熱せられた影響で膨張。破裂したような威力になった。そのまま緑谷は場外に吹き飛ばされて終了。なんだ、やれば出来るじゃんか。だけどやっぱ個性の使い方が大雑把だけどな。

 

 

 

 

 

「流石に常闇君の時のような攻撃は出来ないな」

「わぁぁぁっ!? ちょ、ちょっと!?」

 

 続く第2試合。俺と芦戸さんの戦いはさっさと終わらせた。常闇君の時のように一気に接近した所までは同じだが、そのまま抱えて場外へと投げ飛ばした。抵抗して酸が体に掛かったが痛い程度で動けなくなるようなものではなかったし、()()()()()()()()()()()()()から問題は無い。

 結果、試合は僅か数秒で終わった。芦戸さんの戦い方は1回戦で見たから改めて見る必要は無かったからな。

 

「あっちゃー、負けちゃったかぁ」

「ま、相手が悪かったと思ってくれよ。立てるか?」

「え? あ、ありがと。意外と優しい……」

 

 立てるように手を差し伸べる。これで俺も準決勝に進出出来たという事で次は焦凍と戦う事になる。そして決勝……。確実に勝ち上がるのは爆豪勝己だろう。次点で飯田君だが一歩及ばないだろうな。

 

 そうして第3試合、飯田君と透だが……。まぁ何というか飯田君のセンスが光った試合となった。飯田君は常に高速で動き回り、煙を引き起こしたのだ。そして、透が動く事で煙が揺れるのを見逃さずに彼女を掴み、場外へと運んだのだ。飯田君が勝つとは思っていたけど予想外の勝ち方で驚かされたよ。正直焦凍と緑谷の戦いよりも感心させられた。

 続く第4試合は切島と爆豪勝己の試合だったが序盤は切島が猛攻を仕掛けていたが途中から爆豪勝己にラッシュを決められ敗北した。“硬化”の個性は力み続けないといけないという弱点があったようでそのせいか爆豪勝己に短期決戦を挑んだようだが力及ばずに敗北した。それでもあの爆破のラッシュに耐えられていた辺りタンクとしては十分すぎるくらい優秀だな。

 とにかくだ。これで準決勝に進む4人が決定した。俺と焦凍、飯田君と爆豪勝己。勝ち上がるだろうと予想していた通りの面子であり、1-Aの中でも上位の実力者だ。自分で言うとすごく恥ずかしいけどな。

 

「さてと、焦凍をからかいに行きますか」

 

 緑谷に発破をかけられて炎を解禁したとはいえ焦凍が使ってくるかは分からない。というか使っても意味はないだろう。何しろ俺に()()()()()()()()()。相手はそれを分かっていないが有効打にはならないと予想してくるだろう。そうなれば今まで通りに氷だけで……。

 

「そうだ。焦凍にはどうせなら父さんの技だけで戦ってあげるか」

 

 きっと焦凍なら良い表情をしてくれると思うんだよなぁ。ああ、今からすごく楽しみだよ。

 

 

 

 

 

『一気に行くぜー!! 準決勝第1試合はまさかの兄弟対決だ!!

ヒーロー科、轟焦凍 バーサス! ヒーロー科、轟業火!!』

 

「焦凍、いい試合にしようぜ」

「……」

 

 相も変わらず無視か。だけど視線だけは殺意すら感じる程に睨みつけてくる。睨まれ過ぎて慣れちまったよ。昔みたいに無邪気な笑顔を見せてはくれないのか。

 

『準決勝第1試合、スタート!!!』

 

「っ!!!」

「ま、最初はそう来るよな」

 

 プレゼントマイクの合図とともに焦凍は特大の氷結をお見舞いしてくるがそれに対して俺も炎を使って溶かしていく。質量を持った氷の方が押してくるがそれも俺が少し出力を上げてやれば簡単に拮抗する。

 

「どうした? この程度か?」

「っ!」

 

 焦凍は氷結をやめるとスキージャンプのように氷を形成すると俺に向かってくる。遠距離攻撃では仕留められないと判断したためだろう。実際その通りだ。俺はまだまだ出力を上げられるし炎ももっと使えるからな。

 だけど接近戦をするには実力が足りていない。俺へと飛び込み、掴もうとしてくる焦凍の手首をつかみ、焦凍の勢いを殺すことなく反対側へと放り投げる。宙を舞う形となった焦凍の腹に向けて俺は拳を振るう。

 

「赫灼熱拳・ジェットバーン!!」

「がっ!!??」

 

『轟業火!!! エンデヴァーの必殺技を使用して轟焦凍の腹に一撃を叩きこんだぞォ!! やっぱりつえぇなあいつ!』

『こうしてみれば分かる。個性に頼り切った戦い方をしていない。先程の投げ技も無駄な動きはなく、一切焦凍の勢いを殺さずに投げ飛ばしている。一朝一夕で手に入る技ではないな』

 

 ジェットバーンを叩きこんだが威力は大分抑えた。おかげで焦凍は辛うじて場外に吹き飛ばされる事も、気絶する事もなく氷結で壁を作って耐える事に成功した。んじゃ次だな。

 

「赫灼熱拳・ヘルスパイダー!!!」

「っ!!??」

 

 俺の炎は質量を持った特別製だ。本来ならば切り裂く事しか出来ないこの技も捕縛技として使用する事が出来る。そのまま焦凍を捕らえようとしたが氷結で自分を覆うドームを形成して防がれてしまった。ならヘルスパイダーは止めて次だ。

 

「イグナイテッドアロー!!」

 

 炎の槍を生み出して投擲する。槍はドームを貫通して穴をあけるがそれと同時に焦凍が脇から飛び出して氷結を放ってくる。俺はそれを炎で返り討ちにするが瞬間大量の蒸気が発生して一時的に視界を奪ってきた。

 

『なんだぁ!? 急に蒸発したぞ!?』

『わざと水分が多い氷結を作ったんだろう。その結果炎で急激に熱せられて蒸発。水蒸気が発生して視界を奪ったわけだ』

 

 そう言う事ね。相澤先生はよく見ているよ。だがそうなると厄介だ。蒸気の先では氷結が発生する音が聞こえてくるが何をしているのかは不明だ。こちらに来ないという事は俺を倒すための準備をしているのだろう。

 いいね。簡単に終わらせるつもりはなかったし水蒸気が晴れるまで待ってあげようかな。

 

「お?」

 

 そう思っていたら氷結が飛んでくる。……が、今までのような力押しではなかった。先ずは地面を這うように、それと正面上空と左右から氷の柱のようなものが迫ってくる。成程、考えたね。確かにこれなら一つに対処している間にそれ以外で俺を凍らせる事が出来る。かと言って範囲攻撃してもその範囲外から来る地面の氷結で凍らせるってわけか。

 なんだ、小賢しい使い方も出来るんだな。今までそんなもの見せたことはなかったから出来ないもんだと思っていったよ。少しは見直したよ焦凍。

 

 ま、その程度対処は可能だけどな。俺は炎を自分の周りに展開する。らせん状に上空へと上がるそれはまさに火災旋風の如き姿だ。迫ってきていた氷結は全て接触する前に溶け切ってしまう。

 

「っ!!?」

「残念、その程度じゃ俺には届かないよ」

 

 そしてお返しに螺旋を描いた炎の柱の先を焦凍の真上から浴びせる。アーチ状になったそれに焦凍は焼かれていく。

 

「あ、ああああぁァァっっ!!!」

「アハハハハ!!!! ほらほら! 焦凍! 頑張ってみろよ!! お前の氷結ならば防げる程度に火力を抑えてやってんだぞ? 少しは抗って見せろよ!!」

 

 必死で抵抗しないと全身が火傷だらけになっちゃうぞ? せっかくのイケメンフェイスが台無しだ。あ、でも母さんのせいでついた火傷が消えるからある意味では嬉しい事だったりするのかな?

 

「焦凍、もしかして母さんの火傷を上書きしたいと思っていたりする? やだなぁ、そんなくだらない事で傷を増やさない方が良いぜ?」

「だ、ま、れえええぇぇぇぇぇっ!!!!」

 

 お、最後の力を振り絞ったという感じか。俺の炎の柱を突破して大氷結を生み出して俺に向けてきた。それがお前の最後の技か。精々防ぐだけで精いっぱいだったと思っていたのにここまで出来るなんて思っていなかったよ。

 

 だから俺も少し本気を出すよ。

 俺は()()()()()()()()()()()()()し、矢を弓にセットして引き絞る。炎で作られたそれは爛々と燃え上がり、今か今かとその時を待っている。

 

「サジタリウスの矢」

 

 そして、限界まで引き絞った矢を離す。弓の弦に引っ張られた勢いと矢羽から吹き出すロケットブースターのようなバーナーで限界まで加速された矢は一瞬で音速を越えて焦凍の大氷結を貫通。焦凍の1m脇を通過した。そして、少し遅れて残った大氷結を熱風が溶かし、訳も分かっていない焦凍をはるか上空に吹き飛ばした。

 

「……は?」

「健闘した方だよ。焦凍。中途半端に両方使える奴が片方を極限まで極めたやつに勝てるわけがないんだからさ」

 

 観客席の大分後方に吹き飛んだ焦凍にそう声をかける。ま、聞こえていないだろうけどな。

 

「と、轟焦凍君場外! 轟業火君の勝利!!」

 

 瞬間、割れんばかりの雄たけびがスタジアムに響き渡った。

 




サジタリウスの矢
オリ主君が1番最初に作り上げた必殺技。質量を持った炎で弓と矢を形成してそれを放つだけの技。ただし、本人の肉体と矢筈からロケットブースターのように炎が射出される事で一般的な矢どころか銃弾より早く飛ぶため貫通力に優れている他飛んだあとの衝撃波で吹き飛ばす事も可能。
本人曰く「使い勝手の悪い失敗作」で基本的に使用する事はほとんどない。焦凍相手には失敗作の技がお似合いだねと言う酷い理由で使用した。
名前の由来はどこぞのみらいから。
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