ジャンプクエスト   作:コマンダーコダック

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緑の精霊とるろうに剣心

プンの全身の毛が逆立っていた。

「……これは、英霊反応なのだ!」

「何故プンさんの毛が立っているのですか?」とルリカが不思議そうに首を傾げる。

「妖精は魔力探知に優れているから、強い魔力を感知すると毛が立つのだ!」

 

プンが指し示す方向へ向かってみると、そこには魔物と戦う赤髪の侍らしき人物の姿があった。

「見つけた! 英霊だ!」

「おろっ?」

僕たちが駆け寄ると、その赤髪の剣客は不思議そうな顔でこちらを見た。

「あなたが英霊の、ええと……」

「拙者はるろうにの緋村剣心でござる。ここにはるろうの旅に来たわけではないのでござるが……ここはどこでござる? エジプト、それともアフリカでござるか?」

「ここはアルド王国です。あなたはこの世界に具現化した存在なんですよ」

「おろろ、ようするに拙者は、本物の拙者に似た何かということでござるな」

「そういうことです」

「本物の拙者は薫殿たちから離れていないということでござるな。もしこの状態で元の世界に帰って、薫殿に心配をかけていたらボコボコにされるところでござった……。ところでお主たちは?」

「僕はジャン・サンダルフォンです」

「ルリカ・マクスウェルです」

「フィーネ・イーリスだ」

「プンなのだ!」

 

自己紹介を終えた直後、プンが再び反応を示した。

「この反応は、剣心ほど強くない魔力反応なのだ」

その方向へ行ってみると、二人の女性と一人の少年がウルフの群れに囲まれていた。

「薫殿! 弥彦! 恵殿!」

僕たちが助けに入ろうとするより早く、剣心が一人で飛び出し、逆刃刀を抜くことすらなく鞘のままの打撃で瞬く間にウルフたちを追い払ってしまった。

「大丈夫でござるか」

「剣心!」

薫と弥彦と恵が剣心に飛びつき、勢い余って剣心は倒れ込んだ。

「おろろっ」

再会を喜ぶ彼らに、僕たちは改めてここがどこなのかを説明した。

「それで、私達も具現化されたのね」

「俺達の力が必要だからか」

「その、あなた達が探している精霊ってどんなのなの?」と恵が尋ねる。

「ノームと言う大精霊なんだけど、僕らも実物を見たことないんだ」

 

その時、僕の腰にあるオリジンソードが光り出した。

「オリジンソードが反応している……精霊の魔力を探知したんだ!」

「こっちだ!」

反応がある所へ皆で駆けつけると、丸く宙に浮く物体が太い鎖で繋がれていた。

「あれは……エレメンタルコア!」

「エレメンタルコア?」

「精霊が封印されていると言われている器です」とルリカが説明する。

だが、そのコアの前に一人の男が立ち塞がり、周囲の男達を労働させていた。

「プンの毛が立っているってことは……」

「アイツも英霊なのだ!」

「待って、あれって左之助じゃない!?」と薫が声を上げる。

「なんであいつがあんなことしてるのよ!」

 

剣心がまっすぐに飛び出していった。

「剣心じゃねえか」

「左之、なぜこんなことをしているのでござるか!」

「こいつを壊されたらこの街が悪くなるんだ。これだけは渡さねえぜ!」

「おろ? 違うでござるよ左之。それには精霊が封印されているでござる」

「だまされねえぞ! みんなそう言って俺を騙そうとするんだ!」

「騙されてるのはあんたよ!」と薫が叫ぶ。

「こうなったら腕づくでも止めるでござる!」

 

剣心と左之助が激突する。同時に、騒ぎを聞きつけたのか周囲から大量のモンスターも押し寄せてきた。

「千鳥流し!」

ルリカが写輪眼で敵の動きを見切り、全身から放つ青白い雷の刃で群がるモンスターたちを一網打尽にする。

「ルリカ姫……あなたは、一体何をしたんですか……?」

その異常な目の文様を見つめながら僕が問うと、ルリカは静かに振り向き、衝撃の事実を口にした。

「……私は、異界の英雄の記録と情報を取り込む『英霊憑依』の実験台だったのです」

ルリカの赤い瞳が、スッと細められる。

「ですのでその英霊の力が使えるのです、この眼は写輪眼、私の中にいるこの英霊の名は――『うちはサスケ』」

 

剣心と左之助が戦っている隙を突き、僕が鎖をオリジンソードで断ち切る。

鎖が砕け散ると、エレメンタルコアの機能が元に戻り、周囲の緑の街『ヴェルディ』の枯れ木々がみるみるうちに生気を取り戻していった。

その時、大きな種を背負った亀のような小さな姿が現れた。

「これは微精霊の『リーフ』なのだ!」

「こんな大きな種を乗せてる亀みたいなのかが……」

「そうなのだ、これで世界の草の加護が元に戻ったのだ!」

 

その光景を見た左之助が、ハッとして武器を下ろした。

「……つまり俺は、悪い奴に騙されて悪いことさせられていたのか」

「ところで左之、お主を具現化したのは誰でござるか?」

「実は……顔も分かんねえんだ」

左之助が頭を掻きながら答えると、剣心は僕の方へ向き直った。

「ところでジャン殿。拙者達もジャン殿達の仲間に加えてくれぬだろうか」

「もちろんいいよ! むしろ心強いです」

 

一件落着し、一行は国が手配した水陸両用車『ジャンプ号』で旅を再開した。

その日の夜。

「眠れないのか」

甲板で夜風に当たっている僕に、フィーネさんが声をかけてきた。

「フィーネさん……」

「剣心様とルリカの強さを見せつけられた、と言うところだろう」

「その通りです。今回は二人に勝たせてもらったって感じで……僕、もっと強くなりたいんです」

僕の決意を秘めた言葉を聞き、フィーネは静かに、しかし力強く微笑んだ。

「……なら、『魔力は力、魔法はイメージ』と言う言葉の本当の意味を教えてやる」

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