ジャンプクエスト   作:コマンダーコダック

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グリード・ユグドラシルと偽りの騎士団

 プンの魔力探知という頼もしいナビゲートのおかげで、僕たちは魔獣との無駄な戦闘を完全に回避し、ついに目的の地へと辿り着いた。

「王都に到着なのだ!」

ジャンプ号が砂漠を抜け、巨大な城壁に囲まれたアルト王国の王都へと足を踏み入れる。

活気があるはずの王都だが、道ゆく人々の表情はどこか暗く、怯えているように見えた。

「グリード・ユグドラシルといえば、アルト王国最強と言われる『特級魔導士』のはずですが……」

ルリカが周囲の様子をうかがいながら呟く。

街のレストランに入り、カウンター席で聞き込みをしてみると、信じられない事実が判明した。

グリードという名は現在、街でタブー視されているという。噂によれば、彼は肩書きと権力を振りかざして住民を苦しめていた『リュウ』という騎士団長に反旗を翻し、その結果、反逆罪として捕らえられてしまったらしい。

「あの広場を見てみるのだ」

プンに促されて窓の外を見ると、広場の中央に太い柱が立てられ、そこに屈強な男が縛り付けられていた。

「あれが、グリード……」

僕は一直線に広場へと向かい、縛り付けられている男に声をかけた。

「あなたが、グリード・ユグドラシルですか?」

「……どうして俺の名を知っている」

鋭い眼光が僕を射抜く。拘束されているというのに、その威圧感は全く衰えていなかった。

「サスケに言われて、あなたに会いに来ました」

「そういうことか。だが悪いが、見ての通り俺じゃあ今は何もできないぜ」

「どうしてあなたほどの強い人が、こんな簡単に捕まっているんですか? 本気を出せば、こんな縄なんてすぐに引きちぎれるでしょう」

グリードは鼻で笑った。

「ついさっき会ったばかりのガキに、俺が強いと分かるのか?」

「分かります。プンの魔力探知の毛が、さっきからビンビンに逆立っていますから」

僕がそう答えると、グリードは少しだけ面白そうな顔をした。

「……何の目的で俺の所に来た?」

「大精霊の力が弱まっている原因を突き止め、この世界を救う。それが僕たちの旅の目的です。一人でも強い仲間が欲しい……グリードさん、僕たちと一緒に来てくれませんか!」

「一緒に来てくれるなら、今すぐその縄を解いてやるのだ!」

プンが胸を張って言うと、グリードは小さく息を吐いた。

「いいだろう。だが、俺の武器は『槍』だ。騎士団の基地に没収されている俺の槍を、先に取り返してきてくれ」

 

騎士団基地・潜入

 

僕とプンはこっそり騎士団の基地に潜入したものの、広すぎて迷ってしまった。

「ヤバい……槍がどこにあるか全然分かんないぞ」

「そこのお前ら、何をしている!」

背後から声が響いた。

「み、見つかったのだ!」

振り返ると、フルフェイスの兜を被った重武装の騎士が立っていた。終わった、と思った瞬間――騎士がカチャリと兜の顔部分を上に跳ね上げた。

「……って、俺だよ俺!」

「レオリオ!?」

「シーッ! 声がでけえ!」

なんと、鎧を着ていたのは別れたはずのレオリオだった。

「幻影旅団(クモ)がこの国にいるって情報が入ってな。俺は潜入して情報収集してたんだ。……なんだ、アイツの槍を探してるのか? なら、俺が取ってきてやる」

レオリオは壁の向こう側をじっと見据えると、自身の『念能力』を発動させた。虚空に向けて拳を振り抜くと、空間に穴が開き、その腕が遥か先にある武器庫まで伸びる。そして、見事に一本の鋭い槍を掴んで引き戻してきた。

「はいよ。これでいいんだろ?」

「レオリオ、すごい! ありがとう!」

「おう。気をつけろよ、またな!」

レオリオに見送られ、僕たちは窓から外へと脱出した。

 

広場・激突

 

僕たちが広場に戻ると、そこにはすでに剣心と悠仁が合流しており、グリードを取り囲むように騎士団が立ちはだかっていた。

「おっと、よそ者がクーデターでも起こしに来たか?」

嫌味な笑みを浮かべる騎士団長リュウに、グリードが冷たく言い放つ。

「俺は己の信じられることだけを信じてきた。権力を振り回し、好き勝手やっているお前らは、本来の誇り高き騎士団じゃない。……この偽物どもめ」

「バレてしまっては仕方がないですねぇ……」

リュウと副隊長が、ニヤリと笑いながらその姿を変えた。彼らの正体は、異界の記録から具現化された英霊――音隠れの忍、『次郎坊』と『鬼童丸』だった。

「土遁・土陵団子(どとん・どりょうだんご)!」

次郎坊が地面を抉り、家屋ほどもある超巨大な岩の塊を僕たちに向かって投げつけてきた。僕たちが広場に到着した、まさにそのタイミングだった。

「おい!」

「ジャン殿!」

頭上から降り注ぐ巨大な影。僕は迷わずオリジンソードを抜き、地に足をつけ、全魔力を剣に込めた。

「はああぁぁっ!!」

渾身の力で振り抜いた『地の型』が、巨大な岩塊を空中で真っ二つに両断する。ズドォォン!という轟音と共に、岩は僕たちの左右へと割れて落ちた。

「なんて奴だ……!」

「狼狽えるな! 次郎坊様、次を!」

鬼童丸の叫びに合わせ、次郎坊が素早く印を結ぶ。

「これならどうだ! 土遁結界・土牢堂無(どとんけっかい・どろうどうむ)!!」

瞬く間に周囲の土が隆起し、僕たちは分厚い土のドームの中に完全に閉じ込められてしまった。

「くそっ、閉じ込められた!」

「ナルトたちの世界じゃ、土遁は『雷』に弱いんだ!」と悠仁が叫ぶ。

「雷遁か……それなら!」

僕は地属性の魔力を無理やり変化させ、剣に雷を纏わせようと試みた。バチッ、と火花が散ったが、すぐにプツンと途切れてしまう。

(ダメだ……やっぱりキルアみたいには、うまくできない!)

「お前がやろうとした事は分かった。……後は俺に任せろ」

背後から声がした。縄を解かれたグリードが、僕が持ち帰った槍をしっかりと握りしめている。

彼の全身から、途轍もない魔力が溢れ出し、それが強烈な『雷』となって槍に纏わりついていく。(すごい……まるでサスケの千鳥みたいだ!)

「雷槍・グングニル!!」

グリードが雷を纏った槍を土の壁に突き立てた瞬間、爆発的な落雷の閃光が走り、強固な土牢堂無が内側から木っ端微塵に吹き飛んだ。

「ここからは共闘だ。ジャン、仲間になってやる」

グリードが不敵に笑う。

「ありがとうございます、グリードさん!」

「グリードで結構だ」

土煙が晴れた直後、広場の壁を豪快にぶち破って現れた人影があった。

「久しぶりだな、次郎坊、鬼童丸!」

「ナルト!!」

オレンジ色の服を着た金髪の忍――うずまきナルトが、手に青白い手裏剣状の高密度チャクラを回転させていた。

「アイツからやってやるぜよ!」

「覚悟しろ、ナルト!」

次郎坊と鬼童丸が殺意を剥き出しにしてナルトに襲いかかる。

「風遁・螺旋手裏剣(らせんしゅりけん)!!」

ナルトが放った超高密度の風の刃が、二人を飲み込む。鼓膜を破るような轟音と共に、次郎坊と鬼童丸の体は無数の細胞レベルの刃に切り刻まれ、光の粒となって完全に消滅した。

「すごい威力なのだ……。英霊は致命傷を負って死ぬと、ああやって姿を消し、再び誰かに具現化される時までデータの海に還るのだ」

プンが静かに解説する。

「おぉぉぉっ!!」

偽物の騎士団長たちが倒れたことで、洗脳や脅しから解放された本物の騎士たちや街の住民から、割れんばかりの歓声が上がった。

彼らは皆、次郎坊と鬼童丸の力に脅され、騙されていたのだ。

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