Resident Rebuilding Kivotos 作:柊 シズク
廃墟以外ほとんど何も無い砂漠に1人の男が流れ着いた。
「…んん?」
目を覚ますと視界いっぱいに青空があった。
そして肌を焦がすような暑さを感じる。
体を起こしながら何かがおかしいと辺りを見渡すと一面砂模様である。
「何処だここは?」
少なくともウェストバージニアではないことは分かるが現在位置を確認しようとpipboyの地図機能を確認するとそこにはただ『signal lost』と映し出されている。
それが意味するのはここはアメリカではない可能性が高いということである。
「落ち着いて持ち物をとりあえず確認するか。」
インベントリの中身は、一週間分のきれいな水と食料、双眼鏡、ライトマシンガンとその弾薬300発、T-51パワーアーマー、そしてC.A.M.Pが一つあった。
そしてC.A.M.Pのストレージには他にも色々な物がはいっているはずだ。
「これだけあれば十分だ、さて何かランドマークはあるかな。」
彼は双眼鏡を取り出し辺りを確認すると見つけたものは、南西に廃墟とその手前に人が倒れ…人?
「こんな砂漠の真ん中で人が…もしや道に迷って倒れているのか?」
一瞬罠かもしれないと思ったが、倒れている人を助けないわけにはいかないと急いで近くまで走った。
その人間?いや、少女の見た目は奇妙であった。
少なくとも学生のような服を身に付け、近くには盾らしきものと拳銃が転がっている、何より奇妙なのは彼女の頭の上に天使の輪のような物が点滅していたからである。
すると少女はか細い声でこう言った。
「み…水を…」
少女を仰向けにして、持っている水を飲ませると彼女は気を失ったようだ。
少女を炎天下の中置き去りにする訳にはいかないから急いでC.A.M.Pを起動し、簡単な小屋を建てて彼女をベットに寝かせて、クラフトした椅子に腰掛けて考えた。
「なぜ少女の日本語を理解できた?俺の覚えている限り、俺は日本語を言葉を完全に理解できるほど知らないはずだ。」
先ほどの少女の言葉を簡単に理解できたことはアメリカ育ちの彼にはあり得ないことである。
しかし少女が、目を覚さない限りこの疑問は解決しないだろう、そう思い彼はここで目を覚ますまでのことを思い出そうとしたが…何も思い出せない、ここに来るまでの1日の記憶が抜け落ちたようだった。
(不気味だが仕方ない、銃のメンテナンスや持ち物の整理それと小屋の拡張でもしながら時間を潰すとするか。)
ー2時間後ー
どうやら少女が目を覚ましたようだった。
「ここは何処で…貴方は誰ですか?」
聞かれた以上断る理由もないため答えた。
「ここは俺のC.A.M.Pで俺の名前はジョン・ウィリアムズだ。ジョンで良い。それはそうときみは此処で何を?」
「キャンプ?…ええと、ジョンさんですね、私はアビドス高校生徒会会長3年の梔子ユメと言います。ユメと呼んでください、先程は助けていただきありがとうございました。砂嵐に遭ってこんなことになっちゃったんですけど…それでジョンさんはこんな砂漠の真ん中で何をしていたのですか?」
そう困り顔をしながら答えたユメと名乗った少女はアビドス高校?の生徒会長だと言う、疑問は増えるばかりであったが、一つ確かなことはウェイストランドには少なくとも高校と呼べるようなものは存在しなかった。
つまりウェイストランドでは無い何処かにいることは分かったが返答しない訳にはいかないため返答した。
「分からない。気が付けばこの砂漠に居たんだ、それでこの国…いやこの世界は何処なんだ?」
ユメは少し戸惑った顔をしながら答えた。
「ここは学園都市キヴォトスのアビドス砂漠です。見たところジョンさんはヘイローが無いようですしキヴォトスの外の人のようですね。」
ユメは此処が無数の学園があるキヴォトスのアビドスという地域だと、そしてこの世界のほとんどの人にはユメのようにヘイローという物を持っており、とても体が銃弾に耐えれるほどに丈夫だということそして銃を持つ事が普通の事だと教えてくれた。
するとユメは思い出したかのように声を上げた。
「そういえば銀行に融資を貰い…いや、そういえばジョンさん今日、何月何日ですか!?」
pipboyを確認するとそこには『○月□日』と映し出されていた、その事をユメに言うと驚いたようだった。
「そ…そんな、もう10日も経っているの!?ホ、ホシノちゃんも心配してるだろうし、早くアビドスに帰らなきゃ!」
ユメは急いで起き上がって立ち上がろうとしたが、足がもつれて転んでしまった。
ユメに手を差し伸べながら彼は語りかけた。
「焦ってがむしゃらに進むよりも計画を立ててアビドスに向かうことにするべきだと俺は思うが、ユメはどうするんだ?」
ユメは答えながら立ち上がった
「わ…私は計画を立てるべきだと思います…。」
「なら、アビドスの方角を教えてくれないか?それがあれば辿り着けるはずだ。」
ユメは少し考えこむと答えた。
「確かここから大体南西の方向に行けば辿り着けると思います。」
「よし、腹ごしらえをして、夜になったら出発するか。ユメはどれくらい食べれそうだ?」
「ええと…しっかりと食べたいです…あとシャワーはありませんか?」
恥ずかしそうにユメは答えた。
「シャワーか…ちょっと待ってくれ今作る。」
更衣室とvault-tec製の循環シャワーをクラフトした。
「えっ一体どうやってそんなすぐに?」
「C.A.M.Pのクラフト機能を使えば簡単に建てれるんだ。」
ユメは驚きを隠せないようだったが、
「な…なるほど、ありがとうございます。じゃあシャワーを浴びて来ます。」
ユメは更衣室に入って行った
「さて料理の支度をするか。」
ストレージの中に使えそうな食材がないか探しながら少し考え込んだ。
(ウェストバージニアにはどうやったら帰れるんだ?行政はどうなっているんだ?学生が自治しているなら大人は何を?様々な疑問点が出てくるが、取り敢えず飯の準備を…あるのは、ブロートフライの肉はナシだな、バラモンの肉…アリだな、主食はレーザーグレインがあるこれならパンのような物が作れるな。さてこんなものか。)
ー1時間後ー
「さあ出来たぞ。」
そう言いながら料理を運んで来るとソファに座っていたユメは目を輝かせながら食卓に着いた。
「「いただきます。」」
「このステーキとってもジューシーで美味しいです!このパンも塩が効いていてこれも美味しいです!」
そう満面の笑みを浮かべながら頬張るユメを見ていると少し頬が緩む気がした。
「これ以上食べられないです…」
ユメはそう言いながら食器を置いた。
「我ながら美味く出来たな。さて夜まで後6時間あるからその間に寝ると良い。」
「分かりました。おやすみなさいジョンさん。」
そう言ってユメはベッドルームに入って行った。
(よし、クラフトした物見櫓に登って周りを偵察するか。)
そう思った彼は物見櫓に登り辺りを双眼鏡で見渡した。
(ユメの言った通り南西に住宅街らしき物が見えるな。他の方角には廃墟や砂漠以外何も見えないな。こんな所で良いだろう、俺も早く寝ないとな。)
そしてpipboyでアラームをセットし、彼もクラフトしたベッドで横になった。