Resident Rebuilding Kivotos 作:柊 シズク
ジョンは目覚めてすぐに先日の戦闘で傷付いたパワーアーマーを修理した後簡単な朝食を食べながらpipboyからラジオを繋げてみることにした。
周波数を合わせてみると上手く拾えたようだ。
「今日のキヴォトスの天気予報は……」
ジョンはラジオを聴きながら
「ラジオの内容は至って普通だな、てっきりぶっ飛んだものが大半を占めていると思ったんだがな。」
そう呟いた。
ふと学校の正門を見ると一人の大人びた少女が校舎を眺めていた。
(前に襲ってきた奴らの斥候?
いやこんな堂々と居るはずがないな。
声を掛けに行ってみるか。)
ジョンは正門に向かい声を掛けた。
「すまないが、君は何者だ?」
「私は私立ネフティス中学校3年生の十六夜ノノミです、あなたは?」
「申し遅れたな、アビドス高校事務員のジョン・ウィリアムズだ。」
「アビドス高校の事務員さん!?しっ失礼しました!?」
そう言ってノノミと名乗った少女は走り去ってしまった。
(彼女、十六夜と名乗っていた、もしかしたらネフティスの社長令嬢かもな。)
「さて二人が来るまでに工場の設計書を仕上げとくか。」
しばらくしてユメたちが登校して来た。
「「おはようございます(〜)。」」
「おはよう二人共、早速だが我が社はセイント・ネフティスに売電契約を打診する予定だ。」
「セイント・ネフティスですか、たしかに売電契約には興味を示しそうですが、具体的にはどうするつもりですか?」
ホシノが怪訝そうに見つめながら聞いてきた。
「私も出来てすぐの会社にネフティスは見向きもしなさそうだと思います〜。」
ユメも流石に唐突すぎると思ったようだ。
「確かに我が社の知名度はゼロだ。でも我が社の企業理念を彼らは無視できないはずだ。」
「W.V.A.Cの企業理念はなんだったっけホシノちゃん?」
「アビドスの復興ですよユメ先輩。」
「そうまさにそこだ二人共、ネフティスはかつての砂漠化の際にアビドスの復興支援に多額の支援金を送っている、今でこそアビドスから撤退しているがいつか戻ってくることを考えている可能性が高いと思われる
、そこを利用するんだ。」
「それで私たちは何をすれば?」
ユメが何かしたそうにしていた。
「そうだな…ガラス工場の建設予定地の廃墟の解体をホシノに任せていいか?無論アダムスを連れてな。ユメにはもしネフティスにアポが取れたら一緒に来て欲しい、もし取れなかったら他学園の情報を集めて欲しい。」
「もしジョンさんが契約を取れなければどうするんですか?」
ホシノはジョンに尋ねた。
「カイザーコンストラクションに解体契約を取りに行くさ。」
「カイザーですか、気をつけてくださいね、奴らかなり狡猾ですよ。」
ホシノが実感のこもった声で言った。
「肝に銘じておくよ。」
「それじゃあアポを早速取るか。」
ジョンはそう言いながら電話番号を打ち込み電話をかけた。
結果は成功だった、彼らはこちらに興味を示し、アポを取ることが出来た。
電話を切り、ジョンはグッドサインをユメに見せた。
「やりましたねジョンさん!」
「ああ、これで第一歩が踏み出せた。」
「ところでなんですけど、私は交渉の場で居るだけで本当にいいんですか?」
「ユメは居るだけで我が社がアビドス生徒会の下設立されたことの証明になるはすだ。」
「分かりました、ホシノちゃんに伝えてきますね、」
しばらくして
「じゃあ早速ネフティス本社に行きましょう!」
「ようやく着きましたね。」
ユメが緊張をしながら言った。
「行くぞユメ。」
スーツに着替えたジョンが決意を込めて言った。
中に入ると一人のオートマタが待っていた。
「ようこそ、W.V.A.Cの皆様部屋まで案内致します。」
案内された部屋に着くと一人の男が待っていた。
「ようこそお越し頂きましたW.V.A.Cの皆様どうぞお掛けになってください。」
二人が座ると彼は言った。
「申し遅れました、私はセイント・ネフティス代表取締役社長十六夜○○です。」
(驚いた、まさか社長自ら交渉に出るとはな。)
「私はW.V.A.C代表取締役社長ジョン・ウィリアムズです。」
ユメも空気に気圧され声を出した。
「私はアビドス生徒会会長の梔子ユメです。」
「ああ、君が生徒会長のユメくんかい、私たちが何も手伝えずに申し訳ない。」
「それで単刀直入に聞こうじゃないか、ユメくん彼に何か脅されたりしていないかい?」
「はい、ジョンさんには一度も脅されたことは無いです。」
ユメが曇り一つない瞳で答えた。
「なら良いんだ、それでジョン社長、君はどうやってアビドスを復興するつもりだい。」
先程とはトーンこそ変わらなかったが圧が強くなったように感じた。
「こちらの復興計画書をご覧ください。」
十六夜社長は資料を眺めながら
「ふむ、一見荒唐無稽に見えるが筋は通っている、これなら売電契約は前向きに考えても良さそうだね。」
少し柔らかな笑みを浮かべた。
「それでどれくらいの値段で電気を売ってくれるのかな?」
「1日の上限16万kwhとして相場の0.8倍1kwh24円でどうでしょうか。」
「条件はそれで構わないよ、ただしそれだけの発電量をどうやって生み出しているのかな。」
「核融合発電です。」
「分かったよ、ならこちらのエンジニアたちと視察に行かせてもらうよ、それで契約について決定することにしよう。」
「構いませんよ、それで視察はいつ頃でしょうか。」
「早い方がいいだろうし今から向かうとしようじゃないか。」
「分かりました、ではそうしましょう。」
「それでは君達の分の車両を手配するよ、遠慮せずに乗ってくれたまえ。」
「「ありがとうございます十六夜社長。」」
ユメとジョンは頭を下げた。
「良いんだ、私もアビドスの力になりたかったからね。」
そう言って彼は部下を呼び二人をリムジンに乗せた。
ほどなくしてアビドス高校に辿り着いた。
「「ありがとうございました。」」
そう二人が礼をするとリムジンは走り去っていった。
「私、今からホシノちゃんに結果を伝えに行きますね!」
ユメが嬉しそうに校舎に入って行った。
「さて、俺も頑張らなきゃな。」
1時間後
ネフティスの車両が数台校庭の中に停められた。
「さて、早速視察をさせてもらうよ。」
十六夜社長がエンジニアを連れて核融合発電機のある中庭に入って行った。
そしてエンジニア達が20分ほど検査をすると十六夜社長に耳打ちした。
「なるほど、まさか本当に核融合発電だったとはね、ジョン社長君達との売電契約結ぼうじゃないか。」
「そうだね、15万kwh購入させてもらうよ。」
「ありがとうございます。」
「良いさ、君達が信頼に値するということがこれで確証に変わったしね、これからもよろしく頼むよジョン社長。」
「こちらこそよろしくお願いします十六夜社長。」
挨拶を交わし十六夜社長らは去って行った。
ジョンはユメたちが待つ生徒会室に入り結果を伝えた。
「売電契約結べたぞ!」
「やりましたねジョンさん!」
ユメが安堵と嬉しさが混ざった声で喜んだ。
「あなたには助けられてばかりですね、ジョンさん。」
ホシノは喜びを噛み締めるように言った。
「ちなみにだが1日あたり360万円の不労所得が入ってくるぞ。」
「「360万…円!?」」
あまりの金額に二人の脳が理解を拒んだようだった。
二人の正気を取り戻した後、借金の返済やガラス工場の建設予定地を最終決定したり、次の課題になるであろう他学園との外交についても協議した。
そうしているうちに陽が落ちていたため二人に下校してもらった。
「はぁ〜疲れた。」
ジョンもあまり慣れない交渉に疲れてしまった。
「シャワーを浴びて寝るか。」
ボソリと口ずさみながらシャワーを浴び体を乾かした後すぐにベッドに入った。
(もう土曜日になるな、二人を労ってやらないとな。
持ってる金塊を少し売ってポケットマニーにでもするか。
G.E.C.Kを使えばアビドスの砂漠化の対策に使えるかもな。
なにより売電契約これのおかげで大きな一歩を踏み出せた。)