Resident Rebuilding Kivotos   作:柊 シズク

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連邦生徒会そしてアリウス分校

そうして新たな仲間が増えたアビドスであったが一つ避けられない問題があった、それはガスや電気、水道といったインフラの整備である。

経済面ではアビドス高校は持ち直したといっていいぐらいだが、インフラの大掛かりな補修は困難であった。

 

ジョンは昨日の会議の内容をD.Uに向かう電車に乗りながら思い出していた。

 

「それでインフラの整備するための人材を連邦生徒会に援助してもらうというのはどうだろうか。」

 

ジョンの提案に対して2人は乗り気ではないようだった。

 

「ジョンさん、私たちは連邦生徒会から見捨てられているんです。」

 

ユメが俯きながら答えた。

 

「見捨てられているだって?ユメ。」

 

「私から説明しましょうかジョンさん。」

 

「私たちは今まで大量に救援要請を行ってきました、しかし一度も返答は返ってこなかったんです。」

 

「そうだったのか、なら俺が直談判しに行くとするか。」

 

「う〜ん、ならジョンさんお願いします。」

 

「ユメ先輩!?いくら何でもそれは…」

 

「良いでしょホシノちゃん、ジョンさんならなんとかしてくれルカもしれないし。」

 

ユメとホシノの口論は5分ほど続いたがホシノが根負けして認めた。

 

「そうと決まれば、明日にでも行ってくる。」

 

「いくら何でも早すぎません!?」

 

ホシノの抗議の声が教室をこだましたがあえなく消えていった。

 

思い出したりしているうちに最寄駅に辿り着いた。

 

「ここが連邦生徒会か。」

 

ビルの前に立ちそう呟いた。

 

ビルの中に入り、用件を話して資料を渡して待っていると何人かの行政官に囲まれた。

 

「ジョンウィリアムズさんですね、連邦生徒会長がお呼びですこちらついて来てください。」

 

「分かった案内してくれ。」

 

(いきなり連邦生徒会長が?何か厄介なことがありそうだ。)

 

行政官に連れられて部屋に入ると水色の長髪の少女がいた。

 

「初めまして、ジョン・ウィリアムズさんお会いしたかったですよ。」

 

「私のことは連邦生徒会長とでも呼んでください。」

 

「それで連邦生徒会長、なぜ俺をここに呼んだ?」

 

ジョンは冷ややかな声で聞いた。

 

「そうですね…あなたが存在しないはずの変数だからです。」

 

連邦生徒会長は淡々と告げた。

 

「分かった、それでこちらの要求は了承してくれるのか?」

 

「ええ、交通課から調査員を何人か派遣した後整備士を動員する、これでどうでしょう。」

 

「それで問題ない、感謝する。」

 

「ではこちらの文書にサインをお願いします。」

 

そうして文書にサインを全て書き終えるとふと思ったことを聞いた。

 

「それでなぜ今になって支援要請を応えようとしたんだ?今まで無視していたようだが。」

 

連邦生徒会長の顔は少し意表をつかれた顔を一瞬した。

 

「アビドスへの支援はキヴォトスの滅びを遠からず引き起こすからです。」

 

「キヴォトスの滅びだって?」

 

「はい、それを避けるには見捨てる他なかったんです。」

 

顔を少し歪ませながら連邦生徒会長は答えた。

 

「じゃあどうして今それを応えた?」

 

「ジョンさんあなたの存在がその未来を歪めたからこそ私は救援要請に応えました。」

 

「そうか…」

 

ジョンにとって世界の滅びは想像もつかないほど簡単に起こることは分かりきっていた、だからこそ彼女の言葉を自然と信じれた。

 

「ならいい聞きたいことは以上だ、改めて協力感謝する。」

 

席を立ち、部屋を後にした。

 

                       

 

そうしてD.Uからアビドスから戻って来た時にはすっかり日も暮れて暗くなっていた。

そして帰路に着こうとした時、立ち入り禁止になっている地下道に人の気配がした。

 

(何か怪しいな、隠れながら近づくか。)

 

持っていた中国軍ステルスアーマーに着替えて近づくと周りを見渡しているガスマスクを被った少女がいた。

 

(なぜここに…まずいなこっちに近づいて来ている。)

 

なんとか見つからないように入れ違うことができた。

 

(ステルスアーマーがなかったらまずかったな。さて地下道の中を探索するか。)

 

調べていると開いている壁があった。

 

(壁?いや隠し扉か、なんにせよ中に入って調べなければ何も分からないしな。)

 

そう思い十分ほど歩くと視界が広がった。

 

(道も建物も壊れかかっているしかも何か腐った臭いもする、さっきの少女は本当にここから来たのか?)

 

奥に進むと40代ぐらいに聞こえる女の罵声が聞こえた。

 

「なぜあんなことも出来ないのですか!」

 

物陰から覗き込むと異形の女が少女を鞭で打たれていた。

 

「ごめんなさいマダム、今度は失敗しませんから…」

 

鞭で打たれながら少女が消え入りそうな声で言ったが

 

「うるさい!たったあんな任務ですら失敗するのですか!…役立たずめ…」

 

そう吐き捨てて女は去っていった。

 

残された少女に近寄り声をかけた。

 

「大丈夫か?」

 

少女は顔を上げると

 

「誰です…ヒッ…こっちに来ないで!」

 

ジョンに気付き蹲ってしまった。

 

(酷く怯えている、どうにか害意が無いことをわかってもらわなければ。)

 

「俺の名前はジョンウィリアムズだ、君を傷つけにきたわけじゃないだから落ち着いてくれ。」

 

「本当ですか……本当に?」

 

「ああ、本当だ。」

 

「分かりました…信じます。」

 

少女がこちらに顔を向けた。

 

(酷くやつれていて、見える限りアザだらけだ。ここで一体何があるんだ?)

 

「君の名前はなんだ?」

 

「えっと、立木マイアです。」

 

「じゃあ少し身を隠せる建物はどこかあるか?いくつか聞きたいことがあるんだ。」

 

マイアは少し悩んでいたが

 

「なら、こっちの建物がいいです。」

 

マイアに案内された建物の部屋に入った。

 

「話を聞く前にこれを食べてくれ、冷めていて少しおいしくないかもしれないが。」

 

ポークビーンズと水を渡すとマイアは固まっていたが顔を輝かせた。

 

「これ本当に食べていいんですよね?」

 

「ああ、遠慮せずに食べるといい。」

 

半分ほど食べた後少し申し訳なさそうにマイアが尋ねてきた。

 

「あの、みんなの分を残していいですか?私だけこんなの食べてたらダメだと思うので。」

 

「みんなの分か、何人だ?」

 

「えと、10人ぐらいです。」

 

「10人だと?話が逸れるがここはどこなんだ?」

 

「ここはアリウス分校ですジョンさん。」

 

(自治区だと?ここが?彼女の口ぶりからまだ他に人はたくさんいるようにも思える。)

 

「それだけの人数なら、他にも持っていくといい。」

 

とりあえず10人分の缶詰と水を渡した。

 

食事が終わりここについて聞いた。

 

「ここはアリウス自治区といったな、なぜこんなに荒れ果てているんだ?」

 

「ずっと内戦が続いていてこんなことになったらしいんですが、10年前にマダムが来てもあまり変わりませんでしたが。」

 

「そのマダムとは?」

 

これ話してもいいのかな。その、マダムはベアトリーチェっていう名前で、マダムは内戦を当時の生徒会長を…殺してアリウスを支配したんです。」

 

「最初は内戦が終わってこれから良くなると思ったんですが…私たちの生活はほとんど変わらないどころか毎日訓練と任務をやらされて出来なかったら怒って殴られたりしました。」

 

「私から言えるのはそのくらいです。」

 

「それだけ言ってくれれば十分だ、後は任せて欲しい。」

 

「あとですか?それってどういうこと……ダメですジョンさん殺されちゃいます!」

 

「大丈夫だ、俺はあんな奴に負けるほど弱くないだから安心してくれ。」

 

その言葉に疑問は残ったようだが納得してくれたようだ。

 

「マダムは今どこにいるか分かるか?」

 

「今なら大聖堂にいると思います、死なないでくださいね絶対に。」

 

「ああ、心配するな。」

 

そう言って部屋を立ち去り屋上に登って大聖堂を屋根伝いで向かった。

 

「ここが大聖堂か。」

 

パワーアーマーを装着し、扉を蹴り壊して中に入った。

 

「誰ですか!ここの扉を突き破ってくるのは!」

 

『貴様のような奴に名乗る名はない、ぶっ潰してやる。』

 

「やってしまいなさいサオリ!」

 

ベアトリーチェの掛け声の瞬間ジョンの視界がスモークで埋め尽くされた。

 

それと同時にヘルメットに銃弾が叩き込まれた。

 

『クソ、やりずらいな。』

 

煙を晴らすためにペッパーシェイカーの散弾をばらまいたが間髪を入れずにグレネードが爆発した。

 

『グハッ…』

 

たまらずよろめいた隙をサオリは見逃さずにゼロ距離でライフルの弾倉が空になるまで打ち込んだ。

 

だが彼女は一つ大きな勘違いをしていた、パワーアーマーの装甲をゼロ距離射撃なら貫けると。

 

『甘いな!』

 

サオリの鳩尾に全力の蹴りを喰らわせた。

 

「ゴハッ…」

 

サオリは壁に叩きつけられ気を失った。

 

『次はどいつだ?』

 

ベアトリーチェに迫りながらジョンは言った。

 

「私の計画をお前みたいなやつに邪魔されてたまるか!!」

 

ベアトリーチェは叫びながら体が不気味に変形していった。

 

「キサマなど、この力で一捻りしてくれるわ!!」

 

ジョンは躊躇わずペッパーシェイカーをベアトリーチェに浴びせた。

 

「その程度ですか!?」

 

ベアトリーチェも反撃で変形した腕をジョン目掛けて叩きつけた。

 

『チッ』

 

舌打ちをしながらジョンは避けた。

 

(奴に実弾は効きずらいのか?)

 

すかさずカウンターで持ち替えたクリメイターでベアトリーチェを燃やした。

 

「グアア!?おのれ!」

 

炎に苦しみながらもがくように繰り出した攻撃はジョンには全く当たらなかった。

 

『大当たりだったようだな!』

 

更にベアトリーチェを燃やし続けると萎むように元の体に戻った。

 

「クソクソクソふざけるな!」

 

ベアトリーチェは憤怒の形相で這いつくばりながらジョンを見た。

 

「お前さえいなければ私は!」

 

『俺さえいなければなんだって?』

 

「アツコ!出てきてこのクズをやってしまいなさい!」

 

アツコと呼ばれたマスクを被った少女が物陰から現れた。

 

「ごめんなさいマダムそれは出来ない。」

 

ベアトリーチェはその少女の発言に驚いたようだった。

 

「出来ないですって!?これまで私が貴方をどれほど大切に…

 

「いいえマダムあなたは一度だって私を大切になんて扱わなかった。」

 

少女は倒れているマダムに近づき銃口を突きつけた。

 

「おのれおのれ!ふざけるな!!」

 

「さよならマダム。」

 

無慈悲に弾丸は放たれベアトリーチェは沈黙した。

 

『それで君は一体誰だ?』

 

ジョンはいきなり現れた少女に警戒せずにはいられなかった。

 

「私の名前は秤アツコあなたは?」

 

『ジョンウィリアムズ、ジョンでいい。」

 

『それであの襲ってきた少女は誰なんだ?』

 

「錠前サオリだよ、私の大切な人の1人。」

 

『それはなんというか…すまなかった。』

 

「いいの、サッちゃんまじめだから。」

 

サオリの方に向かいながら答えた。

 

『君はどうして奴を裏切ったんだ?』

 

「私たちにとってあなたについたほうがまだマシかなって思ったの。」

 

『詳しく聞かせてくれ。』

 

壁に叩きつけられたサオリの容体を見ながらアツコは話した

 

                       

 

アツコside

 

サッちゃんがやられた。

あんなに簡単に倒すなんて、私には考えられなかった。

 

でもあの人はマダムを倒すって言ってた、もしあの人が勝てばマダムがいなくなるのかな。

でもそれじゃあ前みたいな内戦になるかもしれない。

 

もしあの人が今よりアリウスを良くしてくれるかもしれないかも。

マダムは決してここを良くしてくれなかった。

 

じゃあ一度だけ賭けてみてもいいかもしれない。

 

マダムも倒れた……今なら出来るはず。

 

                       

 

サオリを膝枕しているアツコから一通りの話を聞いた。

 

「どう、信じてくれる?」

 

はっきり言ってあまりにも都合がこちらに良すぎるそれが話を聞いて思ったことだったが、マイアに聞いた話と照らし合わせると整合性が取れるそう思いジョンは

 

『分かった、君の話を信じよう。』

 

「ありがとうジョンさん。」

 

「それでマダムの代わりにジョンさんがアリウスを統治するんだよね。」

 

「いや、違う…

 

その刹那ジョンの背後から聞き慣れない音がした。

 

「はじめましてですね、異界からの来訪者。」

 

その先には1人の異形がいた。

 

『誰だお前は?』

 

銃口を向けてジョンは聞く。

 

「私はゲマトリアのゴルゴンダそれと…

 

「そういうこった!」

 

「デカルコマニーです以後お見知りおきを。」

 

『黒服の仲間か?』

 

「もう彼には会っていたのですね、仲間というより同じ志を持つ者というところでしょうね。」

 

「そしてそこに倒れているベアトリーチェも同じような者です。」

 

『何が目的だ?返答次第ではそれ相応の対価も支払ってもらう。』

 

「そこの彼女の回収です。」

 

『断ると言ったら?』

 

少しゴルゴンダは考え

 

「あなたの後ろにいる少女、彼女を殺します。」

 

(声色からしてなにか策はありそうだな。)

 

『分かった、そいつは連れていきな。』

 

「賢明な判断、感謝いたします。」

 

そうしてゴルゴンダと名乗った男はベアトリーチェを連れて去っていった。

 

『それでアリウスのこれならについてだったよな。』

 

「ふふ、ジョンさんってあんな話さっきまでしてたのに急に切り替えれるね。」

 

『切り替えは早いほうが得なことが多かったしな。』

 

「そっか、もう一度言うけどじゃあアリウスはジョンさんが統治するんだよね。」

 

『いや、おれは統治しないぞ。』

 

アツコはその返答は考えていなかったようだった。

 

「それじゃ、なんでマダムを倒したの?」

 

『あんな奴は潰すに限るそれだけさ。』

 

『まあ、ここの整備だったりには全力を尽くすつもりだけどな。』

 

『それでここでの伝統の方法とか無いのか?』

 

アツコは少し悩んだ顔しながら答えた。

 

「代々ロイヤルブラッドの一族が生徒会長になってたけれど実際は権力とかもほとんどなくて名前だけみたいになってたかな。」

 

『しかし人をまとめるならその方法しかなさそうだな。それでロイヤルブラッドというのは誰が知っているか?』

 

「私がそうだよ。」

 

『それなら頼んでもいいか?』

 

「私で良ければ任せて。」

 

                       

 

「あ…れ私は…」

 

「サッちゃんよかった目を覚ましたんだね。」

 

「アツコ?ハッ、マダムはどうなった!?侵入者は!?」

 

サオリが、辺りを見渡そうとするとジョンと目が合った。

 

「お前は…クソ、姫は私が守る!」

 

サオリが痛む体に鞭打ちながら立とうとするが

 

「待ってサッちゃん、私から説明をさせて。」

 

アツコに体を押さえられて止められた。

 

アツコがこれまでの話についてサオリに説明するとジョンに向き直り謝った。

 

「お前はアツコを私が気を失っている時に守ってくれたんだな、すまなかった。」

 

『いいんだ、俺も成り行きとはいえ君を傷つけた、こちらこそすまなかった。』

 

                       

 

次の日、アリウス生達を集めて集会を開いた。

 

「あれってロイヤルブラッドの子じゃない?」

 

「あの隣に立ってる人は誰だろう?」

 

「なんでこんな時間にマダムは私達を集めたんだろう?」

 

「マダムはなんでいないんだろう?」

 

様々な憶測が彼女たちの間を飛び交っていた。

 

ジョンは壇上に立って口を開いた。

 

「ここに集まってくれた皆に伝えたいことがある。」

 

「ベアトリーチェは私、ジョンウィリアムズの手によって打倒された!」

 

その一言はアリウス生を動揺させるのはあまりにも簡単だった。

 

「マダムが倒された!?」

 

「じゃああの人が新しい支配者?」

 

「そして私はここにいる秤アツコ彼女をアリウスの生徒会長とし、これよりアリウスは解放され新しい道を進むだろう!」

 

苦しかった生活の終わりが告げられアリウス生達は不安はあれど前に進もうとする意思が燃え始めた。

 

そしてアツコがジョンの代わりに壇上に立ってこれからの方針を皆に伝えた。

 

一つ、安全な住居の提供

 

二つ、安定した食料配給

 

これらをひとまずの目標として、目標達成に向けて何をすべきかをアツコは皆に言った。

 

そうして集会は終わった。

 

アリウス生を解散させてアツコと話した。

 

「ひとまずはこれで大丈夫かな?」

 

「ひとまずはだけどな、彼女らのあの熱意は一時的なものでしかない、その熱意が消えた時また内戦が発生してしまうだろう。」

 

「そうだよね…だからジョンさん手を貸してもらっていいかな。」

 

「構わないさ、元はといえばこっちが撒いた火種だからな、全力で取り組むとも。」

 

そう言ってジョンは食料供給のための畑の予定地に向かって行った。

 

                       

 

用語解説

 

クリメイター

 

超高温の火炎弾を撃ち出す重火器。

パワーアーマーですら直撃すれば装甲が溶けるほどの火力がある。

 

とにかく作者がベアトリーチェをボコボコにしたいから後半の話が出来ました。

この話によってエデン条約編の展開は少し変化するつもりです。

 

感想、評価をしていただけると作者が喜びます。

 

誤字報告、些細なことでもどうぞ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

早く本編に入るべき?

  • 早くしろ
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