初めましての方は初めまして。そうでない方はご無沙汰です。
この度、エイガサキやライブの影響でニジガクのモチベがかなり高まっているので、今回【改訂版】ということで新たに書いています。
といっても、基本的に改訂前の文章のまま引用してセリフや描写を調整。ところどころに加筆・添削したり、以前にはなかったシーンをところどころ加えていくので、前作を読んでいただいていた読者様にはストーリーのおさらいがてら、改訂前とどう変わっているのかも楽しんでいただけたらなと思います(改訂前の作品は残しておきます)。
......更新頻度については期待するなヨ☆
気がつくと、ぼんやりとした空間が目の前に広がっていた。見覚えのある場所、見覚えのある顔ぶれ。見覚えのあるシチュエーション。その光景を見て、オレはここが夢の中なんだと感じ取れた。いわゆる明晰夢ってやつだ。
そうに違いない。そうじゃなくちゃ困る。
だってこの光景は、思い出したくもない記憶。
『───お前と組むの、正直疲れるわ』
『───いやいやキツいって。俺、そこまで熱量ねえから』
『───ごめん、君にはついていけないかも』
嫌というほど、鮮明に聞こえた声たち。
幼い頃に抱いたオレの夢、それは1人で叶えることはできやしない。だから仲間が必要だった。ともに並び立って、心を響かせ合う仲間が。
でも、ダメだった。
同じ夢を見ていた仲間だと思っていたのに、ひとり、またひとりと離れていく。
結局、オレだけが空回りしていただけだった。最初から、同じ夢を見ているわけじゃなかったんだ。
そして、気づいた。気づきたくはなかった。
オレには夢を叶えることなんてできない、って。
それが、夢の終わりだった──────。
*
「............」
意識が覚醒して、瞼がゆっくりと開いた。いつもの耳障りな、けたたましく鳴り響くアラームよりも先に。そしてアラームで無理やり起こされる時よりも、最悪の目覚めだった。
視界には見慣れた無機質な天井。
数秒の、寝起きのボーッとした時間。そして、
「......ロックじゃねえな」
虚空に向かって呟くと、オレは上体を起こして、思い切り伸びをした。
ダルい身体を動かして、ベッドから脱出する。いまだに重い瞼を開かせるべく、洗面所に向かおうと自室を出た。
洗面所に向かう途中、キッチンにいた妹がオレに気づいて、ぱぁっと顔を輝かせる。
「あ、おにーちゃんおはよーっ」
「はよ......」
いつもと同じように、家族と挨拶を交わして。
「いただきます」「いただきます!」
いつもと同じように、朝飯を食べて。
「忘れ物は大丈夫?」
「ああ」
いつもと同じように、家を出る。
何もおかしなことはない。何も変わらない、いつも通りの朝だ。
それなのに、心にぽっかりと何か抜け落ちているような......何かが足りないような感覚がオレの中に残っている。
その原因は......わかってる。
わかっていても、オレにはどうすることもできないから、ただただこのやるせない虚無感を受け入れながら、押し殺しながら過ごすしかないんだろう。
「はぁ......」
もはや日課と化したため息をついて、オレは歩き出す。
さて、今日もつまらない1日の始まりだ。