転生したら妖怪だった件   作:鋼色

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12と焼きおに斬りと鬼の力

「鬼、退治してやる」

「逆だよ、俺が退治するんだ。この醤油おにぎり侍くん」

「焼きおに斬りだ、間違えるな鬼」

「分かったよ、醤油おにぎり侍くん」

「殺す」

「ハナからそのつもりなんじゃないのか?鬼狩り」

 

白い灼熱の刃が迫る。ただの灼熱の刃なら熱変動耐性で耐え切れるが、鬼特攻が混ざれば話は別だ。

 

鬼特攻は不確定要素が多すぎる危険なものだ。超進化再生があるからと受けるにはリスクが高すぎる。

 

最悪の場合、超進化再生を用いても治せないかもしれない。……いや、もしかしたら死んでしまうかもしれない。

 

そんな危険性ある道を進んで歩むのは無いな。

 

だったら歩くしかない。攻撃は喰らわない、カウンターも行う。そんなベストの道のりをな。

 

「極限者!!」

「なっ、炎が…ッ!?」

 

極限者(チカヅクモノ)の空間断裂能力で迫り来る炎を空間ごと消した。

 

バカみたいな演算能力を持っていて初めて発動できるかの権能は、大賢者と俺の頭をフル活用してようやく発動できた。

 

必死に手綱を持っていなければ払い落とされるかのような暴走具合、こりゃマイルドにされたアスラムだな。

 

よかったよ、最初に超オニ魂を与えられたのが俺で。まだ未熟な他連中だったら暴走をしていた。

 

「拳帝・雷雨」

 

稲妻を踊らせた拳の雨が降り注ぐ。何よりも速いものをイメージ体として殴りつける。

 

「…っ、鬼殺一閃!」

「……っち!」

 

完璧に避けたつもりだったんだけどな。攻めていた右拳に少しの傷を負ってしまった。

 

ただ掠っただけ。それなのに傷は治りにくいし、今まで以上に再生に魔素を持っていかれるし、体力も大きく減った。

 

驚異的な力だ。警戒しなければいけない天敵に近しいオーガスレイヤーとしての力。

 

だけど、予想よりも飛び抜けているわけじゃない。掠った部位が再生が出来なくなるわけじゃない。

 

強い力だが、想定を飛び抜けていない。全て範囲内だ。

 

鬼天撃墜(オーガストライク)、だっけか」

 

暴風之混沌霊(カオスヴェルート)の際にカミアが使用していた蹴り技。

 

俺と焼きおに斬りの距離を強制的に詰め、未だ慣れず動揺している隙に叩き込む。

 

「忌々しい…!なんて醜い鬼の技だ」

「それを真正面から喰らった情けない鬼狩りはどこのどいつだよ」

「あぁ、その通りだ。醜悪極まりない技を真正面から受けた。最悪の一言に尽きるぞ、鬼」

「そりゃ大変なこって…!」

 

「火炎の術…!」「落石の術…!」

 

周囲の自然エネルギーから取り出した頑強に固められた岩石と熱量の塊である火の玉がぶつかり合う。

 

超高度のエネルギー同士のぶつかり合いで爆発が起こらないなんてことはなく、平原が凸凹に歪んでいく。

 

流星鉄蓋岩流石(スターダスト・エクスプロージョン)

「……ッ!業火炎陣・焼鬼斬」

 

互いに技を放つが、アドバンテージは今俺にある。

 

なぜかって?焼きおに斬りが技を出すのが遅れたからだ。

 

わずか数秒。だけど、俺が得意とする技は発動が早いスピード系の技だ。

 

この条件が揃っているのなら、技を発動できていたとしても、全てを防ぎることは不可能に近しい。

 

これは、王手に近づくための一手だ。さて、お前はどんな手に出る?

 

「ッ…(数が多い…いや、いける…っ!全て弾き飛ばし、カウンターを喰らわせる…!勝てる、勝てるんだ。ようやく鬼に)」

 

焼きおに斬りの瞳に浮かぶは希望。目の前の光景しか見れていないような視野の狭い者特有の愚かな希望。

 

あんまり期待はしてなかったけどさ……そいつは違うだろ。

 

フシマと戦ったときの方が幾分か戦ってて楽しかったよ。

 

「星屑の槍。この技は爆発して周囲に分散した星屑を再利用する技だ。感知精度が高い魔力感知なら分かった内容だと思うけどな。残念だよ、焼きおに斬り」

「すべて…っ、全て計算のうちかリムル=テンペスト…!私はお前の手のひらで踊らされていたというのか…!!」

「分かりやすいんだよ、お前。分かりやすいから読まれる、それだけの話なんだよ。鬼特攻の力に注意していれば問題のない話だ」

 

戦いながら焼きおに斬りの分析を大賢者さんに任せていて良かった。

 

俺単体だったら致命傷を喰らいかねなかった。いや、うん、大賢者さんがいてくれて本当に良かったよ。

 

〈告。受けた鬼特攻の痕跡を解析完了しました。[鬼特攻耐性]、特別能力(エクストラスキル)[鬼特攻]を獲得しました〉

 

……なんか大賢者さん誇らしげじゃ…

 

〈否。そのようなことはありません〉

 

え、でも

 

〈否〉

 

あ、はい。

 

「いただくぞ、お前の力、記憶、全て」

「ぁ、アアアぁ゛ぁ゛…!?!」

 

〈告。焼きおに斬りを捕食。一部妖怪因子を解析、取得します。……妖魔受胎、妖魔支配が強化されます〉

 

「うし。敵は片付いたな、先進むぞ」

 

 

 

 

 

 

 

リムル=テンペストが敵を捕食する光景を見届ける妖怪議長が一人。

 

「あのスライム、随分と変わっているじゃなイカ…!」

「せっかく手札を確認しようとしていたのに余計なことをしてくれたものだっ、よ〜ん!!」

「だが、あのスライムの力。私の僕にするに相応しい力だと思わないか?」

 

『おっしゃる通り!おっしゃる通り!』

 

人間社会の裏に潜み、幾度となく悪事を働いてきた。

 

妖怪ウォッチ1のラスボス、妖魔界の議長・イカカモネ議長。

 

妖怪ウォッチ2のラスボス、全てを奪われ、全てを奪う老女・ウバウネ。

 

妖怪ウォッチ3のラスボス、条理から外れた宇宙のマフィア・ゴゴゴGF。

 

超越的な力を用いる三大巨悪の大妖怪。

 

彼ら彼女らに友情はなく、信頼もなく。あるのはただひたすらに自己利益を求める貪欲性のみ。

 

そんな者たちが組んでいる理由はただ一つ。他の巨悪ボスが利用できそうだからに尽きる。

 

絡みに絡み合った混雑した三すくみ。

 

それらが狙うのはリムル=テンペストと妖魔界を牛耳る可能性を備えたカミア=テンペストの捕獲。

 

「はーはっはっは!!!まずはあのスライムから手中に収めるとしよう!」

 

『おっしゃる通り!おっしゃる通り!』

 

ゴゴゴGFの圧倒的な悪意による笑い声が響く。赤いスーツを揺らしながら標的を定める。




作者的ラスボスの強さ

ゴゴゴGF<イカカモネ議長<ウバウネ

あくまで第一形態での評価ですのであしからず。
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