転生したら妖怪だった件   作:鋼色

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6と暴風妖怪と鬼之試練

リムルが村長さんと話してます。

 

私は一緒じゃないのかって?私の行動指針は大抵がリムルだし、今更リムルと別行動なんて出来ないからね。

 

これは仕方ないんですよ。

 

それに、私は私でやらなくちゃいけないことがあるし。

 

あのゴースト種との戦いで手に入った戦果は種族の進化と能力(スキル)の成長だけじゃない。

 

アレの特性を込めたのか、魂の片鱗を込めたのか。ブキミー魂に新たな気配が宿っている。

 

それは間違いなくあのゴースト種の気配。これを解き放てばどうなるのか、それは私でも分からない。

 

だからこそ、解き放つ価値がある。

 

私に付き従うのなら良し。歯向かうのなら、今度こそ完全に消滅させる。

 

幸いなこと、今の私は進化して強くなっている。あの程度の強さのままだったら勝てる。

 

アレよりも強くなっていても、私が勝つ。

 

何も知らない人が見たら薄っぺらい自信かと思うかもだけど、今のこれは確信。

 

リムルに煽られたときとは違う、完全なる自己判断の自己信頼。

 

天空之大帝で翼を生やし、空へと飛び立つ。

 

そうだね。あの村に迷惑が掛からなきゃ良いから、ここにしようか。

 

「貴様、誰の領域(ナワバリ)と思って入り込んでいる…!」

「うるさいな。誰のテリトリーだろうがどうでもいいの。邪魔するなら潰すよ?」

 

大妖魔覇気を用いて威圧したら簡単に従ってくれた。

 

うんうん、物分かりの良い子は好きだよ。

 

それでは……

 

「実験を開始しようか」

 

鬼玉で作り上げた肉体にアレのブキミー魂を挿入する。

 

溶け込むように統合した直後、ブキミー特有の禍々しい気配が周囲を覆っている。

 

私やリムルほどじゃないけど、魔素は多い。元々所有していたエネルギーよりも少し上がっている。

 

でも、本質はそこじゃない。ドラちゃんの影響を誰よりも受け、変化を続けた洞窟トップクラスの魔物が妖怪と混ざった。

 

分類的にはリムルと同じようなタイプ?肉体もそうだけど、新規能力(スキル)を取得したみたいだね。

 

強いなあ。ただでさえ負けなしだった化け物が更に強くなってる。

 

そんな化け物ちゃんが為す姿は女体。メイドさんの服をまとい、この世に顕現する。

 

なんでメイドさんなのかは知らないけど。

 

「復活の機会を頂き、感謝申し上げます。我らがマスターよ」

「君はあのゴースト種ってことで良いの?人の形を取っているみたいだけど」

「マスターの伴侶であるリムル様が常に人型の姿のを取っていらっしゃったので人型が好みと思案しましたが、違いましたか?」

「いいや?私は好きだよ、ヒトちゃん」

 

リムルのことを伴侶認定されるのは少々気恥ずかしいけど、悪い気はしない。顔がにんまりとニヤケそうになる。

 

崩れたら形無しだから一生懸命顔作るけどさ。

 

「つまり君は私の配下ということで良いのかな?」

「はい。妖魔となったことでマスターの配下と加わりました。逆らうことは不可能です。それに、私はマスターに負けました。敗者が生かされたのならば、勝者に仕えるのは当たり前のこと。弱肉強食、と言うのでしょう?」

「うーん、及第点。まあ、それ以降は私に心酔させれば良いだけだからどうでもいいけど」

 

でも良かった!私やリムルに次ぐ強さの配下ができて!

 

これで何かあったときに安心!強敵が来て速攻やられてしまうような事態には陥らないで済む。

 

「あぁ、そうだ。名前あげるよ。リンダね」

「……っ!感謝申し上げます。我が名、リンダを噛み締め、マスターに仕えさせていただきます!」

 

わっ!魔素が結構取られちゃった……。だいぶ進化したし、魔素奪取もしたから余裕あると思ったのになぁ。

 

名付けが魔素を使うってのは知ってたけど、強い魔物が相手だとこうなるのね。学習しましたよ、学習。

 

というか、強くなったねリンダ。妖魔融合から名付けを行ったとはいえ、ここまで強くなるとは。

 

妖魔幽人(デモンヘルマン)]から[天空之混沌幽人(カオスヘイラー)]になって……ん?カオス?なんで混沌?

 

あっ!!あんの暴風バカ妖怪!さらっと私が所有してるプリチー魂、ブキミー魂、フシギ魂、ウスラカゲ魂、オニ魂をもってった!!

 

オニ魂はみまわり鬼からしか取れないのに!しかも極小の量!

 

魔物はっ、この魔物はっ、信用ならなーい!!

 

「ぐすんっ。私が最初に使おうと思ったのに」

「そんな顔しないでください。可愛い顔が台無しですよ、マスター」

「誰のせいだと思って……!!」

「さあ、誰のせいでしょう」

「うざっ!……んもう、いいや。アナタたち、私の配下にならない?私の配下になったら名前をつけてあげる。その代わり命令には絶対服従だけど、そんなに頻繁に命令は出さないよ?」

 

目の前にひれ伏している白豹たちに相談はいらない。族長と思わしき一回りほど体が大きい白豹が出てくる。

 

「私たちは、アナタ様に忠誠を誓います」

「そっか。じゃあ名前をあげる。アナタはリベルタ。アナタはルア、アナタはシリュウ……」

 

白豹族、総勢150匹。そんなに魔素減らなかった。

 

リンダが三分の一ほどの魔素を用いたのに、リベルタたちは一割も使わなかった。なんて可哀想な魔物たちなの……。

 

向いている妖怪の魂を適当に与えたら進化したよ。

 

多分だけど、妖魔統合したらその場で進化が起きやすくなるのかな?

 

私の進化もリムルの進化もそんなにすぐ終わらなかったぽいから。

 

まあ、私だけ妖魔統合してないんですけどね!!

 

「ここから北に行った先に小鬼(ゴブリン)たちの村がある。そこには私の相棒がいるから助けに行ってあげて。なんかピンチらしいよ?」

「……?カミア様はいかないのですか?」

「リムルだけでも過剰戦力なのに、配下だけじゃなくて私も行ったらスーパー過剰戦力じゃん?」

「では、カミア様の相棒だけでは良いのでは?」

 

それはそう。私だって「リムルがいるなら私いなくてもよくない?」ぐらいのテンションだし。

 

でも、何か嫌な予感がする。何か良からぬ思惑がジュラの大森林で始動しているかのような。そんな予感が。

 

だから保険的にリンダやリベルタたちを置くの。

 

リムルは強いから、この世界の上位層(ドラちゃんみたいなやつ)が出てこない限りなんとかなる。

 

逆にドラちゃんみたいなのが相手だと私が行っても相手にならない。

 

だから一番良い戦力配分はリムルとリベルタたちが戦場に揃い、私が鍛錬すること。

 

「大丈夫。君たちなら何とかなる」

 

無責任な言葉を綴りつつ、足を使わせるは異空間。

 

無限の容量を誇る1世界じゃなくて、害意や敵意を備える2世界以降の世界。

 

その中でも選んだのは、全て白黒で出来ている3世界……通称、鬼之世界。

 

赤鬼が相手の戦闘世界。そんなところで蔓延るのはボス妖怪の手下であるみまわり鬼。

 

持っているから分かるけど、みまわり鬼は面倒くさい。どんな特性を持たすことができる万能性が面倒くさい。

 

耳をよくすることも、目をよくすることも、存在感をなくすことも、空を飛べるようにすることも可能。

 

だから、面倒くさい。自分が利用するならいいけど、敵に利用されると厄介極まりない。

 

見つかったらビームを吐くしね。

 

そんなわけでさ。この鬼ちゃんたちは速攻終わらせるに限るんだよ。

 

一番早いのは……全力全開の大妖魔覇気で赤鬼以外を全滅させること。

 

みまわり鬼の魔素量から見て……うん、出来そうだね。

 

〈報告。みまわり鬼321体の討伐を確認。みまわり鬼はDランクに定義されるため、1×5凸の計算となります。よって、見回り鬼の1605凸が完成しました。基礎スペックの向上、手先の向上、肉造兵器が可能になりました〉

 

〈鬼コイン×321枚を獲得しました。回しますか?〉

 

いや、いいよ。今から回したら赤鬼戦に集中できそうにない。ガチャコインに意識を傾けすぎて負けたなんて笑にもならないから。

 

「……っ!くる!」

「アッカァァァン!!」

 

だいぶ離れた位置にいたはずなのに、ジャンプしてコッチに来た…!

 

あーもう!鬼ってなんでこうも身体能力がイカれたヤツらしかいないのかなぁ!戦うの嫌になるよ!

 

「発動」

 

杖で地面を叩き、術式を発動させる。

 

妖術でも、魔法でも、とりつきでも、特殊能力(ユニークスキル)でもない。これから発動するのは結界術。

 

私が赤鬼よりも自由に動くための、古典妖怪だけが好きに動ける自由空間。

 

「アカっ!?」

「上手く動けないでしょ。これは古典之結界。古典妖怪だけが動きやすいバフを受け、それ以外の妖怪、はたまた人間、魔物はデバフを受けるスキル。アナタは古典妖怪には分類されていないから、受けてるでしょ?デバフ」

 

とは言っても、練度や強度はイマイチ。本来の実力の赤鬼だったら速攻で破られていた。

 

これはあくまでも試練だから本気で来てないだけで、本気だったらとっくの昔に倒されてる。

 

強くなっても、強くなっても。まだまだ世界に先はある。

 

なんて、なんて……面白いの…!私はまだ上に行ける、上に行ったら、更にリムルの役に立てる!

 

烈風貫通弾(ウィンダーバレット)

「アッカァ!」

 

風の元素魔法を使った一撃が完全に防がれた……。それも、金棒を振っただけの風で相殺された…!

 

鬼系は身体能力が高いと認識していたけど、予想以上…!まさか本場の鬼様がこれほどのパワーを所有していたとはね!!

 

私も負けてはいられない!

 

鬼時間(テラータイム)の鬼パワー発動……そして、守護之御力発動!

 

二重の強化術を施した果ての身体能力はまさに鬼。暴風を思わせる金棒の連続攻撃を掻い潜り、赤鬼の体に杖を押し当てる。

 

バフ+デバフ+鬼強化+守護之御力のコンボにより、街を抉りながら赤鬼を吹き飛ばしている。

 

強化倍率はリンダへと使ったときとあんまり変わっていない。

 

それでも赤鬼に通用するほどの攻撃力を保持していたのは321体のみまわり鬼を獲得したことによるナチュラル身体能力の向上。

 

本来なら妖術よりだから身体能力は低い。だけど、妖怪たちの身体能力がそのまま加算されるから、結果的に赤鬼を吹き飛ばす威力になってる。

 

まあ……大してダメージ負ってないだろうけど。

 

鬼の防御力は嫌になるよ、つくづく。そんな鬼様には、同じ鬼様の力をぶつけるに限る。

 

みまわり鬼を討伐した際に獲得した肉造兵器という特別能力(エクストラスキル)

 

並列妖怪(みまわり鬼)を100ほど呼び出し、肉体と肉体を融合して新しい武器を作り上げる。

 

倫理観的には最低でも、戦いにおいてはとても優秀な武器。

 

赤鬼から発せられる魔素を全て吸収し、肉の戦艦から発せられる一撃は間違いなく大妖怪の一手。

 

鬼要塞之肉弾砲(ディザスターバースト)!」

 

収縮し、放たれる一撃。この世界で二番目に強い攻撃は、赤鬼の防御を貫き、ダメージを与える。

 

……だが、

 

「アッカァァァン!!」

 

赤鬼には通用しない。

 

本来、赤鬼は防御よりもHP(ヒットポイント)の方が高い妖怪。鬼としての頑強な防御を突破したからと言って、赤鬼の試練を突破できるとは限らない。

 

Sランクと称される大妖怪の攻撃だったとしても。赤鬼は悪きを罰する鬼の調停者。

 

大妖怪との戦闘など、とうに慣れている。

 

「ほんとに嫌になる…!フィジカルが高い鬼系妖怪は!」




リンダ

魔法
・暴風魔法

固有能力
[暴風顕現]、[自然操作]、[妖魔再生]

特殊能力(ユニークスキル)
暴風之依代(カオスヴェルート)
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