転生したら妖怪だった件   作:鋼色

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7と世界移動と最終手段

……困った。あの肉造兵器の攻撃も効かないなら何も効かない。

 

フィジカルも高いし、このまま戦っても負けるのは私。体力的にも魔素、魔力の消費的にも敵わない。

 

「アカン!アカン!アカン!」

 

金棒による叩きつけを避けた先には煉獄の妖術。致命的なダメージにはなっていないけど、新たに攻撃を作らせる隙にはなる。

 

煉獄で怯んだタイミングで金棒を叩きつけられる。

 

圧倒的な重さによる叩きつけは肉体を抉る。天魔再生で体は治せるけど、勝機は改善できないみたい。

 

あぁ!リムルの超進化再生が欲しい!

 

再生するたびに身体能力が青天井に上昇する再生能力ってズルでしょ!私にちょうだいよ!今私が一番必要としてるからさ!

 

万能執事(ワタシノシツジ)!超進化再生を私が取得できる可能性はありますか!今!

 

〈解答。ありません。あれは個体名リンダをも捕食する雑食性を持つ個体名リムルだったからこそ成し得た固有能力(スキル)です〉

 

じゃあ無理じゃん!私が赤鬼に勝つの。

 

諦めたくないけど、もう諦めるしか……ん?待って、まだ全然勝率あるかもしれない!

 

鬼時間(テラータイム)にある5世界のうちの一つ、最初に生まれた世界に転移する。

 

もちろん赤鬼の試練は継続したまま。

 

あの試練は戦う意志さえ維持していれば試練は継続されるの。だから世界移動をしたとしてもノープログラムってわけ!

 

で、そんな状況で何をするのかっていうと……ガチャするよ!

 

みまわり鬼を大妖魔覇気で倒した際に得たオニコインが私にはある。それも321枚。

 

これなら赤鬼を倒せる一手になりうる妖怪が出現してくれるのは分かりきった事実!完全なる勝利の方程式!

 

〈承知。オニコインを回します。

せいでん鬼×3(9凸)

雷電操作が鬼時間(テラータイム)に統合され、強化されます。[電気耐性]、特別能力(エクストラスキル)[血肉雷]、[超感電]、技術(アーツ)[雷神術]を獲得。

あせっか鬼×92(368凸)

特別能力(エクストラスキル)[肉体干渉]、技術(アーツ)汗之鬼壁(ギトギトウォール)]を獲得。

へこ鬼神×8(16凸)

特別能力(エクストラスキル)[気体操作]、[重力操作]を獲得。

ぎしんあん鬼×35(175凸)

特別能力(エクストラスキル)[心眼]を獲得。

たこやっ鬼×19(95凸)

特別能力(エクストラスキル)[反転]、[焼加減(ヤキゴコチ)]、技術(アーツ)[たこ焼き流槍術]を獲得。

百鬼姫(1凸)

特別能力(エクストラスキル)[凍結創造]、技術(アーツ)[呪符]を獲得しました。

みまわり鬼×163(2420凸)

各種鬼能力が強化されます〉

 

〈獲得した妖怪が300匹を突破しました。妖怪権能[百鬼夜行]が解放されます〉

 

〈獲得したSランク妖怪が3匹を突破しました。妖怪権能[暗黒之流儀(アンコク)]が解放されました〉

 

だいたい半分がみまわり鬼なのは目を瞑ってあげる。瞑ってあげなかったらボコボココースなので感謝してほしい。

 

……今回引いた妖怪の中で一番の大当たりはあせっか鬼かな。

 

あせっか鬼は防御と邪魔が優秀な妖怪。本編ゲームではサークルを回しにくくしたり、とりつきでダメージ減らしたり、タンクとなったり。

 

対戦でも採用確率の高い優秀な妖怪とされている。

 

そして、防御が高いという面は表裏一体でフィジカルが高いのイコール。Cランクの鬼妖怪が92体。数で言うと368凸。

 

これなら赤鬼ともある程度は戦える。この戦略をとって正解だったかな?

 

強化された肉体で異空間ゲートを潜り、到達するは黒白世界の鬼之試練。

 

私を探し回る赤鬼の背後から、321体引いた鬼妖怪の身体能力で殴りつける。

 

鬼強化も守護之御力も使用していない完全素の打撃。けれど、その一撃は過去を打ち壊す。

 

赤鬼の防御を貫き、体力面に影響を与える。前と同じく些細なダメージ量であり、自己再生で完結する範囲。

 

「……アカ」

「どうしたのかなぁ、赤鬼ちゃん。そんなにビビってちゃ罰せないでしょ?」

 

赤鬼はその状況を感じ取り、危機感を抱く。

 

私はその状況に笑みを浮かべる。

 

せいでん鬼を獲得した際に得た技術(アーツ)、雷神術を用いて身体に雷をまとう。

 

ビリビリと稲妻が駆け回る体から発せられる速度はまさに雷光。先ほどとは一転変わる速度で近づき、肉に杖が触れる。

 

「アガァァン!!」

 

戦法は同じ。近距離まで迫ったときは煉獄の妖術を発動し、敵を遠ざける。普通に厄介だったけどさ、

 

「生温いんだよ!!私の大元は炎で世界を照らす守護之聖鳥(カルラ)だよ!?前はともかく、今はそんな炎効かないね!」

 

炎属性の完全攻撃耐性……言わば、炎属性無効の耐性を獲得した私に炎は相性不利すぎるんだよね!!

 

「アカァァン!」

 

杖で腹を打たれ、少々吹き飛ばされた赤鬼が構えるのは魔法とも言い難い魔素の直接攻撃。

 

魔法ほど構築された術式はない。だが、今所持しているどの魔法よりも攻撃力を保有している……か。

 

いいね、全力で乗ってあげるよ!

 

百鬼姫を得たことで新たに獲得した妖怪権能、暗黒之流儀(アンコク)。まだ獲得したばかりで十全には扱えないけど、ある程度は使える!

 

「唸れ暗黒!」

 

この世界のどんなモノよりも深い闇を思い浮かべるの。

 

「鎮まれ時刻!」

 

時計の針がゆっくりと遅くなっていく、けれど止まることはないイメージで。

 

「重なれ暗刻!」

 

二つのイメージが溶けて、融合して、新たな物質に生まれ変わる。どの世界にもあり得ない暗刻の物質がこの世に生まれる。

 

闇と純粋。高めあったエネルギーをぶつける風情も何もない争い。

 

その果てで勝ちを勝ち取ったのは無。相殺され、爆発し、この勝負に勝者はない。

 

けど、その果ての果ての勝負は今決まる。

 

膨れ上がった肉体から溢れ出る血流をもって近接戦が大妖怪たちの手で彩られる。

 

杖と金棒。高なる金属音、膨れ上がる重さ、すり減る魔素。

 

体が重たい。最初の頃と比べると半端ではないほどの身体能力の低下……いや、圧倒的集中力が齎した精神的疲労だ。

 

それでもと思い、衝突を繰り返すのは何故だろう。

 

……あぁ、分かってるよ。そんなの、分かってるよ。

 

恋焦がれる若き乙女のように、熱望してしまうんだよ。会いたくて、会いたくて、会いたくて仕方がない…

 

出会う最強(アナタ)に!」

 

私が武器を払うのはリムルのため。けど、その武器を得る過程は私だけのもの。

 

だから、命賭ける戦場を所望したっていいでしょ?

 

「赤鬼!貴方の力はそんなものじゃないでしょ!もっと、もっと、もっと!!私を恍惚させるような力を!」

 

私にとっても、赤鬼にとっても。再生が追いつかない初めての猛攻。

 

その現実に。鬼之世界にいる鬼たち(私と赤鬼)は最高だと思う。

 

試練も何もかも、捨てても良いと思えるほどに心地よい。心地良すぎて命を燃やしてしまいたい。

 

でも……それはできない。赤鬼は制限があって、私には帰らなきゃいけない場所がある。

 

だから命を賭けれない。

 

「まあ、貴方の必殺技ぐらいは受けてもいいよ?」

 

制限中であっても強力と言っても過言ではない赤鬼の身体能力から繰り出される物理技の必殺技。

 

死んでしまうかもしれない。けど、その一撃を受けきってこそ私は私のことを認められる。

 

だからさ。ちょうだいよ、とびっきりの必殺技を。

 

赤鬼が手のひらで金棒をなぞる。全力で魔素を注入し、最高の強化度合いを施す。

 

あまりにも含有エネルギーが高すぎるがあまり、空間に歪みが発生している。その域に達せられるのはいつになるのか、分からない。

 

【悪魔の金棒】

 

鬼強化、守護之御力、汗之鬼壁(ギトギトウォール)、雷神術。

 

今可能な強化を防御に振り切っても腕が悲鳴をあげる。耐えきれないと叫んでいるけれど、もう少しの間耐えて欲しい。

 

もう少しで、……()()()()()()

 

鬼之反撃(オーガカウンター)

 

たこやっ鬼から獲得した特別能力(エクストラスキル)反転。攻撃を1割だけ跳ね返す能力(スキル)

 

たかが1割。けれど、されど1割。

 

制限をかけられているのに加え、疲労が重なっている赤鬼ならば、膝をつかせるのも可能なんだよね。

 

「アカ…」

 

〈報告。赤鬼から認められました。Sランクの鬼妖怪が配下に加わりました。各種身体能力、各種能力(スキル)が向上します。Sランク鬼妖怪の獲得により、妖怪権能[大帝鬼(オニサマ)]を獲得しました〉

 

ようやく……ようやく試練終わったぁ〜!もうちょっと楽に終わると思ったんだけどなぁ。

 

まさか世界移動からの強化剤入手をしなければいけないほどの難易度だったとはね……。今度から試練に挑むときには注意しなくちゃ。

 

「さーてと。私もそろそろ行こうかな、リムルのところへ」

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