ハイスクールⅮ×Ⅾ 碧い猛獣と赤き龍帝   作:BLUE@

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紅髪の滅殺姫との邂逅

駒王学園

駒王町に存在する学園であり、幼小中高大一貫の進学校。元々は女子校だったのだが今は共学になっている。

 

そんな学園の中庭で俺は黒歌と白音の二人と一緒に昼食を食べていたのだが。

 

「はぁ~。あいつら、少しは大人しく出来ないのか?」

「大丈夫にゃ?イッセー?」

「お疲れ様です。先輩」

 

俺は二人に慰められながら弁当を食べる。何故俺が疲れているのかというとこの学園で変態二人組と呼ばれている俺の悪友、元浜と松田のせいだった。

 

女子の更衣室の覗きや、教室での猥談、更にはエロ本の持ち出しなど、明らかにアウトな行為を繰り返しているのだ。それも結構な頻度で。

 

「まあ、しょうがないにゃ~。あれらを止められるの今の所イッセーしか居ないんだし」

「そうですね。先輩があれを抑えてくれている事で学園の治安は何とか守られています。さすがは【駒王学園の守護者】です」

「その異名。恥ずかしいから止めてくれない?白音」

 

俺は白音が言った異名に更に項垂れる。

この異名はあいつ等がやらかす度に俺が止めたり制裁を加えている内に生徒達の間で広まってしまったのだ。

 

因みにこれ以外にも【変態共の抑止力】、【対変態用兵士】、【頼れる苦労人】など呼ばれている。

そんな俺を見かねたのか二人は労わる様に抱きしめると耳元でささやき始めた。

 

「そんなに疲れているなら今日もいっぱい癒してあげようかにゃ?」

「私もやります、姉様。先輩の疲れ、私達が消してあげます」

 

左右から感じる柔らかさと温もりに加え、蕩ける様な甘い声に意志が揺らぐが此処はぐっと堪える。

 

「二人共、ここ学校だから。こういうのは家でお願いするよ」

「分かってるにゃ。”ここ”ではヤらないから」

「私も分かっています。”ここ”ではヤりません」

 

妖艶な笑みで了承する二人の様子に俺はやっちまったと思い至る。頭を抱える俺に黒歌は別の話題に変え始めた。

 

「所でイッセー、今週の休みに皆で出かけないかにゃ?」

「今週の休みか」

 

黒歌の提案に俺は脳内での予定を確認すると特にない事を思い出す。

 

「(ここの所はぐれ悪魔退治で忙しかったし、ちょうどいいかもな)そうだな。たまには出かけようか。白音はどうする?」

「私も一緒に行きます。丁度買いたいものがあるので」

 

三人で明日の予定を決めていたその時、周辺が何か騒がしい事に気付いた。

その方向を見ると鮮やかな紅髪と黒髪を持つ二人の女子生徒が居た。

 

「なんか騒がしいかと思ったらグレモリー先輩と姫島先輩か。相変わらずの人気だなぁ」

「気になるかにゃ?」

「いや、悪魔だけど悪い感じはしないなーって思っただけ」

 

正直、悪魔って聞くと良い気はしない。俺の両親を殺したはぐれ悪魔を思い出すから。

けどそれは彼女達が元凶な訳じゃない。だからこの感情はただの逆恨みだ。そう己に言い聞かせる。

 

「向こうが接触してくるか危害を加えない限り、不干渉で行くって決めてんだから特に何もしない。だからそんな顔をするな二人共」

 

俺の感情を敏感に察知して心配で寄り添う二人に俺は微笑みかける。

 

そして午後、二人と別れて教室に戻った俺は元浜と松田の馬鹿を制裁したり、クラスメイトの桐生に俺の息子のサイズをばらされたり、休み時間にまた覗きに行こうとする二人にバックドロップで沈めたりしながら過ごした。

 

そして放課後、三人で家に帰っている途中、見知らぬ女子生徒に声を掛けられた。

 

「あの、兵藤一誠君ですか?」

 

そこにいたのは、長い黒髪が特徴の可愛らしい女の子だった。

見た感じ、駒王学園の子じゃないな。それにこの子から感じる力は……

 

「そうだけど……君は?」

「あ、ごめんなさい!自己紹介がまだでしたね……。私、天野夕麻って言います」

 

そう目の前の女の子、夕麻ちゃんがお辞儀をしてきた。

 

「………ここだと少しあれですから、向こうの公園まで来てもらってもいいですか?」

「あぁ、良いぜ」

 

特に断る理由もないしな。

それに、俺も確かめたいことがあるからな。

 

俺は二人に先に帰るよう言って、彼女の後を追う。

 

『相棒、此奴は…………』

(分かってるよ。堕天使、だろ?)

 

俺はドライグからの呼びかけにそう答える。

 

『気づいていたか』

(まぁね。第一、普通の人間と雰囲気違うしな。だからこそ、彼女が何かしでかす前に、止めないと)

『考えたな、相棒』

 

ドライグとの会話を打ち切り、俺は夕麻ちゃんの後についていく。

因みに黒歌も白音もこの子が堕天使だと気づいているため、先に帰る振りをしてこっそり尾行している。

 

「ごめんね。いきなり呼び出して」

「良いよ」

 

俺と夕麻ちゃんは学校からそう離れてない公園についた。

 

「で、話って?」

 

俺が切り出すと、夕麻ちゃんは恥ずかしげに口を開いた。

 

「そんなに難しいことじゃないの。その……」

 

もじもじしているその姿は、第三者から見たら間違いなく告白シーンだろうな。

でもまぁ。

 

『おいおい、魔力が粗ぶってるぞ。これじゃ正体バラしてるもんだな』

 

俺の相棒からすればバレバレだけどな。

どうせ、付き合ってくれって言ってきて、翌日のデートかなんかで俺を殺すつもりなんだろうなぁ。

だから、俺が言うことは一つだ。

 

「悪いけど、君が言おうとしてることに俺は答えられない。それにさ、こんな回りくどいことやめないか?………堕天使さん?」

「っ!?」

 

俺が言ったその一言に、彼女の顔が凍りついた。

 

「………な、何のことかな?」

「とぼけんなって。俺、そういうのには敏感なの」

 

しらを切ろうとする夕麻の言葉を一蹴する。

すると、夕麻は突然肩を震わすと、

 

「そっか。じゃあ……死んで?」

 

そう静かに呟くなり、俺に光の槍を放った。

 

「よっと!!」

「何っ!?」

 

サイドステップで躱した俺に夕麻ちゃんが驚いている隙に、俺も自分の神器を展開する。

 

「おりゃあ!!」

「!ぐぅっ!」

 

即座に踏み込んで、俺は夕麻ちゃんに殴り掛かるが、夕麻ちゃんも負けじと魔法陣を展開して俺の攻撃を防ぐ。

 

「なぁ~んだ?神器を宿してるからマークしてたのに、ただの【龍の手】じゃない。焦って損したわ!」

 

まぁ、赤龍帝の籠手は伝説の神器だからな。

こんな高校生に宿ってるなんて考えるはずないもんな。

 

『……相棒、あの女、八つ裂きにしろ』

 

おぉ、珍しくドライグがキレてらっしゃる。

まぁ、間違われちゃあ怒りたくなりますわな。

 

(良いのかよ?そんなことして)

『丁度お誂え向きに結界まで張ってくれてんだ。それに俺の意見は絶対だ』

(何処の暴君?)

『暴君なんてもんじゃない。ただの天龍さ』

「違いない!!」

 

ドライグにそう答え、俺は巨大な光弾を放つ!

 

「そら!!」

「っ!!」

 

光弾は命中せずに、地面に巨大なクレーターを作っただけだった。

だけど、

 

「隙だらけだ!」

「がはぁ!!」

 

俺のドラゴンショットを躱して、一息ついて隙だらけの堕天使に殴り飛ばしてそのまま。

 

「木の葉・旋風!」

「がはっ!?」

 

我意師匠から教わった技【木の葉・旋風】で堕天使は地面に倒れ伏す。しばらく身構えるが動かないのを見て、どうやら気絶しているようだ。周りに敵が居ないか確認していると、尾行していた二人が駆け寄ってきた。

 

「イッセー、怪我は無いかにゃ?」

「お疲れ様です。一誠先輩」

「おう、心配かけて悪かった」

 

俺は心配そうに見つめる姉妹に謝りながら倒れている堕天使を見る。

 

(さてこの子をどうするかだなぁ)

『始末しないのか?』

(命を狙われた程度で女の子を始末する気はないよ)

 

俺はこの堕天使をどうするか考えていると公園の一角から謎の魔法陣が現れた。

 

その魔法陣から見覚えがある人物が見えた。あの紅髪は見間違えようもない。現れたのはリアス・グレモリー先輩だった。

 

「っ!?これは……貴方達がやったの?」

 

リアス先輩はこの公園の惨状と倒れた堕天使を見て、俺達に警戒の眼差しを向ける。

 

「警戒しないで下さいグレモリー先輩。俺達は貴女と事を構えるつもりはありません」

「……どういうこと?」

「ええ、順を追って説明します」

 

俺はグレモリー先輩にざっくりと天野夕麻こと堕天使と関わった時のことを話した。と言ってもそんなに長くない為、そんなに時間は掛からなかったが。

 

「……なるほど、そういうことだったのね。ごめんなさい、怖い思いをさせてしまって」

「いえ、俺は神器があったので問題なく対処できたので大丈夫です」

「!?貴方、神器を持っているの?」

「ええ、持ってますよ。これです」

 

俺はグレモリー先輩に神器【赤龍帝の籠手】を見せると先輩は驚愕の表情を浮かべる。

 

「なっ!?そ、それは……」

「はい。神器の中でも特に強大な力を持つ、神を滅ぼせる可能性を秘めた【神滅具】が一つ、かつて世界中で暴れ狂った二天龍の魂を宿す、所有者の力を倍加し続ける限界なき増幅器【赤龍帝の籠手】です」

 

「なるほど、だから堕天使を返り討ちにできたのね」

 

神器保有者は多く存在する。

だが全ての神器が戦闘に向いている訳でないし、保有しているからと現代人が長き時を生きる存在に勝てる道理はない。【神滅具】だからこそ撃退が可能だったのだとリアス先輩は納得したみたいだ。

 

「それだけじゃないですよ、なあ【ドライグ】」

『はじめまして、グレモリーの小娘。我が名は赤龍帝ドライグ。兵藤一誠の相棒をしているぞ』

 

俺の左腕の籠手から響く声にリアス先輩は今度は絶句したのであった。

 

その後、俺達はグレモリー先輩は詳しい事は明日に話をすると言って倒した堕天使を連れて帰っていった。

それを見届けた俺達は今度こそ家に帰り、宿題や夕飯を済ませた後、黒歌と白音にたっぷりと癒されながら寝床に着いた。

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