ハイスクールⅮ×Ⅾ 碧い猛獣と赤き龍帝   作:BLUE@

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オカルト研究部

堕天使の襲撃から翌朝。俺はリビングでコーヒーを飲みながら。目の前の人物と話していた。

 

「そうか、堕天使の襲撃とは大変だったな。怪我は無いか?」

 

綺麗に切りそろえたおかっぱ頭、極太の眉毛、鍛え抜かれた体に纏う緑の全身タイツ姿。この人が俺達の師匠にして育ての親である舞闘我意師匠である。

 

「我意師匠の教えのおかげで撃退できました。その直後にリアス・グレモリー先輩にバレましたけど」

「ふむ、グレモリーか。……確か、彼女の兄が現魔王を務めていると聞いたな」

「……確実に眷属に勧誘してきますよね」

「そうだな。彼らは同族を増やすのに躍起になっているからな。更に君は神器持ちで神滅具である【赤龍帝の籠手】を宿してる。彼等からすれば喉から手が出るほどの人材だ」

 

師匠の言葉に俺は頷く。

 

「それで、一誠。君はどうしたい?断るのかい?」

 

師匠は俺に何かを確かめるように質問をする。恐らく、俺が考えていることを察しているのだろう。

 

「実は考えていることがあります。俺は人間である以上、寿命の関係で黒歌と白音の二人とずっと一緒に居ることは出来ません」

「そうだな。俺達人間と彼女達妖怪の間にはどうしようもない物だ」

「けど、悪魔に転生出来れば、それが出来ます」

 

俺の言葉に師匠は目を細める。

 

「【悪魔の駒】か。つまり一誠、お前はリアス・グレモリーの眷属悪魔になると言うことか?」

「はい、他に方法があれば良かったんですけど。どれも出来そうになくて」

「良いのか?君からすれば彼女達は両親の仇の仲間だ。それを――」

「彼女達と一緒に居ることに何か問題がありますか?」

 

俺は師匠の目を真っ直ぐ見つめる。

 

両親が死んでから随分と経った。あの日の事をいくら悔やんでも両親が帰ってくるわけじゃないし、両親もそれを望んではいないはずだ。

 

「俺は黒歌と白音が好きです。彼女達と一緒に居れるなら悪魔になるくらい、どうってことありません」

「……そうか。分かった、お前がそこまで言うなら俺は何も言わない」

「ありがとうございます。師匠」

 

師匠からの許しを得た俺は頭を下げる。

その後、時計を見て登校の時間が迫っているのを気づいた俺は少し急いで準備をして玄関で待っていた黒歌と白音と一緒に家を出た。

 

 

―――

 

 

駒王学園で一日いつも通り過ごして放課後。

 

生徒が各々帰る支度をする中、俺、黒歌、白音は廊下で珍妙な光景を見せられていた。

 

「……何となく予想できるが、何の用だ?元浜、松田」

 

俺は廊下のど真ん中で土下座をする二人に頬を引きつらせながら問いかける。

 

「お前に頼みがあるんだ。一誠」

 

最初に口を開いたのは松田。見た目爽やかなスポーツ少年で中学時代にあらゆる記録を塗り替えてきたスポーツ万能少年。なお現在はエロ目的で写真部所属、中学時代のライバル達はぶちギレて良いと思う。

 

「お前しか居ないんだ。一誠」

 

次に言ったのは元浜、メガネを通して女子の体型を数値化できる(しかもミリ単位で)特殊能力持ち。使い道が本当にないよなこの能力。

 

二人とも駒王学園に入学してからは【変態二人組】と呼ばれ女子から忌み嫌われている。そんな悪評の二人が公衆の面前で俺に恥も外聞もなく土下座を敢行している。

 

うん、正直に言うとめっちゃ関わりたくはない。周囲の生徒が可哀そうな目で俺を見てるし。

 

そして二人は顔を上げると大声で言い放つ。

 

「「俺達に女の子を紹介してくれ!!」」

「例え紹介できてもお前らじゃ無理だ」

「「そこを何とか!!」」

 

俺がそう断言するが二人は諦めきれないのか俺にしがみ付いてくる。こいつらどんだけ必死なんだ。

 

「やあ、一誠君。ちょっと良いかな?」

 

俺が変態共を引き離そうとしていると、この学校一のイケメン王子、木場祐斗が話しかけてきた。

爽やかなスマイルで学園女子のハートを射抜いている、クラスは違うけど同年代の男子だ、正体は悪魔だけど。

彼の登場に廊下、教室の各所から黄色い歓声が湧いてくる。相変わらずの人気だなぁ。

 

「木場か。何か用か?」

「リアス・グレモリー先輩の使いできたんだ。君達に話が聞きたいらしくてね」

 

やはりか。かなり性急だが話し早くて助かるな。

 

「分かった、俺はどうしたらいい?」

「僕についてきてほしい」

 

木場のこの言葉で周囲はざわつく。学園の二大お姉様と呼ばれるグレモリー先輩が俺達に用があるってのを聞いて驚いてるんだろう。

 

「木場君と兵藤君の……これは良い題材になるかも!」

「でも兵藤君は黒歌さんと白音ちゃんが居るわよ?」

「馬鹿ね!世の中にはNTRってものが存在してるのよ!」

「彼女持ちの彼氏を略奪するイケメン……ありね」

 

そうだよね?そうだと言ってよ……。

 

「……木場、早く案内してくれ」

「……うん、分かってる」

 

俺は周囲の腐海に目を逸らしながら木場に案内を頼み、木場は少し顔を引きつらせながら答える。恐らく俺の両隣に彼女達から不穏な空気を出しているのだろう。

 

「じゃ、俺はこれからオカルト研究部に行くから二人ともまた明日な」

「そんな一誠!」

「何でお前だけ!」

 

俺は変態共を引き離しながら木場に付いて行く。

 

俺達は周囲の好奇な視線(腐)に晒されながら旧校舎に向かう。その間、周囲の話を聞いた黒歌と白音は木場に警戒心を剝き出しにしながら俺に密着していた。

 

うん、大丈夫だから。俺も木場もそんな趣味は無いからね?

 

 

―――

 

 

駒王学園が誇るイケメン王子木場裕斗のあとに続きながら向かった先は校舎の裏手。

 

木々に囲まれた場所には旧校舎と呼ばれる、現在授業などで使用されていない建物があった。開校時に使われていた校舎なわけだが人気がなく不気味な佇まいなため、学園七不思議のネタにされることもあるそうだ。

 

それにしてはガラス一枚割れていないきちんと整備されている感じだ。

 

「ここに部長がいるんだよ」

 

木場の後ろについていき施錠もされていない旧校舎の入口を通る。二階建ての木造校舎を進み、階段を上がって二階の奥へ。

 

拠点として使用しているためか塵一つ落ちていないくらい清潔だった。

 

先導している木場の足が止まった場所はオカルト研究部とプレートのかかった教室だった。

 

「部長、連れてきました」

 

引き戸の前から木場が中に確認を取ると「入ってちょうだい」と返事がした。

中に居るのは2人か。

 

部室に入れば、内部は異様な空間だった。

 

至るところに謎の字が書き込まれ、紋様や数式が様々な塗料で描かれていた。中でも一番特徴的なのは、教室の中央から床全体に広がる巨大な魔法陣だ。

 

まさに魔法使いや悪魔の拠点に相応しい場所だが、これらにはどんな効果があるのだろうか?

 

『中央の魔法陣以外は見た目だけだな、つまりインテリアだ』

 

と思っていたら脳内でドライグが話しかけてきた。というかインテリアかよ。

 

『悪魔は基本派手好きで見栄っ張りな種族だからな、それっぽくしてるだけだぞ』

 

実用性ばかりより味があるから良いのかな?

さらにはソファーとデスク、仕事場も兼ねているのだろう。

 

シャー。と部屋の奥から水の流れる音がした。

 

いや正確にはしていたんだけど必死に意識を逸らしていたんだ。

視線を向けないようにしていたその先にはシャワーカーテン、誰か浴びているのか陰影が映っている。

 

「イッセー、見ちゃダメにゃ」

 

と、急に黒歌が両手で俺の視界を塞いだ。

 

しばらくして解放された俺の視界に映るのはシャワー室から出た完全には乾いていない艷やかな紅の髪をした美女(美少女?)であるリアス・グレモリー先輩がソファに腰掛けていた。

 

さらにはその後ろに控える女性、いつも笑顔で皆に接している黒髪ポニーテールの大和撫子と評判の姫島朱乃先輩だ。

 

「あらあらはじめまして、私、姫島朱乃と申します。どうぞ、以後お見知りおきを」

「これはどうも、兵藤一誠です。こちらこそよろしくおねがいします」

「私は兵藤黒歌だにゃ~。よろしくね」

「兵藤白音です。よろしくお願いします。姫島先輩」

 

丁寧な挨拶。けどこれは笑顔を浮かべているだけで警戒してるな。誰にも分け隔てのない人と聞いてはいたがそう装っているタイプか。

 

「これで全員揃ったわね。兵藤黒歌さん、兵藤白音さん、そして兵藤一誠君」

「「「はい」」」

「私たち、オカルト研究部はあなたを歓迎するわ。悪魔としてね」

 

リアス先輩のウインクしながらの言葉に、俺は綺麗な人だなとごく普通の感想を抱いた。




現時点の最大の問題、強化された一誠をどうやって悪魔に転生させたら良いんだ?
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