ベクターさんの華麗なる日々~甘口~   作:鮪薙

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週一だったり月一だったり


〝お掃除とベクターさん〟

 掃除、それは日常的に行うものでありしなければ部屋が汚くなるだけでなく、衛生面などからも問題が発生してしまう重要な作業。

 

 それはこの作品内もといエーアデントでも同じことなのは語るまでもないだろう。

 

「よいしょっと、小まめにやってるつもりだが溜まるもんだな」

 

「出入りが頻繁だもの、汚れやゴミ、埃が溜まるのも早くなるわよ」

 

 だからこそ週に一度はこうして本腰を入れて掃除をしている、なおこれを決めたのはネゲブさんである。曰く決めないと簡単な掃除だけ済ませて、どっかで泣きを見るに決まってるだろとのこと。

 

 これには指揮官もベクターさんも耳が痛いと認めるしかない。しっかりしてるとイメージされる二人だが日常だと割といい加減というか楽観的な部分があるから、まだ大丈夫でしょで痛い目を見るのは多々あったり。

 

 そんなこんなで1時間後、おおよそ掃除は済み開始前よりも綺麗になった担当箇所に指揮官は満足だと頷きながら

 

「ここはこんなもんか?」

 

「そうね、あとでネゲブにチェックしてもらいましょ」

 

「あら、指揮官に副官、そちらも今終わりましたの?」

 

 掃除道具を両手にカラビーナ、どうやら自身の担当箇所が終わり何処か手伝える場所はないかと彷徨っていたらしいが折り悪くというわけではないが二人の場所も終わってしまっているのを確認すれば

 

「むむ、皆さん今日はお早いのですわね」

 

「あまり遅いとネゲブにどやされるからな」

 

「カラビーナ、自室も終わってるのかしら?」

 

「当然ですわ、寧ろ自室なんで毎日のように整理整頓してますので数分程度でチョチョイのちょいってやつですわ!」

 

 フンスと胸を張る小さな令嬢を見て二人は微笑ましいものを見たという表情をしてから、そうかそうかと頭を撫でる。

 

 撫でられたカラビーナもエヘヘと嬉しそうに受け入れてから、即座に二人の手を払ってご立腹だぞお前という表情で

 

「しれっと人を子供扱いしないでくださいまし!!!!」

 

「ははは、すまんすまん、ついな」

 

「ごめんなさい、でも悪気があったわけじゃないのよ私も彼も」

 

「だからこそ怒ってるんですわよ!!!!」

 

 隙あらば人を悪気なしに子供扱いされる立場にもなってくださいませとカラビーナが訴えるがこのやり取り、実を言うと今日までに既に数十回にも及んでいる。

 

 やはりと言うべきか見た目が見た目なので指揮官やベクターさんからすれば丁度良く頭がそこにあるという形になり、そこに胸を張って得意げになられるとつい撫でたくなる衝動にかられてしまうのだ。

 

 ついでに言えば街の住人からも似たような扱いなので街でもこのやり取りが目撃される。なお、ネゲブはそういった子供扱いはしないのでカラビーナは割りと彼女に懐いているので週一の掃除の際も張り切ってるのが非常に分かりやすい。

 

「全くもう、それよりも他に終わってない所とかはありませんの?」

 

「とは言ってもな、俺らも今ここを終えたばかりだし……あぁそうだ、メカニックのところはどうだ?」

 

「そうね、あそこなら確実に終わってないと思うわよ」

 

「メカニックですか、確かにまだ見てなかったですわね。そもそもあまり近寄ったこともありませんが」

 

 曰く危険な気しかしないから近寄らないらしい。全く持ってそのとおりなのでベクターさんも可能な限りは行かないほうが良いかも知れないわねと答えるに留める。

 

 彼女らの名誉のために言っておけば、向かっただけで怪我するような危険地帯ではない。88式もステアーも最善の注意を払って開発しているし、仲間たちや指揮官を怪我させるような事は好き好んでするわけではない。

 

 ただ掃除となると色々と話が変わる、というのもメカニック組の拠点としている部屋は何があるのか分からないというのがあるからだ。

 

「……なんですのこれ」

 

「あちゃ~、こりゃ一段と酷いな」

 

「いやぁぁあああ!! 待って、待って下さい、それは使うんです!!」

 

「使ってねぇから埃被ってんだろうが!!!」

 

「違う、いつか使うから保管してる、だから捨てる必要はないだけ」

 

「数年単位で放置してるのならばそれは要らないって言うのよ」

 

 もっと端的に言おう、この二人はいつか使うだろうで捨てることをしないのである。しかもタチが悪い事に実際に改造などで使うことがなくはないので彼女たちの言葉も嘘ではないという点、なのでズルズルと捨てるタイミングを見失う。

 

 なのでネゲブによる強制執行が定期的に必要となる、今週はどうやらその日だったらしくネゲブとまた会計が知らされてない実験の予算要請が出てんぞどういうことだテメェらと乗り込んできた式自の二人によって強制執行が行われていた。

 

 これにはカラビーナは呆れるしか無く、ベクターさんと指揮官はタイミングが悪かったなこれはともう既に出る幕がないことを悟っていた。

 

「あ、指揮官! 助けて下さい、この二人まるで容赦がないんです!」

 

「このままじゃ部屋が更地にされる、助けて」

 

「うーん、まぁ整理したほうが作業がしやすくなるだろうし、な?」

 

「そもそも人を悪役にしてんじゃねぇぞおい、元を辿ればお前ら二人があれこれ溜め込むからだからな?」

 

 抗議の声を上げるもののネゲブのドスが聞いた声での反論に88式はヒンッと可愛い悲鳴を上げて敗北、式自に至っては今なお抵抗を続けるステアーを引き摺ってでも掃除をしていくさまにカラビーナはさてどうしたものかと考えてから

 

「ネゲブさん、私も手伝いますわ」

 

「あらそう、なら助かるけどそうね、あの辺りを頼めるかしら。とりあえず埃被ってて数年単位で放置してるのとかも容赦なく捨てちゃって」

 

「畏まりましたわ!」

 

「カラビーナちゃん、裏切るんですか!」

 

「裏切るも何も味方だったことはありませんわ」

 

 一体何を言ってるのだろうかこの人はと思いつつカラビーナもせっせと作業を手伝い、残されたベクターさんと指揮官は互いにどうしようかと言う感じで目線を合わせてから

 

「このまま眺めてるのもあれだし、手伝うか。88式とステアーの相手くらいはしておいたほうが良いだろうし」

 

「そうね、〝ボーッ〟としてたらネゲブの怒りの炎が〝ボウッ〟と燃えそうだもの」

 

「……今の流れで私が対象にされることあるのか、正直ビックリしたわ」

 

 ただ単純にメカニック組で思い浮かばなかっただけであるとベクターさんは素直に答え、答えは聞いちゃいねぇよとネゲブが返す。

 

 最後になるが医療班及び広報部はどうなのかとなるが片方は医療現場でもあるので基本的に清潔であり、後者は修羅場過ぎて無理だと返されるのであった。




娘ポジになりつつあるなカラビーナちゃん
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