エーアデントが改変で転移する地域に基本的に法則は存在しないが例外はあるにはある。
一つに一度転移した地域には最低でも一年は向かわないがある。少女曰く、同じ所は退屈だからと言う身も蓋もない理由なのだが。
二つ目に砂漠や南極、密林などなど極端な地域には飛ばない。流石に彼女も住民の命に関わるような地域に自分勝手に行くほど常識知らずと言うわけでない。
だがそれはそれとして少女は春夏秋冬というものを気にするらしく、時期に差し掛かるとその季節に沿った環境へ転移させる。
「今日はまた一段と暑いな……」
「えぇ、これはちょっと堪えるわ(あの娘、転移する場所を間違えてないかしら……)
させるのだが命に関わらない、或いはエーアデントで余裕をもって対処できる場合は問題ない判定らしく、稀に良く極端な気温を観測してる地域に飛ぶことがしばしばある、と言うか今がそうである。
転移早々にと言うわけではなかったが前兆はあった。あれ、なんか気温高くないこの辺と、だが気付けるのはベクターさんと少女だけでじゃあ猛暑になりそうだから他に転移も少女が許さないしやらない。
ま、これ以上は上がらないだろうとベクターさんは高を括ったのだがそこから一日経てば経つほどに右肩上がりに上昇する気温、夏とは言え上がり方がエグいと思うが時すでになんとやら。
「ふぅ、エアコンを止められんなこれは」
「迂闊に止めたら熱中症真っしぐらでPPSh-41に怒られることになるわね」
現状ですらエーアデントでは熱中症警戒情報を出した上で救急搬送などの連絡が上がるくらいには今現在の気温を物語っている。
最早これは猛暑などと可愛い言葉で済ませてはならない、言うなれば酷暑というべきじゃなかろうかとすら思われるくらいには。
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エーアデントとその周囲を自由気ままに見て回っている少女もこれにはマズイんじゃなかろうかと思い始めてた。だが転移するにはまだ期間があるし私がまだこの周りを見れてないからなぁという知的好奇心がある、どうするべきだろうか、少女は本気で悩み始める。
言っておくが彼女は別に自分本位ではない、むしろ改変周りの話を聞けば分かるように元々は全ての者が平和に過ごせるようが動機なほどには心優しい少女なのだ。
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結局の所は時間が必要であり、直ぐに対処できる問題じゃないしエーアデントの皆なら大丈夫だろうという結論が出たらしい少女はスイーっと移動を始める。
「あっづいですわ~」
非認識存在少女がエーアデント内を自由気ままに見て回ってる最中、パトロールに出ていたカラビーナは割りと真面目に深刻な問題に直面していた。
暑いのだ、この話だけで何度も出した話だが今日はそれはもう酷いくらいに暑いのだ。昨日辺りでもカラビーナは暑さにげんなりとしつつもパトロールをして人々の安全を守るのが令嬢ですわと気合を入れ直してまでやるほどだったというのに今日はどういうことだ。
その覚悟すらもカラビーナから根こそぎ奪い取っていくではないか、と言うかこのままだと私が危ない気がするのは気の所為ですわよねと日陰のベンチに座り込んで唸る。
「な、なんですの今日は……明らかに異常な気温の上がり方ですわよ」
これが俗に言う地球温暖化とかいうやつだろうか、だとしたら環境破壊もいよいよ来るべき所まで来ましたわねとゴチるがこの作品でも原作よりは大幅にマシとは言え環境以前の話である。
そこは置いておき、つまるところカラビーナは色々と限界だったのだ。彼女自身、夏というものを甘く見ていたという話もあるにはある、人形なので大丈夫だろうという油断もあった。
現実はその辺りの甘さを容赦無く貫いてくるとはつゆとも思わずに……まぁもっとも、彼女がオーバーヒートと言う名の熱中症寸前にまで追い込まれている主な原因は服装にあるのだが。
「うぅ、せめて服装はもう少し薄手にするべきだったでしたわね……」
何を思ったのか彼女は特に夏服仕様とかにしないでパトロールに出たのだ。ともすればこうなるのは必然とも言えるだろう、だがカラビーナは行けると思ったのだ、多分この娘ちょっと天然なんですよねとは誰の言葉だったか。
因みにエーアデント基地では夏日の時点で服装は変えましょうという放送が入るのでこれはカラビーナが全面的に悪い話だったりも。おそらくPPSh-41辺りが聞けば無言で脳天に一撃は確実だろう、その前に倒れるのが早そうだが。
「む? って、え、カラビーナさん!? どうして冬服で!?」
「んあ? あら、一〇〇式さんではありませんか、ごきげんよう」
「ごきげんようじゃないですよ、とりあえずコート脱いでください、倒れますよ!」
だが以外にも運があったようでベンチで溶けかけている所を発見した一〇〇式が慌てながら介抱するが籠りすぎている熱とフラフラな姿、なによりも本人は気づきようがなかったが目の焦点が怪しくなっているのを見て
「こちら一〇〇式、カラビーナさんが熱中症と言うかオーバーヒートでダウン寸前です至急、救護班を!!!」
《え、マジ? 了解了解、直ぐに向かうね~》
数分後、ベクターさんとPA-15が先着、少し遅れてから担架に乗せたタイミングで指揮官も到着、容態を聞けばとりあえず軽度の熱中症で済んでいるとのことで安堵する。
「やれやれ、まさかこの酷暑の中で通常仕様で出るとはな」
「カラビーナの事だから大丈夫と思っちゃたんでしょうけど想定以上の〝夏〟日にご覧の有〝サマー〟ってね、ふふっ」
「うぅ、なんだか少し寒いですわ……」
「幻覚だね~、医務長ー!」
「すぐに医務室にベッドに放り込んで冷やしておけば一時間もすれば復帰できると思います。では私は次の現場に向かいますのでこれで」
せっせと指示を出してからPPSh-41は医療機器を鞄に仕舞い込んでその場を去っていく、その姿と足取りに暑さなど感じてないと言わんばかりだと思わせるが実際何も感じてない。
それどころかこの手の猛暑の中、エーアデントで一番生き生きとし始めるのは医務長たるPPSh-41、だってそこら中で不調者が出てくるのだから……
実はもう予約投稿のストックが無くなってるという事実。
あと、昨日こっちに投稿したと思ったら、もう一つの作品の方に投稿してたと言うね。