対話不可能なシリコニアン製害悪資源採掘重機から青き清浄なる世界を守り抜く火葬戦記   作:ポンコツ資源採掘重機駆除業者

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定期的に武ちゃん逆行ものやBETAをチートで焼き払う作品を読まないと落ち着かない症状に悩まされていたワイ、ついに読む作品がなくなったので自ら執筆を決意!

というわけでつい勢いで書いてしまった拙作です……


アンリミテッド火葬戦記編
第一話


 

 

 

「資源採掘機械ごときが儂の管理宇宙を荒らすなど、万死に値する」

 

 髭もじゃの神が言った。

 お前は死んだと。

 

「未だ肉体という枷から脱却できていない劣等種族のシリコニアンの分際で高次元生命たる儂の領分を犯しおって」

 

 どうやらここは死後の世界らしい。

 空がピカっと光ったのは覚えている。

 たぶん俺の死因は落雷だろう。

 

「絶対に許さん」

 

 神は静かにキレていた。

 

「というわけで、並行世界から侵入して来たシリコニアン製害悪資源採掘重機をこの宇宙から排除するついでにうっかり巻き込んでしまった五百億の下等ではあるが知的生命の内の一人よ……お前にもう一度人生をやり直すチャンスをやろう。お前に復讐する機会を与えよう」

 

 神の背後には、巨大な目玉を持つ異形や巨大な前腕と皺だらけの醜い顔のように見える尾を持っているデカブツ。その他にも多種多様な生理的嫌悪感を覚えるデザインの生き物の映像が投影されている。

 

「BETAじゃねえか」

 

 映像に映っていたのはBETAだった。

 正式名称Beings of the Extra Terrestrial origin which is Adversary of human race(訳:人類に敵対的な地球外起源種)。

 

 平和な世界から地球外生命体との戦争で人類が滅びかけている並行世界に転移させられた主人公が、人型兵器を駆り絶望的な戦いに身を投じる「あいとゆうきのおとぎばなし」――マブラブオルタネイティヴに出てきた人類の敵の姿だった。

 

「儂が叡智を授けよう。儂が力を授けよう。その知恵と力で儂の気分を害した醜悪な見てくれのシリコニアン製資源採掘重機をぶっ殺してこい」

 

 神は傲慢に言い放った。

 並行世界に神様転生させてやるから代わりにBETAをぶっ殺してこいと。

 

 

 

 

 

 

 

 

 西暦1973年。

 日本帝国が世界に誇る巨大複合企業体――暁グループが保有している民間宇宙ステーション『メンデル』。

 

 その宇宙(ラグランジュポイント)に浮かぶ巨大構造物の中にある総裁室には、瞳の虹彩を金色に輝かせ、一見義手のようにも見える銀色の右腕を持つ二十代前半と思しき金髪の青年の姿。

 

 そう、この俺だ。

 

 俺の名前は有田(あるだ)フラガ。

 この民間宇宙ステーションメンデルを所有している暁グループの総裁であり、髭もじゃの神によってBETAが存在しているマブラヴ世界の確率時空へと送り込まれた転生者だ。

 

 神いわく、前世の俺が死んだのは並行世界からG元素を利用して侵攻してきたBETAを排除する際についうっかり巻き込んでしまったからだそうだ。つまり、俺が一度死んだのは実質BETAのせいなのだ。

 

 だが、有難くも慈悲深き髭もじゃの神は俺に人生をやり直すチャンスとBETAへの復讐の機会を与えてくれた。

 

 というわけで、確率時空の1932年にドイツ系アメリカ人と日本人のハーフとして転生した俺は、いずれ地球に来るBETAをぶっ殺すために幼き頃からテンプレチートオリ主ムーヴを開始。

 

 神から授かった未来予知などの超人的なESP能力(超感覚能力)や天才的頭脳を駆使し、十八歳で技術チート企業『暁電子(モルゲンレーテ・エレクトロニクス)』を創業した。

 

 その後は多方面に事業を展開。

 航空宇宙開発、通信、半導体、医療、製薬、遺伝子工学……と幅広い分野で対BETA戦に有用そうな技術を持つ他企業を多数買収し、世界中から選りすぐりのマッドサイエンティストたちをスカウト。

 

 宇宙開発競争で米ソに遅れを取っていた日本政府からの支援も受け、『暁電子』はいつしか航空宇宙分野を中心に日本を代表する巨大複合企業体『暁グループ』へと成長を遂げることができた。

 

 無論マブラヴ世界でBETAと並ぶ脅威――ウチ=ゲバへの備えも怠っていない。

 

 国内外の有力者たちと積極的にコネを作り、五摂家の中でも特に斑鳩家に近しい武家出身の妻と政略結婚。さらには極秘裏にこのメンデルでマッドサイエンティストたちと共に製造した人造ESP能力者たちを各国政府中枢に多数送り込んだりもしている。

 

 まあ、備えと言ってもあくまで内ゲバを起こさせない備えではなく、内ゲバが起きた時に素早く対処するための備えだが。

 

 内ゲバ大好きなマブラヴ世界の地球人類の内ゲバを防ぐなど、例え神の奇跡があろうと不可能だろう。

 

「失礼します、総裁」

 

 コンコンと部屋の扉をノックする音が響く。

 

「入れ」

 

 俺が許可を出すと、メガネの奥で瞳を金色に輝かせている紫髪の青年が総裁室へと足を踏み入れた。

 

 ちなみにこの秘書も人造ESP能力者だ。

 

 このメンデルで日夜研究に励んでいるマッドサイエンティストたちが、俺の遺伝子を利用して製造した個体の一人である。

 

 メンデル製人造ESP能力者たちは、皆脳量子波を利用して遠く離れた他者とも言語を介さず情報を交信できる脳波コミュニケーション能力。

 

 精神感応波を用いる高度な感知、読心、精神干渉能力。この世界ではフェインベルク現象と呼ばれるようになる未来予知能力。

 

 さらには俺以外の人類を遥かに凌駕する優れた身体能力、空間認識能力も兼ね備えている。

 

 いずれの能力も髭もじゃ神から直接力を授けられたオリジナルの俺の力に比べたら大きく劣化しているが、それでもこの世界のソ連が現在研究している人工ESP能力者たちの予想性能を遥かに凌駕している自信作だ。

 

 もちろん人造生命体あるあるの寿命が短命などという欠点もない。むしろ老化速度は大きく抑えられているから、俺以外の人類の三倍ぐらい長命である。

 

「報告を聞こう」

 

「はい。帝国軍から国産可能かつ有効な対BETA兵器について至急お話したいとのご連絡が」

 

「ほう、ようやくか」

 

 どうやら、我が社が前々から帝国軍に営業をかけていた新兵器の件で大きな進展があったらしい。

 

 もちろん、新兵器とはマブラヴを代表する兵器――戦術機のことだ。

 

「すぐにシャトルの手配をしろ。あと、本社地下基地に置いてある試作機のお披露目準備も整えておくように」

 

「かしこまりました」

 

 俺は秘書に指示を出し、地上に降りる準備を整える。

 

「楽しみだな。帝国軍や斯衛軍の連中の度肝を抜くの……」

 

 俺が手にした今回のプレゼンに使う予定の資料には、原作の『F-15J陽炎』に酷似した姿をしている巨大人型ロボットの写真が印刷されていた。

 

 とりあえず今回の商談では、我が社が宇宙開発で培った技術を活かして作ったG元素なしでも毎分800発発射できる電磁投射式速射機関砲(レールガン)を装備可能な試作戦術機を頑張って売り込む予定だ。

 

()()()()()()()()のための準備には、もう暫く時間がかかる。この機体にはそれまでの時間稼ぎをしてもらおう」

 

 

 

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