マブラヴ火葬戦記   作:ポンコツ資源採掘重機駆除業者

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長くなりそうなのでキリがいいところで一旦区切りました。
あと微グロ注意です……


第九話

 

 

 

 

 

 先に突入した国連軍、欧州連合軍、米軍部隊と合流し、補給物資を手渡した。

 

 ハイヴ内でも全機無事だった彼らだが、いずれの機体も弾薬と推進剤をかなり消耗していた。それだけハイヴ内の道が険しかったということだろう。

 

 先行部隊が補給している間に、帝国軍と俺たち斯衛軍の戦術機部隊は一足先に反応炉がある最奥へと向かった。

 

 俺たちが乗っている擬似太陽炉搭載機は推進剤や弾薬の補給が必要ない。

 

 擬似太陽炉が動いている限り推進剤と攻撃手段を兼ねているGN粒子を生成し続けることができるからだ。

 

 GN万能粒子様々だ。

 

 ただし、機体を守るGNフィールドやGNメガランチャーのような超火力兵器は粒子消費量が多い。

 

 機体各部に備え付けてある大容量コンデンサーに粒子を貯蔵しておくことで粒子切れを防ぐ工夫はしているが、無駄な消費は極力避けたい。

 

 GNフィールドなしでも機体装甲に採用されているEカーボンはかなりの強度を誇っている。それでもBETAの波に飲み込まれて絶えずタコ殴りにされ続けたら安全は保障できない。

 

『前方から突撃級群接近。隙間には戦車級及び未知の白い小型種多数!』

 

「跳躍してGNビームライフルで対処しろ。ただし、粒子残量には気を配っておけ」

 

『了解』

 

 跳躍した味方機から放たれたカラフルな粒子ビームの雨が前方へと降り注ぐ。

 

 猪のように突進してきた突撃級たちが、自慢の正面装甲ごと撃ち抜かれて肉片へと変わっていく。戦車級や白い小型種――兵士級の反応もその巻き添えで消滅した。

 

 それにしても随分と賑やかな光景だ。

 

 少しコストをかければ粒子の色をカスタマイズできると知った斯衛軍から、機体色だけでなく粒子の色も冠位十二階の身分に沿った色へと変えたいという要望を受けて思わず呆れたのを思い出す。

 

 擬似太陽炉の性能そのままで粒子の色だけカスタマイズしても機体性能は殆ど変わらないのに。

 

「上からも戦車級が降って来るぞ。GNバルカンで対処しろ」

 

『り、了解』

 

 天井から戦車級が出て来るのを予知したから、あらかじめ部下たちに指示を出しておく。

 

 少しばかり遅れて操縦席に警報が鳴り、地下茎天井から溢れてきた戦車級群が即座に手首のGNバルカンによる迎撃で蜂の巣になった。

 

 反応炉があるハイヴ中枢の大広間(メインホール)に行くには、地中を横に走る横杭(ドリフト)や横杭同士を繋ぐ広場(ホール)を踏破する必要がある。

 

 特に広場にいるBETAの数は多い。おまけに正面からだけでなく、天井や穴を掘って地下からもBETAの群れが湧いて襲ってくる。

 

 ハイヴ内では光線級が光線照射を行わないのがせめてもの救いだ。

 

 それでもGNフィールドがなければ既に何機かやられていただろう。

 

「反応炉は近い。ここからが山場になるぞ!」

 

 ビームサーベルを起動し、要撃級を両断しながら味方を鼓舞する。

 

『うおー、チェストーッ!』

 

『キィエエエェェーッ!!』

 

 俺に続くように気合いを入れなおした味方の前衛部隊もビームサーベルを抜刀し、行手を阻むBETAたちへと斬りかかる。後衛部隊の支援砲撃がカラフルな粒子ビームの弾幕でBETAの波を押し返し、やがて突破口が形成された。

 

「広場を突破する。我に続け」

 

 難所の広場を突破し、再び狭い横杭を突き進む。

 

 あと少し。あと少しで大広間だ。

 

 ただ、少し気になることがあった。

 

 掃討した小型種の中に兵士級が混じっていたことだ。

 

 原作では1995年頃から出現し始めた新種のBETA兵士級。

 

 捕食した人間や捕虜から削ぎ落とした肉片を再利用して作ったらしいこいつらがもう既に現れているということは……

 

「嫌な予感がするな」

 

 

 

 

 

 

 

 その嫌な予感は的中してしまった。

 

 

 

 

 

 

『な、なんだあれ……』

 

『あっ……ああ……』

 

『これが、全部……そうだって言うのか……?』

 

 横杭を抜けた先。

 先行した俺たちの視線の先には、広大な空間が広がっていた。BETAの気配はなく、床全体が不気味に発光している。

 

 おそらくここはハイヴ中枢。反応炉――このハイヴの頭脳級がある大広間の真上だ。

 

 その証拠に……

 

『に、にに……!?』

 

 空間の奥に異質な柱状の構造物が並んでいた。

 

 下層の反応炉から伸びているのだろう。林立しているそれらはいずれも中央部だけが不自然に膨らんでおり、そこだけが一際強く、青白く輝いていた。

 

『人間の……脳ッ!?』

 

 部下たちの悲鳴が聞こえてくる中、俺の網膜に、柱中央部の拡大映像が映し出される。

 

 青白く発光する液体の中には、脳と脊髄が浮かんでいた。

 

 他にも四肢をもがれ、瞳を閉じている男性の遺体。

 異形の触手が巻き付いている、頭部や胴を欠損させたまま虚な瞳で虚空を見上げている女性の遺体。

 

 いずれも、人の原型を留めているものの方が少なかった。

 

『な、な、なんのために……ここここんなことっっ!!』

 

 BETAに捕獲され、研究材料として弄ばれた捕虜たちの成れの果て。

 

『まさか、BETAが人間を……解剖して……』

 

 見るも悍ましい光景が広がっていた。

 

 原作知識のおかげで予め知っていた俺でも見ていて吐き気を催す光景だ。

 

 いきなりこれを見せつけられた他の衛士たちは、精神的に相当こたえているだろう。

 

 それでも、今は時間が惜しい。

 バッテリーで擬似太陽炉を動かしている俺たちの機体の稼働時間は限られているからだ。

 

「……サンプルの回収は帰路にて行う」

 

 俺は努めて平坦な声で指示を出す。

 

「帝国軍の戦術機連隊と合流次第、床をS-11で爆破して反応炉へと突入するぞ」

 

『……了解』

 

 改めて理解した。

 この戦争に負けは許されない。

 負ければBETAたちに惨殺されるか、目の前の捕虜たちのように身体中を弄ばれ、尊厳を踏み躙られるのだから。

 

「総員、傾聴……彼らへのせめてもの手向だ。反応炉を守るBETA共は一匹残さず駆逐しろ。灰も残さず焼き払え」

 

 

 





次回、火葬殲滅戦!

ちなみに兵士級が早く生まれたのは転生オリ主によってこの世界の技術水準が史実より上がり、中ソ連合軍が史実より十年ほど進んだ兵器でBETAに挑んで奮闘したせいです。

強化中ソ連合軍奮闘→あ号くんがそれに対処→史実より早く災害(人間)究明に力を入れる……とまあ多分こんな感じかと。

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