デビル・イン・ザ・フランドール   作:かるご

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ある少女への贈り物

比翼の鳥。

 

その鳥は、雌雄一対となって、初めて空を飛べる。

不完全な二人が、一つの命となって、初めて大空へ羽ばたく。

それこそが正しく、美しい生き方なのだと教えられた。

 

だけど──

もしも、最初から対になる存在を持たない鳥がいるとしたら。

片翼のまま、それでも死に物狂いで空を飛ばなければならないとしたら。

 

それはきっと、ひどく不格好で、孤独な飛翔かもしれない。

いつか力尽きて、冷たい大地へ堕ちていく、歪な命なのかもしれない。

 

けれど、それでも。

私たちはこの不完全な翼で大空にしがみついてみせる。

 

 

 

─────

 

 

 

やわらかな日差しが差し込むラウンジで、くつろいでいた少年少女たちの間にふと不穏なワードが投げかけられた。パートナー殺し──その言葉に首を傾げたフトシに対し、ゾロメが待ってましたと言わんばかりに身を乗り出す。

 

 

「それがさァ! その女にはツノと牙が生えてて、一緒に乗ったパラサイトは血を吸われてさ! 3回目には必ず命を落とすんだってよ!!」

 

 

自信満々に声を張り上げるゾロメだったが、周りの反応は冷ややかだった。パンを口に咥えたフトシは「うへ〜……乗りたくね〜」と嫌そうに顔を顰め、ミクは髪を指先で弄りながら「そんなのただの噂でしょ〜?」と取り合わない。

 

「ホントだって! 警備のヤツらが話してるのを聞いたヤツがいるんだよ!」

 

 

不満そうに口を尖らせるゾロメを他所に、イクノは静かに読書を続けながら、チラリと壁に寄りかかって端末を凝視しているイチゴへ視線を向けた。

 

 

「ヒロ、捕まったか?」

 

 

ゴローの問いかけに、イチゴは暗い顔でかぶりを振る。

 

 

「ダメ……何回も連絡してるんだけど……」

 

「なーなー、結局あいつってここに残んの?」

 

 

ゾロメの素朴な疑問に、フトシも手元のパンを見つめながら言葉を重ねる。

 

 

「今日の説明会にも出席してなかったし、これって拒否するってことだよね……」

 

「あのヒロくんが……なんか寂しいね。小さい頃から、私たちのリーダーだったのに」

 

 

ココロが悲しげに瞳を伏せると、本から目を離さないままイクノが呟いた。

 

 

「ナオミはフランドールのパイロットになれたんだし、残っていいと思うけどね」

 

 

すると、ミツルがわざとらしく大袈裟に両腕を広げてみせる。

 

 

「仕方ないでしょう。ヒロはパラサイトにもパイロットにもなれなかったことを気に病んで、皆に顔を合わせづらいんでしょうから。彼の気持ちを汲んであげましょうよ」

 

「……わざとらしい」

 

 

ミクが心底呆れたように吐き捨て、ゴローはイチゴに視線を送った。

 

 

「いいのか、イチゴ」

 

「……あのバカ」

 

 

イチゴは複雑な感情を押し殺すようにポツリと呟くだけだった。空気を変えるように、ツグミがふと思い立ったように口を開く。

 

 

「そういえばさ、ナオミがまだ戻ってきてないんだよね」

 

「探すのに時間がかかってんじゃない? あの子、すぐどっか行っちゃうからね」

 

 

ツグミの言葉に、イクノがページをめくりながら尋ねる。

 

 

「クロが気になるの?」

 

「そうなんだよぉ。クロは明日接続試験だろ? だから緊張してんのかなーって」

 

「いつも通りだったから、そんな緊張してないだろ」

 

 

ゾロメがあっけらかんと言うと、ツグミは「そうかぁ?」と首を傾げた。そのやり取りを、イクノは本を読みながら黙って静かに聞き流していた。

 

一方、緑豊かな森の中。クロを探し歩いていたナオミは、すっかり歩き疲れて木陰に腰を下ろしていた。

ポケットから端末を取り出して起動し、クロへ送ったメッセージ画面を開く。だが、一向に既読になる気配すらない。おそらく、向こうは端末の電源すら入れていないことに、ナオミは深いため息をついた。

最初からあまり期待はしていなかったものの、いざ何の反応もないとやはり少し寂しさが込み上げてくる。

 

少し休んだら、また探そう

 

ナオミはそう心に決め、深く呼吸を整えた。

 

 

その頃、当のクロは木陰で体育座りの姿勢のまま、気持ちよさそうに眠りこけていた。

ガサガサ、と草木が揺れる音に耳をピクリと動かし、クロはゆっくりと目を覚ます。眠気混じりの目を擦りながら腕をぐーっと伸ばすと、立ち上がってスカートについた砂や落ち葉を軽く手ではたき落とした。

一体どれくらい眠っていたのだろうとポケットから端末を取り出すと、ナオミからのメッセージが入っていることに気づき、目を丸くする。

 

ナオミに心配かけちゃったかなぁ……早く戻った方がいいかも

 

そう呟き、端末をポケットにしまって歩き出そうとした──その瞬間だった。

遠く湖の方角から、聞き慣れない不思議な声が響いてきた。気になってその方向へ足を向けようとした途端、ぐっと右手を強く掴まれる。

 

 

「うわっ!?」

 

 

驚いて振り向くと、そこには少し息を切らしたナオミが立っていた。

 

 

「……ここに、いたのね」

 

「ナオミ……! どうしたの?」

 

「明日はクロの接続試験でしょ? 緊張してないか気になって探してたの」

 

 

そう言われ、クロは少し首を傾げて考え込んだ後、「うん……緊張は、してるかな」と素直に明かした。

ナオミはクロにそっと寄り添うと、悔しそうな表情を浮かべる。

 

 

「入隊式と被っちゃったから、接続試験に立ち会えなくて……」

 

 

申し訳なさそうにするナオミに対し、クロは無邪気に笑ってみせた。

 

 

「仕方ないよ、パパ達が決めたことだもん。その分、入隊式でカッコよく見せてね!」

 

 

自分を励ましてくれる言葉に、ナオミは一瞬驚いたものの、すぐに愛おしそうに表情を緩めた。

 

 

「ふふ……ありがとう、クロ」

 

「うん! ナオミも頑張ってね!」

 

 

弾んだ声でエールを送るクロに、ナオミは温かな笑みを返した。

 

 

 

─────

 

 

 

翌日、静謐な式典会場。色鮮やかな赤いカーペットの上に、正装に身を包んだ少年少女たちがピンと背筋を伸ばして整列していた。

パラサイトたちはパートナー同士が互いに手を取り合い、絆の証である繋がれた指輪を光らせている。その両端には、パイロットたちが佇んでいた。周囲を取り囲む無機質な仮面をつけたオトナたちの視線、そしてカーペットの正面には、パパたちこと「七賢人」が座していた。

 

 

「見ろよ、オトナたちだ!」

 

 

胸を躍らせたゾロメが小さく叫ぶと、フトシも「うん! あんなにいっぱい……俺たちのために!」と興奮を隠せない様子で頷き合う。

直後、七賢人の首席がゆっくりと両腕を広げ、重厚な声を響かせた。

 

 

『幸運にも、パラサイト及びパイロットに選ばれし我がコドモたちよ!! 偉大なる君たちの先輩は都市を、民を護るために戦い、彼らは使命を全うした!! やがて我らオトナの一員として立派に羽ばたいていった!! 諸君も命を賭して鋼鉄の巨人と化し、襲い来る叫竜より護れ!! 命を燃やせ!! 四肢五体あますことなく、その血最後の一滴まで! 全ては人類のために!!!』

 

 

荘厳な宣言が空気に伝播する中、イチゴとナオミの意識は別の場所にあった。沈み込むような表情のふたりに気づいたゴローが、鋭くも低い声で注意を促す。

 

 

「式に集中しろ。パパたちが見てるぞ」

 

 

──数十分後。

 

無事に式を終えたコドモたちはパイロットスーツへと着替え、モノレールに揺られながらそれぞれの目的地を目指していた。車内では互いに言葉を交わしていたが、フトシが呟く。

 

 

「ヒロのヤツ、やっぱり来なかったなぁ……」

 

「けっ、ほっとけよ! あんな泣き虫ヤロー」

 

 

ゾロメが吐き捨てるように言い、ココロは「ヒロくん、どこに行ったんだろう……」とぽつりと心配を口にした。

その傍らで、クロはイクノの膝に頭を乗せて横になっていた。モノレールに乗って数分後、極度の緊張から急激に気分が悪くなってしまったのだ。

「うー……」と顔を顰めて呻くクロの頭を、イクノは優しく撫でる。

 

「大丈夫、うまくいくよ」

 

「そうだよ、クロなら絶対できるよ!」

 

 

近くに座るナオミも温かな笑みを向け、力強く励ました。

 

 

「そろそろ着くよ」

 

 

イチゴの声が響くと、ナオミとイクノは「頑張ってね」と言い残して立ち上がった。クロは二人の言葉を胸に深く刻み込む。

 

よし、私も頑張ろう!!

 

心の中で強く気合を入れてシートから立ち上がった。

プシューッと音を立ててモノレールの扉が開くと、ホームにはハチと一人のオトナが待ち構えていた。

 

 

「準備はできているな」

 

「ハチさん!」とゾロメが反応すると、ハチは冷徹な眼差しで告げる。

 

「ここからが本番だ」

 

「はい!!」

 

 

13部隊全員が顔を引き締め、気合の入った返声を揃えた。ハチは頷くと、クロへと視線を向ける。

 

 

「コード960、君は彼について行き格納庫へ向かえ」

 

 

一歩前へ出たオトナに応えるように、クロはキリッと表情を引き締めると、その背中を追って力強い足取りで歩み出した。

 

 

「残った者は、私について来るように」

 

 

ハチの指揮のもと、残された13部隊もそれぞれ踏み出していった。

 

 

 

─────

 

 

 

地下最深部の格納庫。そこに鎮座していたのは、水色の装甲が一部施されただけの、機械的な鉄の塊だった。

 

 

「これが……フランドール……」

 

 

クロは静かにそれを見上げた。

地上にあるフランクスのような女性を模した意匠は薄く、骨格となるフレームが剥き出しのまま露出している。頭部や四肢の一部には装甲が取り付けられておらず、技術者たちが忙しなく周囲を取り囲んで作業を続けていた。未完成の、ただ戦闘機能のみを優先して急造された単体防衛兵器。それが目の前の機体の特徴だった。

 

 

「衣服を改め、速やかに操縦席へ」

 

 

近くにいたオトナの指示に従い、クロは専用のヘッドギアを装着し、ステイメンとピスティルのものを合わせたようなスーツに身を包んで狭いコクピットへと滑り込んだ。

シートに深く腰を下ろす。

スーツの背部に取り付けられた接続機を、背もたれの機械へ向けて押し込む。

 

──カシャリ

 

響いたのは、重々しくない、あまりにもアッサリとした軽い金属音だった。

 

 

「これより、コード960の接続試験を開始する──」

 

 

作業用の音声が響いた、まさにその瞬間だった。

 

 

ウゥゥゥゥゥン!!!!

 

プランテーション全体を揺るがす、けたたましい非常警報が鳴り響いた。

モニターに映し出された地上の映像。そこには、突如として現れた巨大な叫竜の姿と、その直撃を受けて壊滅していく式典会場が映っていた。

 

 

「叫竜だと……っ!?」

 

 

騒然とする格納庫。クロは、未知の機体が吹き飛ばされるのを横目に、モニターの隅に映る、今まさに起動の儀の最中だったフランクスたちの姿を捉えた。

 

あれってイチゴたちのフランクス?……このままじゃ、みんなが……!

 

クロの脳裏に、ツグミやナオミ、それから13部隊のみんなの顔がよぎる。

 

 

「フランドールを起動させて」

 

 

クロは近くのオトナへ向けて静かに告げた。

 

 

「待て、コード960! 試験を介さない接続は危険だ。機体も未完成であり、最悪の場合、脳が焼き切れて死に至る!」

 

 

オトナからの強い制止の声が響く。だが、クロの目は揺るがない。

 

 

「お願い、起動して」

 

 

その引き下がらない態度に、管制室のオトナたちは一瞬だけ手を止めた。クロの確固たる意志に押されるように、一人が操作パネルへ向かう。

 

 

「……わかった。起動プロセスを補助する。システム、直結」

 

 

次の瞬間、クロの全神経に、限界を超えた濁流のような情報量が直接流れ込んできた。

 

 

「があああああああッッッ!!!」

 

 

頭が真っ二つに割れるような激痛。視界が真っ赤に染まる。耐えがたい負荷に、クロの片方の鼻から、たらりと熱い血が流れ落ちた。

コクピットを管理するオトナたちが、絶叫を上げるクロの様子を数値から見て取り、青ざめて心配の声を張り上げる。

しかし、クロは狂乱に陥ることはなかった。激痛の濁流に呑まれそうになりながらも、その表情は冷徹なほどに落ち着きを取り戻していく。

 

 

「........大丈夫」

 

 

クロは心配するオトナたちへ向けて、静かに一言だけそう告げた。

意識の深淵を執念だけで繋ぎ止め、操縦桿を握る手に力を込める。完全にその異質なシステムを御してみせた彼女は、目の前のレバーを静かに押し込んだ。

 

 

「行くよ、グラジオラス」

 

 

 

─────

 

 

 

地上では、危機が迫っていた。

突如として現れた叫竜の猛威の前に、イチゴやゴロー、そして他のみんなもすでにフランクスから降り、生身で地上へと避難していた。彼らは息を呑みながら、間近に迫る叫竜の圧倒的な恐怖を地上から見上げ、その様子をただ伺うことしかできない。

叫竜は、動けないストレリチア──ではなく、イチゴたち目がけて猛然と突撃してくる。

 

 

「危ない、イチゴっ!!」

 

 

ゴローの叫びが響く。間に合わない――誰もが死を覚悟した。

 

ドゴォォォォォンッッ!!!!

 

直後、凄まじい爆発音とともに、大地が内側から激しく爆破、突破された。

猛烈に舞い上がる土煙と瓦礫を切り裂き、地下の格納庫から飛び出してきたのは、美しき女性像の面影すらない、グレーのフレームが剥き出しになった未完成の謎のフランクスだった。

 

 

「な、に……あの、機体……!?」

 

 

イチゴが驚愕に目を見開く。

その謎の機体は、着地と同時に激しく地を滑り、叫竜の懐へと潜り込むと、装甲のない鉄の拳をその巨大な顔面へと容赦なく叩きつけた。

 

ガガァァァンッ!!

 

凄まじい衝撃音とともに、叫竜の巨体が横ざまに殴り飛ばされる。

 

 

「……すごい、私の身体みたい……」

 

 

コクピットの中で、クロは片鼻から血を流しながらも、ふっと訪れた奇妙な一体感に静かに唇を震わせた。鉄の塊を動かしているのではない。グラジオラスという巨体が、そのまま自分の肉体に溶けていくような、静かな全能感と心地よさ。

 

 

「これ、が......フランドール.....」

 

 

微かな笑みを浮かべた直後、激痛の反動と過負荷が限界を迎え、ガク、とクロの意識は急速に深い闇へと落ちていった。フランドールはそのまま、糸が切れた人形のように停止した。

だが、その一撃が決定的な時間を稼ぎ出した。

フランドールが頽れた直後、地上の光の中で、あの未知の機体――ストレリチアが真の覚醒を果たす。赤い獣のような姿から、眩い黄金の槍を携えた本来の姿へと変貌を遂げたストレリチアは、圧倒的な力で叫竜を貫き、完全に撃破した。

 

 

 

─────

 

 

 

プランテーションを、黄金色の夕日が美しく染めていく。

叫竜を完全に討ち果たしたストレリチアのコクピットから、ヒロとゼロツーが姿を現した。

 

 

「ヒロ……!?」

 

「あの女の子はだれ?」

 

 

13部隊のコドモたちは、驚きと混乱が入り混じった表情で、互いに顔を見合わせながら声を震わせる。乗れないはずだったヒロが機体を動かした奇跡への驚嘆と、角の生えた見知らぬ少女への困惑が、地上の空気を重く満たしていた。

その華やかな光の影で、ハッチを開けられたフランドールがあった。

 

 

「クロ、起きなさい、クロ……」

 

 

ナナは優しく寄り添うように声をかけ、そっとその肩を揺り動かした。クロはうっすらと目を開けた。

 

──カシャリ。

 

再び、あの優しさのないアッサリとした軽い音を立てて、背面の接続機が外される。

 

 

「みんなのところへ戻りましょう。歩けそう?」

 

「……足は大丈夫。ありがとう、ナナ姉……」

 

 

フラフラとした足取りで、フランドールから降り、地上の地面を踏みしめる。

そこに、異変に気づいた仲間たちが集まってきた。

 

 

「クロ! 大丈夫!?」

 

 

一番に駆け寄ってきたのは、ゴローやココロたち、優しいコドモたちだった。彼らはクロの姿を見て一瞬驚いたものの、過度に引きずることはせず、心配そうにその顔を覗き込んだ。

クロの片鼻からは、大量に流れ出て乾いた、黒ずんだ血の痕が痛々しく残っていたのだ。

 

 

「……え、何…?私は大丈夫だよ?」

 

 

気絶から起きたばかりのクロは、みんなが一気にこちらへ来たことに少し戸惑っている様子で、視線を泳がせながら、ナナが貸してくれたティッシュで血を拭きとった。

 

 

「初めての接続試験で無茶しやがる。」

 

「本当よ。でも、無事で良かった」

 

 

続いて歩み寄ってきたツグミとナオミも、驚きはしたものの過剰に引くことはなく、心からの安堵が混ざった視線をクロに投げかける。同じ過酷な試験を乗り越えた「パイロット」だからこそ、その痛みが分かるのだ。

 

 

みんながクロを取り囲み、無事を喜び合う輪。

その温かい光から、少し離れた影の中で、イクノだけは胸元でぎゅっと拳を握りしめていた。誰よりも強く、張り詰めた眼差しでクロを見つめるその瞳には、隠しきれない動揺と複雑な感情が滲んでいる。

 

 

「イクノ……?」

 

 

その異変に気づいたイチゴが、心配そうに顔を覗き込んだ。

ハッと我に返ったイクノは、すぐに視線をそらし、

 

 

「……別に。なんでもないわ」

 

 

と、気にしていないふりをして、いつもの冷めた表情に戻ってみせた。

夕日の中、仲間たちの輪の真ん中で、クロは自分の手のひらを見つめていた。その隣には、心配そうに寄り添うツグミとナオミの姿がある。

まだ、フランドールを動かした時の、あの脳を焼かれるような熱い感覚が、残っている。これさえあれば、まだみんなといられる。

二人乗りのフランクスに乗れなかった元落第生たち。

夕暮れに並び立つ少年少女たちの戦いが、ここから始まる。

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