司令室でモニタに映し出されるイチゴたちの訓練風景を見守っていたナナの手元で、専用端末が鋭い着信音を鳴らした。
通話を開き、相手からの言葉を神妙な面持ちで聞いていたナナが、内容を確認するように小さく呟く。
「……実機での起動テスト、ですか?」
やがて日没とともに訓練は終了し、フランクスやフランドールたちは次々と駐機ドックへと格納されていった。
コドモたちはすでに機体から降り立ち、軽い疲労感を漂わせながら駐機ドッグ内を歩いていた。その最中、ツグミが思い出したようにクロへ視線を向けた。
「ナオミから聞いたんだけどさ。お前、コネクトする時本当に何も感じなかったって本当か?」
「本当だよ! 痛くも痒くもなくて、本当に何も感じなかった」
「マジかよ……凄えな、クロ! たった一回の搭乗でそこまで機体に馴染むなんてよ!」
ツグミが心底感心したように声を張り上げると、褒められたクロはすっかり調子に乗り、えへんと両腰に手を当てて胸を張った。
「ふふん、でしょ〜?」
誇らしげなクロの横顔を、ナオミは微笑ましそうに見つめていた。少し打ち解けた様子のクロに何か声をかけようとした、まさにその時──
「ねえ、教えて!」
ピンと張りつめたイチゴの叫びが廊下に響き渡り、クロたちは思わず一斉に振り返った。
視線の先には、今朝の食堂でも異彩を放っていたピンク髪の少女──赤色のツノを生やしたピスティル、ゼロツーが佇んでいた。
「あ、あのピスティル……」
ポツリと漏らしたクロに、ツグミがハッと思い出したように顔を近づけ、声をひそめる。
「そういえばクロにはまだ言ってなかったな。あの子と乗ったステイメンは、3回目には必ず命を落とすっていう……『パートナー殺し』のピスティルなんだ」
「パートナー殺し……それが、あの人?」
クロが小さく指をさして尋ねると、ナオミが静かな声で言葉を添えた。
「そうよ。ナナさんが言っていたけれど……あの子には叫竜の血が流れているそうなの」
「きゅうりゅうの、ち……?」
聞き慣れない言葉に、クロはピンと来ない様子で首を傾げた。
一方、正面から対峙するイチゴは、真っ直ぐにゼロツーの瞳を射抜いていた。
「どうしてヒロなの?」
ゼロツーは口に咥えていた棒付き飴をゆっくりと手に持ち替え、首を軽く傾ける。
「ヒロ……? それって、僕のダーリンのこと?」
「……またその呼び方」
イチゴは不快感を隠さずに眉をひそめ、言葉を重ねた。
「あの時、叫竜を倒してくれたことには感謝してるわ。でも……これ以上ヒロに関わるのはやめてほしい!」
「なんで?」
興味なさそうにあっけらかんと聞き返すゼロツーに、イチゴは強い口調で畳みかける。
「あなたはうちの隊じゃないから。どうせ居なくなるなら……ヒロにヘンな期待をさせないで!」
「へえ〜……」
ゼロツーの表情に、フッと挑発的な笑みが浮かぶ。
「君、ダーリンの何なの?」
ゼロツーが一歩、足を進めて距離を詰める。
「……この隊のリーダーだよ」
イチゴが凛と応じると、ゼロツーはさらに顔を近づけ、イチゴの表情を覗き込むようにして鼻腔を鳴らした。ふっと息がかかるほどの至近距離で匂いを嗅がれ、イチゴはわずかに耳を赤くしながらも、意地で視線を逸らさない。
その直後──ゼロツーはペロリと、イチゴの頬を舌で舐め上げた。
「ッ……!?」
唐突で奇怪な感触に、イチゴは引きつった短い悲鳴を上げて思わず頬を押さえる。
ゼロツーは困惑するイチゴの反応など意にも留めず、己の唇を軽く湿らせて味を確かめるように微笑んだ。
「……甘いね。嫌いじゃないよ」
それだけを言い残すと、ゼロツーは気まぐれな猫のようにその場を去っていった。
去っていく背中を見送りながら、ナオミは不快そうに眉をひそめ、ツグミは(なんだアイツ……)と不気味さに心の中で呟く。そしてクロもまた、二人の反応と同じように、捉えどころのないその赤髪の少女へ疑問の視線を向け続けるのだった。
─────
翌朝、陽の光が差し込む寄宿舎の中庭では、フトシとゾロメがサッカーボールを蹴り合って遊んでいた。
「俺たち、ちゃんと戦えるようになるのかな。あの叫竜ってヤツに……ヒロが乗ってたフランクスみたいに」
ぽんと浮かせたボールを、フトシがゾロメへとパスする。足先で器用にリフティングを続けながら、ゾロメは鼻で笑った。
「はあ? 言っとくがあれは、乗ったうちに入んねえよ! 落ちこぼれのアイツに動かせるわけねえだろ」
「でも実際、動いてたじゃん。パパたちもなんかヒロのこと気にかけてるみたいだし」
折り返されたパスを受け取り、フトシも首を傾げながらリフティングを重ねる。
ゾロメが何か言い返そうとしたその時、近くの柱に背を預けていたミツルが、どこか見下すような冷ややかな声を挟んだ。
「聞けば、あのゼロツーというピスティル、一人でもフランクスを動かせる特殊体質みたいですよ。みなさんもご覧になったでしょう、あの四足歩行の異形を。つまりヒロは、ただあれに乗せられていただけに過ぎないということです」
それを聞いたゾロメはリフティングをピタリと止め、ミツルの方へ向き直った。
「ほーら見ろ! アイツに先越されたなんて、俺は絶対に認めねえぞ!」
勝利を確信したように腕を組むゾロメ。その少し離れた日陰で二人を眺めていたツグミが、ふと疑問を口にする。
「……本当か? 一人でフランクスを動かすなんて危険すぎるって、前に聞いた気がするが」
「あれだけの重傷を負っていながら、昨日の朝にはすでに完治していました。仮に傷だらけになったとしても翌日にすぐ回復するのなら、一人で機体を動かすことなど余裕ということです」
ミツルは淡々と持論を述べるが、ツグミは腕を組んだまま、昨日の駐機ドックや食堂で見せたゼロツーの雰囲気を思い返し、(そうか……? 本当にそうなのか?)と胸の引っかかりを拭えずにいた。
その時、中庭の通路を通りかかったヒロの姿がゾロメの視界に入る。
「あんまり調子こいてんじゃねえぞッ!」
ゾロメは意地悪な笑みを浮かべると、リフティングしていたボールを思い切りヒロに向けて蹴り飛ばした。
ズドンッ、と鋭い音を立ててボールがヒロの背中に命中する。
「うおっ……!」
抱えていたタオルを地面に落とし、ヒロはその場によろめいた。跳ね返ったボールが高く空へと舞い上がる中、フトシは予期せぬ出来事に呆然と立ち尽くす。
「ビンゴォ! 俺様スゲー!!」
悪びれる様子もなく大はしゃぎするゾロメ。だがその直後──
「おいッ!!」
怒気を孕んだ低い叫びが中庭に響き渡った。振り返ると、ツグミが激しい怒りを露わにしながら大股でゾロメへと迫ってくる。
しかしゾロメは臆するどころか、不満げに眉をひそめて向き合った。
「なんだよ?」
「お前、あのピスティルが来てからヒロに突っかかることが増えてたが……なんでそうやって邪魔ばっかりするんだ!!」
「はあ!? お前、女にただ乗っけてもらっただけの泣き虫野郎を庇う気かよ!?」
ゾロメの言葉に、落としたタオルへ手を伸ばしかけていたヒロの動きがピタリと止まる。
一方、ツグミはゾロメの言葉に怒りを通り越して心底呆れたような溜息を吐いた。
「お前……自分が下だからって、上にいるヒロを強引に下げようとしてんのか? 無様で見てらんねーよ」
「あぁ……!? なんだよ、やんのかぁ!?」
決定的な一言に頭に血が上ったゾロメは、強い力でツグミと額をぶつけ合わせた。
「やってみろよ……!!」
「上等だこらァ!!」
掴み合い、今にも殴り合いへ発展しようとしたその絶妙なタイミングで、イチゴとゴローが中庭へと駆け込んできた。
「ちょっと! 何やってるの!?」
「おいおい!!」
焦ったゴローが即座にゾロメの背後に回り、羽交い締めにして力任せに二人を引き離す。イチゴも「止めなって!」とツグミの前に立ちはだかるが、頭に血の昇ったツグミに声は届かない。
「ゴロー!! そのまま押さえてろ!! 俺がコイツの性根を叩き直してやるッ!!」
ツグミは腕をグルグルと回しながら強烈な一撃を叩き込もうとする。
(いや、そんなつもりで押さえてないぞッ!?)
暴れるゾロメを必死に抑え込みながら、ゴローは心の中で叫んだ。ヒロも慌ててツグミの制止に入ろうとするが、完全に周りが見えなくなっているツグミを止めきれず、誰もが殴り合いを覚悟した──その時だった。
「ツグミィィイイイ!!!」
林の奥から、叫び声が響き渡った。
驚いてヒロとイチゴが振り向くと、そこには猛烈な勢いでこちらへ全力疾走してくるクロの姿があった。
危険を察知した二人が瞬時に脇へ飛び退いた直後──
「止めなさあああああああああいッ!!!」
疾走の勢いをそのまま乗せた、渾身の飛んで火に入るドロップキックがツグミの肩口へとダイレクトに突き刺さった。
「ぐうっ……!!?」
激しい衝撃に顔を歪めたツグミは、そのまま数メートルほど吹っ飛んで地面を転がり、肩を押さえて悶絶する。
鮮やかに受け身を取ったクロは、周囲の安全を確認してから素早く立ち上がり、肩を押さえて倒れ込むツグミのもとへ駆け寄った。
「ごめんね、ちょっと強く蹴りすぎちゃったかも……大丈夫……?」
「ぐっ……あ、ああ……大丈夫だ……」
痛みに耐えながらなんとか起き上がったツグミは、深呼吸をして荒い息を整えた。
「すまん……怒りで頭に血が上って、また周りが見えなくなった」
頭を冷やしたツグミは、助けに入ってくれたヒロ、ゴロー、イチゴ、クロ、そして殴りかかりそうになったゾロメへ向けて素直に頭を下げた。
ゴローたちはホッとしたように表情を緩めたが、ゾロメだけは「けっ!」と不機嫌そうに鼻を鳴らし、ぷいと視線を逸らす。
その一連のやり取りの中、ヒロはゾロメが吐き捨てた言葉を何度も脳裏で反芻していた。悔しさに俯き、握りしめた拳にぐっと力を込める。
「……チャンスさえあれば、俺だって……!」
絞り出すようなヒロの呟きを、隣にいたイチゴは聞き逃さなかった。胸を痛めるような眼差しで、静かにその名を呼ぶ。
「……ヒロ」
その時、イチゴのポケットの中で通信端末が甲高い着信音を鳴らした。端末を取り出して画面を確認したイチゴが呟く。
「ナナ姉からだ」
通話を繋ぎ、短いやり取りをいくつか交わしたあと、イチゴは端末を閉じた。
「何だったの?」
尋ねるヒロに、イチゴは全員へ聞こえるように声を張り上げた。
「全員、19時にブリーフィングルームに来てって。何か話があるみたい」
─────
ブリーフィングルームに集まった13部隊のメンバーたち。モニターの前に立つナナとハチからの言葉を聞き、幾人かが驚きに目を見開いた。
「……俺とクロが、実機で模擬戦ですか?」
ヒロが呟くと、ナナが「ええ、そうよ」と穏やかに頷く。続いてハチが、感情の起伏を感じさせない淡々とした声で補足した。
「内容次第では正式なパラサイトに、960の場合はフランドールの正規パイロットとして選出することも検討している」
「……!」
ハチの言葉に、ヒロの顔に思わず歓喜の色が浮かぶ。後ろに控えていたゴローが「やったな、ヒロ!」と小さく肩を叩くと、ヒロも噛み締めるように笑みを返した。
一方、クロもパッと表情を輝かせる。となりにいたナオミから「やったね、クロ!」と声をかけられると、「うん!」と元気に首を縦に振った。
「では、016のパートナーだが──」
ハチが指示を出しかけたその時、部屋の入り口に立っていたゼロツーが軽やかな足取りで割り込んできた。
「僕が行くよ」
「ゼロツー……!」
ヒロが驚きと嬉しさの混ざった声を上げると、ゼロツーは満足げな笑みを浮かべてヒロを見つめた。
「だって、僕のダーリンなんだからさ」
その甘い言葉に、イチゴがすさまず手を挙げた。
「待ってください!」
毅然とした声を上げたイチゴは、真っ直ぐにハチたちを見つめる。
「パートナーは、私にやらせてください」
「イチゴ……?」
戸惑うヒロを余所に、イチゴは凛とした口調で言葉を重ねた。
「彼女は私たちの部隊の所属ではありません。それに、ヒロの適性を見るだけなら……アタシがパートナーでも良いはずです」
「フッ……それならイチゴである必要も無いでしょう」
腕を組んだミツルが、皮肉めいた嘲笑を浮かべて会話に割り込む。
「第一、ゴローというパートナーがありながら、ヒロとも乗るだなんて」
ミツルの言葉に、イチゴは思わずゴローの方へと視線を向けた。だがゴローは苦笑いを浮かべながら、気にしないでと言わんばかりにひらひらと手を振ってみせる。
不穏な空気を察したナナが、「こーら、勝手に喋らないの」と軽く場を宥めた。
「ゼロツー。ストレリチア使用の許可は、本部から降りていないわ。だから今回のヒロのテストは、この中の誰かに頼むことになるの」
「な〜んだ、つまんないの」
ゼロツーは肩をすくめて立ち上がった。
「まあいいよ、まだこの前の怪我が癒えてないしね」
ヒロは「え、ちょっと……!」と思わず声を上げた。昨日すでに傷一つなく治っている姿を見ていただけに困惑するが、ゼロツーは気にする様子もなくゆっくりとイチゴの元へ歩み寄る。
イチゴは思わず、昨日舐められた頬へ手を当てて身構えた。しかしゼロツーは気まぐれに微笑むと、イチゴの肩へぽんと手を置く。
「じゃあ、君に譲ってあげるよ。やってみるといいさ」
そして耳元へ顔を寄せ、密やかに囁いた。
「……ダーリンによろしくね」
そのまま、ゼロツーは振り返ることなくブリーフィングルームを去っていった。イチゴはその背中を強い視線で睨みつける。
「……じゃあイチゴ、任せるわね」
「……はい」
ナナの確認にイチゴが力強く頷く。出ていくゼロツーへヒロが「ゼロツー……」と声をかけるが、その呼びかけが届くことはなかった。
ハチは一連のやり取りを気に留める風もなく、次の議題へと移る。
「では、まずこの中で016と015の相手を買って出る者は?」
「はいッ!!!」
ハチの問いが終わるか終わらないかのうちに、ゾロメが勢いよく手を挙げた。
「げぇッ!? ちょっと、何勝手に──」
パートナーのミクが嫌そうに声を上げるが、ゾロメは興奮気味に「あいつらに俺様の実力を見せてやるんだよ!」と意気込む。ミクは一瞬イチゴに視線を向けた後、意を決したように手を挙げた。
「……やります」
「決まりね」とナナが頷き、ハチが続けて問いかける。
「では次に、090の相手を買って出る者は?」
「クロはパイロットだから、出来れば同じパイロットにやってもらいたいわ」
ナナがそう付け加えた直後、ツグミがすっと手を挙げた。
「俺がやる」
「ツグミ、大丈夫なの……?」
ブリーフィングルームへ来る途中で右肩を擦っていたのを見たナオミが心配そうに尋ねるが、ツグミはニッと軽く笑ってみせた。
「怪我は大丈夫だ、このくらいなんてこと無い。……ただ、今は気持ちを晴らしたいんだ。八つ当たりみたいになっちまって悪いがな」
申し訳なさそうにするツグミに、クロはあっけらかんと笑い飛ばす。
「全然大丈夫だよ!」
「そうか……」
クロの明るい返答に、ツグミは少し気恥ずかしそうにはにかんだ。
「じゃあ、これで決まりね」
「模擬戦は明朝に行われる──」
ハチが締めくくろうとしたその瞬間、ゾロメが勢いよく立ち上がった。
「はいはいはーい!! 今すぐやらせてください!!」
待ちきれないと言わんばかりのゾロメに、ハチは手元の端末を一瞥し、冷静に告げた。
「……では、10分後に行う」
─────
ブリーフィングが終わり、男子棟の部屋へと戻ったヒロとゴロー。
ゴローは普段かけている眼鏡を外し、クロスで丁寧にレンズを拭きながら「ゾロメの奴、あんだけ悔しがってたんだな〜」と苦笑交じりにぼやいた。
その言葉を聞いたヒロは、申し訳なさそうに視線を落とす。
「……ごめん。イチゴは、ゴローのパートナーなのに」
ゴローは拭き終えたレンズを光にかざして確認しながら、ヒロの言葉を優しく受け止めた。
その時、ヒロのポケットの中で端末の着信音が響く。
「準備できたって?」
眼鏡を掛け直したゴローが尋ねると、ヒロは端末の画面を確認し、「うん」と小さく首を縦に振った。
「……じゃあ、行ってくる」
ヒロが立ち上がり、部屋の扉へと歩き出す。その背中に、ゴローが「おう、後でな」と声をかけた。
そして扉に手をかけたヒロに、ゴローはやれやれといった雰囲気で言葉を足す。
「ヒロ、気にすんなよ。あいつ、一度言い出すと聞かないからさ〜」
その気遣いに、ヒロの表情が一瞬柔らかくほころぶ。だが次の瞬間、その瞳には強い決意の光が宿っていた。
「俺……このチャンスを絶対にものにしてみせる……!」
ヒロの内に秘めた強い情熱を感じ取ったゴローは、温かい笑みを浮かべて深く頷いた。
「ああ、お前ならできるよ」
ゴローの励ましを背に受け、ヒロは力強い足取りで部屋を後にした。
一方、女子棟の部屋では、クロとナオミが静かに言葉を交わしていた。
「これで良い成績出したら、正式にパイロットになれるんだね!」
「そうね」
ナオミが優しく頷くと、クロは少し興奮気味に身を乗り出した。
「それってさ……みんなと一緒に居られるって事だよね!」
「ふふ、そうだね」
どこまでも無邪気でストレートなクロの言葉に、ナオミは微笑ましそうに目を細めた。すると、ふと思い出したようにナオミが尋ねる。
「そういえば、ツグミが右肩を抑えてたけど……どうしたの?」
「あ、それね!」
クロは今朝の中庭で起きた出来事——怒りのあまり周りが見えなくなったツグミに全力のドロップキックを叩き込んだ一部始終を身振り手振りで説明した。
「そんなことがあったの……!?」
静かに目を見開いて驚くナオミに、クロは「うん」とうなずく。
「見つけた時は本当に焦ったよぉ。ツグミって怒ると、よく周りが見えなくなっちゃうからさ〜」
「そっか……全然知らなかった」
感心したように呟くナオミの横で、クロのポケットから電子音が鳴り響いた。
「準備、できたの?」
「うん、そうみたい!」
端末を確認してポケットにしまうと、クロはパッと立ち上がって扉へと向かった。
その背中へ、ナオミが真っ直ぐな視線を送る。
「クロ、頑張って!」
力強いエールを受けたクロは振り返り、満面の笑みを咲かせた。
「うんっ!!」
オリジナル設定の説明欲しいですか?
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いる
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いらない