【第一章 死の刻印スタート!】異能者が普通にいる世界へ転生した2周目は海外の死亡フラグと戦う!~新たなヒロインたちの悲哀と救い~   作:初雪空

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室矢重遠は、ゼロから天までの道のりを歩む!
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第14話 あなたが、私のマスターです……

 襲撃が予想されるため、ウィットブレッド公爵家に滞在。

 

 ひとまず結果を出したことで、俺の待遇は悪くないが――

 

(やはり、貴族の生活は慣れん……)

 

 現代風にアレンジされていて、館も近代化改修だが、やはり古い感じ。

 

 執事やメイドの目があり、落ち着けない環境。

 

(借りてきた猫……)

 

 ともあれ、次の手を打たなければいけない。

 

 

 ――数日後

 

 俺たちは、ウィットブレッド公爵に呼ばれた。

 

 初対面よりも柔らかい雰囲気の中で、円卓の騎士3人と向き合う。

 

「お久しぶりでございます……。いつぞやは、大変失礼しました」

 

 老人のレノックスが頭を下げれば、その従騎士であるシャーリーも倣う。

 

 見慣れぬ少女も、同じく。

 

(何だ? 服装とその様子から円卓(ラウンズ)の従騎士だろうが……)

 

 長い黒髪で楚々とした雰囲気だが、叱られた後のような感じ。

 

 俺も会釈しつつ、円卓のように中央を向いた1人用のソファにそれぞれ座った。

 

「では、説明を頼む……」

 

 立派なソファにいる公爵から、お達し。

 

 それを受けて、レノックスが頷く。

 

「結論から申し上げますと、あの正騎士3人は任務中に殉職しました」

 

「ほう? それは、お気の毒に……」

 

 公爵は社交辞令の返答だが、感情は籠っていない。

 

(内々で、処刑されたか!)

 

 傍観者だった俺は、レノックスに言われる。

 

「今回は、室矢様に助けられました。その主人たるカレナ様にも、深謝申し上げます」

 

 息を吐いた室矢カレナが、淡々と答える。

 

「気にするな! しかし、お主らはそうもいかんな?」

 

「ご明察の通りです……。ラウンズとして、他国の部外者に助けられたというのは」

 

 意味ありげに、俺のほうを見たレノックス。

 

 いっぽう、カレナが補足する。

 

「要するに、こやつらは重遠をラウンズの一員として扱い、『自分たちの功績』としたいのじゃ! とにかく、言ってみろ」

 

「恐れ入ります……。ラウンズは、室矢さまを正騎士に準ずる待遇とすることを決議しました」

 

 カレナが用意したシュヴァルツを取り上げたい思惑も、ありそう。

 

(しかし、今の落としどころは、それだけ……)

 

 俺が全員の注目を浴びている中で、カレナが答える。

 

「うむ! 非公式だが、ラウンズの後ろ盾で騎士と名乗れるか」

 

「おっしゃる通りです。以後は、『重遠(きょう)』と呼びますので……」

 

 俺のほうを向いたレノックスに言われて、頷く。

 

「分かりました……。ところで、公爵への返答は?」

 

「公爵への報告は、もう終わりました。あなた方への説明も関係しているため、このように場を設けたわけでして」

 

 レノックスは、未紹介だった女子のほうを向いた。

 

「ローズマリー? 重遠卿に、自己紹介を……」

 

「はい、レノックス卿……」

 

 スッと立ち上がったローズマリーは、全員の注目を集めつつ、俺の前で片膝をつき、片手を自分の胸に当てた。

 

「円卓の従騎士である、ローズマリーと申します。重遠卿にお仕えする栄誉をお許しいただきますよう、お願いいたします」

 

 同年代と思われる、気品ある美人だが、妙に薄幸だ。

 

 俺が悩んでいたら、レノックスの説明。

 

「円卓のオーダーでは、『従騎士は自分のマスターに絶対服従』とあります。もし違反すれば、処罰の対象です」

 

 うーん?

 

 シャーリーの表情と雰囲気から、エロゲの犠牲者を見ているような感じ――

 

『先に言っておくが、こやつは既にお主の従騎士となっておる! 書類上でな?』

 

 超空間のネットワークで、カレナの指摘。

 

 つまり?

 

『お主が断った瞬間に、こやつはマスターに追放された罪人だ! 従騎士の資格を剥奪される! 元々、ラウンズが厄介払いをしたがっていて、お主を利用した感じだ』

 

 その場合に、こいつは?

 

『円卓の騎士といっても、綺麗事だけでは回らん……。元貴族で従騎士、おまけに若くて美人! あちらの拠点に閉じ込められて、男どもの性欲処理だろうよ? 従騎士でも色々な機密を知ったから、解き放つわけにもいかん』

 

 まーた、そんな話か!

 

 俺が断れば、知らない間に可哀そうな弟子を見捨てた極悪人かよ……。

 

 もう、ラウンズを殲滅しておこうかな?

 

『私も同じ気分だが、アドラステアもいるからなあ……。プリシラにも悪い』

 

 1つずつ、片付けていこう!

 

 ラウンズが俺を利用してくるなら、ここでローズマリーを拒絶する意味はない。

 

『そうだな! 円卓とアンを同時に相手にするのは、愚かだ! ただでさえ、王女と親しいことで睨まれているし』

 

 それは、アドラステアが悪いだろ?

 

 ともあれ、結論は出た。

 

 跪いたままで小さく震えているローズマリーに、返答する。

 

「俺が、お前のマスターだ! 以後、励むように」

 

「ありがとうございます!」

 

 顔を上げたローズマリーは、笑顔に。

 

「どうぞ、私をご自由にお使いくださいませ……。マスターが満足するよう、最善を尽くします」

 

 見守っていたシャーリーは、複雑な表情。

 

 どうやら、裏事情を知っているか察していて、こいつの専任のほうがマシかな? といったようだ。

 

 ポーカーフェイスを維持しているレノックスが、立ち上がった。

 

「ローズマリーをお願いします。必要でしたら、私にご連絡ください……。公爵におかれましては、重ねてお詫び申し上げます」

 

「円卓の騎士が変わらずにユニオンの盾であり剣であることは、よく分かった! 今後も、頼りにしているぞ?」

 

「ありがたき、お言葉……。名残惜しいですが、そろそろ帰りたく存じます。シャーリー?」

 

「はい、マスター! 失礼いたします!」

 

 慌ただしく、師弟が出て行った。




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