元パーティーメンバーに『ざまぁ』されないように世界の果てまで逃げる   作:hoge55

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長いです。次話以降はもう少し短めにまとめます。


3話

「フィリスと申します、よろしくお願いしますねぇ」

「こちらこそよろしくお願いします。私はーーー」

 

 フィリスと名乗った冒険者が一礼し、俺たちのリーダーであるアリアが応対する。お互いの自己紹介を済ませ、まずはということで軽く雑談をして空気を軽く和ませる。

 

 女性冒険者フィリス。先ほど、ギルドからの推薦という形で冒険者名簿に乗っていた人物。名簿に挙がっていたのは5名。男四人、女一人という割合で、俺としては男手が欲しかったから男の中から選びたかったが、アリアとマギサが女性がいいと言ったので名簿の中で唯一の女冒険者だったフィリスと面会することになった。ちなみにユートリアは性別はどちらでもいいとのこと。多分お前が一番まともだよ。

 

 名簿にあった冒険者は全員支援魔法を得意とする人達で女神様より授かった才能に関しても皆素晴らしいものを持っていた。書類上で確認出来るものは問題なかったため後は既存メンバーとの性格の相性を見たかったが・・・・・・アリアと話しているところを見ると問題は無さそうだ。

 

 ただ、一つ気になるのは・・・・・・フィリスを紹介して欲しいと伝えた時のギルド職員の反応。

 

『おーい、今いいか?このフィリスさんって人紹介して欲しいだけど』

『・・・・・・この方の書類、入ってたんですか?』

『入ってたぞ。お前が選定したんじゃないのか?』

『・・・・・・どうやら、こちらの手続きに不手際があったようです。申し訳ありません。フィリスさんは貴方達のパーティーにはとてもーーー』

 

『あらあら〜、もしかして剣聖様御一行じゃありませんかぁ。ちょうどお会いしたかったんですよねぇ』

 

 ギルド職員とそんな話をしていると後ろからニュッと会話に入ってきたのが件の冒険者、フィリスだった。

 薄水色でセミロングの髪に、髪と同色の丸みを帯びた瞳。おっとりした雰囲気で、真っ赤な髪を持ち勝気なマギサと真逆のタイプの様に見える。

 うーん、ギルド職員の言葉からすると本来は推薦対象じゃなかったっぽいが・・・・・・。“気をつけてください”なんて小声で注意を促してきたし警戒すべきか。

 

 ただ、アリアやマギサと談笑している様子を見ると悪意があるようには見えない。何かしら爆弾を隠してるのか・・・・・・?

 そう思い、アリアにアイコンタクトをすると、それに気付いた彼女はふにゃりと可愛らしく微笑んでくる。かわいい。

 

「カイル、君はどう思う?」

「アリアは可愛いと思う」

「・・・・・・君、最近浮かれすぎじゃないかね」

 

 呆れたようにユートリアが溜息を吐く。仕方ないだろ、可愛いんだから。

 一応、俺とユートリアで何か不審な所が無いか少し離れたところで観察していたが、どうやらユートリアも特に問題なしと判断したようだ。何よりも。

 

「直接話してるアリアとマギさんがアクションしてねーし、多分大丈夫だろ」

「同感だな。・・・・・・マギサ嬢はともかく、アリア嬢の人を見る目は確かだ。そのアリア嬢が問題無しであると判断するならば我々がこれ以上探る必要も無いだろう」

「そーだな」

 

 そう言い、俺とユートリアは警戒を打ち切り、会話に混ざっていく。

 一旦、近場にある簡単なダンジョンでお試しするということで話は纏まり、軽く準備を済ませてから俺たちは出発した。

 

 

 街の北東に位置する森林型のダンジョン。

 木々が生い茂っており、地図が無いと迷いやすいダンジョンとなっている。出現する魔獣は群れで行動する狼型や周囲の環境に擬態する植物型が多い。経験の浅い冒険者にとってはハードルが高めのダンジョンだが、今の俺たちなら大した障壁ではない。そもそも、既に俺たちが攻略済みのダンジョンだしな。

 

 このダンジョンを選んだのは再挑戦する予定の『眠らずの洞窟』を想定してのことだ。あそこは冒険者が息つく暇もない程、常に魔獣が襲ってくる。ここのダンジョンは街からの近場かつ、群れで行動して戦意の高い魔獣がいるこのダンジョンであれば仮想『眠らずの洞窟』にある程度適していると判断した。とはいえ、魔獣自体の強さは弱いからあくまで陣形の確認だったり連携の調整程度しか出来ないが。

 

 ダンジョン近くにある冒険者用のベースキャンプが設置されている場所まで行き、アリアが改めてダンジョン内での動き方を確認する。いつもより入念に確認しているのは新しいメンバーであるフィリスがいるからだ。

 

「ーーーと、こんなところでしょうか。それでは皆さん、よろしいですか?」

「アタシは問題ないわ」

「私も問題ない」

「私も大丈夫ですぅ」

 

 アリアの締めにマギサ、ユートリア、新入りのフィリスがそう返すが・・・・・・俺だけか?違和感あるの。

 

「俺からいいか?フィリスさんはいいが・・・・・・アリアにマギさん、ユートリア、お前らなんか隠してないか?」

「ハッ、何を言うかと思えば何よそれ。アタシ達が何か隠し事してるって?」

「強がんな、弱みを見せたくないのは分かるし、俺たちにとっちゃ簡単なダンジョンではあるがこれから命を預け合うんだ。これまでだってそうして来ただろ。ちゃんと報告しろ」

「・・・・・・・・・・・・ハァ、ちょっとだけよ、ちょっとだけ魔力の精製が悪くなってる」

 

 俺が詰めると苦虫を噛み潰したような顔しながらそう言った。続けてアリアとユートリアにも聞くと似た様な症状が起きている様だった。

 マギサは魔力の精製が悪く、アリアは剣の扱いに違和感が、ユートリアは弓の精度が悪い()がするらしい。

 

「すみません・・・・・・先日の魔獣戦での疲労がまだ抜け切ってないと思ってたので」

「あれだけの力振るえばな・・・・・・」

 

 俺以外の三人が揃って不調。なんとな〜く、原因に心当たりがあるが決めつけるのは早計だろう。それに不調の程度に差があるのも気になる。マギサは確実に悪くなってると言い、アリアは違和感程度、ユートリアは悪くなってる気がする・・・・・・気がするってなんだよ。

 

 原因については・・・・・・な〜んか作為的なものを感じるなぁ、なんて考えてると俺たちの様子を見ていたフィリスが恐る恐る口を開く。

 

「あのぉ、先日の魔獣と言いますと例の“巨獣タイタン”のことでしょうかぁ・・・・・・?」

「ん?ああ、そうだな」

 

 巨獣タイタン。先日、俺たちが倒した魔獣の名前だ。その名の通り、かなりの巨体で猪型の魔獣だ。全長は凡そ30m、高さは10m程あり、前世の記憶で似たようなのだと小学校の体育館程度の大きさだと思う。皮膚がかなり厚く、大概の攻撃は弾いてしまう程の硬度を誇っていたが、あっさり勝てたのはアリアの才能<剣聖>が進化したこと。あと付け加えるならユートリアに憑いている“精霊”が力を貸してくれたこと。この二つが大きい。

 

 ユートリアの才能<精霊憑き>。聞いた話によると精霊に憑かれやすくなるらしい。憑かれやすいと言いつつ、ユートリアに憑いているのは狐型の精霊が一体憑いているだけらしいが。

 

「・・・・・・そうだ、ユートリア。タイタンとの戦い以降、精霊様と交信は出来てるのか?」

「ふむ。あれから一度も出来ていないが、何か問題でも?」

「そりゃねーが・・・・・・弓は触ったか?」

「一度も触ってないな。精霊様への貢物を探していたのだ、許せ」

「お前、弓の扱いが悪い気がするってそれ鈍ってるだけじゃねーの・・・・・・?」

 

 “気がする“というのがただ弓の腕が鈍っているだけなら問題は無い。弓に触ってない期間もそれほど長く無いから、1週間もあれば元に戻せるだろう。問題は精霊との交信、もしくは精霊からの力の供給に何かしら問題があった時だ。これは、確定じゃないしそもそも確認のしようが無い。あくまで仮定だ。

 ユートリアが自身に憑いている精霊との交信が出来ていないというのに冷静なのは、それがいつも通りだから。精霊は存在によって多種多様らしいが、ユートリアに憑いている精霊はかなり気まぐれらしい。ユートリアからの呼びかけに答えることは稀で、時折精霊から一方的に話しかけられるそうだ。タイタンとの戦いに力を貸してくれた辺り悪い精霊ではないのは確かだが、精霊を主軸とした戦いはムラがありすぎるからユートリアは基本的に敵の索敵と遠方から持ち前の弓での狙撃術を主軸としている。

 

「アリアは違和感がある程度だよな?」

「はい、鍛錬自体はカイルと実施してましたし戦いに影響があるほど大きな影響があるわけでは無いと思います。剣を持った時に身体が少し重く感じる程度と言いますか・・・・・・」

「うーん・・・・・・タイタンと戦った時のような力は出せそうか?」

「それは・・・・・・どうでしょう、あれからまだ全力で剣を振るってないので・・・・・・そもそもあの時は少し高揚していたというか、夢見心地だったというか・・・・・・あの時の感覚をあまり覚えてないんですよね」

 

 アリアはこれだ。明確に何か大きな影響があるわけじゃない、ただ身体が重く感じる程度。ユートリアと同じく少しずつ慣らしていけば問題無さそうだが・・・・・・。

 考えを巡らせているとずっと俯いていたマギサがポツリと言葉を漏らす。

 

「・・・・・・悪いわね」

「マギサちゃん・・・・・・」

「聞いた感じ、明確に能力が落ちてるのはアタシだけみたいね・・・・・・ホント、情けないっ・・・・・・」

「そこまで落ち込む必要はないと思うけどな・・・・・・マギさんならすぐ戻せるだろ」

「カイルの言う通りだ、マギサ嬢」

 

 落ち込むマギサをみんなで慰める。いつも勝気なマギサだからこそ調子が狂う。早く元に戻ってくれ!

 

「・・・・・・カイル、アンタは流石ね。アンタだけいつも通り万全の状態じゃない」

「あ、ああ。そのためにいつも鍛錬積んでるからな」

 

 急に飛んできたマギサからの指摘に少し動揺するが、適当な言葉で返す。

 

 そう、俺だけがタイタン戦後も何も状態を落としていない。

 勿論、戦いの疲労はあった。実際、街へ帰還した後の数日は休養に充てていたしな。休養明け後の鍛錬でも俺の身に何か変わった所は感じなかった。

 

 俺と、俺以外の三人。この間で違うのは明確に一つある。それは才能の有無だ。

 だからこそ、一つだけこの現象に思い当たるものがある。

 

「マギさん。その魔力の精製が悪いって感覚はいつからだ?」

「・・・・・・昨日の夜辺りかしら」

「だったらタイタン戦がキッカケじゃ無いのかもな。アリアとユートリアはどうだ?」

「・・・・・・思えば、同じタイミングかもしれません。タイタン戦後は、えと、その、貴方と同じ時間を過ごせて楽しかったので、疲労を感じなかったと、そう思っていたので・・・・・・その疲労が時間差で来たのかと、感じてました」

「アリア嬢、惚気話をするのなら珈琲がある時にしていただきたい」

「あっいやっ、そういうつもりじゃなくてですね・・・・・・!」

「フフ、すまない。少し揶揄っただけだ。・・・・・・私は判断出来かねるな。弓の調子悪いと感じたのも、今日弓に触れた時に少しそう思っただけだからな。カイルの言う通り、暫く弓に触れていなかったために鈍っているのだろう。精霊様との交信については特に不審な点は感じないが」

 

 ユートリアはそう言うが、もし精霊との交信が精霊側の気まぐれでは無いのだとしたら、三人とも授かった才能に影響があると言うことになる。そして、マギサの言葉通りなら、その影響が出たタイミングは昨日の夜。昨日、俺たちの間で起こったイベントは一つしかない。

 

 ゼイロのパーティー脱退。

 

「・・・・・・アンタまさか、ゼイロが抜けたのが原因っていうんじゃないでしょうね」

「仮定だ仮定。タイミングが一致してるから無理矢理紐付けてるだけだ」

「いや、あながち間違いでは無いのではないか?」

 

 マギサも俺と同様の仮定に至った様でユートリアも俺の考えに肯定する。

 

「もし、ゼイロ少年が我々になんらかの補助魔法の類を掛けていたのならパーティーを脱退した昨日にそれらを解除するのは妥当だろう」

「アイツ、魔法を発動していた様子は無かったわよ」

「であれば、才能によるものではないか?」

「ハァ?」

 

 ユートリアの見解に、俺も頷く。この仮定を前提とするのなら一番可能性があるのがそれだろう。

 ゼイロの才能<ステータス編集>ならそれが可能、だと思う。俺たちの能力を“編集”していた。もしくは、自身にパーティーメンバーを強化するような何らかの能力を付与していたかのどちらかだろう。本人は才能の使い方が分からないと言っていたから、恐らく後者だろうが。他者の能力を無自覚で編集していたというのは考え辛いし、というか、そうはあって欲しくない。

 

「じゃあアイツ、自覚無く才能を使ってたってこと?」

「そうなるんだろうが・・・・・・」

 

 チラッとアリアの方を見ると、何か考え込んでいる様だった。

 アリアは才能の副次的効果からか他者が才能の効力を発揮する時、その前兆を目で捉える事ができる。

 

「アリア、何か思い当たる事はありそうか?」

「・・・・・・少なくとも、私が見ていた範囲では無いですね」

 

 アリアが言うのなら間違い無いだろう。そしてこれまでゼイロ自身が才能を使えないと言っていたことに、嘘は無い。俺たちは兎も角、幼馴染であるアリアが嘘では無いと感じているのだから、もし、ゼイロの才能が力を発揮していたのだとしたらそれは無自覚だろう。

 つまり、アリアが見ていないところでゼイロの才能が発動したのが妥当か。俺がアリアを鍛錬に誘う様になって、二人が別行動することが多くなったのが一年ほど前だ。この一年の間でその様な現象が起こったのかもな。

 

「ゼイロは自分の才能が正しく使えるように、俺たちの力になりたいと思っていたはずだ」

「私たちの才能を支援するような、そういった能力が発現したと。そういうことかね?」

「ああ。<ステータス編集>ってんならそういった能力を発現させることもできるんじゃねーの」

 

 才能により発現する力は当人の成長だったり想いだったりで、その方向性は大きく変わる。ゼイロの想いを<ステータス編集>が汲み取り、“仲間の才能を強化する”という能力として発現したのなら、辻褄が合う。三人の才能に陰りが出来、俺だけが影響なかった事もそれで説明が出来る。

 ゼイロは無自覚で俺たちを強化し、昨日、パーティーを脱退したからその効力が失われたのだろう。・・・・・・こじつけではあるが、他に考えられるような原因は弱い気がするから、ある程度は信用できると思う。

 アリアの影響がそれほど大きく無いのは、タイタン戦が理由だと思う。あの時、才能が進化し能力が大幅に上昇したことで、ゼイロによる強化が失われてもタイタン戦の前の状態と今の状態で能力に大きな変化が無かったのだろう。

 

 あーあ、この展開、深くは考えたくはねえなぁ・・・・・・。前世の記憶が激しく警鐘を鳴らしているがどうすりゃええねん。

 

 ただ、この仮定を事実だとするなら。

 

「すみ、ません・・・・・・私が、あのような決断をしなければ・・・・・・!」

 

 アリアは必ず負い目を感じる。自分の思い違いで幼馴染を追い出したのだ。彼女は芯が強く、決断力はあるがまだ16歳の女の子だ。当然、悩むことだってある。

 とはいえ、これに関しては状況が悪かったとしか思えない。

 

「仕方ねーよ。本人が自覚無しだったんだ。俺たちに気付く余地は無かった」

「いえ、もっと、自分の力をしっかり把握していればっ、気付いたはずです・・・・・・!」

 

 アリアは悔いるように自戒するが、これに関しては本当に仕方ないと思う。そう思うのは俺に授かった才能が無いからだろうか。みんなが女神様から授かるような才能、その恩恵は俺には分からない。もしかしたらアリアの言う通り、注意深くしていれば気付いたことなのかもしれない。

 ただそれは、過ぎてしまった今だから思うことだ。アリアは自分に課した鍛錬を熟していた。それは俺も見ていたし、アリアは自分の力を過信することなく誠実だった。そんなアリアが気付かないのなら誰も気付けないと、少なくとも俺は思う。

 

「カイルが言ったようにこれはあくまで仮定だ。今の状況から情報を無理矢理結びつけてそう判断しているに過ぎない。そもそも、ゼイロ少年がパーティーを脱退するのは時間の問題だった。ゼイロ少年の脱退にアリア嬢が気に止む必要な無い」

 

 ユートリアは俺と同意見でどこか達観している様に見える。長寿であるエルフらしく、こういった場面には遭遇した事があるのだろうか。手を腰に当てて涼しい顔をしてそう断言する姿は絵になる。

 

 なんて、呑気なことを考えるとポタと、なにかが滴る音が聞こえた。

 

「あ、あのぉマギサさん?手から血が流れてますよぉ!?」

 

 少し引いたようなフィリスの言葉の通り、マギサの方を見ると顔は怒りに染まり手は強く握りしめられて血が出ていた。どんだけストレス掛かってんだよ・・・・・・。

 

「マ、マギさーん・・・・・・?ちょっと落ち着いた方が・・・・・・」

「それが、本当ならっ・・・・・・!私はアイツの支援に胡座をかいて怠けてたってことでしょっ・・・・・・!!ぁああ!!自分がムカつくっ!!」

 

 そう言ってマギサは頭を掻きむしる。

 うわぁ、ここまで荒れてるマギサは初めて見るわ・・・・・・。

 

 ただ。

 

「その通りだな。最近のお前、ちょっとダラけてたろ」

「アンタが言うと説得力増すわね・・・・・・!!あーほんとムカつく!!アンタみたいにちゃんと鍛錬してればこんな事にはなって無かったって言いたいんでしょ!!」

「・・・・・・気に障ったならすまん」

「っ・・・・・・いや・・・・・・アンタの言葉が正しい、わ・・・・・・アタシこそ悪かったわ」

 

 自分の怠慢を認めるかのようにしおらしい態度を取るマギサに申し訳なく思う。

 そもそも俺に影響が無いのは才能が無いからだ。今、それを明かすつもりは無いが・・・・・・こうなるから、指摘したく無かった。

 

 マギサはパーティー内では魔法による支援担当。

 支援魔法を用いてユートリアの索敵補助、アリアとユートリアへの身体強化・回復、ダンジョン内の罠検知やマッピング、その他様々な支援を魔法によって行ってきた。マギサは本来、魔法による支援ではなく、攻撃を専門としていたが、うちのパーティーでは既に特大の攻撃担当であるアリアが居たから支援に回ってもらった。実際、マギサの才能ならそれも可能であり、本人も了承した。

 

 マギサが授かった才能は<魔導>。魔法関係の才能の中でも最高峰の才能、らしい。<魔導>により、通常よりも高密度の魔力を精製でき、あらゆる魔法を低コスト・高パフォーマンスで発動可能となる。更に、魔力を精製し過ぎると術者の身体に負荷が掛かり、しばらく魔力の精製が出来なくなるという“魔力酔い”と呼ばれる現象があるが、マギサは<魔導>により通常よりも数十倍も効率的な魔力の運用が可能となり、身体への負荷が軽減され、何度でも魔法が発動が出来る。

 

 マギサが攻撃魔法を専門としていたのはただの好み。故に、俺たちはマギサに支援を頼み、彼女もパーティー事情からその役割を嫌々ながらも請け負った。

 嫌々ではあったものの、支援魔法も板に付いてきて最初はアリアにしか出来なかった支援も今ではユートリアにも同時に支援ができる様になり、ダンジョン攻略に関する様々な支援が可能となった。

 

 それが半年前の話。

 

 この半年程、マギサの支援能力はそれ以上向上する事無く停滞しており、彼女自身、上を目指そうという気概を感じなかった。支援内容に文句はない。俺への支援が無いのも、俺自身が騎士様に支援が無くても戦えるように鍛えられているからその事に対する不満は無い。

 

 だが、マギサの授かった才能ならそれ以上のことが出来る筈だ。それこそ、支援しながら専門の攻撃に転じることだって出来ただろう。俺たちのパーティーで最も強いのはアリアだが、俺の見えている範囲ではあるものの、最もポテンシャルが高いのはマギサだ。

 だからこそ更に上を目指さなかったのはマギサの怠慢、というよりかは嫌いな支援魔法を十分に使い熟している事に満足しているのだと思っている。

 

 これまでそれを指摘しなかったのは実際の所、問題が起きていなかったから。そして、()()()()()()()()()()()言えなかった。

 

 俺が指摘したとしても、マギサは俺が<防壁>という才能を授かっていると思っているから反省してさらに上を目指すように気持ちを入れ替えるだろう。

 俺たちのパーティーの目標はあらゆるダンジョンの攻略、そして人類が未だ足を踏み入れていない未到の大地への冒険。その目標に共感したメンバーが集まっているからこそマギサに指摘をしたかったが、出来なかった。

 

 最高峰の才能を持つ者に、無才の俺が才能を語るのはあまりにも滑稽で情けないから。

 

「ええとぉ・・・・・・みなさん調子が悪い様なら今日は帰りますぅ?」

「いや、折角ダンジョンまで来たしフィリスさんにも来てもらってるから確認はしたい。・・・・・・アリアとマギさんもそれで良いか?」

「私は、はい・・・・・・大丈夫です」

「・・・・・・アタシは暫くここで頭冷やすわ」

「そうか・・・・・・んじゃ!切り替えて行くか!」

 

 フィリスが心配そうにしているが、まあ直ぐにアリアもマギさんも調子を戻すだろう。芯が強いのはこれまでの冒険でよく分かっている。ユートリアは済ました顔をしており、特に問題無さそうだから心配はしていない。俺たちの中で年長者だからか、こういう時ブレないのは頼りになる。

 マギサをここに一人残すのは心配だが、俺たちがいるようなベースキャンプにはギルドが定期的に魔除けの陣を構築しているため、ダンジョンから漏れ出てきた魔獣に襲われる心配は無いだろう。

 そう結論付け、ベースキャンプで項垂れるマギサを横目に俺たちはダンジョンへと入っていく。

 

「カイル、キミのその切り替えの早さは敬服に値するよ」

「ははは、もっと言え!!」

「男性陣は凄いですねぇ・・・・・・」

 

 

「フォレストウルフと接敵する!前方5、左方2、右方3!」

「りょーかい!」

 

 ユートリアの索敵に引っ掛かった魔獣の数、配置を聞き魔獣の襲撃に備える。

 前方から来る5体は纏めて注意を引きつけ、左右には魔法でトラップを生成させて足止めを行い時間稼ぎをする。

 

 トラップでの足止めは魔法で精製した魔獣除けのスパイクを適当に設置させておけば狼型の魔獣は容易に近づいて来ない。その間に前方の5体を1体ずつ処理をする。ただ、処理をするのは俺じゃない。

 魔獣の群れと接敵し、魔獣たちの攻撃を盾で受けていると、後方から俺の頭目掛けて矢が飛んで来たため、頭を軽く横に倒して避けると、俺の盾に飛び込んできていた魔獣の脳天へと突き刺さる。それを繰り返し、後方からの狙撃で手早く前方の魔獣を処理し終え、残るは左右の魔獣のみ。俺が左からきていた2体を倒し、アリアが右から来ていた3体を纏めて処理し終える。

 

 続けてユートリアが再び周囲の索敵を行うが、近くに魔獣はいないようで一旦構えを解く。

 

「こんなもんか。ただ、ユートリアー?そろそろ誤射無くそうねー?」

「済まないね。キミが前衛でつくづく助かったよ。キミ以外なら間違いなく私の首が飛んでいるだろうね」

「おーそうだぞー、もっと感謝しろよなー」

 

 やはりユートリアは弓の腕が鈍っていたようで時折俺に向かって矢が飛んでいた。勿論、全て躱していたし、そもそも盾役というのは後方からの誤射の危険が常にあるから誤射が起きたとしても必ず躱せるように騎士様から叩き込まれていた。先程の言葉も本気では言っていない、ただの軽口だ。ある程度の誤射は常に想定しながら戦っている。

 魔獣との接敵はこれで三度目だが、最初の戦闘と比べるとユートリアの弓術は遥かにマシにはなっている。この様子なら今日中には感覚を戻せる筈だ。

 

「本当ですよぉ、見ていてヒヤヒヤしていましたぁ・・・・・・カイルさんはカイルさんで後方からの狙撃をノールックで躱せるのは理解出来ないですけど」

「そんな引くなよ、王国の騎士団ならこのぐらい誰でも出来るぞ。つーか今のはフィリスさんから支援して貰ってたから把握出来たんだよ。まじ助かりましたっ、ありがとう!いつもより周りがよく見えたわ」

「そういうものですかぁ・・・・・・感謝は不要です、これが専門ですのでぇ」

 

 そう、今の俺たちはマギサがいないため本格的な陣形の確認こそできないものの、フィリスの支援をその身でもって確認していた。俺もこうやって支援魔法をこの身に受けるのは騎士様の修行以来だが、やはりあるのと無いのでは動きにかなりの違いが出る。

 

「ただ、本当にカイルさんへの支援は無くても良いんですかぁ?」

「ああ、今回は支援魔法の精度を確認したかっただけだからな。俺は支援魔法を受けなくても動ける様に鍛えられてる。俺に回す分、他のメンバーに注力してくれた方がいい。・・・・・・あ、でも今後、現状の戦力で立ち止まる場面が出てきた時は俺にも支援を掛けて欲しい」

「その程度ならお安い御用ですよぉ」

 

 実際にフィリスからの支援を受けて感じたのは、彼女が相当優秀だということだ。先の戦闘で俺に掛けて貰ったのは“視界の強化”。

 普段から俺は自分たちの陣形や敵との位置関係を俯瞰的に捉えるようにしているが、それでもあくまで五感で捉えた情報を元に脳内で俯瞰的な映像を組み立てているだけだ。だが、フィリスから視界の強化をして貰って、本当に俺が空から見ているかのような映像が目に飛び込んできた。

 ここまで明瞭な俯瞰視点は初めてで少し驚いたが、いつもより自由に動けて気分が良かった。どう言う理屈なんだろうか。あとでマギサに聞いてみるか。

 それにこの感覚はもう体で覚えたから探りながら再現していけば近いことは出来る様になるだろう。

 

 騎士様からも教わったが、フィリスやマギサが掛けるような支援魔法、ゼイロが掛けたであろう支援もそうだが、それらで得られる一番の恩恵は“支援を受けたことで強くなること”では無い。“強くなった時の感覚を身体に直接覚えさせられること”だそうだ。

 

 支援魔法により、一段階強くなった時の感覚を覚えておけば、支援魔法がなくともその強さを得られやすくなる。つまり支援魔法は手っ取り早く強くなるために修行に適している魔法と言える。とはいえ、強くなるための方法は人に合う合わないがあるため、そう簡単に強くなるわけじゃないが。実際、ゼイロへの訓練も支援魔法を利用した方法も試したらしいが、そう簡単には事が運ばなかったとのこと。

 

 手っ取り早く強くなるための“お手本”として支援魔法を使うのも良いが、その方法を使わず自身で試行錯誤することも重要というのは騎士様の言葉。騎士様からは両方の方法で鍛えられて、俺としては自分で試行錯誤した方が性に合っていると感じたから普段の鍛錬では支援魔法を使っていない。

 

 とはいえ、今回のように噛み合えば手っ取り早く強くなれる“お手本”を体験出来る方法でもあるので魅力的ではある。

 

「・・・・・・あの、カイル。今いいですか?」

「アリア?大丈夫だが、なんかあったか?」

「ベースキャンプでの事ですけど・・・・・・」

 

 あれから暫く時間が経ち、剣を振るうちに落ち着いたのかベースキャンプで見せた動揺はもう無くなっている。ゼイロのことも完全には消化出来ていないだろうが、この場は一旦切り替えることにしたようだ。先程の戦闘でも三体の魔獣を一振りで片付けており元の状態に戻ったと見ていいだろう。横目で見ていたがどうやったのかはいまいち分からなかった。一体は剣で切り裂いていたが、剣が触れていない筈の二体も同時に切り裂かれていた。どうなってんだよ・・・・・・。

 

「マギサちゃんへの言葉、あれはリーダーの私が言うべきでした。すみません」

「あー、あれか・・・・・・アリアにはいつもパーティーの方針を決める時に決断をして貰ってるからああいう時は俺かユートリアに任せとけ。ああやって仲間に強い言葉使うのは年上に任せときゃいいんだよ」

「・・・・・・いつかは私も、そう言えるようになります。改めて、ありがとうございました」

 

 あまり気を張り詰めすぎて欲しくないが、本人がそう望んでいるのなら俺はサポートするだけだ。

 気にすんなとアリアの背中をバシバシと叩いていると、少し痛かったのか少し潤んだ目をして上目遣いで睨んできた。

 

「・・・・・・出来れば、頭を撫でて欲しいです」

「何言ってんだ、ダンジョン内でイチャイチャしねーよ。そういうのは帰ってからだ」

「タイタン戦の直前、抱きしめてきたのは誰ですか?」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・よしっ、先に進もうぜ!!」

 

 それから暫くダンジョン内を探索し、二度ほど魔獣との戦闘を終えた辺りで確認したかった事も十分確認を終えたのでダンジョンを出ようということになった。

 

 ダンジョンに入ってかなり時間が経ったが、マギサが俺たちの後を追ってきてるような気配は無かった。ずっとベースキャンプにいるのだろうか。

 マギサの言っていた状態の悪さは恐らく、普段の魔力精製、魔法の運用を自前では無くゼイロからの支援だったことによるものだと思う。自転車を補助輪付きで常に走ってて、その補助輪が急に外され故に転んでしまったとか、そんなイメージだろう。だが、それなら感覚自体は身体が覚えている筈だから数日かければ元に戻せるだろう。

 

 そんなことをアリア達と話しながら帰っていると、ダンジョンを出た辺りで微かに血の匂いがした。気付いた俺たちはまさかと思い急いでベースキャンプへ行くが、近づくにつれて血の匂いは強く、強烈になっていった。

 

 ベースキャンプに辿り着き、俺たちの目に映り込んだのはーーー血溜まりに沈む、マギサの姿だった。

 

「っ、フィリス!」

「は、はい!」

 

 考えるよりも先にフィリスに頼み回復魔法を掛けてもらう。

 

「う、うそ、なんでっ・・・・・・!」

「あぁくそっ、無理にでも連れて行くべきだったか・・・・・・!?」

 

 マギサをこんな姿にできる魔獣はこの辺りには居ない無いはずだ。だが身体はズタズタになっており、全身から血が噴き出したような痕がある。

 ユートリアが辺りの警戒を行うが、あたりに魔獣はいないと告げる。既にこの惨状を引き起こした魔獣は遠くへ行ったか、・・・・・・もしくは、()()()()()が引き起こしたか。これに似た現象を以前、マギサ自身から聞いたことがある。だとするならーーー。

 

「ーーーやめ、て」

 

 フィリスがマギサに近寄り回復魔法を掛けようとすると、血塗れのマギサの口が動き、そう言葉を発した。すると、フィリスが回復魔法を発動するよりも早く、マギサの身体が修復を始め、あっという間に全身の傷が塞がる。

 

「え、ちょ、ちょっと!私がやりますから大人しくしててくださいよぉ!」

「もういいわ、だいたい治ったから・・・・・・」

 

 フィリスの静止も聞かず、何事もなかったかのようにマギサは立ち上がって身体の調子を確かめるように肩を回したり身体を帯電させてジャンプしたりしている。

 さっき別れたときは魔力の精製すら難しそうにしてた筈なのにここまで魔力の精製から魔法の行使まで自在にしている。これは、間違いなく()()()()状態を戻したな。

 

「おい、やるんなら一人でやるな。俺たちの見てるところでしろ」

「いいでしょ別に、もう大体終わったわ」

 

 マギサはぶっきらぼうにそう言うが、俺とは目を合わせない。申し訳なさはあるみたいだな。ユートリアも呆れたようにマギサを見ている。

 

「マギサちゃん・・・・・・!」

「きゃっ、ア、アリア?」

「心配、したんだから・・・・・・!」

「・・・・・・そうね、ごめんなさい」

 

 申し訳なさそうにしていたマギサにアリアが抱き付き、目から僅かに涙が溢れているのが見える。そりゃそうだ。昨日から色々あった。そんな状態で仲間があんな姿になっているのを見たら耐えられないだろう。

 マギサも負い目があったからか、素直に謝罪して抱きついていたアリアの背に腕を回した。

 

「その、念の為確認させていただきますねぇ・・・・・・」

「手間かけてさせてごめんなさい、お願いするわ」

 

 マギサに抱き付いていたアリアをそのままに、フィリスがマギサの背に手を当てて念の為身体に異常がないか確認する。うんうんと頷きながら検診を終え、外見だけで無く、骨や内臓等も問題無いことが確認できたようだ。

 

 一息付き、辺りを見渡すと大きな血溜まりが出来ており、かなりスプラッターな現場となっていた。流石にこの場をこのままにしておくわけにはいかず、どう片付けしようかと考えているとフィリスが魔法であっという間に大きな血溜まりを消し去っていた。ついでに血に塗れたマギサの服も綺麗にしていた。やはり補助魔法専門がいると助かる。

 

 気を取り直して、とマギサに事情を聞く。もうある程度予測は出来てるが。

 

「魔力を無理やり精製して体内で循環させていたのよ」

「マギサ嬢、危険すぎると思わなかったのか?」

「・・・・・・それよりも、この状態のままでいるのが嫌だったのよ」

 

 ユートリアの少し攻めるような言葉にシュンとしながら答える。マギサのこんな姿は珍しいが、ここまで明確に怒っているユートリアも初めて見るな。魔法関係の出来事だからだろうか。エルフは魔法に長けた種族だ。ユートリアは才能の影響で()()()使()()()()が、それでも魔法への造詣は深いのだろう。

 

「マギサ嬢が言っていた魔力の精製が悪いと言うのは二つの意味があると見ている。魔力の圧縮率が低い、そして魔力路の劣化の二つだろう。前者は魔力の効率的な運用が難しくなるだけだが、後者は違うだろう。先ほど我々が語った仮定を前提にした場合、マギサ嬢は体内を巡る魔力すらゼイロ少年の補助ありきで行っていた筈。であれば、マギサ嬢本来の力で魔力を循環させる力が劣化しており、魔力が通る魔力路も相応に劣化していたのだろう」

 

 要するに筋肉が衰えていたとか、そんな所だろう。それを無理矢理動かしたから筋断裂を起こし、先程の惨状を起こしたと。

 

「・・・・・・ええ、そうよ。だから私は・・・・・・」

「魔力を無理やり精製して強引に魔力を循環させる。それで魔力の圧縮率を向上させるのと同時に魔力路の活性化を促してたってわけか」

「なるほどぉ・・・・・・その際に急激な魔力の循環に耐えられず、魔力路はズタズタになった影響で魔力が暴走、身体もボロボロになったってわけですかぁ・・・・・・」

 

 先程の惨状について経緯は分かったが正直そこまでやるか?言いそうになった。が、よくよく考えると俺も同じ立場だったら同じ事をしただろうから口は閉じておく。

 

「マギサちゃん、先程のは何回目でしたか?」

「・・・・・・六回目よ」

「もうっ、本当にやめてくださいね!」

「もうやらないから怒らないでよ、アナタには弱いんだから・・・・・・」

 

 あれだけの惨状を六回もか・・・・・・流石に根性あるな。それだけ自分の現状に怒りを感じていたのだろう。

 原因も分かってマギサも心配かけたと反省しているし、話を進めるためパンパンと手を叩いて切り替えさせる。

 

「はいはい、反省会おしまーい!そんで?状態はどの程度まで戻ってきた?」

「魔力の圧縮率に関しては八割程度ってところかしらね・・・・・・魔力路はもう問題無しと言っていいわ」

「早すぎんだろ・・・・・・」

「ーーーハッ、当然でしょ。私の通り名、忘れたかしら?」

「へいへい、“雷霆”様の御成〜り〜」

 

 先程まで縮こまっていたがようやくマギサもいつも通りのふんぞり返った様子を見せた。そうそうこれこれ、マギサはこうでないとな。

 魔法学園時代、学園中を恐怖のどん底に陥れた事で呼ばれるようになったという“雷霆”。その名は当時、騎士様からの訓練を受けていた俺の耳にも届くほどであり、その力には騎士様も感心していた。

 その本領が次のダンジョン攻略から観れると思うと、少しワクワクした。

 

 同時に、もう軽口叩けねえなと思った。軽口叩いたら雷落とされるだろこれ、物理的に。

 

 

 そうして俺たちは帰路に着き、次の日も今日と同じようにフィリスを含めた五人での陣形、連携を確認しその結果、三日後に本命の『眠らずの洞窟』に挑戦することを決めた。その当日、挑戦に向け最終調整している俺たちの耳に『眠らずの洞窟』が何者かに攻略されたという情報が入ってきた。




お待たせしてすみません。
思っていた以上に多くの方にお読みいただいたようでありがたいです。
誤字報告もありがとうございます。こんな便利機能があるんですね。。。

主人公カイルと元仲間ゼイロの決着の付け方は決めており(大体タイトルとあらすじ通り)、恐らくあと四話で締められると思います。
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