病弱なご令嬢に転生した俺。だけどチーレムの夢が諦めないので魔法の指輪で男に変身して無双します 作:明るいランプ
※当作品にはAIで生成されたイラストを添付しております。
苦手な方は表示をオフにしていただけると幸いです
前世の頃、俺は異世界転生に憧れていた。
それも、手にしたチートで無双しながら、幾多の可愛い女の子たちと共に仲睦まじい生活を送る、謂わば【チーレム展開】ってヤツにだ。
だからこそ俺は、自身が異世界に転生したと気づいた時、それはもう大層喜んだ。
これでようやく念願が叶う。
今日から俺も、チーレム主人公の仲間入りだぜってな。
だが、現実ってヤツは、いつだって驚くほどに残酷なわけで……。
「お嬢様、本日の朝食とお薬をお持ちいたしました。いつも通り机の上に置いておきますね」
「はい、いつもありがとうございます、マリア」
チーレム無双の夢も虚しく……。
俺は、病弱で有名なローゼンベルク公爵家のご令嬢――リリアナ・ローゼンベルクとして、生まれ変わってしまったのだった……。
……うん。
本当になんでこうなってしまったのだろうか……。
「お嬢様、本日のお加減はいかがですか?」
「おかげさまで昨日よりもかなり良くなりました」
「そうですか、それは本当に良かったです。確かに昨日と比べると、顔色が随分と良くなっていますね」
「えっ?本当ですか?」
言われてから、部屋の片隅に置いてあった全身サイズの姿見に映る、自身の姿を確認する。
するとそこには、病み上がりの面影を僅かに残した、一人の美少女が……。
流れるような銀色の髪に、宝石かと錯覚するほどの綺麗な紫の瞳。
加護欲をそそる華奢な体に、白雪を思わせる真っ白な肌。
客観的に見て、俺の容姿はとても可愛い部類に入ると思う。
それこそ、もしと前世で出会っていたら、きっと唯一無二の推しとして、生涯をかけて推し活に励んでいたことであろう。
でもだからといって、俺自身が美少女になりたかったわけでは、断じてないのだ。
折角なら、最強のチート主人公として、こんな可愛い美少女たちと、キャッキャウフフナ甘い生活を送りたい。
それが紛れもない本心なのであった。
だが、現在の体でそのような願望が叶うはずもなく……。
悲しいかな、俺は全力で涙をのみながら、リリアナ・ローゼンベルクとしての生活を送っている……。
わけだったのだが……。
実は俺には、その状況を打破するための、とっておきの切札があるのだった。
時刻は夜――。
家族や使用人たちが寝静まったことを確認した後、俺はベットから降りて、右手の薬指に嵌められた紫の宝石が輝く指輪へ魔力を込めた。
すると次の瞬間。
淡い光を放ちながら、徐々に変化を始める俺の肉体。
幻想的だった銀髪と紫の瞳は、前世でお馴染みの黒髪黒目へ。
折れてしまいそうなほどに華奢だった体は、いつの間にか引き締まった青年のものへ。
身長も急激に伸びて、まるで鈴の音のように美しかった声も、前世の頃のように低くなった。
程なくして数秒後――。
覗き込んだ姿見に映っていたのは、見慣れた深窓のご令嬢ではなく、誰もが憧れてしまうほどの、眉目秀麗な青年だった。
(ふふっ、相変わらず今日もカッコいいぜ)
ご覧の通り、俺はこの【魔法の指輪】を使うことで、青年の姿へと変身することができるのだった。
それも、この惚れ惚れするほどのイケメンの姿にだ。
しかも、この体に変身をすると、身体能力および戦闘力が飛躍的に向上する。
それこそ、この世界の最強格とされる、竜だって討伐できてしまうのでは?と思うほどにな。
だからこそ俺は、こうして夜な夜な男の姿に変身をして、街へと繰り出しているのだった。
(さて!今日はどんな悪い奴がいるかな!)
タンスの奥にしまっていた、お気に入りのローブと仮面を取り出して装備する。
この王国はとにかく広い。
故に、悪い事を考える奴や、良からぬことを画策する輩が、まだまだ数多く蔓延っているのだ。
そんな、不届き者共を密かに倒したり、捕まえたりする。
それが俺の数少ない日課であり、趣味なのであった。
ふふっ……。
毎晩、どこからともなく姿を表しては、颯爽と悪を倒す正体不明の人物……。
やばい……。
最高にクールだぜ。
何を隠そう。
巷で密かに噂される、正体不明の黒装束:クロとは、他でもない俺のことをなのだ。
(よし!待っていろよ悪党共!)
こうして、男の姿への変身を遂げた俺は、今日も今日とて勢いよく、街へと繰り出して行くのだった。
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