忍の世界とか割と詰みである   作:こうすけ増田劇場版

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第15話

 

「よし、コレで大丈夫だ」

 

 カカシ先生は苦無を手にぶっ刺して毒を抜くという荒業をやったナルトの手に包帯を巻いた。

 ナルトの手を注視していたが……多分もうカサブタが出来るぐらいまでのレベルに傷が治ってるんだろう。

 

「すんません、カカシ先生」

 

「いやいや、お前もなんだかんだで子供なんだなと分かってよかったよ……お前を怒る理由も責める理由も何処にも無い。コレばっかりは慣れなきゃどうにもならん」

 

 人を流血させるレベルで斬る事や爆発して死ぬ光景を間近で見て最終的にはゲロった。

 カカシ先生にその事について謝罪をすればカカシ先生は怒る要素も責める理由も何にもないと極々普通のリアクションを取っているとだけ認めて、慣れろとアドバイスだけを貰った。

 

「さてと……じゃあ改めて聞かせてもらいます。タズナさん、何故任務の内容を偽ったのですか?貴方が知っている情報を教えてくれないのであれば我々は任務を遂行出来ません」

 

「……任務の内容通り、橋作りの間の護衛自体は本当じゃ。ワシが橋を完成させるまで護衛をしてほしい」

 

「しかしこうして他の里の忍がやって来ている。それについて心当たりはあるのでしょう?」

 

「……波の国は超貧乏な国じゃ。今日食べる飯にも一苦労で大名すらまともに金を持っとらん……波の国の財政はある男に牛耳られておる!そいつの名はガトー、ガトーカンパニーのトップじゃ」

 

「ガトー……確か世界有数の大企業のトップではありませんか」

 

「なんで大企業がおっさんを狙う?」

 

 世界有数の企業のガトーがタズナさんを狙う理由がわからないとサスケが聞いた

 

「ワシが今回の仕事で建設する予定の橋は波の国と別の国を繋ぎ誰でも通ることが出来る橋じゃ。その橋以外の波の国の外への貿易のルートはガトーに全て支配されておってそれが原因で波の国は超貧乏なんじゃ。建設の手筈は整っているが物が物だけにワシが橋の建設の総監督にならなければ橋が作れん……ガトーは巨万の富を得る為に裏で色々と非道な手を使っておる。ワシの暗殺のそれの1つで、ワシを殺すことに成功すれば橋は建設出来ん、そうなれば波の国の経済の支配に成功すると言ってもいい」

 

「ったく……タズナのおっさん、下手したらコレ国際問題になんぞ」

 

「分かっておる、分かっておるんじゃ……じゃが、橋が完成しなければ波の国は首を吊るしかない。金が無いワシは依頼を誤魔化すしかなく……超すまんかった!」

 

 外国との貿易ルートになる予定の橋を建設する仕事を妨害するかしないかとか割と洒落にならない。

 依頼料が無いから誤魔化したことについてタズナさんは本当に申し訳ないと謝ってきた。

 

「んじゃ、波の国に行くか」

 

「おう!」

 

「お前等……いいんか!?ワシは依頼に嘘をついたし、さっきの奴等はお前等じゃまともに相手になっとらんだろう!?」

 

 責められる事は覚悟しているし、断られることも覚悟している。

 それでも俺は気にせずに波の国に行く。ナルトも断る理由も特に無いから波の国を目指す事を断らない。それを見て、タズナさんは驚いた。

 

「特にお前さん等は」

 

「人間、人を救うときはバカになって人を救うんだ。それこそ木ノ葉の里を作った初代火影なんて里を運営する為にいいことをしよう!と色々と後先考えずにやって、相談役の後の二代目火影に色々と怒られてたって話だ」

 

 始めての本当の命のやり取りで全く動けなかったナルトと本当の命のやり取りでゲロを吐いた俺。

 どっちもこれから戦わないといけない相手の事を考えればビビってしまうだろうがそれでも迷いなくタズナさんの任務を受ける。落ちこぼれのナルトがあんな行動をして俺がこんな事を言った以上は引くに引けないとサスケもサクラも任務を続けることを受け入れた。

 

「人間、バカになって人を救えか……そうだな。タズナさん、我々はこの任務を続行します。しかし依頼料の問題と依頼内容について虚偽していた事から我々以外の支援は一切受け入れられません」

 

「カカシ先生、さっきの忍、霧隠れの忍だから水の国に貿易関係の話があるから引き受けるの止めてってのは?」

 

「無理だな……ガトー自体をどうにかしなきゃならない。ガトーは金を持っていて、波の国には忍はいない。霧隠れが無理と断れば霧隠れ以外の忍を雇う。それこそ忍の力が低い五大国以外の忍を雇ってガトーが支配下に置いた波の国の領土を寄越せよと……そういう話になってくると、俺等だけじゃどうにもならない。外交問題に発展する」

 

「あ、後で火影様達に怒られない?」

 

 外交問題に発展するとか思っていた以上に事態が深刻である事が分かり顔を青ざめるサクラ。

 この問題を無事に解決する方法は1つ。

 

「俺等がおっさんを守って、おっさんは橋を完成させる……それ以外に道はねえ」

 

「……超すまん……」

 

 サスケがこの任務を無事に問題無く終わらせる唯一の方法を言えばタズナのおっさんは謝った。

 空気が重く感じ……サスケとナルトが警戒心を最大限に剥き出しにしている。

 

「こらこら、そんなに殺気立ってたらダメでしょ……」

 

「霧隠れの忍が失敗したから、次はそれなりの奴が来るっすよ?」

 

「なーに、その辺のチンピラならお前が倒せるし忍でも余程の奴じゃなきゃ負けないよ」

 

 あ、チンピラをボコるのは俺で確定なんだ。さっき物凄くゲロを吐いたのにカカシ先生こういうところ厳しい。

 ナルトとサスケの警戒心を解いた後に波の国に向かって歩く……火の国の国境とかに来たが特に忍が襲ってくるとかは無くなんだかんだあり波の国に入ることになった。

 

「波の国っつーより、霧の国ってばよ」

 

「おい、声を出すんじゃねえ。ガトーに見つかるだろう」

 

 普通のルートを通ればガトーに見つかるからと船で波の国に入る……密入国とも言えるし密入国とも言えない。

 霧が濃いからナルトが波の国じゃないことを言えば船の運転手が声を出すなと……ガトーに怯えながらも、タズナのおっさんに協力してくれてるから良い人だな。

 

「最初はどうなるかと思ったけど、なんとか波の国に入れたわね……あの霧隠れの忍だけで終わりなのかしら」

 

「それならそれでいいんだけどな」

 

「いや、こういう時こそなんかあるってばよ!……そこぉ!!」

 

 序盤に色々とあったがそれ以外は特になにもなく波の国に入ることが出来た。

 サクラも最初の辺りは警戒していたが、なんにもないなと警戒心をオフにしている。霧隠れの忍だけで終わりとなればそれで構わねえが原作知識的に無理!

 

 ナルトはこういう時こそなんかあると言った後に手裏剣を投げた……兎が出てきた。

 

「なんだ、ただの兎か」

 

「なんだじゃないわよ!!ビビらせんじゃないわよ、このバカナルト!!」

 

「「「……」」」

 

「お前さん、元気があるのはええことじゃが心配させることをせんでくれんかの?」

 

 兎は文字通り脱兎の如く高速で逃げていった。

 ただの兎だったのかとナルトはホッとしていれば話を大きくしている事をサクラは指摘してキレている。と言うか手が出ている。タズナのおっさんも余計なことをするなと言ってくる。

 

「辰五郎」

 

「ええ、まぁ……つか、俺?」

 

「おい、カカシ。俺も分かってんぞ」

 

「お前等纏める役は辰五郎が良いなと思っててな……」

 

「いやそれ、カカシ先生の仕事!」

 

 ナルトが炙り出した兎が人に飼育されていなければなっていない体毛の状態だった兎だった事にカカシ先生もサスケも俺も気付いている。

 カカシ先生がそろそろ出てくるだろうなと読んでいる……と言うか普通に考えてタズナのおっさんを狙うチャンスはここから1か月ぐらいあるわけで、波の国でスタンバイしてた方が確実性が上がる。

 

 カカシ先生は俺に気付いているかの確認をすればサスケも気付いていると答えた。

 サスケじゃなくてなんで俺に確認なの?と聞いてみれば、カカシ先生の中じゃ3人を纏めるのは俺の役割になっている。カカシ先生が下忍を一人前に育てる担当上忍になるの初めてでその上でカカシ先生と時代が異なったりするから俺に丸投げって酷くない?

 

「ほぉ……あの兄弟が失敗に終わったからにはなにかあるとは思っていたが、まさかこんな大物が護衛についているとはな」

 

「あれは……よーし」

 

「待てナルト……最初のミスをフォローしようってのはいいが、流石にアレは不味い」

 

 もうすぐでタズナのおっさんの家に辿り着くというところで木の上に1人の霧隠れの忍がいた。

 ナルトは最初のミスをフォローしようと戦おうとするがカカシ先生が止めた。

 

「俺の事を知ってくれているとは光栄だな」

 

「カカシ、知ってるのか?」

 

「あいつは桃地再不斬、霧隠れの里の抜け忍で霧隠れの宝である忍刀の一振りを持ち逃げした男……ビンゴブックに載ってるぐらいには有名な奴だ。お前等じゃ相手にならない」

 

「そういうお前も写輪眼でその名を轟かせた写輪眼のカカシだろう」

 

「写輪眼、だと?」

 

 霧隠れの忍……いや、抜け忍だから霧隠れから出て行った無所属の傭兵擬きの忍だな。

 桃地再不斬の事を知っているぞとカカシ先生が言えば桃地再不斬もカカシ先生について知っている。写輪眼のカカシと言うカカシ先生の異名を出せばサスケが反応を示した。

 

「相手が忍である以上はそれなりに覚悟していたが……まさか写輪眼をいきなり使う羽目になるとはな」

 

 カカシ先生は今まで額当てで隠していた左目を見せる。

 通常とは異なる目で、写輪眼でサスケが驚いている。だがそんな事は知ったことじゃないと再不斬は印を結ぶと周りが濃霧に包まれた。

 

「お前等!タズナさんを中心に四方に囲め!再不斬の相手は俺がする!」

 

「だが、カカシ」

 

「お前等が挑んでいい相手じゃないんだよ!……なに、俺はお前等を死んでも守るさ」

 

「カカシ先生の言うとおりにしろ!と言うか今の俺等じゃ本気のカカシ先生の足を引っ張る!」

 

 カカシ先生が再不斬の相手をすると言えばサスケが動こうとする。

 カカシ先生は再不斬の相手は無理とハッキリと断言した後に笑みを浮かべたのでここはカカシ先生に任せるしかないが……水龍弾の術をぶつけ合ったりしたが、最終的には水分身の術にハメられて水牢の術に捕まった。

 

「辰五郎!」

 

「カカシの野郎……お前等、やれるな?」

 

「ああ……サクラちゃん、チームワーク、捕まったカカシ先生を助けるってばよ」

 

「タズナのおっさん。こうなった以上は多少は腹を括ってくれ……」

 

 自分が捕まった時点でゲームオーバーで逃げろという意味を込めて俺を名指しで呼ぶカカシ先生。

 カカシ先生が捕まって焦ってはいるがここで勝手に動いたとしても負けるという事はカカシ先生を相手にして学んだことだ。戦う覚悟を決めた。

 

「影分身の術!」

 

「下忍の癖に影分身の術が使えるのか……だが、お前じゃチャクラの無駄使いだ」

 

 ナルトが影分身の術を使ったので再不斬は驚いた。だが直ぐに状況を判断した。

 分身のナルトが突撃をすれば再不斬は足技だけでナルトの分身体を破壊したので俺は刀にチャクラを纏う。

 

「風遁 蒼破刃」

 

 風に性質変化させたチャクラの刃を飛ばす。

 目に見えない風の刃だからいけるか?と思ったが、愛刀である首切り包丁を盾にして防いだ……やっぱただの風遁での鎌鼬攻撃じゃ難しい。

 

「こんな濃霧の中じゃ見えない風の刃なんざ逆に見えるんだよ小僧……下忍にしては高レベルだが所詮は下忍レベル……テメエ等を見ていると思い出すな。血霧の里と言われていた霧隠れを」

 

「風遁 蒼破刃乱舞!」

 

「刀の動きで弾道ぐらい読めるんだよ!」

 

「だったらコイツはどうだ!」

 

 無数の蒼破刃を飛ばす蒼破刃乱舞を使うが飛ぶ斬撃なので刀の動きからどういう風に斬撃が飛んでくるのがが読めると言い全て対処する。

 蒼破刃乱舞が通じないのはちょっとショックだったが、仕込みは既に済んでいるとサスケとサクラが二手に分かれて風魔手裏剣を投げた。再不斬は首切り包丁で1つを弾きもう1つを弾こうとすればボンっと煙を立てた。

 

「なに!?」

 

「血霧の里だかなんだか知らねえがな、木ノ葉の里の忍を舐めんじゃねえ!!」

 

 風魔手裏剣に化けていたナルトが再不斬に向かって拳を叩き込んだ。

 いい拳が入ったが再不斬を倒すことが出来なかった。だが……カカシ先生を拘束している水牢の術を解除するには充分だった。

 

「よくやった、お前等」

 

「なっ!?カカシ、貴様」

 

「まったく、演習の時はこれっぽっちも連係なんて無かったのにな……チームワークが見事で嬉しいよ俺は。お前等が頑張ったんだ。ここで一気にケリをつけさせて貰う」

 

 下忍の俺達では到底使えないであろう高度な忍術をぶつけ合うカカシ先生と再不斬。

 カカシ先生は写輪眼と持ち前の頭脳を用いて再不斬の動きを先読みして精神的にも誘導し着実に追い詰めていった、その時だった

 

「ぐぅ!?」

 

「誰だ!?」

 

 再不斬のもとに針が飛んできた。

 首のところに綺麗に刺されば再不斬は荒ぶっていた闘志の様なものは消え去り、濃霧も消え去った。針が何処から飛んできたのかがサスケには見えていたので飛んできた方向をみれば木の上に面をつけた奴がいた。

 

「お前は……霧隠れの追い忍か」

 

「申し訳ありません。相手が相手だけに貴方達を利用させて頂きました」

 

「お、お前、誰だってばよ!?」

 

「アレは追い忍……再不斬は霧隠れの里から出て行った忍だ。抜け忍が出て行った先で水の国に関する情報を喋ったりしない為に口封じする霧隠れの里から派遣された忍だ」

 

「忍って、俺達と変わんねえじゃねえか!」

 

 霧隠れの追い忍だなと判断すれば謝罪をしてくる。

 追い忍ってなんなの?以前に面をつけている奴について全く分かっていないので説明をしてやればナルトは自分達と大して変わらないという。

 

「桃地再不斬、死亡確認」

 

「死亡確認って、首を取らなきゃダメだろう……再不斬は霧隠れの宝である忍刀を持っていった。死体には価値は無く、俺の蒼破刃を余裕で受け切るその刀が価値あるんだろう」

 

「他所の里の下忍達の前でその様な酷いことはしませんよ……失礼します」

 

 首を取れと言えば首を取らずに再不斬の遺体を回収して追い忍は消えた。

 

「あの追い忍……ずっと俺達の近くに居たのか……クソっ」

 

 追い忍の僅かな言動からずっと自分達の近くに居たものだとサスケは気付いた。

 あの追い忍が自分と年齢が然程変わらないが、実力には大きな差があるのだと感じ取って悔しそうにする。

 

「ま、まぁ、なんじゃ……あんなスゴい忍が倒されたからコレで少しは安心じゃの!」

 

「そうですね。再不斬は確かに死んでいた……タズナさんの仕事の事を考えればガトーが如何に金を持っていてもあのクラスの忍は早々に雇え、ない……」

 

「カカシ先生!?」

 

「す、すまん……久々の本気の戦闘でまともに動けない」

 

「……その写輪眼とスゴい忍術を使ってスゴいって思ったけど、そんなんじゃ情けないわね」

 

「あはは……いやぁ、面目無い」

 

 久しぶりに写輪眼を用いての本気の戦闘をした結果、カカシ先生は倒れた。

 意識はあるけれども体が思うように動かない。再不斬は追い忍に取られるし自分はぶっ倒れたのでサクラはカカシ先生を情けないと見た。取り敢えずカカシ先生を背負えるのはタズナのおっさんだけなのでタズナのおっさんが背負った。

 

「あの追い忍……辰五郎、お前はどう思う?」

 

「殺した証なら首だけでいいのに丸々持ってったから……終わってない可能性高いですし、そもそもでタズナのおっさんの橋作りがまだ開始してなくて今からガトーの刺客と戦わなきゃならない可能性が」

 

 最後にいきなりポンッと現れた追い忍に対して疑問を抱いているカカシ先生は俺に意見を求めてくる。

 首を持っていかなかった事に対して疑問を抱いているし、そもそもで今やっとタズナのおっさんを建築現場に届ける事に成功したんだと言えばカカシ先生はそれもそうかと納得した。

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