忍の世界とか割と詰みである   作:こうすけ増田劇場版

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「む?」

 

「ふむ、この感じ……穢土転生の術か」

 

「おい、辰五郎!どういう事だ!お前はなにを狙っている、そいつはどう見ても初代火影と二代目火影だろう!」

 

「ふふふ、驚いているわね。この術は穢土転生の術、死んだ人間を呼び出す術よ」

 

 なんとかここまで持ってくることが出来た。

 大蛇丸の穢土転生の術で現世に一時的に舞い戻った初代のおっさんと卑劣様……サスケは理由を説明しろと言っている。

 

「身体は縛られているが、会話は出来る状態……ワシ等から情報を聞き出すつもりか?」

 

「ええ、そうです。なにやら面白い情報があるみたいでしてね……つまらない話だったら、どうなるか分かっているわよね?」

 

 低スペックの穢土転生だが俺を殺すぐらいのスペックは持っている。

 つまらない情報を出したのならばその時点で初代のおっさんと卑劣様を使って殺しに来る……さてと、ここを頑張らなきゃならんな。

 

「ああ……サスケ、お前の野望の1つである復讐したい相手、うちは一族を皆殺しにした犯人についてだ」

 

「なんでテメエがそれを」

 

「アホか。お前の自己紹介と殺したうちはイタチとお前以外は文字通り殺されてんだから幾らでも情報漏洩するし答えに辿り着くわ!」

 

「なに?うちは一族が壊滅状態だと!?」

 

「うちはの者がうちはを殺したか……何れはそうなると思っておったわ」

 

 うちは一族が壊滅状態であることに驚く初代のおっさん。

 殺したのがうちはイタチとあえて名前を出したことで卑劣様はそうなることについて分かっていたと言わんばかりの口振りをしている。

 

「うちはがうちはを殺すことがおかしくないとはどういうことだ!!」

 

「扉間よ、言葉を選べ!」

 

「兄者よ、言葉を選んでいるからこう言っているのだ……穢土転生で死んでいる者を蘇らせるにしても、それは死んで直ぐの人間でなければ生きた情報は無く価値が無い!ワシ達の様に過去の遺物となっている人間ならば穢土転生の術を用いて兵器として戦わせる、本来とは遠く及ばん状態ではあるがそれでも今の状態でもそれなりの力はある……辰五郎と言ったな、ワシ達からなにを聞き出すつもりだ?」

 

「頭の回転早すぎんだろ卑劣様」

 

「……卑劣様は止めろ」

 

「あんた、この術を開発して情報を聞き出すだけ聞き出して帰還させた後に爆弾として爆発させてたりしただろうに。初代のおっさんが火影として色々とやってる横でそこそこ陰険、いや、卑劣な事をしてたって記録は残ってるからな」

 

「確かに、尾獣を他国に渡す時に文単位まで額を交渉しておったからの」

 

「尾獣をタダで譲ろうとした兄者が言えることではなかろう!!」

 

 卑劣様呼びをすれば卑劣様呼びをやめろと言うが、あんたの陰険な記録はハッキリと残っている。

 卑劣様が卑劣かどうかと考えれば初代のおっさんは言われるだけの事はしているなとは納得をしているが、尾獣をタダで売ろうとした件については初代のおっさんが悪い。

 

「うちはがうちはを殺す事についておかしくない事についてだが、うちはの小僧。貴様はうちはマダラを知っているか?」

 

「……嘗て初代火影と互角に渡り合えて、初代火影によって殺された男だ」

 

「ならば、聞くが何故マダラと兄者が戦ったか知っておるか?」

 

「それは…………」

 

 初代のおっさんと互角に渡り合えるマダラについて知っているが、マダラと初代のおっさんが戦っているかどうか聞かれたら答えられなかった。

 

「初代のおっさんとうちはマダラが戦った跡地、終末の地が出来た時と木ノ葉の里が生まれた時系列が合わない」

 

「合わないのも無理は無い……戦乱の世、俺が率いていた千手一族とマダラが率いていたうちは一族が手を組み、そこから他の一族も協力し最終的には木ノ葉の里が生まれた。マダラは俺が火影になってから少しして出て行った……マダラはなにやら野望を抱いており、木ノ葉に仇なす者として俺が火影として戦った」

 

「うちはの者は歪んだ思想を持ちやすい……マダラが何をするかは知らないが、マダラの様な思想を持った者が何れは出てくると踏んでおった……まさか、一族を皆殺しにするとはな」

 

「いや、そこが少し違う……初代のおっさん、卑劣様……あんた達なら可能だろうけども普通のうちは一族が戦いの痕跡を残さずに半日数十人ものうちは一族を全滅させる事は出来るか?」

 

「……ワシ達ならば戦いの痕跡を残してもいいのであれば可能、だが痕跡が残らないのであれば無理だ。その当時のうちは一族については知らんが任務を受けて里以外の何処か別の場所に居るうちは一族も居る。半日で全滅は到底不可能だ」

 

「なにが言いたい!!」

 

「うちは一族が住んでいた地域……戦いの痕跡が全くと言って無い。それに卑劣様の言うように任務を受けているうちは一族も居るのに、何故かサスケ以外のうちは一族は都合良く里に全員居てイタチが皆殺しにした」

 

「…………」

 

 言われてみれば確かに、と言う顔をしているサスケ。

 ここからどういう風に答えるべきかと考えていれば卑劣様が口を開いた。

 

「うちは一族を皆殺しにした実行犯とは別に誰かがいる。お前以外に皆殺しをしたというのならば、そうなる様に任務を調整している上役の者が…………だが、腑に落ちん」

 

「なにがだ!?里の為に尽くしていたうちは一族を殺したのは紛れもなくイタチだ!俺はこの目で見た!」

 

「そうではない。うちは一族を殺さなければならない理由だ……上役の人間が殺すことを認可したのであれば、うちは一族に何かしらのトラブルがあったに違いない」

 

 卑劣様の頭の回転速度ホントに早い。

 うちは一族を殺さなきゃならない原因を作ったなにかがあると予想した……

 

「初代のおっさん、確かあんたが九尾を木ノ葉に持ち込んだんだよな?」

 

「正確に言えばマダラを倒した時にの」

 

「その九尾はどういう風に扱っている?」

 

「九尾以外にも尾獣と呼ばれる8体の獣がおる……最初の五影会談で五大国のパワーバランスを維持する為、和平の証として集めた尾獣を売った。数の都合や風影が別の物を要求してきた為に1体は滝隠れに売った。他の里もおそらくは同じ事をしているであろうが木ノ葉では尾獣は人に封印をしている。人柱力だ」

 

「……最初の人柱力は誰だ?」

 

「俺の妻のミトだ!」

 

「……………明らかに合わない」

 

「おい、話が脱線していっているだろう!」

 

「いや、合っている。着実にゴールに向かっている……初代のおっさんの妻のミトさんと今、九尾が封印されているそこで寝ているナルトとの間に空白の期間がある」

 

 段々と話が脱線していることを指摘するサスケだが少しずつゴールに向かっている。

 最初の人柱力のミトさんが死んだ日とナルトが生まれた日をどういう風に考えたとしても空白の期間がある。

 

「ならば簡単だ。そこのナルト言う少年とミトの間にもう1人、人柱力がいる!」

 

「……大蛇丸」

 

「ええ、その考えは合っているわ……でも、それがどうしたのかしら?」

 

「しらばくれやがって……俺達が親の腹の中に居る時かまだ生まれて間もない頃に九尾が里の中で暴れ、そしてナルトに封印された」

 

「九尾がチャクラを経由して人柱力を暴走させることはあるが、封印している九尾そのものが外に出ることなどありえんぞ。その者が女で子を産む時に封印は弱まるだろうが、ミトの時もなんとかなったぞ」

 

「九尾が実際に現れたとなれば誰かが意図的に人柱力の封印を解放した……しかし、封印を解放したとしても九尾は暴れる。言うことを聞かせるには兄者か写輪眼を持った者でなければどうにもならん」

 

 ナルトとミトさんの間にもう1人、人柱力が居ること。その人が出産の時は封印がとなるが、なんとかなった。

 そう考えれば解放したと答えが行き着いて、言うことを聞かせる方法の1つ。写輪眼があるのだと卑劣様は辿り着く。

 

「……うちはの誰かが九尾の事件を引き起こした?笑わせるな、それこそなんの為にだ?」

 

「うちはマダラの野望の為とか?」

 

「辰五郎、なにを根拠に言っている!うちはマダラは初代火影が倒した!」

 

「……マダラそのものを殺したとしても意味は無い。マダラと同じ思想に至るうちは一族はいる。それこそ、戦争の道具に」

 

「扉間よ、それだけはありえん!道こそ違えてしまったがマダラも俺と同じで戦乱の世を嘆いていた!マダラがなにをしようとしているかは知らぬが、複数の国を相手に戦争を仕掛けて力による恐怖の支配だけは絶対にせん!」

 

「……おい、真意を聞き出したいならマダラをこの術で呼び出せば終わらないか?」

 

 マダラが何かしらの野望を抱いていたが、その野望の詳細については知らない。ただし戦争関係じゃないと初代のおっさんは否定する。サスケは真意が分からないのでマダラを呼び出せばそれで分かるんじゃないのかと最もな意見を述べる。

 

「残念だけど、この術を使うには呼び出したい人の遺伝子情報をある程度持ってないといけないわ……二代目様ならば持っているかもね」

 

「…………兄者よ、流石に通せぬぞ」

 

「……マダラは俺がこの手で倒した。息の根はしっかりと止めた……だが、マダラの遺体が誰かに持ち去られた。故に扉間も持っておらん」

 

 うちはマダラを穢土転生すればいいとなるが、卑劣様が遺伝子情報を持っていない事やマダラの遺体が無いことを言った。

 それを聞いた大蛇丸は驚いたが割と直ぐに納得をした。

 

「どうりで探しても探しても見つからないはずね……」

 

「大蛇丸、ワシ達をこの術で呼び出したということは……罰当たりな奴め」

 

「術を作った卑劣様が言ったらダメでしょうに……遺体が無くなったって事はマダラに協力者が居たと考えたら」

 

「いや、それは無い……あの時のマダラは孤立無援の状態だ。詳細は省くが当時のうちは一族から見放されており里を抜けたのだ」

 

「適当な人間に写輪眼で自分が死んだら今の2人みたいな感じになる術を使うように細工したとかは?」

 

「その線もあるが、その場合だと兄者やワシが死んだ後に大々的に活動を開始している筈だ……仮にマダラが生きていたとして、今の今まで活動をしていなかった理由が分からん」

 

「仮に生きていたとしても老衰寸前の老いぼれよ」

 

「火影の羽織の刺繍してる婆さん、普通に生きてるけど?」

 

「……まだ生きておるのか」

 

 輪廻眼に開眼したこととかを言えばどうにかなるにはなるがその場合だと色々と怪しまれるしロクなことにならん。

 卑劣様は物凄く頭のキレがいいので気付く可能性がある……味方側も騙さなきゃいけないのはキツいが、ゴールテープは目に見えている……

 

「何かしらの形で生きていたと仮定して、大蛇丸が生きていたら老衰寸前の老いぼれと言う意見と卑劣様がうちは一族の誰かがマダラと同じ思想が出るって意見と初代のおっさんがマダラは戦争関係を否定する意見から考えて……ジジイになったマダラが全く無関係な第三次忍界大戦の戦争の地獄を見たうちは一族の誰かに接触した。戦争中ならばどさくさ紛れに死亡扱いとか色々と出来るし精神的にも不安定になってて……そこでうちは一族の誰かがマダラの意見に賛成してマダラの意志を継いで九尾を従えようとしたが失敗に終わった……」

 

「……兄者が殺した筈のマダラが生きている点を無視すれば辻綱は合う」

 

「初代様と二代目様の火影羽織に刺繍を入れた婆さんがまだ生きているのならば、うちはマダラは生きている可能性がある……しかも、うちはマダラ以外にも最低でも1人はうちは一族の誰かが居る可能性が高い……いいわねぇ……」

 

 取り敢えず、ここまで誘導することは出来た。

 大蛇丸にどっかにうちはマダラとうちはの誰かが居るという無駄にデカい情報を渡してしまった。

 

「じゃあ、なんだ……そのうちはの者が九尾を解放したから一族は……」

 

「あくまでも仮定の話。限りなくありえるだけで証言も物的証拠もなにもない。如何に可能性が高くとも疑いだけで一族を皆殺しになど流石にせん……おそらくは里の方針に対して不満を抱いていた里に居たマダラ分子がなにかを企んでいる。サスケよ、一族の皆殺しが起きるまでに不可解な事はあったか?」

 

「…………急に行方不明になったうちは一族や怪しげな会話はあった」

 

 卑劣様の発言で怪しい事が何個かあったのだと思い出すサスケ。

 プルプルと震えているが……

 

「うちは一族の人間を全員、里の内部に滞在させるには任務を調整する上役の誰かの力がいる……うちは一族を殺したのはイタチだけじゃない」

 

 取り敢えず答えだけを出した。

 どうして俺を殺さなかったんだ!と言う事について震えるよりも、共犯者が居たという事についてサスケは怒りの感情と同時に殺意を放っている。

 

「辰五郎、と言ったな。そもそもで何故この様な話をしようと思った?」

 

「うちは一族の跡地の痕跡がおかしいと感じて、色々と考えたけれども答えに辿り着くピースが足りない……けど、それでも上役の誰かがうちは一族の皆殺しの共犯者なのが分かった。上役の内の1人が初代のおっさんと卑劣様を呼び出したそこの大蛇丸レベルにヤバい奴として忍の世界じゃ有名で、意図的に人柱力を迫害する政策を取ったり、俺を使い捨ての駒にしようとしたりで…………物的証拠もなんにも無いし所々抜け落ちていてロジックが合わないし説明が出来ない部分もある。上役の誰が共犯者か分からんから、初代のおっさんと卑劣様ならうちは一族が隠しているなにかを知ってる……色々とあるけれど、一部の上役を殺す大義名分が欲しいからあんた達を呼び出した」

 

「貴様……」

 

 色々と甘いところはあるが1つの答えに辿り着いたが、卑劣様はそもそもでなんでこういう話をしていると聞いた。

 本音を言えばサスケの時計の針を進めることだがそれを言うに言えないので、上役の一部が大嫌いで殺す為の大義名分が欲しいと言えば圧を感じる。

 

「今の火影は誰ぞ?」

 

「初代様、申し訳ありませんがここまでです」

 

「待て!この事件はマダラが関わっているのであれば、今のワシ達と同じ状態に近いのであれば見逃すわけには……っく」

 

 初代のおっさんが今の火影は誰かを聞けば大蛇丸は印を結んだ。

 穢土転生の術を解除する印であり、仮染めの肉体から魂があの世に戻ろうとする。卑劣様がマダラが関与している事件で下手すればマダラはまだ生きていると考えたので見逃せないとなり動こうとするが大蛇丸に動きを封じられており、穢土転生の契約解除が出来なかった。

 

「それで、価値はあったか?」

 

「ええ……もしかしたら何処かにうちはマダラが居るかもしれないし、居ないなら居ないでうちはマダラの遺体があるし、サスケくんとイタチ以外にもまだうちは一族が生き残っている事もある。サスケくんにマーキングは既に済ませてあるから……出来れば貴方もマーキングはしたいけれど、約束は約束よ」

 

 うちはマダラの遺体が何処かにある事やうちは一族の生き残りが他にもまだ居る事についての情報を掴ませる事が出来たので、大蛇丸はこの死の森ではこれ以上は干渉しないと見逃してくれた。

 

「……辰五郎、どうやらイタチだけが犯人じゃないのは確かな様だな」

 

「ああ……でも、イタチが殺したのは事実だ。お前はそれを糧に修業を積んでいる。上役を殺すのはともかく、イタチはお前がどうにかしてくれ……」

 

「……ああ」

 

 取り敢えず、これが今のところ出来る俺の頭で出来る俺なりの最大限の動きだ。

 ナルトとサスケに対して干渉出来ることと言えば後はダンゾウを殺すことや五代目が眠っている間に火影代理で動くことになるカカシ先生のフォローぐらいだろう

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